オゾンセです。
さて、11月27日・28日にお客さまの前でお話した内容を踏まえて、ちょっと思うことを書かせて頂きます。
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Anegoは、セクシャルマイノリティの人は一人ぽっちじゃないよ、ということを伝える活動をしています。
ところで、セクシャルマイノリティって、どんな人たちなんでしょうか。
逆に、セクシャルマジョリティってなんなのかってところから始めたいと思います。
セクシャルマジョリティというのは、役所が想定している標準世帯「夫が平均収入の会社員、妻が専業主婦」につながっていくような異性愛者のことだろうと思います。
では一方、セクシャルマイノリティとは、異性愛者でない人、同性愛者、両性愛者、半陰陽者(医学的には「性分化疾患」)、トランスジェンダー(性別移行(性同一性障害)を含む)などが含まれると考えられています。
セクシャルマイノリティには、二つの見えにくさがあると思います。
一つ目は「マイノリティであるが故の見えにくさ」。「数が少ない」ということは、「見えない」ということにもつながります。
二つ目は「セクシャリティに関わるが故の見えにくさ」。大体、性のことというのはあまり総体的に話されることが少なくて、話しても一部分のことだったり、あるいは話されない、なんてことが多いと思います。
そうすると、セクシャルマイノリティというのは二重に見えにくいので、社会的に排除されやすい。
例えば、もし、セクシャルマイノリティについて話をしてたら、どんな言葉が聞こえてくるでしょう。「やだー」とか、「俺はそっちの気はないけどさ」とか、他のマイノリティに対してよりもちょっと遠ざけた感じ、笑いのネタにする感じ、とかないですか。
そういう感じがあればあるほど、セクシャルマイノリティ当事者は自分がそうだとは声を上げにくいと思います。
そのため、多くの当事者は社会の中に埋没して生きていて、当事者は他にも当事者がいるだろうとは思いつつも、お互いの存在に気づくのは容易ではありません。
また、世の中にはセクシャルマイノリティのことを全く問題と思わないマジョリティの人も沢山いますが、その人たちもそのことを言い出しにくい雰囲気があります。
だから、当事者の人は孤独になりやすい、と思います。
でも、例えば同性愛者だけを取り上げても、統計上は人口の5%いる、と言われています。40人の教室には2人、という計算です。
それだけの人が孤独でいるよりも、当事者同士や、あるいは問題と思わない人たちと縁を広げられた方がずっと生き易いだろうし、社会的には弱者が少なくなる、と思います。
そこでAnegoは、セクシャルマイノリティの人が孤独にならないように、当事者や、セクシャルマイノリティを何にも問題に思わない人たちをつなぐような活動をしています。
セクシャルマイノリティを何にも問題と思わない人たちを増やしていこうとしています。
ただ前述したように、世の中では実際自分の隣にいるセクシャルマイノリティを見たことがない人が多いわけですから、どうしたって自分ごとにするのは難しいわけです。
それで、Anego Girlsが出てくるわけです。
Anego Girlsは「踊るオネエタレント」でもなく、「面白くないマツコ・デラックス」でもなく、
セクシャルマイノリティをTVでしか見たことがない人にも、セクシャルマイノリティだとわかりやすいパフォーマンスをするグループが必要だったから、
当事者や、セクシャルマイノリティを全然問題に思わない人に、Anegoというグループがあることを知ってもらうために広告塔が必要だったから、
生まれたグループなんです。
決して、ただダンスとか、化けるとか、人前に出るとかを楽しんでる「だけ」ではないんです(まあ、そういうところもないわけでは、ないです)。
Anegoは今活動4年目で、Anego Girlsもこの間4年目に突入しました。
ちなみに「Anegoは当事者グループですか」とよく聞かれるのですが、違います。
Anegoの活動では、その場にいる人にセクシュアリティを明かすことは決してしません。
だから、活動のコアなメンバー同士でも、公的にはお互いのセクシュアリティを知りません(活動以外で、友達として知ってることはありますが)。
いずれにせよ、その場にいる人は、当事者かもしれないし、セクシャルマイノリティを問題と思わないマジョリティの人かもしれない。その場では、自分から言いたい人だけ言うことになっています。
また、その場が終われば、その場にいた人たちは皆その場の情報をそこから外に持ち出さないことになっています。
さて、Anegoの3年半強の活動の中で、僕が忘れられないのは、セクシャルマイノリティのカップルの人前結婚式です。
って実は、自分も、挙げさせて頂いたカップルのうちの一組の片割れです。
セクシャルマイノリティは、確かに役所の考える標準世帯には当てはまらないかもしれません。
でも、僕は家族が欲しかった。だから、結婚がしたかったんです。
まさか、自分が結婚できるとは思ってなかったし、
当日本当に多くの人に色紙にお祝いのコメントとか頂けるとも思ってなかったし、
今日に至るまでこれほど自分が幸せだと思うことになるとは思ってませんでした。
セクシャルマイノリティにそんな希望を与えてくれるのが、Anegoだと思います。
そして、そういうことを通じて、実はどんなマイノリティの人でも希望を持って良いんだよ、ということを伝えてもいるんだと思います。