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2023年11月30日

令和5年11月30日木曜

 中国人女性66歳、名前は日本名。はじめての来院なのでその事情はわからないし、訊ねる必要もない。大和市胃がん検診にて内視鏡検査をしてほしいとのこと。いま、予約をすると2月になってしまうとお話しすると、「先生の内視鏡検査の評判をある人から聞いて来た、待つのはだいじょうぶです」とおっしゃる。いろいろと会話をしていくうちに、彼女の性格の良さというか、陽気な性格が伝わって来てほっこりした。
 フィリピン人女性67歳、高血圧にて拝見しているのだが、例によっておよそ指定日には来てくれない。一か月遅くなったり・・・明らかに「いい加減」な内服の仕方になっている。食事指導もしているのだが、見るからに体重が増えている。前回の採血検査で中性脂肪の値ははねあがり、クレアチニンの値正常上限を超えてしまった。中性脂肪についてはすでにベザフィブラートをマックス使用しており、これ以上増やせないし、クレアチニンが上がってきているので、ベザフィブラートからオメガ3脂肪酸に変更しなければならなくなるだろう。するとさらに効き目が薄れる気がしてならない。こちらが頭を抱えて、うーんと唸っていると「ドク、どうしたの?」とほほ笑んでくる。憎めない性格。
 フィリピン人女性31歳、頭が痛いので血圧を測定したら200以上あったという。彼女の父親も高血圧で受診していて、自宅に血圧計があるのでもしやと思って計測したらびっくりするほど高かったとのこと。計測してみると180を超えていて、拡張期圧も120ぐらいとなっていた。これでは胸苦しいのもうなづける。吐き気があって食事はしてきていないというので採血。降圧剤はまず10日分だけ処方して、次回は10日後、血圧の低下状況と採血の結果を見て、その後の治療を考えることにした。
 夕方、順天堂大学医学部の学生から電話あり。診察中で僕は直接、話さなかったが、外国人医療に関心があり、見学したいとのこと。土曜日に来院してくれるよう、伝えてもらった。このようにして若い世代の人に外国人医療の「エキス」を伝えることができる、その機会をもらえるとしたらありがたい。
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2023年11月28日

令和5年11月28日火曜

 フィリピン人男性46歳、診察が終わってから30分ほどして事務から連絡があった。以前は国保に加入しているものの、一時実費という形で医療費をいただいていた。今回、3か月ほどフィリピンに帰国して、その後最初の診察だったのだが・・・近くの調剤薬局から連絡があったそうだ。すでに薬は手渡した後に気がついたそうだが、なにかで彼の保険証番号を打ち込んだら、使えないとブロックされてしまったそうだ。国保の有効期限内であることは保険証から確認して保険診療にしたとの事務の報告なので、なんらかのトラブルを彼が引き起こし、保険証が使えないという状況になっていたということだ。彼の態度からは人をだまそうというような雰囲気ではなく、要するに本人も知らなかった可能性がある。一番に考えられることは国保の保険料すなわち掛け金を長期に支払っておらず、ゆえに国保に記載の有効期限内にもかかわらず、使用不許可状態になっているものと考えられる。今回は採血もしており、費用もばかにはならない。フィリピン人スタッフから再三電話をしてもらったが、つながらない。たぶん、仕事場にいるのでつながらないのではないかとのこと。採血の結果がよくなければ本日午後に電話で連絡を入れると話したので、今日は通じるだろう。
海外を行き来する外国人を診ていると、このようなケースは稀ではない。
 フィリピン人女性57歳、発熱で来院。新型コロナとインフルエンザの検査を行って、ともに陰性だった。彼女の苗字がフィリピン人にしては珍しい。以前にAMDAフィリピン支部の支部長を務めていて懇意にさせていただいた年上の医師と同じ苗字なのだ。マニラでのミッションに参加した後、彼が海鮮料理を食べさせてくれるというのでついていったら、ある店に入り、突然、店員と中国語らしい言葉で話し始めた。突然のことで驚いたが、フィリピンにも中国系の人がかなり住んでいるので耳を澄ませて会話を聞いていた。北京語でも広東語でもなく、タイやカンボジア、ラオスにも多い潮州語でもなかった。ときどき、台湾語のような単語が聞き取れるので、もしや福建語かと思い、「先生、今、話している言葉は福建語ですか?」と訊ねると・・・すごく驚かれた様子で「小林先生、福建語わかるの?」と言われた。話がそれたが、彼女に訊ねてみたら、案の定、祖先は中国系とのことだった。
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2023年11月27日

