ベトナム人スタッフが来てくれる土曜日、やはりいつもよりベトナム人患者が多い。
予防接種にやってきた親子あり。ベトナム人スタッフがいてくれなかったら問診も意思疎通もいい加減にならざるをえない。仮に僕のクリニックがなかったら、どうしたのだろう?
きっと日本語が話せるというベトナム人に同行してもらい、かつ外国人でも受け入れますという医療機関を探さねばならない。これはなかなかの難問だ。僕のクリニックの存在意義の一つを感じて、すなおによかったと思う。
フィリピン人女性67歳、前々日から鼻水と痰と咽頭痛あり。発熱はしていないとクリニックに入りそうになったが、外で待機してもらった。新型コロナの簡易抗原キットですぐに陽性反応が出た。こういう人もいるのだから、すでに「普通」の風邪と新型コロナを症状から区別するのは困難だ。
ベトナム人女性54歳、ベトナム人スタッフが来る日に合わせて、高血圧などの治療にやってくる。診察終了後、春巻きを大量に揚げて持ってきてくれたことがわかり、お礼を言った。ちょうど昼前だったこともあり、こっそり休憩室に行き、いただいた大量の揚げ春巻きを発見、香ばしい匂いが立ち込めていた。数個、食べてまた診察室へ。
ペルー人男性、診療終了時間直前に来院。新型コロナが陽性と判明したフィリピン人女性とほぼ同じ症状。新型コロナの簡易抗原検査を施行したが、陰性だった。というわけで症状から新型コロナかどうかを判定することはもはやできない。
2024年09月30日
2024年9月30日月曜
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2024年09月28日
2024年9月28日土曜
肌に寒さをほんの少し感じる小雨の日、患者数は少なかった。それでも外国人患者数は8人。この2年ぐらい、外国人患者数がゼロの日は記憶にない。
中国人男性65歳、毎月定期的ではなく、気が向いた時にやってくる。そして4か月に一回ぐらいは脂質異常症関連の採血を自分から求めて来る。僕の言うことも聞いてはくれるが、どちらかというと自分の考えや構想があって、それに沿った方向だと僕の意見も聞いてくれるという感じ。というわけで空腹でやってきたので、採血を施行した。
ペルー人女性55歳、彼女もマイペースなタイプ。長年、見ていて、本人に任せておけば、自分で行動するので大きな心配はしていない。ただし、やってくるときはすでに手持ちの降圧剤を飲み終えてしまっていることがままある。彼女の場合、最大の問題は日本語力だろう。難しい日本語は理解ができない。説明が必要なときはスペイン語とやさしい日本語を混ぜて話す。昨日は前日からの下痢、腹痛で来院。感染性腸炎と診断したが、発熱もない程度だったので、便培養等は行わなかった。食事についても説明した。
フィリピン人女性66歳、胸部右側の痛みと下肢の筋肉がつれるとのことで来院。胸部写真は異状なし。下肢の筋肉のつれに関しては芍薬甘草湯を処方した。前胸部の痛みはどうやら仕事上でそのあたりの筋肉を使うからのようだった。もともとインテリジェンスが少し低いうえに両側の難聴があり、フィリピン人スタッフがタガログ語に訳して話してくれないと妙な日本語の質問で堂々巡りになってしまう。
さらっと終わる外国人患者の診療、個性の濃い人や自分の固定観念が強い人など・・・実はここのあたりが外国人患者の診療で一番むずかしい点かもしれない。
中国人男性65歳、毎月定期的ではなく、気が向いた時にやってくる。そして4か月に一回ぐらいは脂質異常症関連の採血を自分から求めて来る。僕の言うことも聞いてはくれるが、どちらかというと自分の考えや構想があって、それに沿った方向だと僕の意見も聞いてくれるという感じ。というわけで空腹でやってきたので、採血を施行した。
ペルー人女性55歳、彼女もマイペースなタイプ。長年、見ていて、本人に任せておけば、自分で行動するので大きな心配はしていない。ただし、やってくるときはすでに手持ちの降圧剤を飲み終えてしまっていることがままある。彼女の場合、最大の問題は日本語力だろう。難しい日本語は理解ができない。説明が必要なときはスペイン語とやさしい日本語を混ぜて話す。昨日は前日からの下痢、腹痛で来院。感染性腸炎と診断したが、発熱もない程度だったので、便培養等は行わなかった。食事についても説明した。
