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2024年08月31日

2024年8月31日土曜

 30日金曜日、嵐のような雨の中、そこそこの患者数。皆さん、「こんな雨だから、待ち時間が少ないと思って来た」とおっしゃる。返す言葉が見つからない。
 米国人男性39歳、2週間前頃から咳や痰があるとのこと、発熱はなし。一週間前にお子さんが受診する家の近くの小児科で診てもらっていて、咳止めや去痰剤が処方されていた。内服しても症状が続くなら内科を受診するように言われたとのことだった。診察の結果は喘息。処方を行った。
 フィリピン人女性61歳、高血圧あり。動悸がする、胸が痛いとのことで近くの循環器の総合病院に紹介状を書いたのだが・・・日本人のご主人が10年ぶりぐらいか、付いて来た。同病院で精査を行い、とくに虚血性心疾患の疑いはないとのこと。このところ、血圧が下がってきていたので、降圧剤を少し弱い組み合わせにした。そのことはフィリピン人スタッフ立ち合いの元に通訳してもらいながら、進めたのだが・・・以前から本人の思い込みが強く、こうと思うと理解ができなくなってしまうのだ。本人の希望があり、降圧剤を元に戻した。
 今月初めに受診した若いベトナム人女性について、横浜の某区役所から生活保護の受診券が送られてきた。事務に連絡があり、話があったという。これっておかしいだろう。
なぜ、おかしいかというと二点。彼女は訳アリということで、彼女に関係している団体がベトナム人の通訳を依頼して、その通訳とやってきた人だ。通訳が言うには、彼女に関しては一切しゃべるな、団体についてもしゃべるなと言われて来たのだと話していた。ただ、パスポートがなく、ベトナム大使館に再発行をお願いしていて、再発行されたらすぐに帰国するのだとは話していた。そして彼女自身は全く日本語が話せず、実習生や研修生ではないことは明らかだ。このように事実を総合すると、一番目におかしいのは外国人に対する現状の生活保護加入の法的取り扱いの中で、彼女が生活保護に加入できたという点だ。しかもすぐに帰国するのにだ。外国人を支援する人たちの中には医療費の未納などがあるが、「無理やり」生活保護を取得してお金をひっぱってこようという人たちがいるのは事実だ。病院に勤務するソーシャルワーカーの中にも、勤務する医療機関が外国人の未納金を抱えそうになると、生活保護取得を画策して行政と交渉する人たちがいる。生活保護となれば、顔が見えるだれの財布も痛くなく、お金が降りて来てやれやれよかったと思うかもしれないが、それはまちがった考え方だ。日本人や資格のある外国人が税金として支払った中から出ていくことを忘れてはならない。
二番目におかしいことはこの患者については「自費診療でいいです」という条件で診療を
引き受けたということだ。僕のクリニックの自費診療は保険診療の10割だから、結果的にはいただく医療費は同じだが、これが自費診療が保険診療の15割とか20割の医療機関であれば、医療機関としての収入は保険点数の5割減、または10割減となってしまう。たとえば、「後で保険診療に変えてもいいですか?」という一言があったのなら理解はできるが、それがないのに、突然、生活保護でやれというのは横暴に近いと思う。先にも書いたが、僕のクリニックでは結果的にどちらでも金額の損得はないし、彼女の場合、たった一回の初診料だけなのだが、一言、この某区役所の担当に話して筋は通しておきたい。
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2024年08月30日

