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犬山城 (01/22)
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明けましておめでとうございます  2冊の「海底遺跡」MOOK [2014年01月03日(Fri)]
明けましておめでとうございます.
今年もよろしくお願いいたします.

今年最初の話題です.

昨年末、宝島社から『海底の神秘と謎』(別冊宝島2014)が刊行されました。
「海底遺跡」を話題とした一般向けの本、MOOKです。
豊富な写真や絵とともに興味をそそる文章が「海底遺跡」への興味を導く内容となっています。
すでに読まれた方もいらっしゃることかと思います。

日本と外国の「海底遺跡」が紹介されています。
これまで、この手の本では紹介されることのなかった「本物」の「海底遺跡」も取り上げられていますが、
国内では「与那国海底遺跡」や「熱海海底遺跡」(私たちが調査した「初島沖」ではありません)も相変わらず取り上げられています。
両者ともに、考古学・歴史学的には決着しているのですが。
また、内容には事実誤認が多く見られます(多すぎですし、確信犯的?と思わせる部分もあります)。
とくに、「熱海海底遺跡」では使われている写真は、すべて関係のない「初島沖」もの。ひどいです。
全体には「興味」としての「海底遺跡の謎」にスポットをあてたもの、
ノンフィクションとフィクションが混在しているような内容、
「水中」に関して「事実」をきちんと伝えたものではありません。
「面白い読み物」ですが。
この点を差し引いて、読んでみてください。

ただし、東京海洋大学の岩淵先生とARIUAの石原事務局長のインタビュー記事が掲載されていることは、
これまでのこの種の本では見られなかったことです。
日本の「水中」をめぐる現状や問題点が指摘されています。
とくに、石原さんの記事は、ARIUA活動紹介とともに現状・課題・展望がわかりやすく,整理されています。

手元にもう一冊「海底遺跡」を話題とした同じような一般向けの本があります。
GAKKENから2000年に刊行された『世界海底遺跡の謎』(ムー謎シリーズVol.16)です。
13年前に刊行されたもので、やはりテーマは「謎」です。
同じように、国内外の「遺跡」を紹介しているのですが、メインは「与那国」。
時期としてはしょうがないですかね。
そして、それに呼応するかのように、
「ムー大陸」や「超古代文明」などの「ことば」が踊っています。
完全な「面白い読み物」です。

これと比較すれば、『海底の神秘と謎』は、インタビュー記事があることからも、少しは「水中」を興味の対象のみならず、アカデミズムの対象としとらえているのかもしれません。

これが、13年を経た国内での「水中」にたいするとらえ方の「変化」でしょうか?
そうでしたら、いいのですが。

しかし、まだ「与那国」が取り上げられている事実、
これは、まだまだ「水中」が「興味」の対象として扱われていることをしめしています。

2冊の本をとおして、少しは「理解」が深まったかな、と思うとともに、
まだまだ、「周知」は必要。
やるべきことはたくさんあります。
10年後には、「事実」を伝えるMOOKが刊行されるように。


最後に、『海底の神秘と謎』の石原さんのインタビュー記事から、
「水のなかというのは、時として錯覚させられやすい環境です。つまり、自然にあるものがあたかも人工物のように見えてしまいがちなんです」。

そろそろ「与那国」は、払拭しましょう。
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