フィリピン人女性66歳、胸部右側の痛みと下肢の筋肉がつれるとのことで来院。胸部写真は異状なし。下肢の筋肉のつれに関しては芍薬甘草湯を処方した。前胸部の痛みはどうやら仕事上でそのあたりの筋肉を使うからのようだった。もともとインテリジェンスが少し低いうえに両側の難聴があり、フィリピン人スタッフがタガログ語に訳して話してくれないと妙な日本語の質問で堂々巡りになってしまう。
さらっと終わる外国人患者の診療、個性の濃い人や自分の固定観念が強い人など・・・実はここのあたりが外国人患者の診療で一番むずかしい点かもしれない。
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2024年09月27日
2024年9月27日金曜
ペルー人女性61歳、高血圧で来院。日系人だが、別の国籍のご主人が仕事のために遠方で働き、彼女はご主人の母親の世話をし、子育てしながら働いていた。そのご主人の母親は両親が日本からの移民で、国籍こそ日本ではないが、顔はまったくの日本人。この母親が認知症になり、思ったことが口をついて出るようになり、彼女の国籍のことなど、ののしるようになり、精神的に追い詰められてやってきた「昔」を思い出した。とらえどころのない症状で、寡黙な彼女がますます寡黙になり、その分、体に異変が起きていた。今は自分のことだけを心配していればいい環境になったようで、ほっとした。
ペルー人女性76歳、内視鏡検査を行っているときにいらっしゃったようで院長に診察をしてもらった。ちょうど検査が終わったころ、看護師が僕を呼びに来た。患者の娘さんが僕がいないので探しているみたいだという。診察室に行ってみると、長女が立っていた。50歳をすぎて、どういういきさつなのかは知らないが、結婚して米国に渡ったとのことだった。元気な顔を見せてもらって感謝。
ナイジェリア人男性54歳、かなりの心配性で、いつもあっちが具合が悪い、今度はこっちだといろいろと話してくれる。ときどき頻脈になるらしい。心電図を見ても問題はなかった。過去には数回、専門医を受診したこともある。日本語が上手なのに、決して診察室では日本語を話そうとはしない。こちらが英語で話してしまうためだ。昨日は彼の日本語力をためそうと、途中から日本語で話し始めたが・・・面食らったようで、笑い転げていた。日本人の奥さんと日本語でけんかするのだから上手なわけだ。
ペルー人女性76歳、内視鏡検査を行っているときにいらっしゃったようで院長に診察をしてもらった。ちょうど検査が終わったころ、看護師が僕を呼びに来た。患者の娘さんが僕がいないので探しているみたいだという。診察室に行ってみると、長女が立っていた。50歳をすぎて、どういういきさつなのかは知らないが、結婚して米国に渡ったとのことだった。元気な顔を見せてもらって感謝。
ナイジェリア人男性54歳、かなりの心配性で、いつもあっちが具合が悪い、今度はこっちだといろいろと話してくれる。ときどき頻脈になるらしい。心電図を見ても問題はなかった。過去には数回、専門医を受診したこともある。日本語が上手なのに、決して診察室では日本語を話そうとはしない。こちらが英語で話してしまうためだ。昨日は彼の日本語力をためそうと、途中から日本語で話し始めたが・・・面食らったようで、笑い転げていた。日本人の奥さんと日本語でけんかするのだから上手なわけだ。
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2024年09月26日
2024年9月26日木曜
ペルー人女性51歳、早期胃がんが発見されて、居住している地域の中心的病院で内視鏡による手術を受けて退院したと嬉しそうに教えてくれた。ペルーではそんな手術はできないし、手術するにも公的保険がないので金銭的に大変だと話していた。一義的にはよかったねと話したが・・・30代の頃からなぜか、生活保護。今後も生活保護だろう。居住地から僕のクリニックまでたぶん、1時間近くかけてやってくる体力はあるし、日本語は上手で、どうして生活保護なのか、理解できない。今後の日本での生活を考えると複雑な気持ちになった。
タイ人女性56歳、日本にやってきてすでに25年は経過しているはず。というのもそのころから、何か具合が悪いとやってくるからだ。どういうきっかけで日本にやってきて、合法的に滞在しているのか、訊ねたこともない。しかし、彼女がやってくる時には明らかな大きな疾患がある場合ではなく、心配になってやってくるというメンタル的な症状の時だ。今回も同様。心配しないように話しておいた。
