みなと-湊・港・水門 [2008年12月28日(Sun)]
「港(みなと)」は、「船舶が安全に停泊できるようにした所」(『大辞林 第三版』)です。
この「港」、別の漢字で「湊」とも書きます。 もちろん、意味は同じです。 『古事記』や『万葉集』という古代の文献では、「水門」と書いて「みなと」と読む語がみられます。 文字通り、河口や海の出入り口を指すもので、「港」の語源とも考えられており、文脈から「港」そのものと考えられるものもあるそうです。 また、平安時代の辞書として知られている『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』には、「津(つ)」・「済(わたり)」・「泊(とまり)」という「港」に関連する語もみられます。 今も地名として、「津」・「大津」・「御津」・「船津」・「国府津」・「塩津」・「唐津」や「泊」・「寺泊」・「大泊」などがあり、多くは「港」や水運に関連した地名と考えられています。 もちろん、すべてが「港」や水運に由来するものではありませんが、このような地名が海岸線の変化などにより、今はなくなってしまった(埋れてしまった)「港」の位置を推定する重要な資料にもなっています。 「波止場(はとば)」や「波止(はと)」なども「港」をしめします。 このほかにも「港」を意味する語は、たくさんあります。 地形・考古資料そして地名を手がかりとして、今はなくなってしまった古代の「港」を追求した書籍として、千田稔著『埋もれた港』(小学館ライブラリー139.2001年)があります。 残念ながら、現在は品切れのようです。 図書館にはあると思いますので、少し専門的ですが、興味があるかたは読んでみてください。 |