2024年8月30日金曜

 フィリピン人男性31歳、会社の検診の結果が出たと持参、s-GPTがわずかに高く、兄弟に肝機能障害があるため、心配して来院。過去にHA抗体陰性、HBs抗原陰性を確認しているので、このまま経過を見るだけでいいと話したが・・・目を移すと尿酸値が7.6とかなりの高値。食事を聞いてもアルコールの摂取歴を尋ねても、思い当たる節がないという。朝食抜きで来たとのことで、採血を行った。この結果で方針を決めることにした。
 カンボジア人男性、隣のA市からやってきた。インドシナ難民としてやってきた女性の配偶者として当時の呼び寄せ事業で来日したと記憶している。はじめて彼を見たときには、女性との年齢差から、もしかして就労のための仮の夫婦か?とも思ったが、そうではなさそうだ。いまだに若く見えた。
 フィリピン人男性55歳、降圧剤を処方したのが4か月前、その時に一週間しか処方していない。血圧が168と高い。薬を内服していなかったためと推察したが、そうではなかった。友達が内服していた降圧剤をもらって内服していたそうだ。それもいよいよなくなり、やってきたというわけだ。ありがちなケースだが、他人の薬は絶対にもらって内服してはいけないと理由を説明しながら話した。
 フィリピン人女性54歳、大和市胃がん検診で、サイレースを使いながらの内視鏡検査。あっというまに終わり、アネキセートで覚醒。説明の後に帰ってもらった。夕方になんと受付にドーナツを届けてくれた。
 インド人男性、横浜市から東京都江東区へ転居したため、かかりつけ医を探している間のできごと。血液検査を行ったところ、糖尿病が悪化、中性脂肪も283まで上昇、なかなか受け入れてくれる医療機関を探せないとのことなので、とりあえず、治療方針から見直して、こちらで診療する仮方針とした。
 ペルー人女性82歳、ほとんど日本語が話せず、今回はお嬢さんが付いて来た。都内のスペイン語で対応可能な医療機関にも通院している。いつものように血圧を計測し、アムロジピン5mgを処方した・・・しばらくして近くの調剤薬局から電話があり、おくすり手帳を見たら、都内の医療機関からもはじめて前回、アムロジピン2.5mgが処方されていますがとのこと。驚いて、こちらに戻って来てもらい、話を聞くと、本人はビタミン剤と思って内服していたとのこと。血圧は120で、自宅でもそれぐらいだと言う。失礼かと思ったが、都内の医療機関にアムロジピン2.5mgを追加した理由を訊ねる文書を書いて次回の診察時に持って行ってもらうことにした。
 アメリカ人男性43歳、横浜市から来院。住民基本台帳に掲載されない在留資格のため、日本の公的保険に加入できず。自費診療。いわゆる難病があり、さらに今回は左手の中指が痛いと来院。見ると爪床の近くの爪の下が乳白色となっていて膿が溜まっていると診断。針で爪に穴をあけて膿を出すと話すと、血相が変わり、がんの疑いも・・・と話し始めた。とりあえず、爪に穴をあけて膿かどうかを確認されてくれと頼み、患指を持つとふりほどこうとするようなしぐさ。このまま刺すのは怖い。再度、説明。爪は痛覚がないので痛くないと話し、21Gの針で穴をあけると黄色の膿がかなりの量、出て来た。培養検査に提出、難病で治療中なので、よけいな抗生物質などは処方しないことにした。
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2024年08月29日

2024年8月29日木曜

27日の火曜日、台風を心配してか、患者数が多かった。外国人も多かったが、二人に翻弄された。
 フィリピン人女性65歳、日本に在住している娘さんを訪ねて短期滞在で来日、京都観光などしていたという。7月に京都に行ったときに、めまい、胸の苦しさを訴えたが、すぐに回復したが、数日前に同様の症状が再発、今は少しよくなったが、心配で連れて来たと娘さんが話してくれた。フィリピンでの既往症を訊ねると、いろいろと薬を取り出して見せてくれた。全部で5種類あるが、3種類は飲み切ってなくなってしまい。2種類だけ内服しているとのこと。見ると、降圧剤が二つあり、一つは飲み切ってしまっていた。ほかに心機能の薬が一つ、脂質異常症の薬がひとつ。フィリピンでの心電図も持参して来ていたが、特異的な所見はなかった。血圧を測定すると、137/80とやや高いものの、極端に高いということはない。自費診療なので、費用に気を使いながらの診療となる。胸部レントゲン撮影と心電図は検査しないわけにはいかないと思い、施行。胸部レントゲンでは心肥大はあるものの、深刻なものではなかった。胸水もなし。心電図はフィリピンでのものとほぼ同じで積極的に虚血性心疾患を疑わせる所見はなかった。血液検査はフィリピンから持参したものがあり、費用の面からも省いた。短期滞在では3か月を超えては滞在できず、滞在期限まではあと2週間と少しと教えてくれた。もしかして、在留期間の延長または在留資格を変更しての滞在が目的の来院かとも思ったが、今回はそのような話は娘さんからはなかった。とりあえず、帰国までの間は一番困るのは虚血性心疾患なので、ニトロダムテープを毎日貼るようにと話して処方した。
 過去に数回、訪れている南米某国の母親の件で、同国人の娘さんが来院。娘さんは母親が高齢であるし、同国にはこの娘さんの妹しかいないので、親族訪問の短期滞在でやってきた母親を日本で面倒みたいと画策している。実際にかなり太った方で心房細動もあり、血圧も高い。しかし、血圧は降圧剤を飲んでいただいてからはよくコントロールされており、いわゆる血液サラサラの薬も内服している。腹部が小山のようなので、なにか病変があるのではないかと近くの公立病院でCTスキャンを行っても、結果は全く異状なしとのこと。たぶん、病気があれば在留資格の変更ができて、長期滞在できると思ったのだろう。ところが検査しても何も深刻な病変が見つからず、入管でも2回申請を断られている。すでに弁護士も頼んでいると話してくれた。この日にやってきたのは娘さんだけ。これ、もらってきたと見せてくれたのは近くの公立病院の循環器内科の僕のクリニックあての診療情報提供書だった。病名は僕のクリニックでの病名に心肥大が加わっていた。今の通りの処方を続けてくださいと書いてあった。これで診断書を書いてほしいと言われたので、実際に診察した専門医の診療情報提供書を持参したほうがよいと話した。「心肥大という病名が付いたので、今回は入管に許可されるのではないか、飛行機の中で急変することを入管はいやがるので」と弁護士が話したと笑顔で教えてくれたが、なんだか複雑な気持ちだった。
 