24日は午前で診療を終えて、午後から北海道の田舎へ。町の職員から医療の状況など教えてもらったが、なかなか大変なことばかりということがわかった。それにしても故郷はすばらしい。
タイ人女性56歳、日本にやってきてすでに25年は経過しているはず。というのもそのころから、何か具合が悪いとやってくるからだ。どういうきっかけで日本にやってきて、合法的に滞在しているのか、訊ねたこともない。しかし、彼女がやってくる時には明らかな大きな疾患がある場合ではなく、心配になってやってくるというメンタル的な症状の時だ。今回も同様。心配しないように話しておいた。
24日は午前で診療を終えて、午後から北海道の田舎へ。町の職員から医療の状況など教えてもらったが、なかなか大変なことばかりということがわかった。それにしても故郷はすばらしい。
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2024年09月24日
2024年9月24日火曜
連休につながる土曜日である21日、朝方こそ混んでいたが、10時半を過ぎたあたりから患者数がめっきり減った。どうしても来なければならない人以外はどこかに出かけたのだろう。
フィリピン人男性31歳、痛風発作のあとの受診。痛みはすでに消失。前回の血液検査の結果を説明した。空腹時の尿酸値が9.2、極めて高い。食事指導も行ったのだが、いつもこってりしたフィリピン料理を食べていて、しょうゆ味でなんでも煮詰めて食べるアドボというフィリピンの料理もやめられないと話す。やむを得ず、フェブクソスタットを20mgから開始することにした。内服してしばらくしてから再び、採血して効果をみるという話もした。
インド人男性55歳、いつみの高血圧の診療と空腹時採血。
ペルー人男性49歳、2週間前に受けた特定健診の結果を聞きに来院。すべての検査項目が正常範囲内であることを説明した。体が痛いと言いながら帰って行った。
フィリピン人男性、最近、痩せてきていると来院、血液検査で甲状腺機能亢進症であることを確認し、チアマゾールを投与開始。はじめは大量投与で、以後は血液検査で甲状腺機能に関する採血を行って、治療効果をみながら、最終的に維持療法としてチアマゾール5mgを一日1錠をめざすと説明した。さらに、甲状腺機能に関連するホルモン検査が最低でも4日から5日程度はかかることから、内服薬を飲み切ってしまう1週間前に受診して採血を受けてほしいとも話して、了解を得たはずなのに・・・前日の午後にやってきて、「明日で飲み切ってしまう」と発言。どこかで英語の先生をしているという、そんなインテリジェンスを持ち合わせているはずの彼の行動に落胆した・・・でも怒ってはいけないし、怒らない。結果のすべては彼が負うことになるのだから。良い結果が出ていることを祈りたい。結果により一日内服量を減らすつもり。
朝から中東出身の医師が見学に来院。もちろん日本の国家試験も通って研修中の身。日本もイスラムの人たちが多く住むようになり、またイスラム圏からの観光客も多くなった。彼女が医師として独り立ちできるようになり、いつか、開業できる日が来れば、イスラムの人たちにとっては心強いかぎりだろう。大きな病院に勤務すれば、一週間に二回程度の外来担当日以外は勝手に患者を診ることはできなくなるし、いろいろと制約があるだろう。そんな話をした。
フィリピン人男性31歳、痛風発作のあとの受診。痛みはすでに消失。前回の血液検査の結果を説明した。空腹時の尿酸値が9.2、極めて高い。食事指導も行ったのだが、いつもこってりしたフィリピン料理を食べていて、しょうゆ味でなんでも煮詰めて食べるアドボというフィリピンの料理もやめられないと話す。やむを得ず、フェブクソスタットを20mgから開始することにした。内服してしばらくしてから再び、採血して効果をみるという話もした。
インド人男性55歳、いつみの高血圧の診療と空腹時採血。
ペルー人男性49歳、2週間前に受けた特定健診の結果を聞きに来院。すべての検査項目が正常範囲内であることを説明した。体が痛いと言いながら帰って行った。
