ペルー人男性61歳、そこそこ日本語が話せる。某医療機関を受診したら、僕のクリニックに行くように言われたのだという。受付で2か月前から腰が痛いと訴えているとフィリピン人スタッフが教えてくれた。腰痛症であれば整形外科の分野で僕は門外漢ということになる。診察をすれば料金が発生する。ただし。過去に受付での本人の訴えと実際の訴えが異なっていたこともあり、また専門分野外であってもどこの医療機関に行けばよいかというぐらいのアドバイスはできると思い、引き受けた。診察室で話を聞くと、問題は二つあった。一つはこの腰の痛みだが、25年前に尿管結石を患い、自然排石で治癒したという既往があり・・・今回も尿管結石の可能性が高いと思った。本人に話すと本人もそれを疑っていたとのこと、近くの公立病院の泌尿器科に紹介状を書いてそのまま受診してもらった。午後になり本人がやってきて、同病院での診察で尿管結石を指摘されたとのことで感謝された。
もう一つの問題は高血圧。会社の健診のデーターを持参していて、血液検査では大きな問題はなかったが、血圧は160/100、計測してみると170/100だった。こちらも診てほしいのだとのこと。まずアムロジピン5mgを内服してもらって、新年になってから空腹時採血をさせてもらうことにした。実は僕のクリニックに行くようにと彼に指示した医療機関の院長は循環器が専門、英語圏の国に留学歴もある。患者はそこそこの日本語を話すのだから、話をよく聞けば、高血圧についての治療は行いえたはずだ。僕の結論は、院長はこの患者の話を直接は聞いておらず、受付事務の段階で「外国人小林国際クリニックへ」という指示が出たのだろう。残念なことだ。
フィリピン人男性68歳、前回の診察時の空腹時採血で中性脂肪が508、その4か月前は120だったのに・・・この数字がクリスマス前のフィリピン人の食生活を物語っている。本人はやせたというのだが・・・
スリランカ人69歳、前日からの発熱と咽頭痛。本人はたいしたことはないと思っていたらしいが、周りから診察に行くように言われたと不満げに語っていた。新型コロナは陰性だが、A型インフルエンザに罹患していた。「昨日はがんばって働いた」と言うので、「仕事場でウィルスをまき散らしただけ」と話した。
きょうはいよいよ今年、最後の診察日。皆様にいい年が来ますように。
2024年12月28日
2024年12月28日土曜
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2024年12月27日
2024年12月27日金曜
26日一日の総患者数は131人で今年、もっとも多い数字。外国人患者は30人で22.9%。
外国人患者の内訳はというと・・・フィリピン人が23人で76.7%を占めていた。こんな日は珍しい。
フィリピン人が多かった理由は家族でインフルエンザに罹患したり、家族でインフルエンザの予防接種を受けにきた人たちがいたからだろう。
131人のうち、発熱で受診した患者数は41人。うち、11人が外国人でその割合は26.8
だった。
フィリピン人男性55歳、発熱で来院。新型コロナもインフルエンザも陰性だった。診察を進めていくと、「ドク、お願いがあります」と言い出した。現在、高血圧で住まいの近くの医療機関を受診しているとのこと。ただし、英語が通じず、不安を感じる時があるそうで、たまたま発熱してしまい、僕のところまでやってきたが・・・タガログ語のスタッフがいて英語が通じることで安心できるという話だった。医療機関を選ぶのは患者の権利であるし、現在、内服中の薬剤を確認したが、ごく一般的な薬だったので、了承した。やはり母語が医療機関で通じるというのは安心につながるようだ。
アメリカ人女性、数日前に大暴れをしてトラブルをおこした方だ。日本人のご主人が付いて来た。本人に訊ねたときには精神科の薬はとっくに内服していないと答えたので、ご主人にこの件を電話で話しておいた。精神科の病院には毎回ご主人が同行するそうで、薬を数えてみたが、きちんと内服しているとのことだった。ということは質問に対する本人の返答は信用性がないことがあるということだ。やはりご主人が同行してくれないと何がなんだかわからない。歩き方があひるのような歩き方になったのが2か月前ぐらい、母親とおばがパーキンソンに罹患していたので、自分も罹患したと思い込んで泣き崩れている。けっきょく、近くの公立病院の脳神経内科に紹介状を書いたが、診察がうまくできるかどうか・・・ご主人に必ず同行してくれるように頼んだ。
夕方、二人続けてインドネシア人の発熱者が来院。二人ともインフルエンザAだった。
