魚へんの漢字 [2008年03月14日(Fri)]
今朝の朝日新聞の『天声人語』に近年の食卓における「魚ばなれ」の記事があり、そのなかで魚へんの漢字のことについても触れていました。
![]() お寿司屋さんでだされる大振りの湯呑茶碗に書かれたたくさんの魚へんの漢字をみたことことがあると思います。 皆さんはどのくらい知っている(読める)でしょうか? この魚の名前を一字であらわす魚へんの漢字の多くは、もともと中国あったものではなく、日本人が作り出した「国字」や「半国字」と言われるものが多いそうです。また、「国字」が中国に輸出され、中国で使われるようになったものもあるそうです。 東海大学社会教育センターの鈴木克美さんによれば、その理由のひとつとして「海から遠い内陸部で発展してきた国」で「海岸を世界の果てだと思ってきた」中国人と、「周囲を海とたくさんの魚に囲まれた島国に住み、海の向こうに希望があると思ってきた」日本人との海に対する意識の差があったのではないかと推測されています(「漢字・国字・ウソ字の魚名魚字」『海のはくぶつかん』2004年7月号)。 縄文時代の貝塚からの出土遺物は、日本人と海、海の生き物との深いかかわりをしめしています。 また、今朝の『天声人語』にも「大正の頃は「一大国民が食料の主要なものを海にあおいでいる例は他にはない」と欧州の地理学者を驚かせた」とあり、少なくとも近年までその関係が変わっていなかったことがわかります。 こんなところからも、日本人と海とのかかわりの深さがわかります。 |