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2024年08月27日

2024年8月27日火曜

 インド人男性44歳、7月に来院した時に「遠くに引っ越すので来られない、引っ越し先の近くの医療機関を受診したい」と言われた。もうかれこれ10年近く拝見している。どこへ引っ越すのかと訊ねたら、現在地の横浜市から東京の江東区へという返事だったので、さすがにこれは無理と判断した。その後、数人のインド人患者を診る機会があり、そのうちの在日歴が長い人に、彼の引っ越しの話をしたら・・・インド人学校が横浜から葛西に引っ越した、そのためじゃないかと言われた。たしかに彼には二人の男の子がいた。宛先を書かずに紹介状をしたためておいたところ、昨日、来院。医療機関を見つけたか?と訊ねると「まだ」とのこと。そして朝食抜きで来たので採血をしてほしいとのリクエスト。これではさらに彼の診療を続けることになってしまう。今回は採血を行い、結果を見て処方を行うということで合意、至急ではないが、通院できる医療機関を探してもらうことにしたが、その方法がわからないとのことなんので、センターの業務を説明し、電話番号を渡しておいた。
 フィリピン人男性33歳、フィリピン人女性65歳、発熱を主訴として続けて来院。新型コロナ簡易抗原検査では二人とも陰性だった。
 タイ人男性56歳、鶏眼処置で来院。今回で治療は終わりとした。処置が終わったときに爪を見せてくれた。さじ状の爪で変形が甚だしい。聞けばシンナーを扱う仕事をしていて、以前は何も問題はなかったとのこと。どこの皮膚科に行ってもよくならないと続ける。調べてみると、典型的なシンナーによる爪の病変だった。もとのようになるのは不可能と話した。
このような病変も労災になるのだろうか? 
 フィリピン人女性60歳、8月13日から発熱していたとのこと。なぜ、今まで放置していたのか、不明。7月末に娘さんが発熱と咽頭痛で医療機関を受診、二軒目に訪れた医療機関で溶連菌感染症と言われたと教えてくれた。それならなおのこと、なぜ放置していたのか、理由がわからない。すでに検査を行う時期でもなく、症状は軽くなっているとのことで、対症療法だけとした。以前に拝見した時よりかなり太ったことに注目、聞けば両親、兄弟ともに糖尿病とのことなので、今回の件が治癒したら、空腹時採血に訪れるようにと話した。
 小児科も外国人が多く、午後から中国人の母親が予防接種を希望してお子さんを連れて来院。幸いなことに日本語がそこそこ理解でき、ワクチンそのものの備蓄もあり、一日で解決した。
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2024年08月26日