午後3時頃に発熱でやってきて新型コロナとインフルの検査を行った日本人男性がインフルエンザB型に罹患していることが判明した。今の状況でインフルBも流行り始めたら悲惨なことになりかねない。
外国人患者の内訳はというと・・・フィリピン人が23人で76.7%を占めていた。こんな日は珍しい。
フィリピン人が多かった理由は家族でインフルエンザに罹患したり、家族でインフルエンザの予防接種を受けにきた人たちがいたからだろう。
131人のうち、発熱で受診した患者数は41人。うち、11人が外国人でその割合は26.8
だった。
フィリピン人男性55歳、発熱で来院。新型コロナもインフルエンザも陰性だった。診察を進めていくと、「ドク、お願いがあります」と言い出した。現在、高血圧で住まいの近くの医療機関を受診しているとのこと。ただし、英語が通じず、不安を感じる時があるそうで、たまたま発熱してしまい、僕のところまでやってきたが・・・タガログ語のスタッフがいて英語が通じることで安心できるという話だった。医療機関を選ぶのは患者の権利であるし、現在、内服中の薬剤を確認したが、ごく一般的な薬だったので、了承した。やはり母語が医療機関で通じるというのは安心につながるようだ。
アメリカ人女性、数日前に大暴れをしてトラブルをおこした方だ。日本人のご主人が付いて来た。本人に訊ねたときには精神科の薬はとっくに内服していないと答えたので、ご主人にこの件を電話で話しておいた。精神科の病院には毎回ご主人が同行するそうで、薬を数えてみたが、きちんと内服しているとのことだった。ということは質問に対する本人の返答は信用性がないことがあるということだ。やはりご主人が同行してくれないと何がなんだかわからない。歩き方があひるのような歩き方になったのが2か月前ぐらい、母親とおばがパーキンソンに罹患していたので、自分も罹患したと思い込んで泣き崩れている。けっきょく、近くの公立病院の脳神経内科に紹介状を書いたが、診察がうまくできるかどうか・・・ご主人に必ず同行してくれるように頼んだ。
夕方、二人続けてインドネシア人の発熱者が来院。二人ともインフルエンザAだった。
午後3時頃に発熱でやってきて新型コロナとインフルの検査を行った日本人男性がインフルエンザB型に罹患していることが判明した。今の状況でインフルBも流行り始めたら悲惨なことになりかねない。
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2024年12月26日
2024年12月26日木曜
ペルー人女性45歳、フィリピン人女性65歳、フィリピン人女性56歳、フィリピン人女性17歳、フィリピン人女性51歳、フィリピン人男性57歳、フィリピン人男性21歳、いずれも発熱で来院、新型コロナとインフルエンザの簡易抗原検査を行い、A型インフルエンザ陽性だった。とくにフィリピン人はクリスマスパーティの真っ最中のようで、パーティパーティの中では当たり前のようにグループ内で感染していく。21歳の男性、10代の半ばから女性のようなしぐさがあるとは思っていたが、声まで女性のような声になって来た。
アメリカ人男性64歳、北隣のS市から来院。かなり前に風邪だったか・・・拝見した記憶があるが、今回は血圧が高いと来院。なにか症状があって血圧を測ったのか?と訊ねたら、10日ほど前に友達から血圧計をもらって、測ってみたら高かったとのこと。家では170台だったらしいが、これではよくないと食生活を変えてから血圧が少し下がったと毎日の血圧を見せてくれた。食事を改善したという翌日から血圧が朝は150台、夕方は140台に下がっていた。食事を改善した翌日から良くなったというのは当たらないと思うと話した。食生活を改善しても1か月程度の時間はかかるはずだ。とりあえず、アムロジピン5mgを一日一回で処方、新年あけてから空腹時採血をさせてもらうことにした。
23日月曜日、あまりの発熱者の多さにスタッフが精神的にも肉体的にも疲れ切っているのが目に見えてわかったので、24日の朝は出勤途中のセブンイレブンでクリスマスケーキを二個買い求め、朝の仕事が始まる前にスタッフ10人でカットして食べた。
アメリカ人男性64歳、北隣のS市から来院。かなり前に風邪だったか・・・拝見した記憶があるが、今回は血圧が高いと来院。なにか症状があって血圧を測ったのか?と訊ねたら、10日ほど前に友達から血圧計をもらって、測ってみたら高かったとのこと。家では170台だったらしいが、これではよくないと食生活を変えてから血圧が少し下がったと毎日の血圧を見せてくれた。食事を改善したという翌日から血圧が朝は150台、夕方は140台に下がっていた。食事を改善した翌日から良くなったというのは当たらないと思うと話した。食生活を改善しても1か月程度の時間はかかるはずだ。とりあえず、アムロジピン5mgを一日一回で処方、新年あけてから空腹時採血をさせてもらうことにした。
