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2024年03月30日

2024年3月30日土曜

 台風のような29日金曜日、午後になって急に日が差し、暖かくなった。けっきょく僕が拝見した外国人患者は15人。
 ショックだったのはフィリピン人男性66歳、胸が重くて苦しく、胸部レントゲン写真では心肥大、心電図を撮ると循環器専門医ではない僕には異常ということはわかっても、具体的なことがわからず、至急に市内の循環器専門病院に紹介状を書いて行ってもらったのが、数日前。当該病院の担当医から封書の返事が届いた。読んでびっくり。心電図ではびまん性の壁の運動低下であるという。冠動脈CTを勧めたのだが、本人がもう症状はよくなったからと断ったのだそうだ。やむをえず、利尿剤だけ処方したが、「当院ではくすりだけのフォローアップはしないので返します」と書いてあった。専門医としては利尿剤だけの内服では治療に責任が持てないほど、深刻な状態ということなのだろう。要するに専門医の言う方針に従えない人は診ないという意味にちがいない。うーん、それでいいのだろうか?ここで疑問は本人が医師の日本語をしっかりと理解したうえで断ったのか?ということだ。英語で話したとしても英語が実は理解できないフィリピン人も少なくないからだ。いつ、どのようになるか、わからない患者を管理するこちらも困ってしまう。いつ、死ぬようなことがあるかもしれないが、主治医の指示が守れないなら来るなとでも言うのだろうか?
 フィリピン人男性52歳、胃の具合が悪いというので1月に上部消化管内視鏡検査を行って、結果は異常なし。念のために胃酸を抑える薬を使っているのだが、居住地が県内の遠方だ。電車で1時間ぐらいのところ。近くで診てくれるところを見つけたので、そちらに移ってもいいか?と訊ねられた。基本的には日本人同様、居住地の近くで診てもらえるほうがいいに間違いない。これはうれしいことで、診てくださる医療機関に感謝の言葉を申し上げたい。
 インド人46歳、男性、脂質代謝異常症と高尿酸血症で横浜市の遠方から通院中。近くで受診できるところがあったら紹介状を書くと何度話しても、ここまで来るからいいと言ってくれる。いつもの診察。
 フィリピン人女性59歳、高血圧で受診中。段々と体重が増加しているようなので、このままでいくと膝が痛くなるよと「警告」していたのに・・・両ひざ関節に水が溜まり、手術を受けたと友人が教えてくれた。彼女に限らないが、今にも膝が体重を支え切れずに悲鳴をあげそうなフィリピン人、ベルー人、米国人がたくさんいる。もはや運動では対応できない・・・というより運動したら膝に負担がかかって壊れてしまう。こうなると、やせる手段は食事制限しかなく、それはできないという人たちが多い。車椅子や寝たきりの生活が待っているし、働くことができなければ、故郷にお金を送ることもできず、むしろ介護保険のお世話になるようになってしまう。そんな近未来が見え見えで恐ろしい。
 カンボジア人男性57歳、胸が重いと来院。とくに呼吸音も血圧も問題はなく、胸部レントゲン写真を撮影しようと話した。撮影室に行くとスマホを手にしている。写真を撮ってほしいと・・・なぜ?と思ったが、会社に見せて本当に医療機関を受診したことを確認してもらうためだと言う。納得した。結果はすべて異常なし。わかったことは極端な睡眠不足。
 フィリピン人女性21歳、呼吸器系症状で来院。新型コロナの抗原検査が陽性。昨日書いた教会関係者のひとりでパーティ出席者。本人が言うにはまだまだ咳をしている人がいるとのこと。
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2024年03月29日