フィリピン人男性、最近、痩せてきていると来院、血液検査で甲状腺機能亢進症であることを確認し、チアマゾールを投与開始。はじめは大量投与で、以後は血液検査で甲状腺機能に関する採血を行って、治療効果をみながら、最終的に維持療法としてチアマゾール5mgを一日1錠をめざすと説明した。さらに、甲状腺機能に関連するホルモン検査が最低でも4日から5日程度はかかることから、内服薬を飲み切ってしまう1週間前に受診して採血を受けてほしいとも話して、了解を得たはずなのに・・・前日の午後にやってきて、「明日で飲み切ってしまう」と発言。どこかで英語の先生をしているという、そんなインテリジェンスを持ち合わせているはずの彼の行動に落胆した・・・でも怒ってはいけないし、怒らない。結果のすべては彼が負うことになるのだから。良い結果が出ていることを祈りたい。結果により一日内服量を減らすつもり。
朝から中東出身の医師が見学に来院。もちろん日本の国家試験も通って研修中の身。日本もイスラムの人たちが多く住むようになり、またイスラム圏からの観光客も多くなった。彼女が医師として独り立ちできるようになり、いつか、開業できる日が来れば、イスラムの人たちにとっては心強いかぎりだろう。大きな病院に勤務すれば、一週間に二回程度の外来担当日以外は勝手に患者を診ることはできなくなるし、いろいろと制約があるだろう。そんな話をした。
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2024年09月20日
2024年9月20日金曜
モンゴル人男性、市内で実習生として働いているそうだが、実習先の会社の方が付き添って来た。英語は理解できず、日本語も仕事に関することや日常会話はなんとかこなすのだが、医学的な用語は理解できないようすだった。訴えは頭痛と腹痛。頭痛はこの1か月ぐらい前からで、とくに夜寝る頃になると強くなるという。こめかみを抑えて「トゥトゥトゥ」としぐさをするので、血管拍動性に近いということなのだろう。そのときに吐き気があるとも話していた。このような痛みに腹痛といえば、片頭痛か?と疑うのだが、腹痛は一か月前はあったが、今はないとのこと。指さすところは心窩部。ここで脳神経内科専門医の院長にバトンタッチ。近くの公立病院にMRIを依頼したようだった。会社の人が言うには、病院に行こうと話したら、僕のクリニック以外は行かないと話したそうだ。新型コロナの頃からモンゴル人の若い男女を拝見してきたのを思い出した。きっと同じところの実習生だったのだろう。
ペルー人男性33歳、恋人のフィリピン人が付き添って来た。今回は発熱、咳と痰。発症後丸一日を経過しているのだが、新型コロナ簡易抗原検査は陰性、朝一番にインフルエンザ陽性の患者がいたので、インフルエンザも検査したが、陰性だった。診察室で診察しながら、カルテを見ると、4月にピロリ菌陽性で除菌療法を行ったのに以後、来院せず。また、同時期に会社の検診で肝機能が悪いと指摘されて、こちらで再検。A型肝炎抗体が陽性だった。
s-GPTが100近かったのでウルソ、グリチロンを処方したのにそれっきりになっている。
フィリピン人の彼女にフィリピン人スタッフを通じて話した。彼の病気をしっかり治さないとあなたが苦労するよと。見守り役を頼んだ。今回の症状がおさまったら、呼気テストと採血を行うことを本人に約束してもらった。
カンボジア人男性86歳、発熱で10日ほど前に来院。新型コロナもインフルエンザも陰性。まだ痰があるとやって来た。前回は院長が診察。今回は僕を見つけて近寄って来たので握手した。彼の奥さんは潮州語を話す中国系カンボジア人で持病があり、難民として来日後、長年、僕が拝見してきた。たしか、彼はその後、呼び寄せ事業で来日したはず。当時の難民や難民関係の呼び寄せ事業に際しては、母国カンボジアの戸籍がポルポト政権の原始共産制によりすべて消失していた。したがって生年月日や誕生日が確認できない人が多く、本人の申告を鵜呑みにせざるをえないケースが多かった。中には日本に受け入れられるために年齢を詐称した人もいる。彼もたぶん、年齢が実年齢と乖離しているような気が当初からしていた。しかし、来日後に正確な実年齢に変更することはできず、入国時の申告通りにすべての書類が進んでいく。今、彼は書類上は86歳。実際は僕と同じ75歳前後だろう、どう見ても80代には見えない。一番、困っているのは彼自身かもしれない。
フィリピン人男性57歳、北隣S市内の某病院に通院中で、この病院が9月いっぱいで外来診療をやめるということで、主治医からの手紙を持参していた。びっくりした。
ペルー人男性33歳、恋人のフィリピン人が付き添って来た。今回は発熱、咳と痰。発症後丸一日を経過しているのだが、新型コロナ簡易抗原検査は陰性、朝一番にインフルエンザ陽性の患者がいたので、インフルエンザも検査したが、陰性だった。診察室で診察しながら、カルテを見ると、4月にピロリ菌陽性で除菌療法を行ったのに以後、来院せず。また、同時期に会社の検診で肝機能が悪いと指摘されて、こちらで再検。A型肝炎抗体が陽性だった。
