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2024年03月16日

2024年3月16日土曜

 15日の金曜日、朝から頭が痛い話。出勤してきた看護師より報告有り。前日、僕が日医外国人医療対策委員会に出席している間に近くの公立病院から電話があったとのこと。内容は僕のクリニックからCTの予約を取ったフィリピン人女性が来ないということだった。あわててフィリピン人スタッフが本人に連絡を取ったところ、「もうよくなったから行かない」と返事したとのことだった。近くの公立病院の担当部署には謝りの連絡を入れたそうだが、こういう「連絡なきドタキャン」は一番嫌われる。予約がいつも「いっぱい」だからだ。第一、先方に失礼。カルテを持ってきてもらって読んで思い出した。別の医療機関で咳が止まらず、苦しいとやってきた。胸部レントゲン撮影を行って写真を見たところ、右の下葉がかなり下方から押し上げられており、それで肝疾患を疑ってCTをお願いすることにした人だった。もちろん合意の上でだ。このフィリピン人女性、いつも僕のところにやってくる人ではない。ある意味、一見さん。こういうことをされるとブラックリストに入れなくてはならない。すでにフィリピン人スタッフから今回の彼女の行動については「いけない行動」であることは話したと聞いたので、これ以上の追及は必要ないだろう。しかし、このようないい加減な他人にも医療機関にも迷惑をかける行動については、毎回毎回言うべきことは言わねばならない。そうでないといつか、近くの公立病院から外国人お断りとか来院保証しろとか言われかねない。
 ミャンマー出身の米国籍の女性51歳、肝機能が悪くて2か月に一回、通院中。前回の血液検査で今までになく、S-GPT、γ-GTPの数値がよかった。ほぼ正常範囲内。すごく喜んでくれた。僕もうれしい。米国籍のご主人の高血圧もちょうどいい数値で保たれており、このようにうまくいくととても信用してくれるようになる。
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2024年03月15日

2024年3月15日金曜

インド人男性54歳、いつもの高血圧と脂質代謝異常症の治療で来院。横に奥様がついて来ていた。どうして奥様が今日に限って同行しているのか?と思ったら・・・ご主人の診察が終わったら、奥様がご自分のことで話し始めた。実は間にひとり、日本人患者のカルテがあったのだが、これはやむをえないと診察を始めた。その奥様、インド人47歳、3週間前から左手関節の内部が燃えるような感じがするという。表現がよくわからず、はじめは腱鞘炎なのか?と思ったが、聞けば右利き。そして反対側の手関節の内部も左側ほどではないが、そのように感じる時があるという。まずはリューマチを否定しておくべきと考えて、近くの膠原病を専門とする院長のクリニックに紹介した。
 フィリピン人女性37歳、軽度の発熱と呼吸器症状で来院。抗原キットで調べたところ、B型インフルエンザだった。お子さんも本人も苗字は日本名、なのに付いて来た男性、ご主人とのことだったが、フィリピン人だった。たぶん、日本人男性と結婚し、お子さんが生まれ、その後、離婚。そしてフィリピン人男性と再婚したのだろう。カソリックであれば許されないはずの離婚、よほど、がまんできないことがあったのか・・・そして日本語のまったくわからないフィリピン人の再婚相手。きっとフィリピンで結婚して連れてきたのだろうが、余計なお世話だろうが、愛ある結婚であってほしい。
 タイ人女性64歳、いわゆる花粉症でビラスチン20mgを就寝前に一錠で処方。30日処方したのが2週間ほど前。なのに薬がなくなってしまったとやって来た。理由は簡単だった。早くよくなりたいと僕の指示量の倍、すなわち一日一回就寝前に2錠内服したとのこと。かなりめげた。さもありなんとあれほど、使用量の説明をしているのに・・・しかも一日2錠40mgの内服は一日最大量を超えている。健康被害が発現してもおかしくはないということだ。このような「事件」が発生すると、今後、どのように処方について説明してよいのか、わからなくなってしまう。彼女の場合はたった一言。基礎学力の欠如。たぶん、学校で学んだ時間が極めて短かったのだろう。
 午後から日本医師会外国人医療対策委員会へ。3期目6年の委員としての活動もあと一回で終わろうとしている。
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2024年03月14日