2024年3月29日金曜

 今週になり、患者数が少ないと思っていたら・・・とんでもない木曜日になってしまった。
僕が拝見した外国人だけで19人、日本人患者も戸惑う程、多かった。
 フィリピン人男性66歳、脳出血と動脈瘤の手術後。親戚に脳出血で亡くなった人が2人いるそうで、「助かったのは自分が初めて。日本にいてよかった」と話していた。
 中国人男性41歳、右の下腹痛と背部痛。尿管結石を疑ったが、検尿では疑う所見なし。急性虫垂炎を疑う症状もなし。かがむと痛いと言う。歩き方はまったく普通。炎症性疾患を抱えているようではない。とりあえず、鎮痛剤でようすを見ることにした。
 フィリピン人女性21歳、軽度の発熱と呼吸器系症状があり、来院。4日目になるという。インフルエンザは陰性、新型コロナの抗原検査が陽性。彼女が通う教会関係者の中で新型コロナの感染者が複数いることを把握している。前の土曜日にそのうちの一人のお子さんが学校を卒業したのでパーティをしたとのこと。感染者はいずれもパーティ出席者。昨日の新型コロナの陽性者は彼女を含めて3人。いずれもフィリピン人でそのパーティの参加者。まだまだ、関係者の中に陽性者が増えそうだ。
 フィリピン人女性67歳、高血圧とHA陽性によると思われる肝機能障害で通院中。肝機能障害の薬が余っていると言って、この3か月処方を拒んでいる。半年、採血も結果的に拒否。これではいけないことを切々と冷静に説明して次は採血すると話したが、わかってくれたかどうか・・・絶対にしてはならないことは怒ってしまうこと。医師はすべきことを正確に説明することが仕事、結果、どのように行動するかは患者再度の問題。僕が説明した内容に反した行動をし、結果としてデーターが悪くなったとしても、その責任は患者が取ることになるわけで・・・それに対してがっかりはするし、お小言も言うが、怒る理由がない。
 フィリピン人女性51歳、メンタルの問題で来院。聞けば、市内でフィリピンパブを経営しているのだが、同じビルの二階の店から水が漏れて来て、店の中がめちゃくちゃになり、閉店せざるを得なくなり・・・雇用している女性たちにはほかの店に行かぬよう、給与を支払い続け、一方で二階の店が加入している保険会社と賠償の話をしているそうだが、保険会社からのお金がおりる気配がなく、おりたとしても100%ではなく、このままでは自分も個人的に倒産するのではないかと夜も寝られないのだとこと。そりゃ、寝られないと思う。アルプラゾラムを処方して、さらに訊ねてみると、保険会社との交渉はビルのオーナーや二階の借主を介して話しているというので、第三者に同席を求めて直接、保険会社と窮状について話し合うべきと告げた。
 アメリカ人女性49歳、北隣のS市の米軍基地から来院。前日から頻尿、排尿時不快感があるという。僕にとってはわかりにくい英語で苦労したが、検尿を行い、膀胱炎と診断して抗生剤を処方した。
 フィリピン人女性44歳、血圧測定していると浮かない顔。どうしたの?と話しかけると、パスポートがないと一言。どこを探しても見つからないのだそうだ。フィリピン大使館まで行かなくちゃとしょげ返っていた。
 ドミニカ人女性54歳、高血圧で通院中。今日は自費でとメモが付いていたので理由を訊ねてみると・・・会社をやめて次の働く先を探しているのだという。このような場合は国民健康保険に加入するのだということを教えてさしあげた。
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2024年03月28日

2024年3月28日木曜

 26日の火曜日はいつも通り、午前7時前にクリニックに到着。ブログを書いて、郵便物をチェック、そして8時半ごろ、大腸内視鏡検査を受けるために市内の某クリニックへ。横殴りの雨だったのでスタッフに送ってもらった。10年前に別の医療機関で受けたときの資料を持参。検査室の隣の部屋で着かえさせてもらい、気分はすでに患者。ニフレックを2000cc飲んで、午後1時半ごろから検査を受けた。何があっても神様、仏様の思うがままと覚悟を決めていたが、結果的には小さなポリープが10個程度、肉眼的には「あやしげ」な感じはなく、ほっとした。1月の二回の鮮血の下血はやはり痔核だったのだろう。神様、仏様はまだこの私がなすべきことをし終わったとは思っていてくださらないようだ。
 27日の水曜日、朝からクリニックにやってきて原稿書き、そして郵便物の整理。午後2時半ごろにセンターにたどり着き、相談員の人たちの研修会に途中から出席した。真剣なまなざしでその場に臨んでいた相談員の人たちを見ていて、出がらしのお茶のような自分でも、もう一杯、二杯はおいしいお茶を出せるのではないかと元気をもらった。
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2024年03月26日

