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2025年04月28日

2025年4月28日月曜

26日土曜日の外国人患者は14人、患者総数52人の26.9%だった。
国籍別にはフィリピン人7人、ペルー人2人、ベトナム、中国、ナイジェリア、タイ、ブラジル各1人。
 中国人女性57歳、すでに帰化しているので正確には中国出身者と呼ぶべきなのだろう。ただし、考え方や行動を見ていると典型的な中国人だと思う。日本人もそうだろうが、たとえば米国に帰化したとしても、帰化したその日からアメリカ人的考えができるわけがないだろう。帰化した時に日本名は今のご主人がつけてくれたそうで、あるコミック系漫画の主人公の名前だ。しとやかなキャラではなく、相手であるボーイフレンドを時にはやっつけてしまうようなキャラ。実に彼女の性格にぴったりで、それを見抜いて名前をつけてご主人はすごいと思う。
 フィリピン人女性60歳、院長の診察を終えてから僕に話があるという。フィリピン人スタッフからそのように言われたので会ってみると・・・いま、フィリピンに長期に帰っている姉がこのところ、胃の調子が悪く、時には痛がっているという。6月になったら日本にやってくるので内視鏡検査をしてほしい、だが日本の公的保険には加入していないとのことだった。メトロマニラに住んでいるというので、今、4月末の時点で胃が痛いというなら6月の来日時まで待たずにマニラの医療機関を受診して内視鏡検査を受けるべきと話した。マニラならフィリピン大学やマニラ病院のような公的医療機関、マカティメディカルセンターのような私立の医療機関など内視鏡検査を受けられる医療機関がたくさんあるはずなのに・・・信頼していないのだそうだ。さかんに僕のクリニックで自費で内視鏡検査を受けるにはいくらお金がかかるのか?と訊ねる。自費診療が保険点数10割なので、およその金額を算出して伝えた。僕の下衆な勘ぐりは・・・今から胃が調子悪いと伝えておく右矢印1内視鏡検査を受ける右矢印1それでも具合が悪く、フィリピンには帰国できないとの診断書を求める右矢印1この診断書を持って入管に行き、体調が悪いから帰国できないと話し、短期滞在で来日した姉は滞在延長を願い出る・・・とこうだ。この仕事を長くしていると、人が悪くなってしまうのだろうか。でも「たくさんある」話。在留期限延長のために診断書を書いてとせがまれるケースは全く珍しくない。こんな診断書を書いても延長は認められないよと話してもどうしても納得しない。このような場合は「検査の結果は異状ないが、本人はこう話している」という診断書を書くことにしている。本当に病があって、入院したなどというケースは僕の記憶にはない。
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2025年04月26日

2025年4月26日土曜

25日金曜は患者総数74人、外国人患者は14人で全体の18.9%
国籍別にはフィリピン人8人、ベトナム人3人、ペルー人2人、ドミニカ人1人。
フィリピン人のうち6人は成人の生活習慣病。長く通院してくれている人たち。残る2人は5歳と0歳の姉妹。
彼女たちの名前を見るだけでいろいろな背景が想像できる。5歳の姉は姓は日本名で名はフィリピン名、妹は姓も名前も日本名。すなわち姉は父親もフィリピン人でフィリピン生まれ、妹は父親は日本人で日本生まれ。フィリピン人の多くは敬虔なカソリック教徒で離婚は認められていない。ということはこの姉妹のフィリピン人の母親はフィリピン人のご主人と死別したのだろうか?ということになる。死別した場合もあるだろうが、しかし、ことはそう単純ではない。カソリック教徒であれば離婚はできないが、そこはちゃんと別の方法がある。教会に行き、牧師に「この結婚は初めからなかった」という証明をしてもらうのだ。たとえばご主人がどこかに逃げてしまい、行方不明となり、奥さんが別に所帯を持とうと思うような男性が現れた場合、このような手段で「独身」に戻るのだ。そのためには教会にけっこうなお金を支払うらしく、このお金が支払えずにあきらめる人も少なからずいるらしい。そして晴れて独身となって結婚して出産、フィリピンから最初のご主人との間のこどもを呼び寄せるとこの二人のようなケースになる。
実際には妊娠したとわかると姿をくらます男性も少なくなく、若くして未婚の母となる女性も少なくない。
一時代前ならフィリピンにご主人を残したまま、いわゆるジャパユキさんとなって来日、お客として知り合った日本人と結婚する、すなわち国際的重婚を疑う人もいた。しばらくしてフィリピンにこどもがいることを打ち明けて、こどもを日本に引き取る。するとこの二人のケースのようになる。今はこのようなことはもはやないのかもしれない。
もう30年近く前になるか、患者として数回やってきたフィリピン人女性がある日、書類を持ってやってきた。書類は彼女のフィリピンの戸籍のコピーだった。日本人男性と結婚するために市役所から日本語に訳して提出するようにと言われたとのことで、「こんな役所言葉の英語を訳すことができるのはドクしか思い出せない」とやってきたわけだ。訳した書類の文末にはだれが訳したか、氏名を記載しなければならなかった。しょうがないなと思いつつ、訳していくと「この戸籍の文書は役所が消失したために新たに作ったものです」という一文が現れて驚いた。ということは本物ではない可能性があるということだ。フィリピンではどこぞの市場に行けば、こういう書類を安価で偽造してくれるところはいくらでもある。彼女に悪い意思があれば、かなり危ない話となる。まさか、不正に加担させられているのではあるまいな?と。この一文もしっかりと訳して自分の感情は入れないようにした。今なら引き受けることもあるまいが。
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2025年04月25日