令和5年11月27日月曜

 24日の金曜日と25日の土曜日、内視鏡検査を予約していた人が1人ずつ、連絡もなく、来なかった。24日はベルー人男性、25日はフィリピン人女性。医療機関によっては予約の段階でなんらかの費用を徴収するところがあるらしい。そういうことはしたくないとがんばってはいるが、午前中、一日に二人と限定して予約を受け付けている大和市胃がん検診のための内視鏡検査は10月の段階で、来年2月末の胃がん検診最終日まですべて予約で埋まっている。早くキャンセルを連絡してくれたら、お断りしている人に連絡して代わりに検査をしてさしあげることができたのにと思うと言葉がない。
 フィリピン人女性48歳とそのお嬢さん16歳、前日より発熱と呼吸器症状あって来院。新型コロナインフルエンザの簡易抗原検査で、新型コロナが陽性だった。内服薬を処方し、生活について説明した。
 タイ人女性63歳、高血圧で通院中。最後に処方したのが9月9日。30日分処方したのだから10月の初めに飲み切っているはず・・・と思って血圧を測定すると130/82と比較的、落ち着いている。内服方法について訊ねてみたら、僕の推測通りだった。血圧が高いと思ったら内服し、落ち着いてきたら内服しない。そして僕のところに来るときには数日間、続けて内服する。だから僕が計測する血圧は落ち着いた数字というわけだ。どんな症状が出ると内服をするのか?と訊ねたら、肩こり、顔の紅潮などと教えてくれた。悲しいことだが、無駄とわかりつつ、「いつものように」、一日一回内服処方の薬は24時間で薬が体内から排出して効果がなくなるということなので、定期的に処方通りに内服するようにと話した。
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2023年11月25日

令和5年11月25日土曜

 アメリカ人男性48歳、米軍基地内から来院。ふたつ相談があると言われた。一つ目は簡単で基地内で就職するために聴力検査をしてほしいとのこと。こちらは後でオーディオを用いて検査して英文書類として発行した。もうひとつの相談が問題で・・・過去に基地内で新型コロナの予防接種を一回だけ受けているという。もし接種ができるなら僕のクリニックで受けさせてほしいということだった。毎週、土曜日の診療終了後に接種を行っていて、今年中は25日の土曜日が最後。これは金曜日の時点の話なので、翌日に接種を受けることは可能ではあるのだが・・・ここからが問題でゆっくりと英語で説明したことは@このワクチンは日本国民および日本に中長期滞在する人すなわち住民基本台帳に記載されて在留カードを持っている人たちを接種対象として厚労省から配布されたワクチンであることA通常、ワクチン接種の費用は接種を受けた人ではなく、国保連合会を通じて居住する市町村に請求している。彼の場合は日本の市町村の住民基本台帳に掲載されていない、すなわち住民ではないので、費用の請求ができないこと➂万が一、接種により重大な副作用が発生した場合、日本国民および住民基本台帳に記載されて在留カードを所持している人たちの場合は厚労省の制度により救済されるが、彼の場合は救済制度が一切ないこと、この3点について説明したところ、「わかりました。それでは接種は必要ありません」ということだった。
米軍基地内でも接種機会は複数回にわたりあったはずだが、なぜ受けなかったのか不思議だ。
 ベトナム人女性20歳、数日前から頻尿となり、排尿時痛があると来院。日本語はほとんどできず。まず検尿してもらったところ、白血球、潜血反応がかなりはっきりと出ていた。尿路系の感染症と診断し、尿検の結果、診断名、内服薬と生活上の注意点について当日、来院していないベトナム語のスタッフに電話で通訳してもらうことにした。すぐに電話がつながり、慣れたコンビで説明は粛々と進むはずだったが・・・よくあることなのだが、僕がひとつの説明をし終わって次に移ろうとすると、彼女のほうからベトナム語のスタッフに話を始めてしまう。その内容は最近、腰が痛いとか疲れやすいとか・・・後でこのような質問等受けるので、まずは僕の話すことをよく聞いてほしいとお願いをした。こういうことは外国人に通訳や電話通訳を介して説明をするときによく出くわすことなのだが、途中での彼らの質問に対して答えていると、話の筋道がおかしな方向に行ってしまう。はっきりと方向性を示さなければいけない。
 さらに困った人がこういう人・・・ときどきやってくる中国人女性40歳、日本人と結婚していて、あまり上品とは言い難い日本語だが、それなりに上手。いつもは数か月に一回、睡眠導入剤を処方してもらいたくてやってくる。今回はそれだけではなくて・・・「あのさ、耳の中がかゆいのよ、かゆくてね、つまようじの先で中、かいたら、もっと痒くなってね、両方の耳から水が出るようになったのよ」とまくしたてる。これは外耳炎をおこしているのだから耳鼻科に行くべきだと話すと・・・「耳鼻科行ってもさ、痛み止めくれて終わりよ。だから行きたくないからさ、ここでなんとかしてよ」と言う。いやいや、それは痛み止めではなく、抗生物質だったはず、やはり耳鼻科に行った方がいいし、これはあなたのためにも僕が手を出すべきことではないと返事をすると、「だってさあ、いやなんだよなあ、行っても変わらないしぃ」となんとか僕に治療を無理強いしようと続ける。看護師が加勢に入ってくれてようやく聞き分けてくれたかと思ったら、今度は別件で・・・「それからさあ、右のね、肘が痛いのよ、ほらっ、一回来たよ、それでぇ」と始める。カルテを見ると、確かに1年近く前に肘の痛みを訴えて来院していて、その時は近くの整形外科に紹介している。これは整形外科の分野だからそちらを受診したらと勧めると・・・「湿布でもいいと思うんだよなあ」と湿布出せコール。1年も続いていて最近、悪化したというなりこれは整形外科を受診しなくちゃと繰り返すと、さっぱりした顔で「やっぱり、行かなきゃだめかあ」と一言。とりあえず、言ってみるというこの姿勢。ときどき対応に疲れてしまう。ただ、怒っては負け、怒ったことはない。
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2023年11月24日