2024年3月26日火曜

フィリピン人男性54歳、血圧が高いとやってきた。180を超えているという。ここまではフィリピン人スタッフから聞いた話。自分で血圧を測定したのか?と少し不思議に思った。カルテが運ばれてきて気がついた。半年前に高血圧で受診。初診時にイルベサルタン100mgとアムロジピン10mgの合剤を10日間だけ処方していた。その後、再診時に採血する予定にしておいたのに、その一回で来なかった。診察室で血圧を測定してみると198/120、高すぎる。どうして血圧が高いと気が付いたのか?訊ねてみると、働いているのが建築業で、医者で定期的に血圧を測定し、高いと仕事を休む仕組みになっているのだそうだ。このような仕組みは建築建設業には多い。要するに自分で心配で血圧を計測したのではなく、会社で働くために半ば強制的に計測して血圧上昇を指摘されたというわけだ。まずはイルベサルタン100mgとアムロジピン10mgの合剤を一日一回で処方した。降圧効果を確かめるため、10日分だけ処方して次回は採血と話したところ、今日も何も食べていないと言うので、肝機能、腎機能、脂質代謝などの項目について採血を行った。やれ。終わったかと思ったら、席を立ってからフィリピン人スタッフに何事か、タガログ語で話している。フィリピン人スタッフから説明があった。すでに一か月半、仕事を休んでいるので、会社宛てに働いてもいいという診断書を書いてほしいと言っているとのこと。たぶん、彼としては高血圧の治療よりもこの「働いてもいい」という診断書の方が重要で、それでやってきたのだろうと理解した。給与が減るのだから。そうでなければこんな高血圧を一か月半も放置しているわけがない。彼に説明した。もし、脳卒中になってしまったら、あるいはほかの病に倒れたら、あなたの生活も苦しくなるが、フィリピンの家族に仕送りをすることもできなくなる。だから、キチンと治療を受けるようにと。でも話さなかったことがまだ一つ。避けられたはずなのに保険診療で高額な医療費を使い続けることだ。こんな人ばかり増えたら、皆が支払う公的保険の掛け金を上げざるをえなくなってしまう。最後に食事について指導した。
フィリピン人の兄弟43歳と37歳。兄のほうは痛風発作の後に高尿酸血症を認め、フェブクソスタット20mgを毎日内服中。現在、尿酸値7.0。弟のほうは痛風発作を起こして3週間目。なぜか、2週間間が空いてしまった。初診時の尿酸値は10.2と際立って高い数値だ。これを説明、フェブクソスタット20mgを開始することを伝えた。アルコールを多飲するとのことで、それが一番の原因と説明し、やめるように話したが、果たして本当に理解して実行してくれるかどうか・・・フィリピン人の生活習慣病はほんとに多い。
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2024年03月25日

2024年3月25日月曜

 やはりジンクスは生きていた。23日土曜日、事前に学生への講義と実習の件で連絡があった都内の某看護大学の教員の方が来院。いつもなら土曜日はお話しする時間がないぐらいに混雑するのに、ゆっくりとお話しできた。それぐらい外国人を含めた患者数が少なかった。天候不順と春休みが重なったせいであろうか。
 ベトナム人女性43歳、近くの公立病院で予約撮影したCTスキャンの結果について説明。かなり日本語が上手なのだが、ベトナム人スタッフを介してベトナム語で説明した方がより理解してくれるだろうとベトナム人スタッフにラインしてみたが・・・つながらず。やむをえず、自分でゆっくりとした日本語で説明した。
フィリピン人女性39歳、高血圧にて通院中。前回は3か月前、その時も今回も「次は採血するので食事をしないで来てね」と話しておいたのに、「食べてきてしまった」というお決まりのセリフ。最後に採血してからすでに8か月、次回2か月後にできたとしても10か月間、手探りの治療となってしまう。何もないことを祈りたい。
今週末は忙しい。31日土曜に大学全学部の卒後50周年の同期会、続けて同じホテルで医学部卒後50周年の同期会、1日の月曜日は大学のホームカミングディで卒後50年を記念して大学の入学式に招待されている。56年前の入学式、学部ごとに整列したのだが、医学部はたった一列だったと記憶している。あの時の期待と不安感が昨日のことのようだ。
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2024年03月23日

