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2025年06月30日

2025年6月30日月曜

28日土曜の患者総数は38人、こんな人数が続くと経営が不安になる。給料直後の晴天の土曜日、皆さん、お出かけになったと推察した。外国人患者は11人で全体の31.4%。現在、マスコミでは日本中の病院の7割が赤字と報告されている。僕のクリニックは外国人患者の分だけ、他のクリニックより患者数が多いはず。それでも収支は赤字でもないが、黒字とはいえない状況。ほかの医療機関の経営はいかばかりかと思ってしまう。
 われわれ、医療機関の収入のほとんどは保険診療によるもので、その医療費は保険点数として厚労省によって定められている。もちろん割引もなければ割り増しもない。物価や人件費が高騰しているというのに、その保険点数は2年に一回改正があるにもかかわらず、ここ20年ぐらい、まったく上がっていない。さらに介護意見書の費用とか予防接種の費用とか、市役所との交渉ごとになっているものもここ20年ぐらいは見直しされていない。
 これでは医療機関がたちいかなくなるのもごく当たり前だ。さらに追い打ちをかけているのは医療におけるIT化だ。役所や厚労省から求められる書類はIT化され、多くの返事はややこしい文章を読んで、パソコンでアップロードしなければならず、パソコン作業についていけない高齢化した医師は診療所を閉めざるを得ない。IT化で導入を余儀なくされた機器はメインテナンスに経費がかかり、雀の涙のわずか1%以下の点数改正の増収分があってもむしろ、赤字が増えるだけとなっている。最低賃金が各都道府県でアップされており、政府により、働くスタッフの給与をあげるよう指導されているが、経営的に赤字覚悟でなければできない。それでもやらざるをえず、それによって瀕死の状態なのが医療機関だ。そして地方では人口減による受診者数の減少が著明で、これらが重なり、日本の医療は崩壊寸前、というより崩壊しはじめている。今後を見据えた全面的な医療制度の見直し、保険点数の改正が必要だろう。
 そもそもどうしてこんなことになってしまったかという原因をさかのぼると日本の経済第一主義や働き方改革だろう。会社が儲かっても内部留保にお金を回し、従業員の給与が増えず、したがって保険の掛け金も増えなかったという現実がある。もうひとつは職域に例外がないという働き方改革だ。医師が一周機関に働く時間の上限が定められたがゆえに、大きな病院の医師がパート先に出る時間が短くなり、パートを受け入れていた医療機関は医師不足に、そして大学病院から関連病院に出張していた医師は人手不足から大学病院に呼び戻され、結果として関連病院は医師不足で診療時間を減らしたり、診療科を閉鎖したり・・・医療や警察や消防に他の職種と同じ「働き方改革」を強要すれば社会の安定が揺らぐのは当たり前だ。
 今、この国のなにかがおかしい。たしか、働き方改革は長時間労働によって自殺という悲しい結果を選んだ人たちの家族が裁判を通じて社会や政府に訴えた、その一連の活動を通じて生まれたものと認識している。人間ひとりひとりのメンタルは皆、ちがう。人が耐えられたことに耐えられない人がいるのは当然だが、このようないじめなど悲しい結果を産んだ職場の環境はどこまで精査されたのだろう。ひとりひとりを大切にし、悲劇がおこらないようにと配慮することには賛成だ。しかし、ここまで極端な働き方改革が社会を不安定にさせていることに気がつかないのだろうか。
 前段が長過ぎたが、11人の外国人患者の国籍はフィリピン6人、ペルー、インド、ナイジェリア、USA、バングラデシュ各1人
 保険別には社保9人、国保2人だった。
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2025年06月27日