23日月曜日、あまりの発熱者の多さにスタッフが精神的にも肉体的にも疲れ切っているのが目に見えてわかったので、24日の朝は出勤途中のセブンイレブンでクリスマスケーキを二個買い求め、朝の仕事が始まる前にスタッフ10人でカットして食べた。
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2024年12月24日
2024年12月24日火曜
昨日の患者総数は126人、うち外国人は19.4%の24人だった。クリニックの外に待つ発熱患者で人だかりができていて、新型コロナで大騒ぎとなった2年前3年前を思い出した。
ベトナム人女性38歳、数日前に働いていたところで小さな器械で皮をむいていて、ついでに右手第四指の腹側の皮も剝いてしまった。薬局で買ってきた傷なんとかを使って自分で処置していたらしいが、だめだと思って来院したとのこと。むいてしまった皮膚の下が発赤し、周囲の皮膚は浮腫状態だった。エキザルベを塗布。湿気がこもらないようにガーゼを使い、今年最後となる28日土曜日に来てくれるようにと頼んだ。発熱患者であまりに忙しく、聞きそびれてしまったが、彼女のケースは労災に該当するのではないだろうか。次回に確認するつもりだ。
インドネシア人男性41歳、数日前からの右の上腹部痛で来院。痛いところを触るように指示すると、上腹部、右も左も心窩部も指し示す。痛みには波があるそうで、便は軟便。感染性胃腸炎と推察したが、僕の質問に対する返答がどうも的を逸れていて戸惑う。発展途上国からやってきた人たちに多い反応だ。ゆえに質問の回答から疾患をと絞っていくことが困難なのだ。内服薬を処方したが、彼にも具合が悪ければ28日に来てくれるように頼んだ。
パキスタン人男性59歳、一年に数回、おなかが具合悪いとやってくる。昨日は自分が神経質なのだろうかと半分、謝っていたので、謝ることではないが、僕もそう思うと答えた。過敏性腸症候群の典型的症状なのだが、なかなか通院してくれない。
タイ人女性68歳、発熱で来院。新型コロナもインフルエンザも検査では陰性。普通の風邪と説明すると喜んでくれた。かなり耳が遠くて、顔をつけてタイ語で話さないと内容が伝わらない。内服薬を処方し、内服の仕方を説明した。
最後の最後、午後4時半ごろ、事件はおこった。アメリカ人女性62歳、以前から消化管症状を訴え、潰瘍性大腸炎と主張するのだが、某大学病院にまで行って、それは否定されている。統合失調症があり、県内の専門病院に通院しているのだが、少しよくなると内服がいい加減になり、さまざまなトラブルをつくってしまう。近くの公立病院もそれで大騒ぎをし、出入り禁止となってしまった。彼女が来たとフィリピン人スタッフから聞いた。半年以上、来ていなかったので、来院の理由を聞いてくれるように頼んだが、よくわからない、僕と話したいと受付で大声を出しているとのことだった。たしかに声が受付から響き渡ってくる。
診察室に入ってもらったが、まず顔つきが悪い、統合失調症が悪くなっているときの顔だ。母親がパーキンソンだったので自分もパーキンソンではないかと分かりにくい英語で繰り返す。精神科の薬を飲んでいるのかと逆に質問したら、ずっと飲んでいないとのこと。なおったからと・・・まず、通院していた精神科を受診するように説得して診察室の外に出てもらった。その直後から受付で再び、大声。診察代は支払わないまま、怒鳴っていると聞いたので、とうとう僕の我慢の限界を超えてしまった。自分のスタッフやほかの患者を守らなければならないし、それができなければ院長や理事長は務まらない。受付に行き、彼女の声より大きな声で、「ここは医療機関、具合の悪い人がやってくる、それなのにどうして大きな声であばれるのか?そういうことをするとここも出入り禁止にするぞ」と顔突き合わせて怒鳴った。日本人の悪いところはいいたいことをがまんするところや、静かにやりすごすことを美徳とするところだ。たしかに美徳だが、世界的には美徳とは思われない。反論しないと受け入れた、あるいは相手が正論と認めたという誤解を与えてしまう。彼女はそのまま医療費を支払って出て行った。
ベトナム人女性38歳、数日前に働いていたところで小さな器械で皮をむいていて、ついでに右手第四指の腹側の皮も剝いてしまった。薬局で買ってきた傷なんとかを使って自分で処置していたらしいが、だめだと思って来院したとのこと。むいてしまった皮膚の下が発赤し、周囲の皮膚は浮腫状態だった。エキザルベを塗布。湿気がこもらないようにガーゼを使い、今年最後となる28日土曜日に来てくれるようにと頼んだ。発熱患者であまりに忙しく、聞きそびれてしまったが、彼女のケースは労災に該当するのではないだろうか。次回に確認するつもりだ。
