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2024年10月31日

2024年10月31日木曜

 フィリピン人男性21歳、発熱で来院。以前は頸部の感染症で頻繁に受診していた。そのころから気にはなっていたが・・・新型コロナ簡易抗原検査を施行しようと外に出たら・・・
すっかり女の子っぽくなっていた。聞けば定職には就いていないという。ある程度、成長してから母親が日本に連れてきたケースではよくあることだ。日本語がうまく理解できず、したがって学業では落ちこぼれ、日本の底辺で働くか、日本の中のフィリピン人社会に軸足を置いて働くしかなくなってしまう。働く意欲がないと、反社的グループに吸い込まれることもあり、心配になった。
 フィリピン人女性45歳、高血圧の治療中、いい加減に内服していて、降圧剤を本来、飲み終える日を大幅に超えてやってきた。顔が紅潮し、血圧も高い。無駄であっても言うべきことは言わなくてはと定期的に内服する意義を説明した。浮かない顔をしているので、理由を訊ねたら、あるフィリピン人女性とお金のトラブルになっているという。二人でお店なのか、なにか事業をやろうと提案され、お金を出したのに、事業計画は挫折、お金が戻ってこないのだそうだ。金額的には大きくはないが、彼女の月収の半分ぐらいだろう。それで精神的に参っているのだそうだ。この後、とんでもないことを聞いた。相手のフィリピン人女性は米軍基地の中で働いていたころから生活保護を受給していたというのだ。考えてみると、米軍基地内で働いたお金については日本の給与体系、税体系の「外」の話なので、たとえ、収入があっても税務署に知られることはないし、市役所に知られることもないというわけだ。そこまでは気がつかなかった。ただ、素行が悪くて、その米軍基地内での仕事も首になってしまい、現在は生活保護で暮らしているとのことだった。
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2024年10月29日

2024年10月29日火曜

 雨が降って、患者数は少なかった28日月曜日。慢性疾患である高血圧にて通院中の患者が「いい加減」な内服の仕方で具合が悪くなってやってきた。
 タイ人女性65歳、彼女は日本語能力が低いと言うより、タイ語で話しても理解力が低い。めまいと頭痛がすると来院。血圧を測定すると170/100。高血圧の治療で最後に訪れたのが8月末で、その時に一か月分しか処方していないので、とうに内服し終えているはず。訊ねてみると、この2週間は降圧剤を内服していないとの返事。無駄か・・・と思いながらも、毎日定期的に内服しないとこうなるよと説明して処方した。
 67歳、フィリピン人女性。同じく高血圧にて通院中なのに、しばらく来なかった。土曜日に血圧が上昇し、薬も飲み終わっていて、救急車で市内の病院に運ばれ、点滴だけ受けたとのこと。聞いてがっかりした。呼ばなくてもよい救急車を呼び、地域の救急医療を混乱させてしまった。本来、説明通りに降圧剤を内服していれば、こんなことにはならなかったのに・・・高血圧にて初診の場合、降圧剤の内服の仕方や通院の意義、とくに薬を続けることの意義や、食事療法などについて必ず、話をしている。そして、どうしても降圧剤を辞めたいなら塩分控えめの食事にして、運動療法などで体重を減らすように癤類しているのに、こういうことがおこる。しかも・・・すでにかなりの体重超過であるため、運動療法ができない。膝に痛みを抱えているからだ。運動をすれば、さらに膝の痛みが増し、車椅子生活になりかねない。でも食事療法はできないと言う。するとできない尽くしとなり、介護への道を一直線ということになる。いつも、怒っているわけではないよ、あなたの体を心配しているからうるさく話すのだと伝えてはいるが、ちゃんと理解してくれているのかどうか・・・
 フィリピン人女性38歳、彼女も同様。降圧剤を飲み終えてすでに二週間、血圧は160/110、伝えると怖がるのだが、怖がるような状況を作っているのは彼女自身だ。しかも、このところ、見るからに体重が増加している。訊ねると4kg増えたと自己申告。BMIは28を超えてしまった。
 残念なことに故国のあまり裕福ではない人たちは、ある意味、その日をどのように生きるか、戦っている。遠い将来まで見つけて。体をケアするという発想が極めて乏しいとしか言いようがない。慢性疾患については、とくに薬をやめてしまったら、どういうことがおこるのかをしっかりと説明、通院の意義を理解してもらうしか方法がない。
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2024年10月28日