2024年8月26日月曜

 夏季休暇を取る前の8月17日土曜日について・・・ 
 ペルー人女性57歳、高血圧で通院中。彼女が居住する市町村の胃がん検診を受けたところ、ごく小さながんがあると言われたとのこと。素人が言うところの「ごく小さな胃がん」とはどのようなものか、本当に早期なのか?と質問を繰り返し、ようやくわかった。手術は内視鏡で行い、粘膜を剥ぐだけという。まちがいなく微小胃がん、それもペン型のように深く浸潤しないタイプなのだろう。
 フィリピン人女性68歳、3か月ほど前に受けた会社の健診で、肝臓の数値が悪いことを指摘されて来院。彼女も高血圧で通院中、HA抗体が陽性であることはすでに確認してある。グリチロンにウルソも内服中。再検した血液検査では会社での健診時にs-GPTが170であったのが、80となっていた。このまま様子を見ることにした。
 フィリピン人女性47歳、兄が「肝臓で亡くなった」そうで、父親が肝炎の既往があるとのこと。本人も夜の仕事で酒を飲むので、肝臓が悪いのではないかと心配になり、来院。
血液検査の結果、s-GPTほかの肝機能を示す数値はすべて正常範囲内、HBs抗原は陰性、HCVも陰性。伝えると泣きそうになりながら喜んでくれたが、だからと言って心配なく、お酒をたくさん飲んでもいいということではないと伝えておいた。
 めずらしく、タイ人が5人やってきた。高血圧で通院中が3人、そのうちの一人の女性61歳はタイ人スタッフが間に入っても理解力が低く、いつも苦労する。別の男性54歳はごく最近、糖尿病があることが判明。精密検査を経て、内服治療を開始した。2か月前、付き合っているタイ人男性がTPHA陽性と判明した女性。当時、彼女はTPHAもRPRも陰性。ただし、時間的に陰性と言い切れないために、先週に再検。結果はともに陰性。正確に伝えた。
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2024年08月17日

2024年8月17日土曜

台風がやってくるというときとぎ豪雨、突風の中での診察。
 フィリピン人女性56歳、先週、行った小手術の抜糸のために来院。2日前にフィリピン人スタッフに連絡があり、ご主人が新型コロナに感染したとのこと。彼女も感染している可能性があるため、抜糸を数日、延長したいのだが・・・来週の月曜からこちらは一週間の夏季休暇。抜糸は26日月曜になってしまう。さすがにこの日まで縫合糸を置いておくことは感染にもつながりかねず。考えた結果、クリニックの玄関先で抜糸を行った。
 内視鏡検査が2人予約になっていて、二人ともフィリピン人女性だった。初めの1人はよく知っている人で、もう1人にはあまり記憶がなかった。予約時間に来てくれるかどうか、心配したが、二人ともきちんと来てくれた。日本の生活が長くなったり、1人のように介護施設などに勤務していると、日本的考えになるのだろうか。ふたりとも十二指腸第二部まで咽頭麻酔だけで拝見したが、すっと挿入でき、異常所見は全くなかった。
 午後になり、某中東アジアの方が、シールドの貼られた車に乗って連れてこられた。今回が3回目か4回目。ある生活習慣病の治療のため。
 台風は直撃することなく、かすったようだが、朝、起きてスマホを見たら、JALから搭乗便遅延のお知らせが届いていた。成田発は予定通り。どうやら羽田発は国内線の混乱のあおりをまともに食らっているらしい。夏季休暇になって例年なら飛び乗るはずの便はキャンセルになっていた。これでも少しは運がついているらしい。他人事ながら、キャンセルされてしまった人たちはいつ、全員が搭乗できるのだろうと心配になる。
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2024年08月16日