インドネシア人男性41歳、数日前からの右の上腹部痛で来院。痛いところを触るように指示すると、上腹部、右も左も心窩部も指し示す。痛みには波があるそうで、便は軟便。感染性胃腸炎と推察したが、僕の質問に対する返答がどうも的を逸れていて戸惑う。発展途上国からやってきた人たちに多い反応だ。ゆえに質問の回答から疾患をと絞っていくことが困難なのだ。内服薬を処方したが、彼にも具合が悪ければ28日に来てくれるように頼んだ。
パキスタン人男性59歳、一年に数回、おなかが具合悪いとやってくる。昨日は自分が神経質なのだろうかと半分、謝っていたので、謝ることではないが、僕もそう思うと答えた。過敏性腸症候群の典型的症状なのだが、なかなか通院してくれない。
タイ人女性68歳、発熱で来院。新型コロナもインフルエンザも検査では陰性。普通の風邪と説明すると喜んでくれた。かなり耳が遠くて、顔をつけてタイ語で話さないと内容が伝わらない。内服薬を処方し、内服の仕方を説明した。
最後の最後、午後4時半ごろ、事件はおこった。アメリカ人女性62歳、以前から消化管症状を訴え、潰瘍性大腸炎と主張するのだが、某大学病院にまで行って、それは否定されている。統合失調症があり、県内の専門病院に通院しているのだが、少しよくなると内服がいい加減になり、さまざまなトラブルをつくってしまう。近くの公立病院もそれで大騒ぎをし、出入り禁止となってしまった。彼女が来たとフィリピン人スタッフから聞いた。半年以上、来ていなかったので、来院の理由を聞いてくれるように頼んだが、よくわからない、僕と話したいと受付で大声を出しているとのことだった。たしかに声が受付から響き渡ってくる。
診察室に入ってもらったが、まず顔つきが悪い、統合失調症が悪くなっているときの顔だ。母親がパーキンソンだったので自分もパーキンソンではないかと分かりにくい英語で繰り返す。精神科の薬を飲んでいるのかと逆に質問したら、ずっと飲んでいないとのこと。なおったからと・・・まず、通院していた精神科を受診するように説得して診察室の外に出てもらった。その直後から受付で再び、大声。診察代は支払わないまま、怒鳴っていると聞いたので、とうとう僕の我慢の限界を超えてしまった。自分のスタッフやほかの患者を守らなければならないし、それができなければ院長や理事長は務まらない。受付に行き、彼女の声より大きな声で、「ここは医療機関、具合の悪い人がやってくる、それなのにどうして大きな声であばれるのか?そういうことをするとここも出入り禁止にするぞ」と顔突き合わせて怒鳴った。日本人の悪いところはいいたいことをがまんするところや、静かにやりすごすことを美徳とするところだ。たしかに美徳だが、世界的には美徳とは思われない。反論しないと受け入れた、あるいは相手が正論と認めたという誤解を与えてしまう。彼女はそのまま医療費を支払って出て行った。
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2024年12月23日
2024年12月23日月曜
とうとう今年も最終週に入ってしまった。先週一週間の当クリニックでのインフルエンザ陽性者は43人、全員がA型だった。また新型コロナ陽性者は14人、インフルエンザは爆発的な流行期になり、年末にかけて緊急医療機関は混雑するだろう。インフルエンザや新型コロナに感染するのは外国人でも同様で、観光でやってきてホテルで発熱しているという人は少なからず、いや相当数いると思われる。
ネックになっているのは発熱患者受け入れに人数制限を設けている医療機関が多いからであろう。新型コロナの流行以後、厚労省は新型コロナをメインとする発熱患者を受け入れるか否か、医療機関に手上げを求め、手上げした医療機関には通常診療の患者が感染しないように、別の時間帯、あるいは動線的に通常診療の患者とは一線を画した場所での診察を求めた。そのために通常診療への影響を考慮して、一日に受け入れる発熱患者を3人とか4人など、ごく少人数に限った、いわゆる発熱患者等受け入れ医療機関が増えてしまったのだ。
その影響は情報に取り残されやすい外国人にしわよせが来ているのではないだろうか。普段からかかりつけ医を持たない立場の訪日外国人にあっては発熱した際に診てもらえる医療機関を探すことは一層困難であるはず。そして何日間、自宅あるいはホテルでおとなしくしているべきか、スケジュールのある人たちにとっては情報も届かないどころか、届いたとしてもじっとしてはいられない立場で・・・結果としては感染を周囲に広げる結果になりかねない。心配の種がつきない。