2024年10月28日月曜

 ベトナム人スタッフが来てくれる土曜日、やはりベトナム人患者が多く、7人。乳幼児の予防接種から成人の高血圧や喘息まで幅広い。42歳の男性、日本語は上手。左の前腕になにかができているという。触診してすぐにわかったが、脂肪腫だった。命に別状はないことや、がんではないことなど話し、しばらくようすを見ることになった。脂肪組織から発生した悪性腫瘍は組織学的にはがんではなく、肉腫である。こういうときに「悪性腫瘍」とか「肉腫」と医学的には適切なる用語で説明しても、ベトナム人スタッフも通訳に四苦八苦するし、聞いた方も理解がうまくできないだろうと判断、「がん」というわかりやすい言葉を使っている。
 土曜日は27人の外国人患者。もっとも印象に残った人はというと・・・
 アフガニスタン人女性24歳、同国人のご主人がふたりのお子さんを連れて同行してきた。
一日に2時間程度しか寝られないのだそうだ。彼女の見て驚いた。あんな目を見たのは40年ぶりだろうか。インドシナ難民大和定住促進センターでタイの難民キャンプからやってきたばかりの人たちを健診したときのあの目だ。不安におびえ、感情がなくなったような目だ。目に笑いがないし、感情がない。タリバン政権になり、いち早くご主人だけが母国を脱出、彼女は一足遅れて、イランに逃げ、イランから日本にやってきたとご主人から聞いた。彼女の目が語っているのは故国に残した家族と連絡が取れないことや、今の故国に帰国できない、すなわち家族に会うことは永久にできないかもしれないという絶望感だと思った。髪の毛もご主人が驚くほど、束になって抜け、ときどき、ご主人やこどもたちに当たり散らし、40分ぐらいすると我に返って謝る、そんな日々のようで、単なる不眠症ではなく、心身症だと診断した。彼女はパシュトン語しか理解できず、僕が英語で話すと、それをご主人がパシュトン語に訳して彼女に聞き取りをするので、ややこしい。言語の問題があろうと、これは心療内科に任せるべきと専門病院に紹介状を書いた。最後にご主人が奥様の眼瞼結膜をめくって見せてくれた。白いから血液検査をしてほしいという。確かに貧血があるような色だったので、肝機能、腎機能を含めて採血した。
 彼らが誰に聞いてこのクリニックにやってきたか、訊ねるのを忘れた。ただ、通り一遍の診察では彼女の心の闇はわからないし、心を開いてはくれないと感じた。
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2024年10月26日