令和5年11月24日金曜

 ナイジェリア人男性58歳、私が不在の21日午後にやってきた。彼は北隣のS市に住んでいるはずなのだが、長期で国に帰ったりと、話していても生活実態が全く見えてこない。およそ、こちらが指示したとおりの次回診察日にやってくることはまずない。こうなると診療に関するお知らせとか知らせようがない。遠くからやってきているので・・・という話だったそうだが、そうならできればぜひ近くの医療機関で外国人の彼も受診できるような態勢になってほしい。
 今週になりタイの医師である友人二人から別々に連絡が入った。驚いたことに二人とも新型コロナに感染していて、1人は39度近い発熱をしていた。9月にバンコクの空軍病院を訪ねたときにはタイ全土であの時点で23万人がインフルエンザに罹患していると聞いた。感染症の流行状況が明らかにおかしい。あらたな新型コロナ変異株の流行などなければいいのだが・・・
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2023年11月21日

令和5年11月21日火曜

 いつも思うのだが、東南アジアの人も南米出身者も一般的にサプリが好きだ。マニアと言っても過言ではないだろう。話を聞くと、かなり以前には経済的な問題などから栄養状態が悪くなったり、妊娠中に足りないミネラルを摂取しようとしたりしていたようだ。ときどき、ビタミンBが足りないからとかCが足りないから・・・とサプリを山ほど飲んでいる人がいる。どうしてビタミンBやCが足りないとわかったのか?と訊ねてもこちらがなるほどと思える回答は帰ってこない。医療機関を受診するよりもサプリを飲む方が安いのだろうと想像している。だが、そのような「サプリ好き」は日本に来てからも変わらないようで、ときどき患者に、「ドクター、どんなサプリがいいの? おすすめは?」と訊ねられることさえある。というわけでフィリピン人女性64歳、高血圧で来院。今までは在住している市の医療機関に通院していたが、言葉がわからないために転院してくると話してくれた。彼女が持ってきた検診の結果を見せてもらうと、しだいにS-GPTやS-GOTなどの肝臓に関する数値が上がってきている。なぜなのか?と考えてみたが、降圧剤は一種類だけで内服の最初の数か月は上記項目に変化はなかった。次回、採血して詳しく調べさせてもらおうと説明した直後に例によっておすすめのサプリはないかと訊ねられた。驚いたことに5種類のサプリを今現在、飲んでいるとのこと。どうして?と訊ねると、「栄養とビタミンを補うため」とふくよかな体で話す。日本で普通に食事を食べていれば、栄養不足にもならないし、ビタミン不足なんてことにはならないからと話した。サプリに使っている金額も半端じゃなかった。サプリをやめて、そのお金でおいしいものを食べたほうがいいよと言ったものの、今以上に体重が増えると血圧がさらに上がるのではないかと心配になった。食事の内容を詳しく訊ねたが、塩分の取りすぎ。これは高血圧によくないからとも話したが、耳に残ってくれただろうか?
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2023年11月20日

