『第2回日韓共同水中考古学研究会』のようす(後半) [2010年09月17日(Fri)]
日本財団助成事業・2010年度「海の文化遺産総合調査プロジェクト」調査報告会
第4回『水中文化遺産と考古学』シンポジウム 第2回日韓共同水中考古学研究会 後半(午後)のようすです。 午後は、4本の発表です。 最初は,韓国側・金炳菫さん(国立海洋文化財研究所)の 「水中発掘の高麗船舶の構造と時代区分」です。 韓国でこれまでに水中あるいは海辺で発掘調査された7隻の高麗船舶について その船体構造および年代、編年について発表されました。 日本では検討できる資料がない分野ですので、 発掘船体から導き出される情報およびその分析成果について興味深く聞きました。 発表する金炳菫さん 続いて、日本側・田中克子さん(ARIUA会員・福岡市教育委員会)の 「長崎県五島列島小値賀における日宋交易に関する一考察−前方湾海底遺跡調査の成果より−」です。 ここ数年、ARIUAが主体となって発掘をともなう調査をおこなってきた 小値賀島・前方湾海底遺跡の調査成果のうち、 出土貿易陶磁器からみた交易活動の可能性について報告されました。 発表する田中さん 次は、韓国側・魯京正さん(国立海洋文化財研究所)の 「忠南泰安郡馬島の沖における水中発掘調査の概要」です。 高麗・朝鮮時代に海上交通の要所であり、難所であった忠清南道泰安郡近興面泰安馬島の周辺海域での調査の概要・成果について報告されました。 日本の多く海域と同様に視界の悪いなかでの船体・積荷・船具の調査のようすを写真やテレビ映像で紹介していただきました。 発表する魯さん 最後は,韓国側・金尹姫さん(韓国文物研究院)の 「海底遺跡出土高麗青磁の現況と特徴」です。 韓国の海底遺跡から出土した高麗青磁の現状や特徴について説明され、 高麗青磁研究における有効性・重要性を報告されました。 発表する金尹姫さん 以上、当日のようすでした。 皆さん、お疲れさまでした。 |