2024年10月26日土曜

 タイ人女性55歳、腹痛、軽度の下痢で来院。急性感染性腸炎かと直感で思ったが・・・痛みは左の上腹部から中腹部にかけて限定していて、痛みの性状を尋ねても、僕のタイ語がうまく表現できていないのだろう、はっきりしない。彼女の日本語は日常用語はよくわかるようだが、病気の話になるとからっきし理解できていない。こういうケース、まちがいやすいのは過敏性腸症候群だ。症状のちがいといえば、急性感染性腸炎では発熱する場合があるが、過敏性腸症候群と同様、発熱を伴わないケースも多数ある。あとはこのような症状がときどき、あったのか、若いころからあったのかとか、日本人なら学校に通っているころによく腹痛で保健室やトイレに行くことはなかったかなどと訊ねると、過敏性腸症候群の場合は思い当たることがあると教えてくれる。急性感染性腸炎は急性疾患、過敏性腸症候群は慢性疾患だからだ。治療も消化を助ける薬を使うことなど共通点はある。まずは急性感染性腸炎と考えて、処方をし、腹痛が続く時には教えてくれるようにと頼んだ。
 インド人女性40歳、胃がきりきりと痛いと受付で話したようだが・・・診察するとややおへそに近く、心窩部ではない。痛みは昨年の12月から数回あるようで、軽度の軟便を伴っている。インド人のご主人が「ストレスが溜まっているようで・・・」と話してくれたが、この言葉に惑わされないようにしっかりと本人と話をした。でも結論としては彼女は過敏性腸症候群の可能性が高いと診断し、ビオスリーとトリメブチンを3週間分、処方し、それまでは治療効果を見るために内服を続けてくれるようにと頼んだ。ご主人が胃の内視鏡検査は必要ないのか?と尋ねるので、痛みは胃の部位ではないと伝えた。
 米国人男性47歳、前日、ランニングをしていたら、右の鼠径部に痛みが走り、ランニングをやめたとのこと。鼠経ヘルニアではないかとやってきた。痛みは鈍く、さほど強くないと話していた。一度、米国で超音波検査で陰嚢に水が溜まっていると言われたことがあり、たしかにその時は右側が少し腫れていたと言う。ズボンをさげて陰嚢、睾丸を診たが、陰嚢の右側と左側に大きさの差はなく、腹圧をかけてもヘルニアの好発部位にしこりが触れるわけでもなかった。たしかに陰嚢水腫と外鼠経ヘルニアは根本的には同じ原因で発生する疾患だし、本人も心配になったのだろう。ヘルニア索の中でなにかが軸捻転してくさったら大変だともいうので、それなら痛みはひどいはずと答えた。僕の結論はヘルニアはなし。本人の希望で大きな医療機関に紹介状を書いたが、診察する先生方も困ることだろう。
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2024年10月25日

2024年10月25日金曜

この数日、外国人患者の数が比較的少ない。こういうときは明日の土曜日が心配になる。どっと押し寄せるのではないかと・・・
 アメリカ人男性38歳新患、社保加入者。2週間ぐらい前から咳が出て、数日前から痰も出始めたと来院。咳が出始めてから3日後に新型コロナの簡易抗原検査を受けたが陰性だったとのこと。市販の風邪薬を内服していたと教えてくれた。単純に「風邪」でよいと院長が判断。対症療法とした。
 22日の夕方、3日前からの突然の便秘と左下腹痛でやってきたベトナム人女性49歳、かなり日本語は話せる。まず、内視鏡室のベッドで直腸肛門診を行ったが、そもそも直腸にあまり便はなかった。ということはS状結腸かどこかに狭窄があるのか?それにしては突然の始まりで、どういうことかと悩んだ。最大限に気をつけながらグリセリン浣腸120CCを行ってみると、中等量の排便があった。腹痛は少し緩和したと帰って行ったが・・・昨日も夕方午後4時をすぎてから来院。便は少し出るが、腹痛は22日より強く腰も背部も重いとと訴える。発熱はなし。がんなどによる狭窄も否定できず、翌日であるきょう25日に近くの公立病院に診察をお願いしようと思ったが・・・彼女の歩き方が気になった。かなり歩くのが難儀そうだった。そこで白血球数とCRPを調べてみたら、前者は13000近く、後者は23を超えて計測不能であった。要するに細菌感染があるということで、これはもう明日まで待てないと考え、同病院に連絡して緊急として受け入れてもらった。憩室炎が一番考えられるが、がんによる狭窄と穿通なども否定はできない。やはりわかっているようでわかっていない、通じているようで肝心かなめのことが通じていないかもしれないというジレンマを感じた。
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2024年10月24日