2024年3月14日木曜

 12日の火曜日、雨が降り、朝から外国人ラッシュ、とくにフィリピン人男性。みな、仕事が「ゲンバ」、漢字で書くと現場。そんな職業があるわけはないが、要するに道路工事とか野外で肉体労働をしているということだ。
 フィリピン人男性55歳、高血圧にて通院中。以前はいい加減な通院だったが、2年前に同じ「いい加減な」通院を繰り返していた兄を肺がんで亡くした。以来、怖くなったらしく、指示通りに通院してくれるようになった。悲しくも人間は大切なものをなくして初めて目が覚めることがある。
 フィリピン人男性59歳、高血圧、脂質代謝異常、高尿酸血症で通院中。生活保護受給者。日本語能力はそこそこ。先月初めに行った市の前立腺がん検診でPSAが高値。近くの公立病院の泌尿器科に紹介したところ、前立腺がんとの返事をいただいていた。手術が終わったそうで、PSAをときどき計測して0.2より上昇していたら連絡が欲しいという主治医からの報告書を持参していた。フィリピンで罹患していたら・・・借金して家も売り払うか、家がなければもう病院には行かないで何もしないか、場合によっては自分で身投げするか、どれかだよと話していたが、その通りだろう。生保で受診し始めたのは3年前ぐらい。彼が働けない理由を知りたい。一度、生保となり、働かずともお金が入ってくると、労働意欲が湧かなくなるのではないだろうか。これは外国人も日本人も同じだろう。
 午後になり、事件は起こった。アメリカ国籍で無保険の男性18歳、母親が連れて来た。母親は軍属らしい。めまいと頭痛があるという。18歳にして100kgを超える巨漢。すでに現地の医師の処方で降圧剤アムロジピンを5mg、一日一回内服している。父親は糖尿病で亡くなったとのこと。血圧は130/98で最低血圧が高いが、聞けばいつもこの程度だという。頭痛についていろいろと質問してみた。英語がわかりにくい。おまけに本人がほとんど話さず、顔の表情から発達障害もあるような気がした。頭痛は血管拍動性、頭痛の前に目がちかちかして吐き気がする、寝ればよくなるというので片頭痛を第一に疑った。ただし、初めてこのような頭痛が起きてから半年ぐらいと言うので、脳血管障害がないかどうかを確認しておく必要があると考えた。僕が決断したのは➀本日はまずはロキソニンなどの鎮痛剤、片頭痛の発作をおこさなくするミグシスの処方、そして➁MRIで脳のチェック、その間に➂
糖尿病、肝機能、脂質代謝、腎機能などの血液検査のデーターをそろえておくことだった。
近くの公立病院に電話して放射線の受付につないでもらい、いつものように病診連携でMRIを予約しようとしたら・・・当日、読んでもらう資料があるので日本語が読めないと受け付けないとのこと。しばらく交渉したが、頑なに拒まれた。悔しいがあきらめて、近くにMRIが撮影できるクリニックがあるので、そちらに電話。同じような拒まれた。これでは日本語が話せない、読めない人は適切なる医療を受けることができない。ずっと続いている問題がのしかかる。声を大にして33年闘ってきたことが何も改善されていないことに、だれにぶつけていいのかわからない怒りが僕を襲った。翌水曜日は午後から用事があるが、午前はあいている。10時頃なら僕自身が通訳で同行してもかまわないと思わざるをえない心境になってしまった。こういう特殊なことをしてはいけないのだが、そうでもしないと僕のクリニックでの彼の診察がうまくいかなくなってしまう。救ってくれたのはフィリピン人スタッフだ。彼女も同時刻は予定がないから、同行してもいいと言ってくれた。もちろん患者にも僕のクリニックにも、先方のクリニックにも通訳代を請求するような気持ちは彼女にはない。まったくの好意だ。今回はやむをえないので、ありがたく彼女の好意を受けることにしたが、胸のもやもやは晴れそうもない。
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2024年03月12日