2025年6月27日金曜

6月26日は総患者数63人、外国人患者は13人、全体の20.6%を占めた。
国籍別にはフィリピン8人、ペルー3人、コロンビア、モンゴル各1人ずつ。
保険別にみると社保4人、国保3人、生活保護3人、後期高齢者1人、自費1人。
ただし、自費の1人は社保に加入しているものの、診療の内容が今回は自費診療となった人。
 17歳のフィリピン人女性、6月に日本にやってきて7月には帰国するとのこと。僕が診察しなかったので確認しようがなかったが、なぜ国保に加入できているのかわからない。年齢から考えると両親または父親か母親が日本で働いているか、あるいは母親が日本人男性と再婚しているケースだろう。後者の可能性が極めて高いと考えるが、それでも親族訪問ビザでは公的保険には加入できないはず。よくわからない。
 2週間ほど前に会社の検診でバリウムの胃透視を受け、「胃角が開いている」「胃の上部がわからない」と言われてやってきた男性、今週の月曜日に内視鏡検査を行い、異常所見は見られなかった。胃透視検査は僕自身、長く行っていたが、右を向いてとか、右向きに一回転してGPTとか・・・立体となっている胃の内部を正確に写真に撮影するには、技師や医師の指示通りに体を動かすことが求められる。そういう検査を日本語があやふやな外国人が正確に受けられるはずもない。判定不能の写真が撮れてしまったのだろう。行うだけ、意味がないと思う。
 当日、会社の検診の結果も持参していて、ほかに指摘された血液検査のページを見せてくれた。S-GPTが55とわずかに高いのを指摘されていた。また、中性脂肪も高いと指摘されていた。内視鏡検査の時に採血も施行。前回の検診の採血が食後2時間となっていたせいか、中性脂肪は今回は正常範囲、そしてS-GPTは正常範囲に下がっていたが、同時に行ったHAテストは陽性だった。早く説明してあげようと本人に電話をしたところ、午後になって家族といっしょに来てくれた。その昔、A型肝炎に罹患したことがあるのだろう、S-GPTについても正常範囲となっているので治療はいっさい必要ないと説明した。
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2025年06月24日

2025年6月24日火曜

朝から具合の悪い人が多かった23日月曜日、総患者数は78人、外国人患者数は8人で全体の10.3%だった。
 国籍別にはフィリピン4人、ペルー、タイ、ナイジェリア、インド各ひとり。
 ナイジェリア人は0歳の男児、フィリピン人の1人は10歳の女児、小児科を見ていて思うことは・・・本当に日本で育っている外国籍のこどもが多いということ。以前のように両親のどちらかが日本人というケースではなく。この二人はともに社保の家族。親がほぼ常勤で働いているということだ。
 書き忘れたが、保険別には社保が4人、国保が3人、自費が1人。
自費の方はインド人女性52歳。お子さんが日本で出産するということで手伝いにやってきたのが4月のはじめ。最近になり寝不足や血圧の上昇やめまいがするのだという。自律神経失調症的症状もあり、院長の診察後、トキソパンなど処方していたが・・・よくなればいいのだが・・・気になることといえば、4月のはじめにに短期滞在でやってきたということは7月のはじめ、すなわちあと2週間程度で帰国しなければならないということだ。国によっては出産すると出産した新米のお母さんは何もせず、周囲の親族の女性ですべてを片付ける。たしか、インドもそういう習慣があったはず。実際に具合が悪いのかもしれないが、来週あたり、内服してもよくならないので在留期間の延長を法務省に願い出たいので診断書を書いて欲しいと言われそうな気がしてならない。人を疑うような自分がいやになるが、そういうケースを開業以来35年で山ほど見て来たので。
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2025年06月23日

2025年6月23日月曜

疲れ果てた21日の土曜日・・・
 総患者数54人、うち外国人患者が24人、44.4%を占めた一日、いや半日。
国籍別にはベトナム人15人、フィリピン人3人、ペルー人3人、タイ人2人、ブラジル人1人。
いつもなら例外なくフィリピン人患者のほうが圧倒的に多いのに、わずかに3人。あとでどうやらフィリピン人スタッフが人数を調整していたようだと分かった。というのも21日は月に一回、ベトナム人スタッフが通訳として来てくれる土曜日なのでベトナム人が押し寄せるだろうと予測できたので避けるようにと話していたらしい。実に賢い。
ベトナム人でも日本語が話せる人もそこそこいるが、それは日常会話の話。診察を受けるために自分の症状を日本語で説明するとか医師の説明を理解するとか・・・そのような日本語力はないため、ベトナム人スタッフがいないと診療そのものが止まってしまう。英語もほとんどの人が話せない。21日も日本人については途中からほぼ待ち時間なしであったのに、ベトナム人患者については医師が3人だというのに、通訳待ちで待ち時間2時間近くになってしまった。それでも懸命に待ってくれる。この機会を逃すと適切な医療が受けられないという切羽詰まった印象を受けた。
 9時半ごろ、ベトナム人スタッフが僕に相談があると部屋にやって来た。ベトナム人女性71歳が今日、市の胃がん検診で内視鏡検査を受けたいと言って、食事をしないで来ているという。日本人スタッフの白い目を感じながらも、受けることにした。普通なら、いまは胃がん検診の内視鏡検査は数か月先になってしまうのだが、ベトナム人スタッフが勤務している時間帯でなければ、検査はなんとか、できても説明ができないからだ。
 ほかに上腕の皮下にプロゲステロンが入った埋没型避妊チューブを挿入しているベトナム人女性の抜去術の予定が入っていて、時間的に大丈夫か?と思ったが・・・10時過ぎに本人から電話があり、ベトナム人スタッフに聞いてもらったところ、22日から急遽ベトナムに一時帰国することになったので、手術はキャンセルしたいとのことだった。むしろ、助かったと思った。
やってくるベトナム人を在留資格で分けると70歳以上は南ベトナム陥落でボートピープルとして国を逃れたベトナム難民、40歳以上の人はその子孫、20代は技能実習生、10代は難民三世という感じだ。
 15人の性、年齢、公的保険は下記の通り
1. 女性65歳、生活保護
2. 男性43歳、社保
3. 女性36歳、社保
4. 男性46歳、社保
5. 男性31歳、社保
6. 女性55歳、社保
7. 女性71歳、生活保護
8. 女性24歳、社保
9. 女性14歳、生活保護
10. 男性47歳、社保
11. 女性35歳、社保
12. 男性53歳、社保
13. 男性50歳、社保
14. 女性52歳、社保
15. 女性52歳、社保
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2025年06月21日