2024年3月23日土曜

 かなり外国人だけでなく、日本人の患者も少ないという印象の3月22日金曜日。診療終了後に数えてみたら、それでも僕が診た外国人だけで10人。小児科を併せると16人。最近・・・というかこの1年ぐらい、新型コロナが落ち着き始めてから、小児科における外国人患者の数が目立って増えている。一時は4月以降、小児科の診療を大幅に減らそうかという案もあったが、とてもできないとあきらめた。受け皿になる医療機関が周りにないからだ。
 カンボジア人男性61歳、インドシナ難民の一世。カンボジアと日本を行き来して仕事をしているらしい。3か月に一回の来院。
 中国人女性33歳、「胃が痛い」と来院。母親の薬をもらって内服したそうで、「そういうことはいけないんですよね」と聞かれたので「そう、他人の薬をもらって内服するのはやめましょう」と答えた。いやだけど、必要があれば内視鏡検査をしてほしいと言う。どこが具合悪いのか、触ってみてと訊ねると、臍の周りを指さす。痛いのではなく、食後におなかがはって気持ち悪くなるとのこと。触った部位は胃ではなく、小腸や大腸と話し、食後にガスが発生して、そのガスが上にあがって胃が気持ち悪くなるのだろうと説明した。内視鏡検査は必要なし、それでもどうしてもしてほしいなら考えると話すと・・・笑いながら「いやです」と答えてくれた。まずはジメチコンを2週間処方して様子を見ることにした。
 ナイジェリア人男性53歳、高血圧で受診中。1か月前に2か月分処方しているのになぜ?と思っていたら、来週ナイジェリアに一時帰国するからやってきたと話す。1か月分の追加処方を行い、処方箋に「一時帰国のため」と書いておいた。このように書いておかないと審査で査定されることがあるので。
 フィリピン人女性91歳、ニューヨークの親戚を訪ねて一人で往復してきたと聞いて驚いた。おみやげの赤ワインをいただいた。枯れ枝のような彼女のどこにそんなバイタリティがあるのかと思ってしまう。
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2024年03月22日

2024年3月22日金曜

 ドミニカ人男性52歳、不眠症にて受診。いろいろと悩みがあるらしい。精神安定剤を処方しようかと迷ったが、希望通り、睡眠導入剤を処方した。
 ペルー人男性48歳、格闘技に出場するための検診に来院。以前は湘南地域に住んでいて、遠方わざわざ僕のクリニックまで1時間ぐらいかけてやってきたことがある。今回、記載のために現住所を訊ねたら、大和市内に転居してきたとの答えで驚いた。
 ガーナ人男性66歳、寒い風が吹く中、やってきて・・・手を触ったら飛び上がるほど冷たい。血圧もいつもより上昇気味。アフリカ人にとっては寒すぎるよと一言。北海道生まれ育ちの僕でも寒いと感じるのだから無理はない。
 韓国人女性66歳、いつもの高血圧の治療で来院。このところ、血圧も落ち着いていてほっとしている。
 午後になってフィリピン人女性42歳の小手術。左の前腕の皮下に米粒より少し小さめの硬いしこりがあってやってきたのが一か月前。痛みがあるという。触診して石灰化上皮腫と診断した。そのまま放置しても悪性腫瘍に変化するなどということはないと説明したのだが・・・摘出して欲しいと1週間ほど前に連絡があった。正直、あまりやりたくはない手術、理由はしこりが小さいと局所麻酔を施行すると、外から触れにくくなり、わかりにくくなることが多いからだ。手術室に入ってもまだ受けるべきか、やめるべきか、悩んでいるとフィリピン人スタッフが教えてくれた。いっそ、やめてくれたらも思ったが・・・やはり切除してほしいとのこと。局所麻酔を行い、小さく切開を加えて皮膚の全層をモスキートで開くとそれらしきしこりを発見できた。米粒大のやはり石灰化上皮腫だった。切開して切除して2針縫合して終わるまで5分。フィリピンにいる母親が手術の様子をラインで見たいと言っていたらしく、ラインで生中継。日本人のすべての外科医のメンツを背負っての手術だった。
 フィリピン人女性22歳、就職のために受けた健診の結果を受け取りにやってきた。検査結果を解説してから、受付で渡したが、うまく日本社会でがんばってほしい。
 アメリカ人男性56歳、近隣のS市からやってきた。咳や痰という呼吸器症状が出現してから10日も経過しているのに、よくならないとのこと。10日も経過しているので新型コロナやインフルエンザの抗原検査はすでに意味がないことを説明した。発熱は当初、軽度にあったそうで、新型コロナに罹患していたとしても不思議ではない。とりあえず、咳止め、去痰剤を処方した。処方を書いていると、なんとお薬手帳を取り出した。いま、内服している薬があって、飲み合わせは問題ないのか、チェックしてほしいとのこと、正しい行動だ。とくに問題がないと話しながら処方した医師の名前を見たら、知り合いだった。たぶん40分近くもかけてどうして僕のクリニックまで来たのか?と訊ねると、今の医療機関では医師は英語が話せるが、受付や事務が日本語しか話せないのでこちらに来たと教えてくれた。たしかに受付で英語が通じないと彼らにとっては大変なのだろうと改めて思った。
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2024年03月21日