2024年3月12日火曜

 ぺルー人男性43歳、痛風発作がおさまって高尿酸血症の治療中。痛風発作が怖いのか、来院のたびにコルヒチンの処方を求めるので、いつもの説明をいつも通りに行った。
 フィリピン人女性42歳、高血圧と脂質代謝異常症で内服治療中。血圧もこのところ、ずっと落ち着いている。息子さんが近くの公立中学を明日卒業、遠くの横浜市内の私立の高校に通うことになったと嬉しそうに教えてくれた。
 フィリピン人女性55歳、咳が止まらず、花粉症だと言っているという。北隣のS市から来院。それがもう10日ぐらい続いているらしい。たとえ、インフルエンザであっても新型コロナであっても、すでに自宅療養すべき期間を過ぎている。診察室で話を聞くことにした。たしかに咳が強く、咳の様子から喘息を疑った。胸部レントゲン写真を撮影するも異状なし。喘息の治療は隣の部屋の小児科に任せた。
 フィリピン人女性47歳、会社の健診で初めてDをもらって心配とやってきた。血液検査でLDLコレステロールがわずかに正常上限を超えていることと空腹時血糖がこちらもわずかに正常上限を超えている程度。食事療法について説明した。じゃ、怖いような状態じゃないんだと笑顔になってくれた。
 フィリピン人女性37歳、高血圧の治療。マニラでは看護師として働いていたとのこと。僕にとっては異国の医療事情について知識をくれる貴重な窓口だ。
 ドミニカ人女性63歳、高血圧で治療をしていたが、下がりすぎるほど下がって来たので昨年の11月ごろ、降圧剤をやめた。最近になり、また上昇してきたとお嬢さんとやってきたのが数日前。前回投与したアムロジピンの半量の2.5mgで様子を見てもらっていたが、朝は120台、夕方になると140台になってしまうと。いらいらしたり不安になるという。その理由を訊ねると、ドミニカにいる母親が健康状態がよくなく、気がかりで寝られないのだそうだ。降圧剤を強くするより、精神安定剤を使う方が効果的と考え、説明したうえで、アルプラゾラム0,4mgを一日二回で処方してみた。
 フィリピン人女性23歳、発熱で来院。健康保険無し。新型コロナやインフルエンザの検査を行いたいが、僕のところが自費診療が保険点数の10割であっても負担が増える。検査すべきか、本人の意見を聴くことにした。検査をしてほしいとのことであったが、公的保険に加入していない理由が判明した。つい10日ぐらい前に勤めていた会社を退職、保険証を返却したそうで、次の会社の勤務が4月から始まるまで無保険になっているのだという。こういう期間に大きな病気になると困るので、短期間でも国民健康保険に加入しておくべきと教えてあげた。このあたりのことが外国人にはよく伝わっていない気がしてならない。
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2024年03月11日