21日の土曜日の外国人患者総数は16人、フィリピン人女性56歳、23日月曜の飛行機でフィリピンに帰国するというのに、20日の朝から37.2度の発熱。新型コロナやインフルエンザに罹患していたら、搭乗できるかと心配をしていた。二つの抗原検査はともに陰性。陰性と告げた途端に座り込んでしまった。
フィリピン人女性61歳、高血圧の治療で通院中。タガログ語のスタッフがいつも診察には立ち会ってくれるが、まったく理解してくれない。言葉の問題で理解できないのではないのだ。いつもの便秘の薬も欲しいという。おやっと思った。カルテを見ても便秘の薬を処方した記憶はない。フィリピン人スタッフが別の医療機関でもらった薬はないとのこと。首をひねってしばらく考えていたが・・・わかったことは夜寝る前のオメプラゾールをずっと便秘の薬と思って内服していたとのことだった。彼女はメンタルと知的な問題を抱えていて、ほかのフィリピン人とは少しちがうとは思うが、こんなこともあるということだ。
待合室にかわいい白い帽子をかぶったアフリカ系の生後2か月の女の子、両親に抱きかかえられて予防接種にやってきていた。親の愛はどこの国も同じ。病気に負けずにすくすく元気に育ってほしい。
ネックになっているのは発熱患者受け入れに人数制限を設けている医療機関が多いからであろう。新型コロナの流行以後、厚労省は新型コロナをメインとする発熱患者を受け入れるか否か、医療機関に手上げを求め、手上げした医療機関には通常診療の患者が感染しないように、別の時間帯、あるいは動線的に通常診療の患者とは一線を画した場所での診察を求めた。そのために通常診療への影響を考慮して、一日に受け入れる発熱患者を3人とか4人など、ごく少人数に限った、いわゆる発熱患者等受け入れ医療機関が増えてしまったのだ。
その影響は情報に取り残されやすい外国人にしわよせが来ているのではないだろうか。普段からかかりつけ医を持たない立場の訪日外国人にあっては発熱した際に診てもらえる医療機関を探すことは一層困難であるはず。そして何日間、自宅あるいはホテルでおとなしくしているべきか、スケジュールのある人たちにとっては情報も届かないどころか、届いたとしてもじっとしてはいられない立場で・・・結果としては感染を周囲に広げる結果になりかねない。心配の種がつきない。
21日の土曜日の外国人患者総数は16人、フィリピン人女性56歳、23日月曜の飛行機でフィリピンに帰国するというのに、20日の朝から37.2度の発熱。新型コロナやインフルエンザに罹患していたら、搭乗できるかと心配をしていた。二つの抗原検査はともに陰性。陰性と告げた途端に座り込んでしまった。
フィリピン人女性61歳、高血圧の治療で通院中。タガログ語のスタッフがいつも診察には立ち会ってくれるが、まったく理解してくれない。言葉の問題で理解できないのではないのだ。いつもの便秘の薬も欲しいという。おやっと思った。カルテを見ても便秘の薬を処方した記憶はない。フィリピン人スタッフが別の医療機関でもらった薬はないとのこと。首をひねってしばらく考えていたが・・・わかったことは夜寝る前のオメプラゾールをずっと便秘の薬と思って内服していたとのことだった。彼女はメンタルと知的な問題を抱えていて、ほかのフィリピン人とは少しちがうとは思うが、こんなこともあるということだ。
待合室にかわいい白い帽子をかぶったアフリカ系の生後2か月の女の子、両親に抱きかかえられて予防接種にやってきていた。親の愛はどこの国も同じ。病気に負けずにすくすく元気に育ってほしい。
posted by AMDA IMIC at 10:37
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2024年12月21日
2024年12月21日土曜
タンザニア人男性52歳、2か月前ほどからめまいを感じるようになり、この数日は吐き気も感じると来院。血圧を測定すると180/120だった。原因は高血圧でよいと思った。父親が高血圧だったそうだ。年末が近いが、年始になる前に治療方針を固めておこうと9日分だけ内服薬を処方、27日に空腹で来院してもらって採血を行い、それまでの自宅での血圧の変化を教えてもらい、28日の土曜日に血液検査の結果を加味しながら、降圧剤についても適切なる量を考えようというプランだと話すと納得してくれた。採血の項目を選定するにあたり、親族のだれかに糖尿病はいないか?と訊ねると、両親が糖尿病だったとのこと、採血項目に空腹時血糖とHbA1Cと脂質代謝関係の項目、肝機能、腎機能を加えることにした。検尿も必要だろう。その後、若い時には血圧が正常だったのに、なぜ高くなったのか?と至極まっとうな質問をされた。食事の影響、年齢による動脈硬化の話など例をあげながら説明した。