2024年10月24日木曜

 ここのところ、新型コロナの患者が急に減少、そして25度を超える日が続くというのにインフルエンザに罹患する人がちらほら出て来た。やはり何かがおかしい。今期のインフルエンザ予防接種は例年より少し早めに接種したほうがいいだろう。
 無知とは恐ろしい。月曜日にやってきたフィリピン人女性、バーレーンで胸腺腫の摘出術を受けて来たそうで、糖尿病、高血圧、脂質異常症、慢性心不全の薬を処方されていたのだが・・・胸腺腫については病理学的には良性という診断、紹介状の方、すなわち主治医が書いた方の書類には悪性と書いてあって、放射線治療も受けたとのことであった。胸腺腫瘍そのものがかなり珍しい疾患なので、僕にも知識がなかったが・・・昨日、詳しく調べてみると、「病理学的には良性であっても、近傍への浸潤が認められるケースがあり、臨床的には悪性として治療すべき、原則は手術だが、場合によっては放射線治療など追加すべし」と書いてあった。やはり調べてよかった。彼女の場合、病理学的には「リンパ節や脈管への侵襲もなく、断端も完全に取り切れている」との記載があったが、油断はできないということなのだろう。転移は近傍だけで、遠隔転移はないとも記載があった。いずれにしてもこちらの責任は重大だ。今後、半年のCT検査でよいのかどうか、まだ考える必要がありそうだ。
 この彼女、一昨日は空腹時採血のために来てくれた。すでに内服治療を終えてしまってから2週間を経過しているというので、血圧も脂質関連の項目も糖尿病も「素」の状態を見ることができると思ったが・・検尿では糖が1+だった。
 ペルー人女性57歳、勧められてはじめて行った上部消化管内視鏡検査で胃がんを指摘されて、某公立病院へ入院。かなり大変だったようだか、粘膜下層剥離(EUD)で手術を終えたとのことだった。いつもの高血圧の診療を行ったが・・・血圧を測定している間も「日本にいてよかった、ペルーなら病気が見つかったかどうか・・・見つかってもおなかを切られていたはず」と喜んでいた。すなおによかったねと言いたい。
 新患はスリランカ人のお子さんの予防接種。安全のために問診票を理解してもらうことも大変なようだった。
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2024年10月22日

2024年10月22日火曜

フィリピン人女性48歳、初診。フィリピン人スタッフから「話がたくさんあるみたい」と言われたので、大人の診察を院長に任せ、奥の診察室で話を聞くことにした。
 彼女が取り出したのは英文の束。6枚か7枚あっただろうか? 正確にではなく、まず、何のことを記述してある用紙なにかを速読で確認してから、彼女にどのような用件で来たのかを訊ねることにした。
 主訴は動悸と胸の痛さだった。なにか、赤くできているというので帯状疱疹か?と思い。ブラを少しずらして前胸部を見せてもらうと・・・赤く太くなったケロイドが4か所にあった。そんなことは英文の束には書いてなかったと思い、再度、今度は慎重に英文をすべて読んでみた。
 まず、わかったことは英文が書かれたのがフィリピンではないということ、本人に訊ねると、出稼ぎに10年以上行っていたバーレーンの病院からのものとわかった。要するに、順序だてて話をしてくれないので、何が何なのかわからない。こういう時にはこちらが主導権を握って話を進めないと無駄に時間が経過することになる。
 およそ、理解できたことは・・・動悸があり、病院に行った。病院では胸部レントゲン写真を撮影した。すると胸腺が大きいことがわかった。CT撮影を施行、胸腺腫瘍を疑い、動悸もそこから来ているのかと疑い、摘出手術を行った。病理学の診断書もあり、良性で取り切れていると書いてあった。胸腺腫瘍の分類も書いてあったが、それはこれから読む。主治医からの文書では悪性の可能性もあり、術後に放射線治療を行ったと記載があった。本人に確認するとたしかに放射線治療を受けたとのことだった。
 摘出手術後も動悸は続き、心電図や負荷心電図では異常は認められないと記載があった。
 そして、彼女の血液検査の結果と処方内容が記載されていた。処方内容は糖尿病薬、降圧剤、脂質異常症の薬2種類、慢性心不全の薬だった。
 彼女に今後、どこで生活をするのか?と訊ねると、ここに親族がいるので、ずっと生活するつもり、だから一時的ではなく、継続的に僕のクリニックで治療を受けたいとのことだった。しかも・・・薬はすでに2週間前に内服し終わっているという。
 ここで論点を整理、➀ 乳房のケロイドに対する治療をするかしないか、A胸腺腫瘍術後の経過観察をどこでするのか? 半年に一回のCTでまずはよいのか・・➂糖尿病、高血圧、脂質異常症についてはすでに二週間内服していないので、あらためて空腹時採血を行い、適切な薬剤を処方することにする。➃動悸については、負荷心電図まで行い、異常はないと記載があるのに慢性心不全の薬を内服していた理由が理解できず、あらためて循環器専門医に診ていただくことにする   
このように提案して、納得してもらった。ここまで1時間近く経過していた。海外との往来が日常的になるとこのようなケースも稀ではなくなるはず。一人でかかりっきりになり、診察が1時間もストップしてしまい、そのうえ、初診料だけではとてもじゃないが、やってはいけない。それと・・・6月にバーレーンで手術を受け、日本にやってきて間がないはず。社会保険の家族だった。どういう事情で在留資格を得たのかは知らないが、長く日本にいて
働いてくれないと、支払い側から見るとペイしないだろう。
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2024年10月21日