2025年4月25日金曜

4月24日の患者総数は80人、外国人患者は7人、8.78%と少なかった。
 国籍別にはフィリピン人2人、アメリカ人、インドネシア人、ペルー人、スリランカ人、ナイジェリア人各1人。
 先週からあちこちが痛いと具合が悪いインドネシア人技能実習生23歳について10時頃、実習先の会社の社長の奥様から電話があった。一昨日にクリニックを訪れたときには痛みはもうないと話していたのに、前日、右の下腹痛がひどく、近隣の某三次医療機関に救急搬送されたのだという。採血を行い、CTも行い、すべてが陰性、異常値はなく、けっきょく帰宅したのだと教えてくれた。一昨日に受診をしたときに血を吐いたらしいと言っていることややや貧血気味であったこと、胃潰瘍に薬を処方したところ、上腹部通が改善したことなどを話すと、上部消化管内視鏡検査を勧められたが、受けるなら僕にやってほしいと断ったのだという。朝食は少し食べたとのことだったので、昼は水だけにしてくれるようお願いし、午後3時から内視鏡検査を行うことにした。初診時、採血だけでも大騒ぎしたので、静脈麻酔下に検査を行うことにした。
 結果的に無事に検査を行うことはできたが、静脈麻酔の注射をするのが大変、大暴れで3人がかりで抑えて施行。内視鏡挿入時も大変な力で暴れそうになったが、あっさり挿入できた。十二指腸の第二部までとくに粗大病変はなく、内視鏡を抜去。麻酔を醒ますための静脈注射をするときにも大暴れだったが、覚醒した後に訊ねると、何も覚えていないとのことでほっとした。
 インドネシア語の通訳、社長の奥様と3人でまず話したことは・・・初診時の訴えは赤黒い血を吐いたということと左胸部を痛がっていたこと。診察の終わりになり、急に上腹部痛もあると話したこと、その数日後には内服薬で痛みはないと話していたこと、その翌日に右の下腹部の疝痛がひどく、救急車で搬送され、採血の結果も腹部CTも何も異常所見がなかったこと、これらを総合すると大きな器質的疾患はなく、機能的疾患も考えにくく、話のつじつまが合わないことが多く、メンタルな問題が根底にあるのではないということ、いわゆるヒステリーのような疾患だ。その後、本人を交えて再度内視鏡検査の結果を説明、寝られないことやインドネシアの祖父の体具合が悪くて心配していること、親戚に体が痛くなって亡くなった叔父がいて、自分もそうではないかと心配していることなどを聞き取った。
 大きな病気はないことを強調、薬は処方せず、しばらく様子を見てもよいと話した。本人以外の人には症状を頻回に訴えたり、仕事を休まざるをえなかったりした場合には実習を打ち切って帰国を考えるのも手段の一つであることを話しておいた。
 このケース、インドネシア人である通訳も受け入れ会社の社長も奥様も彼を好意的に見てくれていて、すべての技能実習生が彼のように環境に恵まれていたらと思った。
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2025年04月22日