最近、外国人患者の数は増えつつあるというのに南米のスペイン語圏からの患者数だけは頭打ち・・というより減った気がしていたが・・・市内の南部の民間病院が外国人担当の部局をつくってがんばってくれている。近隣に外国人がたくさん住む団地があり、そこの人たちを中心に通訳として雇用しているからだ。なかなかいいアイデアで、助かる。想像だが、問題は通訳としての質だろう。だれも医学教育は受けていないはずなので。民間病院ということは派遣されて来る医師の中には短期間で離任していく人もいるはず、医師の出入りも多いはず。こういう医師の一人一人が日本人同様、外国人の診療も重要なのだということを理解して欲しい。
最近、外国人患者の数は増えつつあるというのに南米のスペイン語圏からの患者数だけは頭打ち・・というより減った気がしていたが・・・市内の南部の民間病院が外国人担当の部局をつくってがんばってくれている。近隣に外国人がたくさん住む団地があり、そこの人たちを中心に通訳として雇用しているからだ。なかなかいいアイデアで、助かる。想像だが、問題は通訳としての質だろう。だれも医学教育は受けていないはずなので。民間病院ということは派遣されて来る医師の中には短期間で離任していく人もいるはず、医師の出入りも多いはず。こういう医師の一人一人が日本人同様、外国人の診療も重要なのだということを理解して欲しい。
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2024年12月20日
2024年12月20日金曜
19日のクリニック全体の受診患者数は120人、うち新型コロナ感染者が3人、インフルエンザに至っては18人。年末を控えてA型インフルエンザの大流行に見舞われている感じがする。外国人ももちろん例外ではなく、ベルー人の一家など皆で発熱してやってくる例もある。
フィリピン人女性67歳、高血圧、脂質異常症、A型肝炎による肝機能障害で拝見して10年以上になる。米国に住む近親者の勧めもあり、今回の診察を最後に米国に行くそうだ。突然、診断書も書いてほしいと言われた。処方は3か月を希望。その後、英文の診断書をその場で書き上げた。診断書の作成については数日前には教えてほしい。なんとか書き上げてしまったが、これが当たり前と思われると困る。
A型肝炎といえば、広く東南アジアや南米の発展途上国出身の人に多い。17日に会社の健診でわずかにγ-GTPTが上昇していることを指摘されてやってきたベトナム人男性もHA抗体が陽性だった。発展途上国からやってきた外国人の肝機能がわずかでも上昇していたら、HA抗体検査ははずせないと思う。
フィリピン人女性61歳、高血圧で通院中だが・・・30日処方を行った最終診察日からすでに50日が経過している。毎度毎度、口をすっぱくして切れ目なく内服してくれるようにとタガログ語のスタッフを含めて話し合い、説明するのだが、まったく効果がなく・・・
最近はこちらはベストを尽くしているのだから、もううるさく言うのはやめようかとも思ってしまう。
韓国人女性60歳、韓国に戻るたびにプチ整形をしてくるらしい。2か月前に帰国後、診察時に大きな下方に長いマスク・・・というかベールに近いものをつけていて顔を見せてくれない。聞けばやはり整形してきたそうで・・・昨日は本人もうっかりベールを忘れて来たらしく・・・見せてくれたが、きれいになっていた。以前小太りだった彼女はやせるために日本人のご主人の糖尿病の薬を、ご主人の了解のもとに内服していたという「前科」がある。かなり痩せて本人は喜んでいたが、きつく注意したことがある。美容に対する考え方が僕には異様に思えてしまう。
フィリピン人女性67歳、高血圧、脂質異常症、A型肝炎による肝機能障害で拝見して10年以上になる。米国に住む近親者の勧めもあり、今回の診察を最後に米国に行くそうだ。突然、診断書も書いてほしいと言われた。処方は3か月を希望。その後、英文の診断書をその場で書き上げた。診断書の作成については数日前には教えてほしい。なんとか書き上げてしまったが、これが当たり前と思われると困る。
A型肝炎といえば、広く東南アジアや南米の発展途上国出身の人に多い。17日に会社の健診でわずかにγ-GTPTが上昇していることを指摘されてやってきたベトナム人男性もHA抗体が陽性だった。発展途上国からやってきた外国人の肝機能がわずかでも上昇していたら、HA抗体検査ははずせないと思う。
フィリピン人女性61歳、高血圧で通院中だが・・・30日処方を行った最終診察日からすでに50日が経過している。毎度毎度、口をすっぱくして切れ目なく内服してくれるようにとタガログ語のスタッフを含めて話し合い、説明するのだが、まったく効果がなく・・・
