CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«紫川の水面(8) | Main | ネパール・ヒマラヤ(9)»
紫川の水面(9) [2008年08月18日(Mon)]
 大検は秋頃が合格発表であったと思う。しかし、いつまで経っても合格通知が届かなかった。落ちたものと早合点し、その年の大学受験を諦め、早々に冬のバイトを決めた。北アルプスの白馬山麓のT山荘という山小屋というかスキー小屋で春まで暮らすことに決めた。
 しかし、落ちたにせよ何の連絡もないのは失礼だと思い始め、文句の一つでも言ってやろうと文部省に問い合わせてみた。何の事はない。受験申し込みの際に結果通知用の返信用封筒を同封するのを忘れていたのである。その後、合格通知が届き、めでたく全科目合格していたことがわかったが、その時はすでに心は白銀の世界へ行っていた。
 信州に暮らすという憧れに勝てるはずもない。新宿発の夜行列車、その名も急行アルプスで松本へ行き、大糸線で白馬村に向かった。
 時々、大検の返信用封筒を忘れずに入れていたら、と思うことがある。おそらく合格証書がもっと早く届いており、スキー場にも行ってなかっただろうと思う。スキー場でも人生を変えるいくつかの契機と出会いがあった。スキー場で知り合った友人の紹介で次の春からは北海道の牧場で働くことが決まりかけていた。結局、その牧場が吸収合併されたらしく、話は立ち消えとなったが、そのまま牧場に行っていたらまた違った人生になっていただろうと思う。ほんのささいな事で人生とは大きく変わることがあるものだと思う。
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました

コメントする
コメント