2025年4月22日火曜

4月21日の患者総数は80人、外国人患者は11人、全体の13.7%。
国籍別内訳はベトナム人4人、フィリピン人2人、タイ人、オーストラリア人、パラグアイ人、インドネシア人、そして北欧の某国の方1人。
ベトナム人4人のうち3人は子宮頸がんワクチン接種希望の女性19歳、21歳、27歳。全員技能実習生。残る1人は2歳の女児、呼吸器系の症状と発熱で来院。小児科で新型コロナもインフルエンザも抗原検査で否定。通常の風邪と診断したようだ。
北欧某国の男性、先月から上腹部が痛いと来院。1年ほど前に一回だけ受診したことがあり、過敏性腸症候群と診断した。今回は当時と同じトリメブチンを処方してもよくならず、腹満を訴えたり、ジメチコンを使用してもはっきりとせず、下腹部が痛いこともあったりと・・・消化器疾患としては一番困る内容。本人の希望もあり、上部消化管内視鏡検査を施行した。上手に検査はできたが、やはり器質的疾患はなし。機能的疾患を強く疑う。同行してきた奥様から仕事の内容により症状がよくなったり悪くなったりするとか、会社で心理士のケアを受けているなど、本人からは聞けなかった情報を聞けてあらためて機能的疾患だろうと確信した。来院のたびに処方薬が増えていくのも心配で、薬同士の作用で何が何だか分からなくなるのも心配で・・・今回はすべての薬をやめて消化管運動を促進させる作用のあるもの一種類だけを処方してみた。
インドネシア人男性23歳、彼も技能実習生だそうで、血を吐いたと通訳といっしょにやって来たのが先週の金曜日。肝機能、腎機能も採血しておいた。その結果を聞きに通訳と技能実習生を会社に派遣しているという団体の男性が付き添って来た。この男性にこれまでのいきさつを話した。そして血液検査には異常がないことも伝えた。本来なら内視鏡検査を行って、疾患を確認すべきなのだが、採血の時の暴れ方では内視鏡検査を行うことは危険すぎる気がするとも話した。かなり前だが、タイ人男性に内視鏡検査を行って内視鏡を噛まれてしまい、修理に60万円かかったいやな思いがよみがえる。本人に4日前に処方した胃の攻撃因子を阻害するプロトンポンプインヒビターと胃の防御因子をさらに高めてくれるテプレノンを処方した結果を訊ねたところ、内服してすぐに痛みは消失したとのこと、胃潰瘍を強く疑うが、結論的には本人が内視鏡検査を希望しないため、ある程度の期間、内服を続けることで全員が納得した。
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2025年04月21日

2025年4月21日月曜

19日の土曜日の患者総数は56人、うち外国人患者は19人、33.9%だった。やはり土曜日は3人診察するとひとりが外国人という状況、多く感じるはずだ。
 国籍別にはフィリピン人9人、ベトナム人3人、ペルー人2人、ネパール、ドミニカ、アメリカ、タイ、スリランカ各1人だった。
 小児が3人いて、内訳はネパール人女児11歳、スリランカ人女児0歳、フィリピン人女児1歳。全員両親とともに在住していて、すでに我が国も移民国家に近い状況であることを示している。それが政策の結果だとするならば現実を受け止めて、現実に即した対応を整える義務が政治にはあると思う。そうでないと混乱を末端の民間で支えなければならなくなる。
 ベトナム人の3人のうち、二人はご夫婦。ご主人の兄弟に肝臓がんが2人いて1人は死去。1人は現在、ベトナムで抗がん剤治療中らしく、原因はB型肝炎とのことだった。そのご主人の希望で採血した結果がHBs抗原陽性。今回、彼の採血はα-Proteinなど肝臓がんの腫瘍マーカーを見るため。奥様はs-GOT 、GPTがやや高値と検診で指摘されて先に来院。ご主人のことを当時は知らなかったので、HA抗体だけ調べてみると陽性だったためにベトナムに住んでいたころにA型肝炎の既往があるのだろうと推察した。再検したGOT,GPTの数字は正常範囲に収まっていて、肝機能庇護剤も必要ないだろうと話していたのだが・・・ご主人のことがあり、彼女もHBs抗原検査のために戻って来てもらった。
いい結果が出るように祈りたい。
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2025年04月19日