2025年6月21日土曜

20日の患者総数は55人、うち11人が外国人で全体の20%を占めていた。
 国籍別にはフィリピン8人、ペルー1人、タイ1人、ベトナム1人。
 保険別では社保が10人、国保が1人であった。社保と国保の割合を見ていると社会の状況がわかるようだ。バブルの後、ずっと続いた景気後退期には国保加入者が多く、社保が極端に少なかった。社保の加入用件が事業所にて常勤で働いているか、非常勤でも週の労働時間が常勤労働者の3/4だったか2/3をクリアしていれば社保に加入させなくてはならないからだ。社保に加入するとその労働者と事業所で社保の掛け金を折半して払うことになる。事業所はそういう「お金のかかる」労働者を避け、派遣や細切れの時間の非常勤労働者を雇用し、彼らは国保に加入していたからだ。いまの状況はたしかに景気がよくなっているということなのだろう。
 ずっと頭痛の種だったのがペルー人41歳の胃がん検診での内視鏡検査。彼女の肥満は日本人には想像できない、いわば欧米の血が入った特有の極端な肥満で、しかも不安なので静脈麻酔下に検査を行ってほしいと言う。彼女のたどたどしい日本語と僕のたどたどしいスペイン語で検査を始めようとしたが・・・ベッドの上に休んだ彼女の腕を見てもない・・・静脈が見つからない。注射をするまでに四苦八苦。そしてようやく注射が終わり、内視鏡を挿入しようとしたのだが、麻酔下なのに、本能なのか、手で振り払おうとする。挿入にはそんなに苦労はしなかったが、挿入した後も抑えていた手を振りほどき、内視鏡を抜こうとする。はらはらしながら抑えているスタッフを励まし続け、検査は割と早い時間で終了した。
とくに異常所見もなく、説明も終え、帰り際、たくさんありがとうとスペイン語で言われた。
笑顔で応えたが、外国人の内視鏡検査はけっこう大変。心してかからねばならない。
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2025年06月20日

2025年6月20日金曜

19日の患者総数は70人、外国人患者は12人で全体の17.1%だった。ただ。数字には入れていないが、東アジア出身の母親を持つ男児が怪我をして来院した。
 国籍別にはフィリピン7人、USA2人、タイ、パラグアイ、ネパール、ベトナム人が各一人ずつ。
 保険別では社保7人、国保3人、自費診療が2人。自費診療の1人は米軍基地関係者で日本の公的保険に加入する資格はない。しかし、もうひとり、パラグアイ人は公的保険に加入できるはず。こういうお金をけちらないで欲しい。最悪、医療機関に未納金を積み上げる可能性があるし、そんなことを言う前に「公的保険に加入できる資格のある人は外国人も日本人も皆、加入しなければいけない」という法律があるからだ。破っても罰則のない規則などこんなものだ。ほぼ性善説だけでなりたってきた我が国の制度はいま、大きな岐路に立っていると思う。
 ベトナム人女性36歳、いわゆる不定愁訴が強い。血液検査も異状なく・・・簡単に自律神経失調症と言ってはいけないのだろうが、そんな気がする。いろいろと正確な情報を聞かねばならないので、明日、ベトナム人スタッフがやってくる日に合わせて来てもらうことにした。
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2025年06月19日