2024年10月21日月曜

 19日土曜日は運動会がどこかであったらしく、しかも30度に近い気温で患者数は多くはなかった。
 小児科に一歳数か月のメキシコ国籍の女の子、発熱で来院。新型コロナの簡易抗原検査も陰性で、通常の「風邪」として処方していた。
 タイ人女性46歳、北隣のS市から来院。亡くなった日本人のご主人の遺影をずっとパック゛の中に入れている。いつもの睡眠導入剤を処方すると、これはできますか?とバッグから取り出したのは北隣のS市の特定健診の受診券。これはS市内しか使えないと話した。ご主人が日本人だったという彼女でさえ、特定健診は住民基本台帳に掲載がある自治体の中でしか使えないということを知らないのだと少し驚いたが・・・あとで考えてみると不思議なことではない。なぜなら市町村役場で加入手続きをする国民健康保険は全国で使えるのだから。でも今になり、どうして特定健診を受けたいのか?と訊ねたら、体調が悪いのだという。体が急に熱くなったり、寒くなったり・・・数年前にタイの病院で子宮全摘手術を受けたのだそうだ。疾患についてははっきりと覚えてはいなかったが、腹痛や不正出血があったからだそうで、がんではないという話だった。体調が悪ければ、保険適用で検査すべきことはできるのだが、単に特定健診と同じ内容のことを検査して欲しいということになると、それは保険外診療となってしまうことを説明しておいた。
外国人の中にはこのように自分に自覚症状があるにもかかわらず、冒頭、血液検査をしてほしいとか、胸の写真を撮ってほしいとか言い出す人がいる。なぜ、検査をしてほしいと思ったのか?具体的に訊ねると、実は症状があるとか会社の検診で〇〇に問題があると指摘されたとか、理由がわかるし、理由がある場合が多い。診療は忙しいが、それを聞き出すのがこちらの仕事。窓口でのやりとりだけを信用してはいけないということだ。
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2024年10月19日