2024年3月21日木曜

 フィリピン人女性17歳、軽度の発熱と咽頭痛で母親と来院。新型コロナ陽性。外で待っている間、母親とべったりしていたが、新型コロナ陽性と話すと母親が驚いて離れて行った。でももう遅いだろう。感染したリスクは大。
 ペルー人女性40歳、体の痛み、発熱、咽頭痛で来院。娘さんがついてきた。こちらも結果がわかるまで、ぴったりくっついていたが・・・感染したにちがいない。
 ネパール人男性29歳、発熱で来院。英語で話しかけたら、英語はわからないので日本語でお願いしますと言われた。このようなとき、どの程度の日本語の理解力があるのか、こちらがやさしい日本語で話しても、どの程度理解してくれるのか、心配になる。新型コロナが陽性。会社に病院に来た事、病気のことを知らせなければならないと言うので、会社の人に彼のスマホで電話してもらい、直接、会社の人に説明した。
 アメリカ人男性、近くの米軍基地から来院。2か月に一回、米国で処方されていたと同じ、抗うつ剤を米国での処方通りに処方している。今回は別件もあるという。欲しいと言われた薬が単純ヘルペス用の薬。なぜ欲しいのか?と訊ねると、性器のヘルペスの話を始めた。以前、性器のヘルペスで米国でもらっていたそうだ。これは泌尿器科できちんと診てもらうべきことと考え、処方はお断りし、泌尿器科を紹介した。
 フィリピン人女性64歳、頻拍性の心房細動で専門病院を紹介したのが先週。いろいろと調べてみたが、アブレーションの適応もなく、今後はこちらで診てほしいという主治医の手紙を持参していた。本人とフィリピン人スタッフを介して話しても、恐怖感が先立つらしく、理解がまったく得られない。日本語が話せる息子さんが日本語で話してと言うのだが、それをタガログ語で訳して話してくれても、どうやら肝心かなめのことは彼自身、理解できないようす。もともとは高血圧で診ているのだが、あの巨体が今後も問題になる気がする。専門病院での処方と同じように抗凝固剤を処方したのだが、調剤薬局から電話があり、いつ薬をやめてもいいのか?と話しているとのこと。あんなに時間をかけてフィリピン人スタッフを交えて病気のこと、今後の治療について説明したのにがっかり。いい加減な治療に終わりそうで、結果として脳梗塞になるのではないかと心配。
 摩訶不思議な件がひとつ。午後になってアフリカ系の人が窓口にやってきて、ここに来たことがあると言うのだが、生年月日や名前から該当する人物が過去には来ていないというのだ。持参した在留カードと国民健康保険証を見せてもらった。在留カードを出入国管理局が作成した在留カードアプリでチェックしてみたが本物だった。彼に事情を聞いてそれらしきカルテを探し出した。すると名前もちがうし、同じアフリカでも国籍もちがうし、誕生日もちがう。本人は両親が離婚して国籍も変わったと言うのだが、そんなことで生年月日が6年も若返ることもないはず。考えられることは唯一、前回はコートジボアール国籍の友人の社会保険を借りて来た、すなわち保険証を不正使用したということだろう。それがもう4年も前のことなので、いまさら費用がどうこうということではないが、我々を騙したということだ。いろいろと言い訳する態度に人間的には信用できなくなってしまった。共生社会は結構なことであるが、こういうルールを守らない外国人が増えることは日本の中に混乱をもたらす気がしてならない。
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2024年03月19日