s-GPTが100近かったのでウルソ、グリチロンを処方したのにそれっきりになっている。
フィリピン人の彼女にフィリピン人スタッフを通じて話した。彼の病気をしっかり治さないとあなたが苦労するよと。見守り役を頼んだ。今回の症状がおさまったら、呼気テストと採血を行うことを本人に約束してもらった。
カンボジア人男性86歳、発熱で10日ほど前に来院。新型コロナもインフルエンザも陰性。まだ痰があるとやって来た。前回は院長が診察。今回は僕を見つけて近寄って来たので握手した。彼の奥さんは潮州語を話す中国系カンボジア人で持病があり、難民として来日後、長年、僕が拝見してきた。たしか、彼はその後、呼び寄せ事業で来日したはず。当時の難民や難民関係の呼び寄せ事業に際しては、母国カンボジアの戸籍がポルポト政権の原始共産制によりすべて消失していた。したがって生年月日や誕生日が確認できない人が多く、本人の申告を鵜呑みにせざるをえないケースが多かった。中には日本に受け入れられるために年齢を詐称した人もいる。彼もたぶん、年齢が実年齢と乖離しているような気が当初からしていた。しかし、来日後に正確な実年齢に変更することはできず、入国時の申告通りにすべての書類が進んでいく。今、彼は書類上は86歳。実際は僕と同じ75歳前後だろう、どう見ても80代には見えない。一番、困っているのは彼自身かもしれない。
フィリピン人男性57歳、北隣S市内の某病院に通院中で、この病院が9月いっぱいで外来診療をやめるということで、主治医からの手紙を持参していた。びっくりした。
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2024年09月19日
2024年9月19日木曜
9月14日土曜の診療を終えてから、まず羽田へ。第三ターミナルの駐車場は長蛇の列、たぶん駐車場に入るまで90分はかかるだろう。国内線のパーキングに停められなかった人も回ってくるのだが、多くの人はあきらめて列を離れていく。予約を入れておいたので、悠然と別の入り口から個室型駐車場へ。車を置いてから予約していた14時40分発の成田空港行で成田空港着午後4時15分。そしてバンコク着が現地時間23時00分。不思議に疲れを感じない。
17日朝9時に空軍病院からピックアップの迎えの車がやってきて、仲間と乗りこみ、
ドンムアン空港の近くのプミポン空軍病院へ。
着いてから旧知のタイの友人たちと再会し、奨学金セレモニーの会場へ移動。故森ヒロ様から僕らが託された600万円を元にした医学部女子学生対象のヒロモリ奨学金も今年で15年目、そしてタイ好きの歯科医師やほかの仲間と創設した空軍看護大学の学生向けの奨学金も今年で13年目を迎えた。前者は毎年二人、後者は毎年三人に授与している。とくに後者は国立の看護大学の授業料が比較的安いせいか、あまり裕福ではない田舎の優秀な学生が多い。親が農業に従事していたり、屋台を引いていたり・・親が離婚したり、怪我をして働けなくなるとたちまち、学費も支払えなくなってしまう。このような学生を大学側に選んでもらい、授与式を開催してもらい、毎年の授業料として3万バーツを直接、手渡してきた。
今年で30人の医学生、39人の看護学生に授与してきたことになる。彼らが地方の病院や故郷の病院で活躍しているのを教えてもらったり、中には海外留学している人もいて、感慨深い。コロナの騒ぎの前、授与式から帰ろうと車の乗りこもうとしたら、息を切らせて看護大学の制服を着た若い女性が走って来た。先生、私を覚えていますか?と。以前に奨学金をあげた人だと顔を見てわかった。奨学金で大学を卒業、その後、看護師として働いて、今は母校の看護教員になりましたと教えてくれた。嬉しかった。そして、今年、授与式の終わりの頃に看護大学の制服を着た若い女性が会場に入って来て、僕のところまでやってきた。先生、私を覚えていますか?最初のころに奨学金をもらい、今は看護大学の教員をしていますと・・・見覚えのある顔だった。こうして僕らの奨学金がタイの医療に役立っている。いや、医療だけでなく、個人の生活をも、いやいや田舎の家族の生活をも助けてきたのかもしれない。75歳、まだまだすることがありそうだ。
17日朝9時に空軍病院からピックアップの迎えの車がやってきて、仲間と乗りこみ、