2024年8月16日金曜

 昨日も日本人患者、外国人患者ともに多かった。
甲状腺機能亢進症で痩せの原因が判明したフィリピン人男性57歳、チアマゾール内服後の血液検査の結果を聞いて、次の処方のためにやってきたのかと思ったら、それだけではなかった。消えかけているが、全身に丘状疹。どうやら薬剤性ではないと判明してほっとした。甲状腺ホルモンは劇的に改善しているので、チアマゾールの量を初回の半分として処方した。
 フィリピン人女性56歳、いつもの高血圧の診療を行って処方を行っていたら・・・ドク、咳があってね・・・と話が始まった。ぎょっとして熱は?と訊ねると、熱はないよと答える。でもね、一週間前は熱があってコロナだったのと続ける。コロナが陽性だったの?と訊ねると、「そう」と一言。たしか、介護施設で働いていたなと思い出した。仕事は熱が下がった時点で職場と話し合って出ていたそうで・・・驚いた。
 フィリピン人男性68歳、高血圧の診察の最後に、前回の血液検査の結果を話した。s-GPTが軽度の上昇している。HAが陽性なので、何年経過しても、ときどきはs-GPTが上昇することもあると説明した。
 ベトナム人男性34歳、二週間前に受けた呼気テストの結果を知りたくてやってきた。日本語はごく簡単な言葉しかわからず、電話で当クリニックのベトナム人スタッフに通訳してもらった。ラインのスピーカー機能はあらためて便利だと思った。陰性の意義や今後のことについて説明した。
 午後になり、ベトナム人女性19歳、ベトナム人の通訳が同行して来院。夜に動悸、めまいがあり、手足がしびれるという。そのしびれは30分ぐらいで消失するとのこと。かなりの訳アリらしく、同行してきた女性がストレスのせいでしょうか?と訊ねる。事情を尋ねようとしたが、患者のために通訳としてこのベトナム人女性を依頼した組織から、事情を話してはいけないと強く言われているとのことで、一切、聞けなかった。この点については一言言いたい。今後、どこで何をするのかも、どういう状況にあるのかも、なんにも情報がない中で何を僕にしろというのだろうか? 医師も患者のプライバシィ―を守る義務がある。診てほしいと言いながら、信用していないような組織の対応が不快だった。ただ、通訳の言葉の端端から、パスポートがないこと、再発行をしてもらったらすぐにでも帰国することがわかった。警察や入管関係に依頼されて外国人患者を診たことは何回もあるが、それとはあらゆる点で異なるので、これだけでおよその事情が推察できた。疾患としては自律神経失調症とそれに伴う過換気症候群と診断した。
 フィリピン人女性46歳、風邪症状で来院。新型コロナ簡易抗原検査を行おうと外に行き、名前を呼んだら・・・クリニックの中にいた。受付で外で待ってくれるように頼んだと言うのだが・・・結果は陰性。ほっとした。
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2024年08月15日

2024年8月15日木曜

 お盆の13日、近隣の医療機関の多くが夏季休暇で休診しているうえに、新型コロナの感染者が増えているため、パートのスタッフ一人が気を利かせて勤務に出てくれた。午前10時ぐらいまでは待合室もがらーんとしていたが、それから発熱者の対応等で多忙な一日だった。夕方5時までに拝見した総患者数は85人、そのうち、外国籍の患者は21人、ただし、小児科で国籍は日本だが、外国籍の母親や家族に説明しなければならない人たちがさらに8人。要するに「外国人医療」と呼ばれる人たちは全体の34%で、平日としては多い一日だった。本日、15日は都立の某病院から若手の医師が見学に来てくださる。患者にとっては医療機関などに縁がないほうが良いのは言うまでもないし、僕もそう願っているのだが、彼のような見学者がいる日には外国人患者がたくさん来てくれることを心の中で願ってしまう。
 韓国人女性61歳、長く高血圧で拝見している方で、僕が奥に新設した別の診察室で消化器関係の患者を拝見していたら、看護師が呼びに来た。僕の姿が見えないので、どうしたのか?と心配しているとのこと。待合室を廊下から覗いたら、彼女の姿が見えたので、手を振っておいた。
 フィリピン人男性41歳、発熱、軽い咽頭痛で来院。新型コロナ簡易抗原キットで陽性。かなり驚いていて、同居する父親や家族も発熱しているという。自宅に抗原キットがあるとのことで、検査を自分で行うようにと勧めた。あとでフィリピン人スタッフに連絡があり、全員陽性だったとのこと。前日まで仕事に出ていたそうで、新たな感染者を生み出していたかもしれない。
 フィリピン人女性46歳、腹痛で来院。軽い急性感染性腸炎と診断したが、血液検査もしてほしいとリクエストがあった。どうして?と訊ねると、兄が肝臓がんで死亡、父親は肝炎に罹患していたとのこと。彼女もB型肝炎またはC型肝炎に罹患している可能性があると判断し、肝機能およびHBs抗原とHCV抗体の項目をチェックした。
 この後、フィリピン人二人、ペルー人女性が1人、腰痛、臀部痛、そして大腿から末梢へ響く痛みで来院。座骨神経痛と診断し、鎮痛剤としてジフロフェナックの坐薬を処方した。聞けば3人とも仕事で重い物を抱えあげるらしく、労働環境を心配してしまった。
 フィリピン人スタッフがフィリピン人患者に訊ねたところ、やはりお盆休みに空いていたので来たと話していたそうだ。
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2024年08月13日