最近はこちらはベストを尽くしているのだから、もううるさく言うのはやめようかとも思ってしまう。
韓国人女性60歳、韓国に戻るたびにプチ整形をしてくるらしい。2か月前に帰国後、診察時に大きな下方に長いマスク・・・というかベールに近いものをつけていて顔を見せてくれない。聞けばやはり整形してきたそうで・・・昨日は本人もうっかりベールを忘れて来たらしく・・・見せてくれたが、きれいになっていた。以前小太りだった彼女はやせるために日本人のご主人の糖尿病の薬を、ご主人の了解のもとに内服していたという「前科」がある。かなり痩せて本人は喜んでいたが、きつく注意したことがある。美容に対する考え方が僕には異様に思えてしまう。
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2024年12月17日
2024年12月17日火曜
近くの休日夜間急患診療所の混雑ぶりとインフルエンザの確認状況を聞いていたので、多忙は覚悟で始めた月曜日の診察、気が抜けるほど忙しくはなかった。インフルエンザの患者に適切なる日数分の処方ができるようにしたことが大きな要因だと思った。
外国人患者についてみると、最近、米軍基地からやってくる米国籍の人たちが増えていることに気がつく。以前は米国在住の時から罹患している慢性疾患の治療継続のためにやってくる人たちが主体だったが、ここにきてインフルエンザや新型コロナのように発熱等急性疾患でもやってくる人が増えている。
米国籍の男児7歳、前日からの発熱で来院。新型コロナもインフルエンザも陰性だった。
ペルー人の男児8歳、同じく前日からの発熱で来院。新型コロナは陰性、インフルエンザが陽性。
ベルー人女性26歳、同じく発熱で来院。新型コロナもインフルエンザも陰性、喘息用気管支炎と診断。
フィリピン人が5人、いずれも高血圧等慢性疾患で通院中。52歳男性は二回目の診察で、空腹時採血も施行。降圧剤を処方してまだ5日目、十分に血圧が下がって来ない。食事療法についても説明した。
外国人患者についてみると、最近、米軍基地からやってくる米国籍の人たちが増えていることに気がつく。以前は米国在住の時から罹患している慢性疾患の治療継続のためにやってくる人たちが主体だったが、ここにきてインフルエンザや新型コロナのように発熱等急性疾患でもやってくる人が増えている。
米国籍の男児7歳、前日からの発熱で来院。新型コロナもインフルエンザも陰性だった。
ペルー人の男児8歳、同じく前日からの発熱で来院。新型コロナは陰性、インフルエンザが陽性。
ベルー人女性26歳、同じく発熱で来院。新型コロナもインフルエンザも陰性、喘息用気管支炎と診断。
フィリピン人が5人、いずれも高血圧等慢性疾患で通院中。52歳男性は二回目の診察で、空腹時採血も施行。降圧剤を処方してまだ5日目、十分に血圧が下がって来ない。食事療法についても説明した。
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2024年12月16日
2024年12月16日月曜
14日の土曜日、いやはやびっくり。総患者数は84人、うち外国人患者が35人で41.7%を占めた。しかも初診が5人。
国籍別ではフィリピン14人、ベトナム12人、タイ4人、スリランカ2人、ペルー、パキスタン、米国各1人。
ベトナム人についてはベトナム語の通訳が小児科や内科を行ったり来たり。
初診は会社の検診で高血圧を指摘されたベトナム人が2人、エビのアレルギーだというベトナム人のお嬢ちゃんが1人、発熱のタイ人は新型コロナ陽性だった。フィリピン人はインフルエンザの予防接種。
待合室はカオス状態。
5日前に県西部の温泉地からやってきたベトナム人男性、腹痛について通訳を入れて説明しないと理解ができないと思って、通訳のいる土曜日に来てもらったが・・・通訳の話を聞いて驚いた。今までいろいろな医療機関を受診し、いろいろな薬を処方されたが、何の薬なのか、自分の病気が何なのかがわからないまま内服するのは怖いと・・・処方された薬は一回も内服していないという。こういう性格だから過敏性大腸に罹患するのかもしれないが・・・僕が数日前に処方したトリメブチンも内服していなかった。病気によっては検査で指摘できないものもあり、場合によっては推定で内服薬を処方して、その効果を見て診断する病気もあるのだと話した。
国籍別ではフィリピン14人、ベトナム12人、タイ4人、スリランカ2人、ペルー、パキスタン、米国各1人。
ベトナム人についてはベトナム語の通訳が小児科や内科を行ったり来たり。