2025年4月19日土曜

4月18日金曜日は「ややこしい」外国人患者が多かった。僕が全面的に診察していた時にもかなり時間がかかるとか、こちらの言うことには耳を貸してくれず、自己主張が強いとか、症状の訴えが堂々巡りしてかゆいところに手が届かないというか・・・娘に院長職を譲り、彼女が主体となって診察を始めて、このような外国人患者がやってくると怒ったり、不愉快そうにしたり、あげくはほかに行きなさいとか・・・根負けしたり、感情のままの診療を行うかなあと心配していたが・・・どうやらそうではないらしい。ちょっと不愉快そうに小言を言うのは僕にだけで、こういう患者でも表情を変えることなく、まずは原則論で話している。言葉の関係で他の医療機関を受診するのは困難であるので、自分のところで引き受けなくてはという責任感がにじみ出て来たのだろうとほっとしている。
 とくに18日は彼女の頭を悩ます外国人患者が少なくなかった。
18日の患者総数は66人で、外国人患者は12人、全体の18%だった。
 ナイジェリア人男性58歳、高血圧で通院中。気まぐれというか前回は昨年の7月に降圧剤を3か月処方、そして今回・・・もちろんとっくに降圧剤は飲み終えているはず。そして血圧は高く、そもそも治療する気があるのかないのか、疑ってしまう。今回は母国に一時帰国するとかで再び、降圧剤の3か月処方を希望。しばらく採血もしていないので採血を施行。採血を終えてから、血液型や前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAの検査を希望。血液型の検査はそもそも保険適用はなく、PSAは自分の希望なので自費になるという話をして、血液型の検査のスピッツは生化学用のスピッツとはちがうので、再度採血した。さらに結果を電話で教えてほしいとのこと。とくに血液型など伝え間違いや聞き間違いがあると生命に危険がおこりかねないのでそのリクエストは拒否、聞きに来てもらうことにした。それにしても院長先生、よく我慢強かったと褒めてあげたい。
 アフガニスタン人女性25歳、体がだるいと来院。昨年の11月に来院したときに貧血を指摘、鉄剤を処方したのに1月以後、来院せず。これではまた貧血が進んでしまう。再度、鉄剤を処方。ややこしいのはこれからで昼休み直前の窓口で同国人のご主人がお金を持っていないので銀行でおろしてくると一言。実はこれが三回目、そのたびにスタッフが昼休みも待機しなくてはならない。このようなことがないよう、かなりきつく話したが、わかってくれたかどうか・・・
 そしてフィリピン人男性32歳、話が長く、心療内科と思われるような内容で延々と・・・院長の根気に感心した。そう、怒ったり、投げ出したら負け。
 昨日、めまいがあり貧血のためではないかとやってきたバングラデシュ人女性32歳。血液検査の結果は貧血無し。そして母国で腎機能が悪いのか?と言われたとのことだったが、クレアチニンも異状なく、めまいは今はないからとうれしそうに帰って行った。喘息で横浜市内の医療機関を受診したことがあるらしく、言葉のために医療機関を探すことが難しいと話していた。
 困ったおまけは32歳女性、父親が欧米人、軽度の知的障害がある。のどが痛いとのことでクリニックにやってきたらしいが、フィリピン人スタッフとは長い知り合いらしく、久しぶりに会えて玄関で彼女に抱きついたらしい。その後、問診を聞き、新型コロナの簡易抗原検査を行ったところ、陽性だった。抱きつかれたフィリピン人スタッフには天から降って来たような災難。体中を消毒した。
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2025年04月18日

2025年4月18日金曜

昨日の患者総数は82人、外国人は少なく9人のみ。うち7人はフィリピン人2人、ベルー人2人、アルゼンチン人1人、ネパール人1人、韓国人1人の生活習慣病の患者。ある意味、日本人の生活習慣病の患者の診察と言葉以外は変わるところがないといえばないが・・・とくに欧米の血が入っている人たちの肥満の程度は日本人とはちがって「大肥満」、しかも母国ではそういう太り方をしている人たちが多いためか、それが大事とは思ってくれない。日本人はいいわね、あまり太らなくてとよく言われる。たしかに民族的な因子や家系的な因子はあるかもしれないが、そもそも太らない努力をしているようには見えない。食事指導をしていて困るのはここのところ。
さらに内服治療がいい加減になること、こちらの指示した通りには内服してくれない、内服が終わってもすぐには来てくれない。仕事の都合もあるだろうとは思うが、それなら都合がつく日になぜ来てくれなかったのか、と言いたくもなってしまう。
 15歳のペルー人のお嬢さんは貧血で治療中。新患は1人、バングラデシュ人女性32歳、同国人のご主人に付き添われてやってきた。めまいがする、貧血があるのではないかと・・・たしかに眼瞼結膜を見ると白っぽい。まずは採血を行って貧血があるのか、肝機能はどうかとかチェックをした。開業した35年前ごろはバングラデシュはアジアの最貧国のひとつで、インドやラオス、カンボジア、フィリピン、ベトナムからやってきた人たちの中に寄生虫疾患が少なからずいたという記憶がある。貧血を見つけたら、こういう可能性もゼロではないことを頭に入れて診察をしなければならないということだ。
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2025年04月17日