ドンムアン空港の近くのプミポン空軍病院へ。
着いてから旧知のタイの友人たちと再会し、奨学金セレモニーの会場へ移動。故森ヒロ様から僕らが託された600万円を元にした医学部女子学生対象のヒロモリ奨学金も今年で15年目、そしてタイ好きの歯科医師やほかの仲間と創設した空軍看護大学の学生向けの奨学金も今年で13年目を迎えた。前者は毎年二人、後者は毎年三人に授与している。とくに後者は国立の看護大学の授業料が比較的安いせいか、あまり裕福ではない田舎の優秀な学生が多い。親が農業に従事していたり、屋台を引いていたり・・親が離婚したり、怪我をして働けなくなるとたちまち、学費も支払えなくなってしまう。このような学生を大学側に選んでもらい、授与式を開催してもらい、毎年の授業料として3万バーツを直接、手渡してきた。
今年で30人の医学生、39人の看護学生に授与してきたことになる。彼らが地方の病院や故郷の病院で活躍しているのを教えてもらったり、中には海外留学している人もいて、感慨深い。コロナの騒ぎの前、授与式から帰ろうと車の乗りこもうとしたら、息を切らせて看護大学の制服を着た若い女性が走って来た。先生、私を覚えていますか?と。以前に奨学金をあげた人だと顔を見てわかった。奨学金で大学を卒業、その後、看護師として働いて、今は母校の看護教員になりましたと教えてくれた。嬉しかった。そして、今年、授与式の終わりの頃に看護大学の制服を着た若い女性が会場に入って来て、僕のところまでやってきた。先生、私を覚えていますか?最初のころに奨学金をもらい、今は看護大学の教員をしていますと・・・見覚えのある顔だった。こうして僕らの奨学金がタイの医療に役立っている。いや、医療だけでなく、個人の生活をも、いやいや田舎の家族の生活をも助けてきたのかもしれない。75歳、まだまだすることがありそうだ。
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2024年09月14日
2024年9月14日土曜
昨日は12人の外国人患者、ごく平均的な数字だ。
10日に左の季肋部痛で来院したケニア人女性42歳の血液検査結果が手元に届いた。彼女、同じような痛みで、半年か1年に一回程度やってくる。過去にCTスキャンまで行ったが、原因わからず。そして長期に内服薬を処方したということも記憶にない。
要するに、いまだ原因もはっきりせず、そして内服薬を飲むほどの痛みでもなさそうと不思議な状態なのだ。当初は仕事上のストレスとか、孤独によるストレスとか、なにかあるのかなあと勝手に疑ったこともある。
今回の血液検査はごく一般的な検査で、なにかに的を絞って検査を行ったわけではないのだが・・・クレアチニンが1.55、計算するとe-GFRは39.5で42歳という年齢を考えるとかなりよくない。こういうときにいつも僕の頭の中に、「民族や行動、食生活などちがう人に何か見逃していることはないか?」という考えが浮かんでくる。
もう40年近く前に、タイの難民キャンプから大和定住促進センターに受け入れられたカンボジアやラオスの政治難民の人たちを同センターで診察していたことがある。日本に受け入れられて、彼らははじめての健康診断を近くの公立病院で受けることになり、その担当も僕だった。検便を行うとほぼ90%以上の人に寄生虫疾患があり、それもカンボジア人、ラオス人で明らかに寄生虫の種類が異なり、逆に検出された寄生虫の名前を聞けば、カンボジア人なのか、ラオス人なのか、あてることができた。そして数少ないベトナム人もまた、彼らとはちがった寄生虫だった。そして赤痢アメーバ―にマラリアと、熱帯医学の教科書に書いてあるような疾患も経験した。今、会社の検診で肝機能障害を指摘されて、再検査にやってくるフィリピンやペルーの人たちを診察していると、そのほとんどがHA抗体陽性で、その確率は日本人の比ではない。
このような僕の過去の経験にはアフリカ大陸出身者は全く含まれておらず、いつも目隠し状態で診察している気持ちになる。昔でいえば風土病という言葉に表されるものや地中海貧血のような民族的遺伝に関係するような、そんな病気を見落としているのではないかと不安に思うことがある。しかし、ありとあらゆる検査を行うことは保険診療上、許されないし、また金銭的に患者にも支払いきれないかもしれない。
これが外国人医療のむずかしいところ、皆さんなら、このような患者を前にしてどのようにするだろう?