2024年8月13日火曜

 高血圧で長く通院してくれているフィリピン人男性71歳、特定健診の予約が入っていたが、時間通りに来てくれた。ほっとした。フィリピン人の奥様は少し太めの彼でもすっぽり、後ろに入って見えなくなるほどの巨漢で、無類の酒好き。酔っぱらうと、彼でも押さえつけられず、それでも彼は面倒を見ている。その奥様のほうは一度、酒のことで注意したこと
があるため、僕を避けているようで、よほどの緊急時以外はやってこない。
 フィリピン人女性49歳、前日の皮下の脂肪腫を摘出した部位の包帯交換で来院。見ると、やや発赤している。腫脹もあり。小さな創で摘出しようと、切開後に周囲を強く圧迫しており、そのためと思いたいが・・・万が一、創部の感染なら手当は早く行うべき。局所を冷やすようにと話した。
 タイ人女性78歳、高血圧で通院中。いつもなにかタイ料理を作って来てくれるのだが、今回はいつもよりかなり量が多い。タイ人スタッフから聞かされたのが・・・日本人のご主人も亡くなり、自分も高齢となり、最初のパートナーとの間に娘もいるので、田舎のナコンサワン県に「永久帰国」したいのとこと。寂しさはあるが、本人の幸せのためならそちらがよいだろう。
 タイ人男性65歳、高血圧で通院中。仕事が忙しい、千葉県で働いているといつも不定期にやってくる。長く、空腹時採血を怠ってしまったが、キリがないので、食後2時間でもいいからと採血してみたら・・・中性脂肪は参考値だが、800を超え、HbA1cは11と上昇していた。痩せやのどの渇きはないようだが、頻尿あり。尿量は多いという。糖尿病であることを説明し。約束通り、朝食抜きでやってきてくれたので、改めて空腹時採血を行った。
 タイ人男性56歳、左手の中指に鶏眼あり。鶏眼処置を行い、次の土曜日に次の処置を行うことにした。
タイ人女性49歳、タイ人パートナーと性病のチェックに来院したのが、6週間ほど前。彼女はHIV、梅毒、B型肝炎HBs抗原ともに陰性だったが、パートナーのタイ人男性は梅毒陽性、詳しく調べるとTPHAは陽性だが、STSは陰性だった。感染して長く時間が経過していて、もしかしたら治療を受けたことがあるかもしれないと推察して訊ねてみたが、記憶にないとのこと。母親からの垂直感染などということもあるのかもしれない。最後の性交渉からあまり時間が経過していなかったため、念のための再検査で来院。たぶん、陰性だとは思うが・・・
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2024年08月10日

2024年8月10日土曜

 9日金曜日、午前中はゆっくりとした出足で、夏休みで人がいないのかと思ったら、午後はすごい患者数。たまたまだったのか・・・
 フィリピン人のご夫妻、奥様は診察に、ご主人はなんだかんだと理由をつけて薬だけ処方をと言われた。実は次回は採血させてねとご主人に話しておいたのだが・・・これでこちらがめげてしまうと、場合によってはさらに半年以上、血液検査もなく時が進んでしまうということになりかねない。それでは困るので、次回は採血させてもらうからと奥様に話して同意をもらった。仕事の関係で2か月処方しているのだが、次回、食事をしてきてしまうと、その次は11月になってしまう。採血させてほしいのには理由があるのであって、いい加減な医療はしたくないのだが・・・
 米軍基地から通院してくる70歳のご主人と68歳の奥様、生活習慣病での通院。日本の保険には加入できないので、自費診療。いつも英文の領収書を書いて差し上げる。彼らが加入している民間保険会社に提出して、払い戻しを受けるためだ。
 フィリピン人女性49歳、いつもは高血圧の治療だが、今回は左前腕の脂肪腫摘出のため。局所麻酔し、切開、周囲を圧迫して難なく摘出したのだが・・・手術室に入るとフィリピン人スタッフがスマホを構えていた。フィリピンの家族に手術をラインビデオで「実況中継」するとのこと。さて、日本人の外科医の腕はどう評価されたのだろう? 10分かからずに縫合まで終わった。
 そういえば7日の水曜日の夕方、スーパーの駐車場にいたら、旧知のバングラデシュのN医師からライン電話がかかって来た。あまりにも鮮明な声だったので、どこにいるの?と訊ねると、学会で日本に来ているとのこと。彼らしい。いつも来日するほんの数日前に連絡をくれるのだが、今回はやってきてからということだ。12月の22日に同国最初の高齢者医療施設、日本風に言うと特別養護老人施設のようなものだろうか、それをオープンするのでセレモニーに出席してほしいとのことだった。その直後に冬休みを予定したので出席はむずかしいかもしれない。バングラデシュの富裕層でも親の面倒をみない家庭が増えてきたのだろうか。
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