2024年10月19日土曜

 インド人男性50歳、高尿酸血症、最初にやってきた時には痛風。かなりインテリジェンスの高い方だが、なかなか食事療法など自分で尿酸値のコントロールはできないようだ。
日本語が上手すぎて、逆にインドに関していろいろなことを教えてもらえる貴重な窓口のような方。
 ペルー人男性65歳、発熱と咳や咽頭痛で来院。新型コロナの簡易抗原検査は陰性。やってくる前に別の医療機関で新型コロナの簡易抗原検査を行うことなく、対症療法の薬だけ内服していた。そのことで不安になってやって来たらしい。胸部レントゲン写真も異状なし。すでに解熱していて普通の「風邪」として対応した。
 米国人男性42歳、軍の関係者で日本の公的保険にはかにゅうできず、自費診療となっている。米国で甲状腺機能低下症と診断され、内服治療しているのに、ついいい加減になってきてしまい、内服薬も少し前になくなったと来院したのが先週。採血してみたが、結果、甲状腺関係のホルモンに異常値はなかった。米国での診断には口を出すつもりはなく、米国の主治医の処方通りにとりあえず、処方しますというのが当初に本人と交わした約束だったが・・・あまりにいい加減に内服していても甲状腺ホルモンに異常がないとするならば、はじめから診断をやりなおす必要があるだろう。
 フィリピン人女性55歳、降圧剤を処方中。婦人科のがんで近くの公立病院で手術を受けてそちらも通院中。ラッキーな人だと思う。もし、日本に住むなどということがなければ、フィリピンでの医療費はとても彼女に支払えるような額ではなく・・・自宅も全部手放して医療費を作って、治療を受けても帰る家がなくなってしまうか、あるいは家族のために家を残して、自分は治療をあきらめて、死ぬのを待つか・・・こんな選択になる。このように考えたら、日本にやってきて住んでいるフィリピン人は皆、勝ち組と言えるかもしれない。
 カンボジア人女性72歳、以下年な難民として定住目的で日本政府に受け入れられてから、もう38年近く。僕にとってはもはや人生の戦友みたいな人だ。元気な顔を見て、ほっとした。
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2024年10月18日

2024年10月18日金曜

 昨日は外国人患者の影が薄いと感じていたが・・・今日、電子カルテの患者一覧を見ると、それでも10人の外国人患者が来てくれていた。
 予防接種だけにやってきた方が2人。1人は米国人男性70歳、国保に加入しており、新型コロナとインフルエンザの両方のワクチン接種を希望。とくに体調は悪くはないということで接種した。新型コロナについては今年はワクチンが5種類に増えたが、同日ではなく、同時に接種できると患者サイドにとって便利なこと、そしてすでに過去の実績があることから、当クリニックではファイザーのワクチンだけを導入している。そしてもうひとりはペルー人女性56歳、今年の2月だったか、新型コロナに罹患している。本人と話し合ったうえで、インフルの予防接種だけを行った。
 ブラジル人女性57歳、先週、呼気テストを施行したが、当日朝、薬を内服し、飲水してきたと教えてくれた。原則はなにも飲み食いせずなのだが、ここで検査を行わないと次の機会がないのではないかと恐れ、施行した。結果は陰性。本人に陰性であることを告げると、天に向かって大きく十字を切り、診察室に入って来た時の顔つきとは全くちがう、笑顔で出て行った。
 フィリピン人女性51歳、12年前から頭になにかができていると来院。見せてと話すと、黒髪をかき分け、ここと触らせてくれた。頭頂部のやや左の皮下のしこり、大きさは長径で1.5cmぐらい。可動性あり、表面はスムース、以上からなんらかの良性の皮下腫瘍と診断した。脂肪腫にも感覚が似ているが、場所的にはあまり脂肪腫ができるところではない。良性の腫瘍だと思うが、悪性のものではない、でも良性であってもこれからゆっくりと大きくなることはある、それでも悪性化することはないだろうと話した。どうも悪性という言葉ずいまいち、ピンとこないようなので、誤解を覚悟のうえで、悪性を「がん」と置き換えて話した。するとすぐにわかってくれた。頭部は血管が多く、手術するには大きな病院の方がよいことなど話したが、症状も何もないとのことで、経過を見ることにした。
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