10日に左の季肋部痛で来院したケニア人女性42歳の血液検査結果が手元に届いた。彼女、同じような痛みで、半年か1年に一回程度やってくる。過去にCTスキャンまで行ったが、原因わからず。そして長期に内服薬を処方したということも記憶にない。
要するに、いまだ原因もはっきりせず、そして内服薬を飲むほどの痛みでもなさそうと不思議な状態なのだ。当初は仕事上のストレスとか、孤独によるストレスとか、なにかあるのかなあと勝手に疑ったこともある。
今回の血液検査はごく一般的な検査で、なにかに的を絞って検査を行ったわけではないのだが・・・クレアチニンが1.55、計算するとe-GFRは39.5で42歳という年齢を考えるとかなりよくない。こういうときにいつも僕の頭の中に、「民族や行動、食生活などちがう人に何か見逃していることはないか?」という考えが浮かんでくる。
もう40年近く前に、タイの難民キャンプから大和定住促進センターに受け入れられたカンボジアやラオスの政治難民の人たちを同センターで診察していたことがある。日本に受け入れられて、彼らははじめての健康診断を近くの公立病院で受けることになり、その担当も僕だった。検便を行うとほぼ90%以上の人に寄生虫疾患があり、それもカンボジア人、ラオス人で明らかに寄生虫の種類が異なり、逆に検出された寄生虫の名前を聞けば、カンボジア人なのか、ラオス人なのか、あてることができた。そして数少ないベトナム人もまた、彼らとはちがった寄生虫だった。そして赤痢アメーバ―にマラリアと、熱帯医学の教科書に書いてあるような疾患も経験した。今、会社の検診で肝機能障害を指摘されて、再検査にやってくるフィリピンやペルーの人たちを診察していると、そのほとんどがHA抗体陽性で、その確率は日本人の比ではない。
このような僕の過去の経験にはアフリカ大陸出身者は全く含まれておらず、いつも目隠し状態で診察している気持ちになる。昔でいえば風土病という言葉に表されるものや地中海貧血のような民族的遺伝に関係するような、そんな病気を見落としているのではないかと不安に思うことがある。しかし、ありとあらゆる検査を行うことは保険診療上、許されないし、また金銭的に患者にも支払いきれないかもしれない。
これが外国人医療のむずかしいところ、皆さんなら、このような患者を前にしてどのようにするだろう?
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2024年09月13日
2024年9月13日金曜
カンボジア人男性50歳、入職のための健康診断。胃がん検診や特定健診でかなり忙しかったが、受け入れた。そうでもしないと入職に間に合わないため。
タイ人女性56歳、夜の仕事なので、朝の9時に来てくれるか心配だったが、約束通りの時間に来てくれた。なんだか、それだけで感謝したくなってしまう。当たり前のことなのに。
フィリピン人女性54歳、院長の高血圧の診察が終わって、待合室に行ってから忘れたことがあると・・・長年、胆石を持っているのだが、最近になってときどき右の季肋部に痛みがあるので、手術を受けたい、近くの公立病院に紹介状を書いてほしいとのことだった。こういうことは診察時に忘れずに話してほしい。奥の診察室で話を聞いて、受付の電子カルテで紹介状を書き上げた。
午後から小児科でBCGを受けた一歳児、両親の顔つきからどこの国かな?と思い、訊ねてみた。南西アジアにしては肌が白く、顔つきがどことなく、西欧風。すると・・・両親ともにアフガニスタンとのことだった。たしかアフガニスタンは多民族国家のはず、部族について訊ねると、パシュトンとのことだった。たしか、アフガニスタンの北部がパシュトンの本拠地で、タリバンと対峙していた勢力のはずだ。彼らが帰国したら、おそらく投獄されるだろう。4歳のおじょうちゃんも連れていたので、タリバンが女子の教育を許さないので心配だねと話すと、だから国に帰れない、娘の教育と安全が一番だと語っていた。心が痛くなる。自分では如何ともしがたい運命にあやつられる人を久しぶりに見た。
タイ人女性56歳、夜の仕事なので、朝の9時に来てくれるか心配だったが、約束通りの時間に来てくれた。なんだか、それだけで感謝したくなってしまう。当たり前のことなのに。
フィリピン人女性54歳、院長の高血圧の診察が終わって、待合室に行ってから忘れたことがあると・・・長年、胆石を持っているのだが、最近になってときどき右の季肋部に痛みがあるので、手術を受けたい、近くの公立病院に紹介状を書いてほしいとのことだった。こういうことは診察時に忘れずに話してほしい。奥の診察室で話を聞いて、受付の電子カルテで紹介状を書き上げた。