2025年6月19日木曜

18日の患者総数は58人、外国人患者は11人で全体の18.9%を占めていた。
 国籍別にはフィリピン6人、USA2人、スリランカ、ドミニカ、ネパール各1人。
 保険別では社保5人、国保4人、生活保護1人、在留資格の関係で日本の公的保険に加入できない米国基地関係者人1人、
 アメリカ人男性37歳、二日前から左手の中指が痛いと来院。見ると真っ赤に腫れあがって、触ると飛び上がりそうに痛がる。爪の外側の生え際が少々乳白色に見えたので、膿が溜まっているかもしれないので注射針で刺してみると話すと、顔色が変わった。痛くないからと説明し、21Gの針先で乳白色の部分を刺すというより針の先端で皮膚を切開するようにしたところ・・・黄色の膿が流れ出て来た。いつも思うことは欧米系の患者の信頼を得るのはなかなか難しいということなのだが・・・このように診断と処置が的中するとそれからは信頼してくれる。というわけでほっと一息。
 フィリピン人女性49歳、ドバイで働いている時から抱えている病気が多く、今回は腹痛を訴え前日に来院。院長が僕が診察をしたほうがよいだろうと判断、翌18日の午後にゆっくり話を聞くからと説明したにもかかわらず、昼休みの5分前にやってきた。それから診察をするとスタッフに時間外労働を強いなければならない。もちろん時間外労働の支払いも生じるわけで、時間だけではなく、経営的にみても損失となる。ときどき、いらいらしそうになるのは、自分たちで気をつけてくれたら避けることができるトラブルにいやおうなしに巻き込まれることだ。ここで午後においでと帰したら、親切ではないという印象を与えるだろう。で、結局、彼女の診察が終わったのは12時40分ごろ。フィリピン人スタッフや会計担当のスタッフも休めず。彼女の何も気にしないようすの顔を見ていると、もやもやとしたものを感じえなかった。
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2025年06月17日

2025年6月17日火曜

昨日の患者総数は67人、外国人患者は17人で全体の25.3%を占めた。
 国籍別にはフィリピン7人、韓国2人、ベトナム2人、スリランカ、ネパール、アルゼンチン、イタリア、マリ、中国各1人。
保険別にみると社保8人、国保7人、生活保護1人、自費1人であった。
 自費診療の1人はイタリア人の学生、観光で日本到着直後から発熱、十分に時間が経過していることを確認して新型コロナ、インフルエンザの抗原検査を行ったが、ともに陰性だった。咳も痰も咽頭痛もなく・・・昔の自分を思い出した。中学受験のときに前日まで快調、なのに試験当日の早朝、39度近い熱で目が覚めた。咳も痰も咽頭痛もなし。頭がくらくらして試験会場では問題が満足に読めず、あえなく撃沈。帰宅して寝て起きてみると平熱で何事もなかったようだった。高校入試の時も同じ、本命の試験の当日、同じように39度近くまで発熱、咳、痰、咽頭痛なし。音楽の試験問題の音符が踊って見えた。採点してみる前年の合格最低点と一問差、うまくいかなかった。翌日、朝起きると全く平熱で狐につままれたようだったが、おかげで親戚中にストレスに弱い子というレッテルを貼られてしまった。
 話がそれてしまったが、このイタリア人の学生の場合も僕の当時と同じ、興奮かストレスかによる発熱ではなかったろうか?それなら理解できる。
 話はもっとそれてしまうが、僕が一問差で落ちてしまった高校は東大に一直線の学校だった。あの頃は全国の医学部の数も現在の半数以下、46校程度だった。あのまま合格していたら、そうでなくても文科系の僕が医師になることはあり得なかっただろう。不本意ながらどうでもいいやと思いながら受けた高校では試験当日の朝は快調そのもの、試験問題はすらすらと解け、時間があまり過ぎて困った。文科系の僕が医師になれたのもその高校に進学したからだと信じている。
 人間、万事塞翁が馬そのものだろう。
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2025年06月14日