2025年4月17日木曜

15日火曜日の患者総数は43人、これぐらい少ないとすぐに経営のことが心配になる。新型コロナがほぼ終息したこの3年ぐらい、物価は恐ろしく上昇し、人件費も最低賃金がたびたび上がっている。ところが、医療機関のメインの収入である保険点数はほぼゼロ回答に抑えられており、また市町村からの委託であるがん検診や特定健診、各種ワクチン接種代等の費用は僕が開業した35年前とまったく変わっていない。さらに介護申請書類の作成費用は制度が始まって20数年経過するだろうか、一度の値上げもない。医師会から要求しても予算がないと断られるのだ。医療事務をやめてスーパーでレジ打ちをする人もいると聞いたが、こんな話は例外ではない。こんな中で医療を行っていると、いずれ、医療機関も外国人労働者を通訳としてではなく、事務として雇わざるをえなくなるかもしれない。それによって医療機関の国際化が進んだら皮肉な話だ。
 43人のうち外国人患者は8人、18.6%を占めていた。国籍別にはフィリピン人3人、カンボジア人、中国人、韓国人、アルゼンチン人各1人。中国人はゼロ歳の女児の予防接種。本当に家族での日本滞在者が増えて来たと実感する。
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2025年04月15日

2025年4月15日火曜

土曜に一番上の姉が肝臓がんで死去、別の兄弟がB型肝炎で現在、肝臓がんで抗がん剤治療を受けているというベトナム人の男性と女性のHBs抗原の検査を行ったが・・・やはり男性の方がHBs抗原陽性だった。結果をすぐにベトナム人スタッフに連絡、彼女からこの男性に検査の結果と早めにクリニックに来てα-フェトプロテインなどの採血を受けてほしいことを伝えてもらうこととした。場合によっては造影CTも必要になるかもしれない。
この男性の奥様であるベトナム人が会社の検診でS-GPTやγ-GTPがやや高値であり、HA抗体を調べたら陽性だったことを思い出した。奥様も再度来ていただいてHBs抗原も調べさせてほしいと伝えてもらうこととした。男性のほうはいわゆる肝機能の数値は異状なく、キャリアであるからB型肝炎そのものは治療の対象にはならないだろう。
 これらについて延々と説明してわかってもらえるとは到底思えず、ベトナム人のスタッフからは概略だけ伝えてもらい、「先生に言われたとおりに採血を行うこと、次回ベトナム人スタッフがやってくる日に詳しく結果を説明し、質問も受ける」とこの二点についても伝えてもらうことにした。場合によってはお子さんたちの血液検査も必要かもしれない。
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2025年04月14日

2025年4月14日月曜

12日の土曜日は患者総数71人で外国人患者は26人、36.6%を占めた。
 国籍別にはフィリピン人10人、ベトナム人8人、ペルー人2人、アメリカ人2人、パラグアイ人2人、タイ人1人、カンボジア人1人という内訳。
 ベトナム人スタッフが来てくれる日は本当にベトナム人の受診が多い。52歳と47歳の兄弟、生活習慣病の診察が終わってから話したいことがあると言い出し、会計を終えていたが、再度の診察。二人は11人兄弟で、うち一番上の姉が肝臓がんで亡くなり、もう一人の兄弟がB型肝炎から肝臓がんになり、現在、抗がん剤を使用しているとのこと。で、自分たちも怖いので肝臓を調べてほしいと言う。B型肝炎の垂直感染の可能性があり、二人ともHBs抗原と念のためにHCV抗体も検査した。結果によってはその配偶者も調べるつもり。
 フィリピン人女性29歳、フィリピン人スタッフが診断書を書いて欲しいと話していると教えてくれた。診察室で話を聞くと・・・今回、幼稚園に勤務することになったが、こどもたちといっしょの給食を食べなければならないと言われたとのことだった。それがなぜ問題になるのかというと、肉類を食べると気持ちが悪くなったり、吐き気がして10年ぐらい食べていないと教えてくれた。幼稚園に肉類を食べられないことを話したら、医療機関に行って食べられないという証明書を書いてもらってこいと言われたと言う。なんだか、話が見えない。どうしてそんなことに医療機関での証明が必要なのか? アレルギーではないというので、単純にあなたはベジタリアンなの?と訊ねると「そうです」とのこと。ベジタリアンを医学的に証明することはできないし、どうして医師の診断書が必要なのか、ますますわからなくなった。幼稚園側にしてみれば、園児といっしょの物を食べようよという方針がだめな理由を知りたいということかもしれないが、これって個人の尊厳の問題だろう。食べられないなら、家から別にベジタリアンの食事を持ってくればいいだけで、それを許可するかしないかだけだろう。外国人が多く就労するようになると、こういう問題が起こりがちだ。仕事中にイスラム教徒がお祈りするために仕事を少しだけ抜けるのがだめとか・・・外国人を雇用する側はこれぐらいの知識は持っていて欲しい。もう、そういう時代になっていると言うことを。
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