企画展「葛籠尾崎湖底遺跡−深湖に眠る水の宝−」 [2020年09月21日(Mon)]
長浜城歴史博物館(滋賀県長浜市)で,
企画展「葛籠尾崎湖底遺跡−深湖に眠る水の宝−」を開催しています. □ 主 催:長浜市長浜城歴史博物館 □ 会 期:2020年9月5日(土)〜10月18日(日)まで □ 会 場:長浜市長浜城歴史博物館2階展示室 □ 開館時間:9時〜17時(入館は16:30まで) □ 入館料:一般 410円 小・中学生200円 葛籠尾崎湖底遺跡(つづらおざきこていいせき)は,琵琶湖北部に位置する湖底遺跡です. 今から106年前の1924(大正13)年に地元漁師が土器を引揚げたことで知られることとなった湖底遺跡です. その後,多くの土器が引揚げられ,その時期は縄文時代早期から中世と多期にわたり, しかも完形品を多くふくんでいます. 土器の引揚げられた水深は10〜70mにおよびます. 遺跡の性格や成因については,現在も明らかにされていません. 深い水深も影響して,長らく考古学的な詳細調査はなされていませんでしたが, 近年,立命館大学が海洋機械工学との協同で詳細考古学調査をおこなっています. 葛籠尾崎湖底からの引揚げ遺物は,ほとんど散逸することなく,地元に残されてており, 現在は遺跡近くの尾上公民館に設置された葛籠尾崎湖底遺跡資料館(長浜市湖北町尾上)に大半が保管され,一部は展示されています. 「土器を自分たちの手で守る」という地元の方々の意識が反映された結果です. 同じ湖底遺跡でも,日本の「水中考古学」の端緒となった諏訪湖底曽根遺跡(長野県諏訪市)の引揚げ遺物の多くが散逸してしまっていることとは対照的なことです. この地元の方々の意識に見られる遺物の散逸防止に尽力されたのが, 日本の「水中考古学の父」とされる小江慶雄(おえよしお.湖北町尾上出身)です. 企画展では,小江の功績についても紹介をしています. 遺跡の詳細については,次のサイトでわかりやすくまとめていますのでご覧ください. https://www.city.nagahama.lg.jp/section/kyouken/junior/category_01/01_kodai/remains/tsuzura.html?fbclid=IwAR0eDajRDkfQ1o9T8ZUq5BB9u6pBH3ujgRj38CD4o2VzUplD0CH2XHPKMnI また, 星野之宣『宗像教授異考録』第十四集(2010年.小学館) に,遺跡を題材とした作品が掲載されています. https://www.amazon.co.jp/%E5%AE%97%E5%83%8F%E6%95%99%E6%8E%88%E7%95%B0%E8%80%83%E9%8C%B2-14-%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB-%E6%98%9F%E9%87%8E-%E4%B9%8B%E5%AE%A3/dp/4091836038/ref=tmm_other_meta_binding_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=1600651838&sr=8-7 現在,葛籠尾崎湖底遺跡資料館は常時開館はしていないようなので, 遺跡から引揚げられた遺物や遺跡の詳細, 小江および地元の方々の遺跡保護の経緯を知るを知ることのできる良い機会と思います. 企画展の詳細については,長浜城歴史博物館のH.P.で確認してください. https://www.city.nagahama.lg.jp/section/rekihaku/?fbclid=IwAR0TSW4kcG3ak7ipq3EP-cd32_O769t6HsYYqIUZbOl66j2gwSnTcLC4Kjk |