午後から小児科でBCGを受けた一歳児、両親の顔つきからどこの国かな?と思い、訊ねてみた。南西アジアにしては肌が白く、顔つきがどことなく、西欧風。すると・・・両親ともにアフガニスタンとのことだった。たしかアフガニスタンは多民族国家のはず、部族について訊ねると、パシュトンとのことだった。たしか、アフガニスタンの北部がパシュトンの本拠地で、タリバンと対峙していた勢力のはずだ。彼らが帰国したら、おそらく投獄されるだろう。4歳のおじょうちゃんも連れていたので、タリバンが女子の教育を許さないので心配だねと話すと、だから国に帰れない、娘の教育と安全が一番だと語っていた。心が痛くなる。自分では如何ともしがたい運命にあやつられる人を久しぶりに見た。
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2024年09月12日
2024年9月12日木曜
朝から診療ストップ、ドミニカ人女性54歳、いつも高血圧で通院中。突然、血圧が190まで上昇したと来院。日本語は片言に近く、意思の疎通がときどき困難。なかばパニックになっていてなかなかこちらの話すことを聞いてくれない。米国に医師として働いている兄弟がいると以前に聞いていたので、英語で話し始めるが、無駄だった。話が支離滅裂になりながらも、不眠であること、仕事が夜中の11時から朝の6時までであること。こどもが4人いて、今は下の2人と同居していて一番下のこどもは10歳、この10歳のこどもが昨日遠足で今日は家で寝ていることなど・・・ここまでで30分。完全に診療がストップしてしまったので、彼女には奥の診察室に移動してもらい、席をあけて他の患者の診療は院長に任せた。
以前に急に血圧が上昇し、他の医療機関を受診した時に一時的に血圧を下げる薬を処方されたようだが、その後、血圧が下がりすぎたという経過がある。それに仕事時間やこどものことなど、ストレスを抱えている中で、何が血圧急上昇の引きがねになっているかがわからない。さらに訊ねていくと、一日の睡眠時間が3時間ほどであるということがわかった。寝られないそうだ。
彼女の場合、左のこめかみから頸部、上肢にかけての痛みがあるとか、左頬がけいれんするようだとか訴える。たぶん、脳梗塞などを心配しているのだろうが、脳神経内科専門医の院長の診察では、症状が脳神経学的には説明できず、そのような疾患ではないだろうとのこと。
どうやら心療内科的治療が必要と考え、近くの精神科・診療内科専門の病院に連絡をしたが、すでに11時になってしまい、当日午後の診察はできないとのことだった。そして患者自身も同病院の受診には納得してくれたが、10歳の娘がひとり家で寝ているので、一度、ごはんを食べさせたいので帰りたいとのことだった。夕方、診療情報提供書を取りにくると帰って行った。昼休みに時間を割いて作成、そして夕方、約束通り、書類を受け取りにやってきたが、僕が知らぬ間に帰ってしまった。ということは頭痛とか突然の血圧の治療とか、今日はどうしよう?と思っていたのだが、そちらはいいってことだったのだろうか?
以前に急に血圧が上昇し、他の医療機関を受診した時に一時的に血圧を下げる薬を処方されたようだが、その後、血圧が下がりすぎたという経過がある。それに仕事時間やこどものことなど、ストレスを抱えている中で、何が血圧急上昇の引きがねになっているかがわからない。さらに訊ねていくと、一日の睡眠時間が3時間ほどであるということがわかった。寝られないそうだ。
彼女の場合、左のこめかみから頸部、上肢にかけての痛みがあるとか、左頬がけいれんするようだとか訴える。たぶん、脳梗塞などを心配しているのだろうが、脳神経内科専門医の院長の診察では、症状が脳神経学的には説明できず、そのような疾患ではないだろうとのこと。
どうやら心療内科的治療が必要と考え、近くの精神科・診療内科専門の病院に連絡をしたが、すでに11時になってしまい、当日午後の診察はできないとのことだった。そして患者自身も同病院の受診には納得してくれたが、10歳の娘がひとり家で寝ているので、一度、ごはんを食べさせたいので帰りたいとのことだった。夕方、診療情報提供書を取りにくると帰って行った。昼休みに時間を割いて作成、そして夕方、約束通り、書類を受け取りにやってきたが、僕が知らぬ間に帰ってしまった。ということは頭痛とか突然の血圧の治療とか、今日はどうしよう?と思っていたのだが、そちらはいいってことだったのだろうか?
posted by AMDA IMIC at 09:06
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