令和5年11月20日月曜

 ベトナム人スタッフがやってきた土曜日。ベトナム人女性63歳、県央のA市在住。社会保険での特定健診を一か月前に受診、結果を聞きにやってはきた。本来ならもっと早く結果をお知らせしたいところだ。健診の結果はおよそ翌日に判明している。万が一、すぐに知らせなければならない項目があれば、ベトナム人スタッフを介してすぐに連絡します、そうでなければ次回のベトナム人スタッフ来院時に聞きに来てくださいと話して帰ってもらったのが一か月前。正確に結果を理解してもらうにはベトナム語での説明が欠かせないと考えたからだ。中性脂肪が244と高値でほかには異常がなかった。中性脂肪の説明、高値を放置しておくとどのような状態になり、どのような疾患に結び付くのかを説明、まずは食事療法について話し始めたら・・・中性脂肪を多く含んだ食品のすべてが好きな食べ物だと言うこと。であれば食事に気をつけ、2か月後に血液検査を行って中性脂肪値の変化を見て、改善が認められなければ内服治療を開始する旨、理解をしてもらった。
 30代のスエーデン人女性、電話での問い合わせ。数日前に採血してチェックしていたCa19-9の値を知りたいとのこと。正常範囲内であることを伝えた。心窩部痛、内視鏡検査は異状なし、血中アミラーゼ、尿中アミラーゼともに正常範囲をかなり下回っていることを考えると、慢性膵炎ですでにアミラーゼが分泌されない状態を疑う。年齢を考慮するとかなり稀なことだと思う。近くの公立病院にお願いしているCTの結果を待とうと話した。
 ベトナム人男性80歳台。昼間の頻尿を訴えて来院。近くの公立病院の泌尿器科を受診していたが、日本語ができないことと、なかなか気難しい性格とで僕のクリニックで処方をしてほしいとやってきた。前立腺肥大のための内服薬を処方しつつ、説得して採血したPSAの値が7.22。正常が4.0以下だから高値と言えよう。本人が渋るのを承知で、「逃げて来た」近くの公立病院の泌尿器科を受診するようにと情報提供書をしたためた。
 タイ人男性二人。言葉などさまざまな理由で居住地域で新型コロナのワクチン接種を受けられず。県内の遠方から来院。無事に接種を済ませた。
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2023年11月18日

令和5年11月18日土曜

 午前から昼過ぎまで激しい雨、こういう日は日本人患者も少なく・・・でも例外がある。フィリピン人等屋外で働く外国人男性だ。そういう一人、フィリピン人男性71歳、高血圧の治療で来院。比較的正確に通院してくれる数少ない一人だ。それは過去に「いい加減に」内服して「いい加減に」通院していたころ、急に血圧が上昇、頭痛や胸痛など訴えて本人が命の危機を感じたからだと思う。聞けばペンキ塗りをしているそうだが、彼の場合、親戚が日本人と結婚しているわけでもなく、奥様も同じフィリピン人であり・・・それなのに社会保険に加入しているし、資格外労働でもない。ほんとに摩訶不思議。向学のために単純労働ができる法的理由を訊ねてみたい気に駆られる。
 ボリビア人女性54歳、横浜市から初めての来院。関西に住んでいたが、娘さんのところに9月ごろ、転居。以前から胃の具合が悪かったと訴える。心窩部痛とガスがあがってくる感じがすると。こういう遠方からやってくる人はおよそ、なんらかの手段で僕のクリニックを調べてやってくる。内視鏡を行ってもらおうと食事をしないで来たと娘さんが教えてくれた。たまたま、雨降りで患者の数も少なく、予定の内視鏡二件が順調に終了したので、続けて施行した。とくにがんも潰瘍もなく、食道裂孔ヘルニアも逆流性食道炎の所見もなし。ピロリ菌が陽性だったので、まずは除菌療法を一週間施行。その後に主訴についての治療を考えることと説明して了承してもらった。たぶん、機能性疾患だろう。
 がっかりさせられたのがフィリピン人患者54歳、胃の具合が悪いと訴えて先週やってきたので、わざわざ午後に内視鏡検査を準緊急として組んだのに・・・来なかった。携帯に電話してもまったく反応なし。フィリピン人スタッフによると「たぶん、働いている時間なのだろう」とのこと。日ごろから、きちんとしていると評価している彼女にしてこの行為。よくなったから検査はやめたいと言ってくれたら、同じ時間に別の人の検査を入れてあげられたのにという気持ちになる。今回はフィリピン人スタッフから伝えてもらうことにした。
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2023年11月17日