2024年3月11日月曜

 9日の土曜日、久しぶりに天気が良くなった。予想はしていたが、外国人患者が多かった。僕が診察した人が20人、小児科と併せて37人。
1. フィリピン人女性53歳、会社の健診のMDLで「胃がおかしい」と言われて内視鏡検査を予定していた。無事に終了。大きな問題はなし。
2. ベトナム人女性63歳、いつもの高血圧の治療。県央のA市から来院。
3. フィリピン人女性60歳、いつもの高血圧と糖尿病の治療。
4. フィリピン人男性59歳、いつもの高血圧と高尿酸血症の治療。
5. フィリピン人女性57歳、いつもの高血圧の治療。やせすぎて心配と相談有り。食事をしてこなかったと言うので、糖尿病、甲状腺機能亢進症に関連する項目も含めた採血を行った。
6. フィリピン人男性57歳、痛風を何度も繰り返していて、高尿酸血症の治療中。前回の検査で再び、尿酸値が上昇していて食事について訊ねたところ、お酒がやめられていないことに気が付いた。説得はするのだが、うまくいかない。
7. ペルー人女性84歳、いつもの高血圧の治療。このような年齢の人が増えている。彼女のように日本語がほぼ理解できない人が認知症を発症した場合、どのようにケアするのか、心配になる。
8. ナイジェリア人男性46歳、会社の健診のMDLで食道中部に粘膜下腫瘍の疑い、ピロリ菌陽性の疑いと見せてくれた書類に書いてあった。初めての来院であるのに、食事をしないで来たから内視鏡検査をしてほしいとのこと。今日中には行うが、外来の流れを見てからと話すと、それでいいからと了解してくれた。たぶん、1時間ぐらいは待ってもらっただろうか、少し待合室がすいたところで検査を施行。食道の粘膜下腫瘍はなし、ピロリ菌は陽性。結果の加増を説明し、除菌療法について説明、ボノサップ800を一週間処方した。
9. フィリピン人男性52歳、いつもの高血圧の治療。
10. ベトナム人女性40歳、県央北のS市から通院中。過敏性腸症候群と診断し、内服治療して3年近くになる。もともと、神経質なタイプだが、このところ、心窩部や下腹部が痛いので、一度、大腸内視鏡検査を行ってほしいと言う。このような具合の悪い時もあっておかしくないのだが、本人の心配が半端ではなく、笑顔が全くない。彼女の精神的治療のためにも行わざるをえないだろうと判断した。ただし、僕自身は今は行っていない。相談したところ、行ったことがある自宅の近くの病院が二つあってそこなら一人で行けるとのこと。調べてみるとその一つでは大腸内視鏡検査を行っているようなので、紹介状を書いた。
11. フィリピン人男性45歳、いつもの高血圧の治療。
12. ベトナム人女性54歳、いつもの高血圧と糖尿病の治療。
13. カンボジア人女性73歳、逆流性食道炎で無通院中。プロトンポンプの内服治療でいい状態を保っている。
14. タイ人女性45歳、北隣のS市から来院。日本人のご主人をなくしてから不眠と精神的なくずれがあって内服治療中。最近、すごく明るくなって冗談を言うようになってきた。
15. フィリピン人女性56歳、いつもの高血圧の治療。
16. フィリピン人男性52歳、いつもの高血圧と脂質代謝異常症の治療。
17. ベトナム人男性33歳、一週間前に採血した結果の説明。何も異常がないと話すとほっとしたような表情が見えた。
18. タイ人女性68歳、高血圧で治療中。血圧も良好と話したら、じゃ薬をやめてもいいか?と質問された。何度、このやりとりをしたことか。内服していてコントロールできているのだから、やめたらまた血圧が高くなってしまうからだめと話した。今回、重要なことがわかった。彼女、たぶんタイ語が読めない。タイ語の文章を示したのだが、目が泳いでいる。文字が小さいと言うのだが、小さいから見にくいのではないだろう。このようにタイ語が読めないという人は東北タイなどの出身の高齢者の中にときどき見かける。日本語が読めない日本人の高齢者の患者を経験したこともあったが、彼らにもプライドがあるのだろう、「文字が読めない」とは言わず、「文字が見えない」と受付で話していた記憶がある。こんなときは真実を追求する必要などはない。
19. フィリピン人女性52歳、いつもの高血圧の治療。
20. 韓国人男性82歳、飼っている猫に指を噛まれて、放置していたために蜂窩織炎になりかけて来院。外科的処置と抗生剤を三日分だけ処方した。
それにしても「ついでに花粉症の薬を」と訴える外国人患者の多いことか。
3か月ぶりに行った自分自身の血液検査の結果が戻って来た。糖尿病関連、尿酸値、脂質代謝、腎機能は全く異状なし。肝機能は悪い時はS-GPTが100を超えてしまうのだが、今回は61、貧血もなく、いたって健康らしい。やはり体重を減らしていることがよかったのかも。
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2024年03月09日

2024年3月9日土曜

 夜明けまで雪が降った8日金曜日。
 前日から発熱とフィリピン人男性18歳、来院。新型コロナが陽性。
 フィリピン人女性28歳、胃が痛いというか不快感ということで内視鏡検査予定としていた。近くの公立病院では半年前に内視鏡検査を受け、どこかが「腫れている」と言われたとのこと。どうやらそれが心配なのだろうと推察した。内視鏡検査は咽頭の麻酔だけで、あっさりと施行できて・・・とくに問題のある所見はなかった。ここまで説明してこれで終わりと思ったら、診断書を書いてほしいと言いだした。今日、検査のために休んだという診断書なのだろうと思い込んだ。それなら受付で渡す明細でよいはず。日時が記載されているからだ。診断書はお金がかかるので、明細書を提出したらと勧めて、わかりましたという返事で一件落着したと思ったら・・・午後になって再度やってきた。明細書ではだめと職場で言われたという。詳しい話を聞いて納得した。2月18日に初診、それから3月8日まで職場に行かず、休んでいたのだとのこと。ほぼ3週間、欠勤しているわけだから職場で問題にされるのも理解できる。いつから働けるか書いてほしいと言うので、いつから働きたいか?と訊ねたら、月曜日・・と言いかけてから明日の土曜日からと言い直した。診断書には今までの経過を全部書き添えた。2月18日の初診日から一貫して内服薬など処方していない。これで3週間続けて休まれたら会社もたまったものではないだろう。外国人患者を診ていると、こういうストレスに弱いというか、一度弱くなるととことん弱くなる人が少なくない。また、休暇を取って故国に帰るというと2週間、3週間帰ってしまう。これらのことがあれば、会社を首になりかねないと他人事ながら心配になる。日本の習慣のすべてが良いとは思わないが、こういう感覚は日本人の社会通念とは相いれないような気がしてならない。したがって、責任ある仕事からは遠ざけられ、生活維持が大変になる。
 フィリピン人女性25歳、軽度の発熱とのどの痛みで来院。家族にB型インフルエンザ罹患者がいるというので、まずはインフルエンザから検査したところ、やはりB型が陽性であった。
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2024年03月08日