2024年3月19日火曜

 18日月曜日、平日です。僕が診察した外国人患者数は13人、小児科も含めると一日に20人ペース、すべての日がこのようなわけではないが、土曜日は4時間の診療で40人を超えている日がある。一か月の診療が月によって異なるがおよそ20日として400人を超えるか超えないか、そんな数字になってしまう。新型コロナが始まる前は月に200人を少し超える程度だった。新型コロナで発熱者は受け入れてくれる医療機関を探しまわることになった。外国人はさらに言葉が通じて受け入れてくれるというハードルを越えねばならず、あの頃から外国人患者が一段と増えてきたという印象がある。
新型コロナが始まって以来、昨日までの3年近くで僕のクリニックで見つけた感染者は4091人だが、そのうち、660人は外国人だ。しかし、新型コロナが下火になってきて、以前にも増して外国人患者が増えている印象が確かにある。これは技能実習生の増加や近隣の厚木や座間の米軍キャンプからの患者増加によるものと推察している。
政府は技能実習制度や研修制度の不備や欠点を見据えて、あらたな制度への意向を発表しており、またあらたな制度の下では電車バスなどの運転手や車掌、林業なども対象職業に入れるらしい。そしてあらたな制度の下では一定の条件を付けて家族の居住も許可するとのことだ。政府の口からは決して漏れてこないが、これはもう移民という言葉で表現するのがふさわしい。
移民国家という言葉を使わずともなし崩し的にそのような社会に変化していくことは目に見えている。しかし、それでよいのかと思う。言葉がなんとか話せても育ってきた社会通念や常識が異なる場合もある。日本の良いところ、勤勉さや嘘をつかないところ、治安の良さを保持しつつ、「移民」の文化や考え方に一定の理解を示さなければ、今の欧州が抱える移民という少数民族との軋轢を日本も抱えるようになるだろう。互いの理解や我々の側に少数者受け入れの理念がなければ、今の川口市に代表されるようなトラブルが日本全国に広がり、外国人に対する過激なヘイトも感情的には一部の日本人の賛同を得ることになるだろう。
僕がひしひしと感じているのは僕のクリニックに対するニーズがひときわ高まってきているということである。それは開業して33年、いまだ、僕の掲げた理念は達成されていないということだ。多くの医療機関や関連社会がたまたま外国人患者を迎えて悩んでも、だれかの助けでのど元過ぎるとその苦労を忘れてしまうことだ。そのうちに外国人患者は彼らが思うような「例外」ではなくなることだろう。一つの希望は日本医師会執行部が外国人医療の大切さに気がついているという点だ。僕は今、74歳、あと3か月で75歳、次の世代とともにしばらくは並走し、僕の理念の達成度を見極めたい。
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2024年03月18日

2024年3月18日月曜

 出だしはあまり混んでいなかったのに、いつのまにか、カルテが並んでいた3月16日土曜日。
 ペルー人女性61歳、高血圧にて通院中。次回、採血させてもらおうと思い、お願いをしたところ、「今日も朝、食べていない」との返事。そのまま採血させてもらった。
 フィリピン人女性60歳、高血圧と脂質代謝異常症で拝見している。なぜか、「今日は高血圧の薬だけでほかはいらない」と話す。彼女に限らないが、一般的に降圧剤は皆さん、大切と思うようだが、脂質代謝異常症の薬については数値が悪くても、目に見えて、なにか体に変化があるというわけではないので、いい加減に内服する人が多い。脂質代謝異常症が長引くとどのようになるのか、そしてそれらの薬の意義については毎回毎回、説明するのだが、効果は薄そうだ。それ以上は患者本人にしか責任が取れないことと思い、半分あきらめている。
 フィリピン人男性52歳、数日前から胃が痛い、下血していると言う。ベッドに横になってもらい、触診してみた。痛いところは臍下部、どうみても胃ではない。下血は鮮血、量は少量。グルグルと音が聞こえる時があり、軟便だと言うので、出血性腸炎を疑った。まずはビフィズス菌製剤を内服してもらうだけとした。10日分、処方し、これでも出血が止まっていない場合は大腸の検査が必要となるだろう。
 3月も半分終わってしまった。いわゆる花粉症は今が盛り。早く終わってほしい。
そういえば、4月からの診療報酬点数改正の内容が明らかになって来た。それによると10月から薬については医師が処方薬についてジェネリックと先発品について説明をしたうえで、患者が先発品を選択した場合、ジェネリックの中でもっとも高額なものと先発品の価格差の1/4の費用を患者が自己負担することになるそうだ。これって外国人患者にどのように説明したら、理解されるだろう?すでに日本に住む外国人は日本全体の人口の5%近くになってきているという。厚労省はこの5%に近い人たちのための説明資料をぜひ作ってほしいし、作る義務があるだろう。
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