令和5年11月17日金曜

 朝からカンボジア人女性84歳、カンボジア人女性71歳とインドシナ難民として日本に定住した人たちの慢性疾患の治療が続いた。35年前ごろ、彼女たちをインドシナ難民定住促進センターで初めて見たころ、彼女たちが笑顔で僕を訊ねて来て、日本語でやりとりする日が来るなんて、想像だにできなかった。
 フィリピン人スタッフから報告あり。ときどき、クリニックにやってきていたフィリピン人女性52歳が、どのような経過かはわからないが、救急車で近くの病院に搬送され、今は県立の専門病院に転院しているとの報告があった。名前には聞き覚えがある。カルテを出してもらい、確認すると慢性疾患での通院歴はないのだが、かなりいい加減な通院歴が見て取れた。本人から連絡があり、身寄りがいないので、フィリピン人スタッフが身の回りの品を差し入れ?しているのだとこと。フィリピン人どうしのことなので、僕自身は口を挟むつもりはないが、フィリピン人スタッフの負担にならないかは心配だ。話をいろいろと聞いていくと出血があり、どうやら婦人科系の疾患であることは想像できた。
 都内の医療機関で小手術を受けた際にHCVが陽性と言われて、14日にHCVの再検を行った米軍基地内の米国人男性の結果が返って来た。本人が身に覚えがないという通り、結果は陰性だった。どうして都内の医療機関では陽性と言ったのかと質問されたが、こればかりは僕にはわからない。可能性としてはこの医療機関で検体を取り間違ったか、あるいは検査会社で取り間違ったかのどちらかだろう。結果的によかったじゃない、心配なくなってと話しかけるとはじけるような笑顔になって帰って行った。
 米軍基地内からやってきたフィリピン系米国人の17歳の女性、フィリピン人の母親が付いてきた。嘔吐、下痢で発熱はないとのことで、急性感染性腸炎の軽いものかとはじめは思って、話を始めたが・・・母親の話ではこのような症状が頻回にあるのだという。心窩部と下腹部に疝痛があるそうで、ここまで話を聞いて、どうやら慢性疾患だという気がしてきた。最終的には過敏性腸症候群と診断したが、学校のことでストレスがあるらしい。話していて母親の表情と彼女の表情を見比べていて確信した。急性感染性胃腸炎ならビオスリーと食事療法でよいだろうし、過敏性腸症候群ならこれにトリメブチンを加えるだけなので、ビオスリーとトリメブチンを処方、2週間後に再診に来てもらうことにした。
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2023年11月16日

令和5年11月16日木曜

 忙しい忙しいと血液検査を受けないまま、治療を受けている外国人患者が多すぎる。次回、空腹で来てねと話しても、食べてきましたと言う。では次回ということになると人によっては2か月後になってしまう。この間、原疾患に関しての数値だけではなく、副作用により肝機能や腎機能が落ちていては・・・と心配しているのに。というわけでフィリピン人女性52歳、食後のデーターであることを覚悟して採血を行った。ある意味、このように「強行」しないと延々と手探りの治療を続けなければならず、医師としては不安が残ることになる。
 アメリカ人男性、米軍基地の中から来院。都内で皮膚科の小手術を受けたときに事前検査として行った血液検査でHCVが陽性だったとのこと。過去に輸血歴もなく、まったく身に覚えがないという。話し合った結果、再度、HCVを単純にチェック、もし陽性なら専門家を受診してもらい、そこで精査を行ってもらうということで合意、採血を行った。
 ラオス人女性38歳、インドシナ難民として日本に定住目的で受け入れられた人たちの二世世代。日本語が上手なのだから、居住地の近くの医療機関を受診すればよいと思うのだが・・・市内の一番南のほうからわざわざやって来た。もしかしたら目で見て外国人とわかる人たちにとって日本の医療機関は敷居が高いのだろうか?発熱と呼吸器症状があったが、新型コロナもインフルエンザも陰性だった。症状に合わせて処方を行った。
 フィリピン人女児7歳、父親が左の膝の裏側に大きなしこりがあることに気がついたとのこと。隣の部屋の小児科からカルテがまわってきた。心配そうでなかなか見せてくれないのだが、なんにもしないからと話してベッドにうつむきに寝てもらい、触診すると・・・大きなガングリオンではないかと疑った。エコーで診ると大きな空洞として見える。中にゼリー状の液体が入っているためだろう。ガングリオンと診断して、父親にフィリピン人スタッフを介して説明を行った。治療については摘出は医学的にむずかしく、一般的には穿刺して中の液体物を抜くのだが・・・ゼリー状であるため、太い針を刺さねば抜くことができないので、なにか症状が出るまではこのまま経過を見るということで父親に納得してもらった。
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