2024年3月8日金曜

 ドミニカ人女性59歳、高血圧で通院中。一時、最高血圧が110前後となり、降圧剤を中止していた。最近になり、いらいらしてる時など、血圧が150近くになると日系のご主人を連れて?、相談にやって来た。心身症などに対する心療内科分野の薬を内服することでいらいらは抑えられ、血圧は安定するかもしれないが、あまり勧めたくないと話した。相談の上、以前に処方していたアムロジピンの5mgではなく、2.5mgを処方して様子を見ることにした。
 アメリカ人男性61歳、米軍基地関係者。排尿時に痛く、頻尿があるという。公的保険はなし。聞けば数日前からのことだと言うので、尿路の感染症を一番に疑った。数日後には米国へ帰国するというので、抗生剤のレボフロキサシンのみ処方した。
 アメリカ人女性64歳、市内に住む娘さんを訪ねて来日していたが、頻尿と排尿時痛が出現して来院。ときどき膀胱炎を発症するそうで「反復性膀胱炎」と診断されていると教えてくれた。検尿の後、抗生剤を処方しようとすると、「この薬は以前に米国の主治医からもらったけど、副作用が出た。こちらの薬はよく効いた」とスマホの画面を見せてくれた。彼女の言葉に従って処方した。日本の公的保険はなし。米国の保険会社宛ての医療費支払いの書類を書いてさしあげた。
 フィリピン人女性64歳。小山のような体格。以前から高血圧で拝見していたのだが、定期的に通院してほしいし、その意義を話しているのに、いい加減にしか来院せず。血液検査もさせてくれない。数日前から胸が苦しく、胃液が上がってくると言う。大げさに言えば聴診器で聞いても心音が正確に聞こえるかどうか、不安になるような体格。消化器疾患なら緊急性はないが、心血管系の疾患なら緊急性があるかもしれないという。胸部レントゲン写真を撮影してみると、心肥大あり。そして心電図を撮ると頻脈性の心房細動。脈拍は一分間に120にも達している。これが今回の症状の原因と結論付けた。市内の循環器専門病院に電話をして、昼近くになってはいたが、受け入れてもらえないかを確認した。そして15分ぐらいして外来担当医からokの許可が出たので、すぐに行ってもらった。こういうケースがあるから怖い。その後、着いたと担当医から連絡あり、本人は「行ったことがない病院」と話していたのに、受診歴があり、カルテがあるという。今日、雪が降るかもと言われていたので、翌日に来院するはずの人もやってきて、待合室はごった返し、午前の診療が終わったのが13時。さすがに疲れて、昼休みはベッドの上で熟睡した。
 午後になり、近くの米軍基地の男性35歳が数日前の血液検査の結果を聞きにやってきた。検査会社からの結果用紙を手渡して説明。尿酸値が8.5と高い。その説明もしていくとよく、理解している。聞けば、父親と兄も高尿酸血症で痛風発作があり、おまけに腎結石や尿管結石があったとのこと。お酒は好きだそうで、やめてしばらくして採血し、それでも尿酸値が高いなら内服治療すべきとアドバイスしたところ、彼も数日後には米国に戻るので、帰国してから医師を訪ねるとのことだった。
 ボリビア人女性、ピロリ菌陽性で除菌療法を一週間施行して3か月後。呼気テストを行った結果を聞きにやってきた。結果は陰性。その意義についても説明した。
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2024年03月07日

