小値賀島海底遺跡調査のようす #5 [2009年09月06日(Sun)]
小値賀での調査は、今回で7回目となります。
調査ごとに、新しい知見が得られています。 その中には、まだ解決できていないことも多くあります。 たとえば、前方湾海底遺跡の調査で出土した陶磁器が、 なぜ、海底にあるのかは、 結論はでていません。 沈没船にともなうものなのか、 立ち寄った船が積荷を何らかの要因で捨てたものなのか。 また,同時期の中国陶磁器と国産土師器が、 なぜ、一緒に出土するのか、などなど。 ![]() 検出された中国陶磁器 ![]() 検出された国産土師器 遺跡の調査は,陸上でも同様ですが、 広い遺跡のごく一部を対象としているにすぎないので、 簡単には結論がだせません。 これまでの仮説が、ひとつの遺物(土器など)が出土したこにより、 見直さなければならいことも多々あります。 考古学では,とくにひとつひとつの小さな事実の積み重ねが必要で、 重要なことです。 これは、水中でも,陸上でもかわりはありません。 ![]() 船上での調査員 |