初診は会社の検診で高血圧を指摘されたベトナム人が2人、エビのアレルギーだというベトナム人のお嬢ちゃんが1人、発熱のタイ人は新型コロナ陽性だった。フィリピン人はインフルエンザの予防接種。
待合室はカオス状態。
5日前に県西部の温泉地からやってきたベトナム人男性、腹痛について通訳を入れて説明しないと理解ができないと思って、通訳のいる土曜日に来てもらったが・・・通訳の話を聞いて驚いた。今までいろいろな医療機関を受診し、いろいろな薬を処方されたが、何の薬なのか、自分の病気が何なのかがわからないまま内服するのは怖いと・・・処方された薬は一回も内服していないという。こういう性格だから過敏性大腸に罹患するのかもしれないが・・・僕が数日前に処方したトリメブチンも内服していなかった。病気によっては検査で指摘できないものもあり、場合によっては推定で内服薬を処方して、その効果を見て診断する病気もあるのだと話した。
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2024年12月14日
2024年12月14日土曜
コロンビア人女性82歳、数日前に準緊急で上部消化管内視鏡検査を予定した。この方の直前の検査予定の日本人が連絡なくすっぽかしたので、不安に思いつつも待っていたら、時間通りに来てくれた。あたり前のはずだが、感謝。咽頭麻酔だけで内視鏡を挿入。心窩部に痛みではなく、不快感があり、このあたりが・・・と上から下に向かって手でなでまわしていたので、潰瘍やがんではないだろうと推察はしていたが・・・思った通り、食道裂孔ヘルニアに伴う逆流性食道炎の所見があった。プロトンポンプインヒビターを就寝前に一日一回、一回一錠を内服してくれるようにと頼んだ。忙しくても言葉足らずになると適切なる継続的な医療ができない。ひいては彼女にも迷惑をかけてしまう。下手なスペイン語だが、食道裂孔ヘルニアがなぜできたのか、そしてそのために逆流性食道炎が発生したこと、さらにいつまで薬を続けるべきなのか等、十分に時間をかけて説明した。
フィリピン人男性36歳、足首が痛いとやって来た。前回は本年の2月ごろに痛風発作で来院。痛みが取れたあとも尿酸値10.0だったので、フェブクソスタットの内服が必要と説明していたのに・・・数回の診察で、その後は来なくなってしまった。そして今回の件。痛風の再発作だ。血中尿酸値と直接的な関連はないが、再度、どうして通院が必要になるのかを説明した。
フィリピン人女性45歳、高熱で来院、呼吸器系症状あり。はあはあと肩で息をしていた。新型コロナは陰性、インフルエンザA型が陽性。そのための処方を書いていると、いつもの薬も欲しいという。見れば高血圧で降圧剤を一か月分処方したのが10月下旬、とっくに内服し終えているはずだ。注意しながら血圧を測定したら上は160、下は100だった。たしか、糖尿病もあったはずと確認してみると、同時期に処方した後は来院していない。なぜなのかを訊ねたら、前回の診察のときに採血し、血糖値もHbA1Cも正常範囲内と言われたから内服を辞めたとのことだった。絶句。彼女に「今日は僕は怒るよ、自分の患者さんにはみな元気でいてほしいから、患者さんを愛しているからだよ」と前置きして、彼女の目を見ながら説教した。インフルエンザがよくなったあとに空腹時採血を行うために来院して欲しいと話した。
フィリピン人男性36歳、足首が痛いとやって来た。前回は本年の2月ごろに痛風発作で来院。痛みが取れたあとも尿酸値10.0だったので、フェブクソスタットの内服が必要と説明していたのに・・・数回の診察で、その後は来なくなってしまった。そして今回の件。痛風の再発作だ。血中尿酸値と直接的な関連はないが、再度、どうして通院が必要になるのかを説明した。
フィリピン人女性45歳、高熱で来院、呼吸器系症状あり。はあはあと肩で息をしていた。新型コロナは陰性、インフルエンザA型が陽性。そのための処方を書いていると、いつもの薬も欲しいという。見れば高血圧で降圧剤を一か月分処方したのが10月下旬、とっくに内服し終えているはずだ。注意しながら血圧を測定したら上は160、下は100だった。たしか、糖尿病もあったはずと確認してみると、同時期に処方した後は来院していない。なぜなのかを訊ねたら、前回の診察のときに採血し、血糖値もHbA1Cも正常範囲内と言われたから内服を辞めたとのことだった。絶句。彼女に「今日は僕は怒るよ、自分の患者さんにはみな元気でいてほしいから、患者さんを愛しているからだよ」と前置きして、彼女の目を見ながら説教した。インフルエンザがよくなったあとに空腹時採血を行うために来院して欲しいと話した。
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