2024年3月7日木曜

 中国人男性42歳、都内池袋から来院。日本人の雇用主のような男性が付き添って来た。症状としては逆流性食道炎を疑う。実は数か月前に内視鏡検査を予約していたのだが、新型コロナに感染してしまい、キャンセルした経緯がある。今日来て今日検査というのは緊急時以外、あまり行いたくないのだが、あまり混んではいなかったので、予定の2人が終わってからという約束で検査を行うことにした。二人が終了して彼の番となり、内視鏡室へ行くと両方の前腕は「普通の色の」皮膚がないほどの入れ墨があった。結果はピロリ菌が陽性でほかには大きな病変無し。除菌療法でボノサップ800を一週間処方した。
 アメリカ人男性35歳、米軍基地関係者。逆流性食道炎で米国にいる頃よりプロトンポンプインヒビターを内服中。巨体な彼だが、この年齢で本当に逆流性食道炎を発症するのか、内視鏡検査を行った。内視鏡検査は初めてだそうだが、うまくできた。目立ったのは食道裂孔ヘルニア。逆流性食道炎の典型的に所見である放射線状に縦に伸びる発赤は認められなかったが、どうやら食道炎はまちがいないらしいと判断。オメプラゾール20mgを処方した。
 ベトナム人男性33歳、体の検査をしてほしいと言う。血液検査をしてほしいことまではわかったが、その先がわからず、ベトナム人スタッフに電話。スピーカー機能で3人で話し合った。最近、体がだるく、自分でなんだかおかしいと思い、やってきたとのこと。血圧は正常。肝機能、腎機能、脂質代謝、糖尿病に関する項目について採血して調べることにした。ついでに日本の健康保険は体調が悪かったり、症状があったときに初めて使えるルールとなっていて、今回のように初めから「検査をしてほしい」と言うと本来は使ってはいけないのだということを彼女を介して伝えておいた。
 米国人男性49歳、基地に近いA市から来院。米軍関係の仕事をしているらしい。日本の公的保険はなし。米国で処方されていた薬を処方してほしいと言う。ひとつはレキサプロ、これは心療内科や精神科の領域の薬だ。もうひとつはテストステロン。レキサプロだけなら処方箋を書いてあげられなくもないが、テストステロンは男性ホルモン関係の専門医がやはり診るべきで、いくら処方だけと言われてもしてはいけないと判断。断った。すると一般的な採血だけでもしてほしいとのリクエストあり。食事はしてこなかったと言うので、肝機能、腎機能、脂質代謝、そして両親が糖尿病だとのことなので、その関係の項目もチェックした。この半年ぐらいか、米軍関係者の自費診療の患者が急激に増えている。ほぼ、毎日1人はいるような感覚。
 ベトナム人女性24歳、ベトナムから2月29日に帰国、3月3日から発熱があるという。新型コロナとインフルエンザの検査をさせてもらった。ここまではなんとか日本語で押し通した。結果はともに陰性。再び、ベトナム人スタッフに電話、スピーカー機能を用いて三人で会話。ともに陰性であることを伝え、症状に合わせた処方を行った。
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2024年03月05日

