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紫川の水面(4) [2008年07月06日(Sun)]
 ある時、長年その店で働いてきた店員のHが店の金を持ち逃げした。女と一緒だったとも聞いた。当時、年齢は40ぐらいであったであろうか。被害届は出さなかった。知られたくない店の事情を知っていたからかもしれない。出て行ったアパートの部屋には大量の酒瓶が残されていた。酒瓶の中身は彼の小便であった。部屋の外にある便所に行くのが面倒臭かったのであろう。
 その後、しばらく行方が知れなかったが、熊本あたりの駅で置き引きをやってつかまったらしく、警察から身元引受人になってやるかどうかの問い合わせが店にあった。彼に身寄りが誰もいなかったことをその時知った。熊本まで店の者が迎えに行き、翌日、店に連れて来られた彼は土下座をして泣きながら謝った。再びこの店で働くことになったが、その翌朝、再び彼はどこかへ行ってしまった。何となくそんな気がしていた。
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