2025年6月14日土曜

13日は珍しく、外国人患者が少なかった。総患者数69人のうち、わずかに6人、8.7%。
こういう数字は滅多にないこと、ここ二日、比較的外国人患者が少ない日が続いているが・・・となると今日14日の土曜日が怖い。大挙してやってくるパターンが多いからだ。
しかも午前中は天気が良いとのこと。
 つい、数日前のこと、診察室にいたら、受付から大きな男性の声でつたない日本語が聞こえてきた。なにやら言い争っているようにも聞こえるし、でももともと声が大きい人もいるし・・・後で複数のスタッフからこの件について聞いてわかったことが悲しい。
 このフィリピン人男性、なぜか社保と国保の二枚の保険証を持っていた。会社をやめたのが数か月前で、その時に5月までは社保が使えると会社に言われ、当クリニックでは社保の保険証を提示していた。6月からは社保が使えないからと会社で国保の手続きをしてくれたらしい。手続きをしてもらった国保の保険証はずっと使わずに所持していて、今回、6月になったので、いよいよ社保は使えなくなったと考え、国保の保険証を受付で提示したというしだいだ。
 当然のことながら、数か月前に会社をやめて国保の保険証を受け取ってからは社保での診療はできないから、レセプトは数か月分、戻ってくることだろう。戻ってきたら面倒だが、国保の保険証の番号で再度、提出すれば医療費は振り込まれる。
 本人は国保の保険証は前日に市役所でもらったのだと繰り返すが、国保の保険証の発行日は数か月前で、会社を辞めた直後になっている。
 これについて、受付側では国保の保険証の発行日が数か月前なので、前日に受け取ったものではないだろうと受付スタッフの中で話しあっていたらしい。その話の中で「なにか」を発言し、その日本語を聞いたフィリピン人男性が侮辱されたと思って、声を荒げたらしい。
 国保の保険証の発行日が数か月前なら前日に市役所で発行されたということはないだろう。これは受付のスタッフの話が正しいと思う。ただし、受付スタッフの中でうっかり話した日本語を聞きとがめて相手が怒るというのは尋常ではない。受付のあの狭い空間であっても患者は聞いているということは忘れてはならないだろう。
 そして、こういうトラブルが僕に報告がなかったというのもいけないことだ。こういうトラブルはすぐさま、彼らのコミュニティの中に伝わる。大きなトラブルに発展する前の一手が打てなかったということになるから。
 あれからいろいろと考えてみたが・・・もしかしたら彼は国保の手続きを数か月前に行い、発行日を過ぎても受け取りに行かず、本当に前日に受け取りに行ったのではないかということだ。
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2025年06月13日

2025年6月13日金曜

11日は梅雨の初めにもかかわらず、晴天で湿気のある暑さ、夏がそこまで来ている。
 外国人患者は10人、総患者数は88人。外国人が占める割合は11.4%だった。一般的な医療機関なら一日に外国人患者が10人やって来たというだけで大混乱になるだろう。
 国籍別にはフィリピン6人、タイ人、韓国人、ブラジル人、中国人各1人だった。
また、日本の公的保険に加入は100%で、内訳は社保5人、国保3人、後期高齢者1人、生活保護1人だった。
 10人のうち、中国人の1歳の男児がワクチン接種で訪れた以外は全員、生活習慣病での受診。あいかわらず、薬を内服し終えて時間が経過してからの受診が目立つ。何度、薬がなくなる前に受診してくれるようにと理由を説明してお願いしても、効果が薄い。モチベーションが上がらない。
 外国人に対する国保などの制度設計、どのようにするつもりなのか、ぜひ聞いてみたい。
最近、また一人の外国人が有している公的保険証を友人、家族、場合によってはグループ内のまったく知らない外国人が借りて使うケースがあるらしい。当クリニックが開院した35年前からこのような手口はあったが、最近、在留・訪日外国人が著増して、再び、増加しているらしい。
 保険証と本人が同一人物かどうかはマイナンバーカードを提示してもらうのが一番手っ取り早い。当該外国人の本名、通称名ともに記載されているからだ。パスポートや在留カードには通称名は記載されておらず、通称名で保険に加入している場合、名前が食い違って、逆に本人なのに他人と判断されることになりかねない。ゆえに混乱の素になる通称名での保険証作成を含め、通称名を公的書類等に利用できる現行制度は廃止すべきであろう。
 ではマイナンバーカードに加入していない場合はどうするかというと、通称名で保険証が作成されている場合は個人個人、質問して判断するしかない。
 顔と在留カードの写真で判断できる場合もある。顔写真を張り替えるなんてこともあるかもしれないが、後で本人に返還する場合はそんなことはしないだろう。法務省が作成した在留カードアプリをダウンロードして本物か、偽物かを調べる方法もある。最近は偽の在留カードや偽のマイナンバーカードも出回っているらしい。
posted by AMDA IMIC at 11:09 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)