2024年3月5日火曜

 カンボジア人男性49歳、会社の健診で「何か」を指摘されたと心配して来院。よく見ると、健診結果の裏に医療機関を受診しなさいということと、医療機関での診断や方針、就労してよいかどうかを書く欄があった。そこに記載がないと働けないと言われてやってきたのだろう。ひっかかっていたのはγ-GTPで正常上限70のところ、彼の値は120だった。中性脂肪は正常だったので、飲酒をするかどうか訊ねてみると「たくさんする」という返事だった。飲酒が原因と思われるので、控えることと2か月後に血液検査で再検をしたいことを告げて終わりとした。
 タイ人女性52歳、県央のA市から来院。数か月前から「胃のあたり」が痛いという。内視鏡検査を施行。静脈注射での麻酔下で行ったが、無事にあっという間に終えることができた。結果は異状なし。前回採血したLDHが500を超えていて、正常上限の二倍を超えていた。ほかに血液検査に異常はなし。どうしてもLDHの上昇が気になり、採血してLDHアイソザイムを依頼した。
 ドミニカ人男性63歳、隣のZ市から来院。発熱はないが、咳と痰、咽頭痛。三回目の新型コロナの感染か?と思ったが、抗原検査の結果は陰性だった。
 アメリカ人女性36歳、同じく隣のZ市から来院。咳と痰と軽度の発熱。新型コロナもインフルエンザも陰性。症状に合わせた内服薬を処方したが・・・怒っていた。何を怒っていたかというと住まいの近くの病院を受診したところ、「診療拒否」をされ、僕のところに行くように言われたとのことだった。僕のクリニックではやさしくしてくれて感謝していると話してくれたが、こういう話は僕のような活動をしている者にとっては悲しい。
 フィリピン人男性30歳。少し前に救急車で近くの公立病院に腹痛で運ばれ、鎮痛剤の処方だけを受けていた。翌日、再び、腹痛があり、今度は休日夜間急患診療所を受診してガスターが処方されていた。近くの公立病院に同行した友人から彼がスマホにもらった画面には「膵炎と言われた」という文字があったが、その割には同施設での処方には鎮痛剤しかなく、いったいどういうことかと思っていたが・・・先週、採血採尿したアミラーゼの結果は血液中が正常値、尿中は正常上限よりやや高く、したがって膵炎を起こしてからある程度の時間が経過して、上昇した血中のアミラーゼが尿中に排泄された状態と推察した。先行して処方した慢性膵炎の治療薬であるカモスタットを内服したところ、痛みはかなりよくなったとのことだった。飲酒について訊ねると「たくさん飲む」という返事。飲んではいけないという理由を説明、約束してもらったが、実行してくれるかどうか?
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2024年03月04日

2024年3月4日月曜

 3月2日はまさに千客万来。病院やクリニックに人々が押し寄せることはいいことではないのだが・・・3月2日土曜はまさにこの言葉がぴったり。僕が診た外国人患者は16人、小児科はもっと多く、予防接種に泣き叫ぶ外国人のこどもの声が英語だったり、スペイン語だったり、タガログ語だったり…病院嫌い、医者嫌いになりませんように。
 朝一番の内視鏡患者がベルー人女性58歳、最近、瘦せてきたというが、たしかに見た目が細くなってきている。結果は異状なし。糖尿病はなし。甲状腺機能亢進症なども考えねばならないかもしれない。
 それにしてもいわゆる花粉症がひどくなって耐えられずにやってくる人が多い。ベルー人の夫婦、フィリピン人、それに米軍基地の中の学校の先生二人。
 北に接するS市から発熱でやってきたフィリピン人女性57歳、かなり心配してやってきたが、単なる風邪だった。
 フィリピン人女性60歳、昨日から腹痛、下痢、そして下血。経過から出血性腸炎を疑った。血液の色は鮮血。とりあえず、通常の腸炎の治療を行った。
 フィリピン人女性62歳、マニラから帰国。現地の病院で採血してLDLコレステロールが高いと言われ、これをもらったと見せてくれたのがアトルバスタチンの20mgの錠剤。日本には5mgと10mgしかないため、一瞬、考えこんでしまった。LDLは中等度の上昇なのでアトルバスタチン10MGにして継続、二か月後に採血して今後の方針を立てると話した。
フィリピンの医療費に興味があったので、訊ねてみたところ・・・この医療機関は私立で約10000円、フィリピンペソで4000ペソかかったと教えてくれた。大卒の給与がおよそ3万円か4万円の国で1万円とは・・・日本の公的保険制度はやはりすばらしい。
 フィリピン人女性18歳もいわゆる花粉症。説明していたら母親が診察室に入って来た。説明が終わると自分の甲状腺疾患についての質問。もともとは甲状腺機能亢進症なのだが、薬の内服についていい加減すぎる。何度も勝手に中止しては再発し、コントロールを開始するという繰り返し。それでも10年近くを経て、最近はなにかしら体の具合が悪くて甲状腺が心配でやってきて採血しても甲状腺ホルモンに異常がないため、完治したのだろうと思っていた。それがどこかの医療機関で先月からまたチアマゾールを内服しているらしく、これがほんとに必要なのだろうかという質問。これって診察に当たるのだろうが、診察券も出さずに娘さんの花粉症の診察のついでに30分も質問するというのが少し腹立たしかった。
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