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2023年07月31日

令和5年7月31日月曜

タイ人男性21歳、就労のための健康診断の結果を求めて川崎からやってきた。健診を行ってからすでに二週間も経過している。遠方からやってくるとこのようにすぐに取りには来ることができないということになりかねない。ゆえにできれば現住居の近くで健診を受けてほしいと思う次第だ。外国人患者を受け入れる医療体制を地域の中で充実させていってほしいと切に願う。
ベトナム人の一家3人。前日金曜日にご主人34歳だけがやってきて受診したい旨を話していった。片言の日本語は話せるのだが、込み入った内容は全く理解できない。3人についての問題が書いてある大きな紙を見せてくれた。いったい、だれが手伝って書いてくれたのか、訊ねるのを忘れた。ご主人については「糖尿病の検査を受けたい」と、奥様30歳については「おなかが急に痛くなるので大腸内視鏡とおなかの超音波検査をしてほしい」と、娘さんが喉が痛がっていて診てほしいと書いてあった。詳細がわからないのでベトナム人スタッフにラインをしてマイク機能でやりとりをした。ご主人については昼食を食べてきたとのことなので、検査のために朝から食事をしないで来てほしいこと、奥様とお嬢さんについては診察を引き受けることを伝えてもらった。29日の土曜日、混んでいる中、お嬢さん二人を連れてご夫妻が現れた。診察の順番になり、金曜日同様、ベトナム人スタッフとマイク機能を使ったラインで僕を入れてやりとりをした。ご主人については、なぜ糖尿病の検査をしたいのか?とくに家系的に糖尿病にかかりやすいのか?など訊ねてみた。すると家系的には糖尿病はいないとのこと、ただし、自分の皮膚の病変が治りにくいので糖尿病ではないかと心配していると答えてくれた。皮膚病変の湿疹様で感染ではないのだが、肝機能。腎機能を含めて採血をした。奥様についてはすぐにリクエストの大腸内視鏡や超音波の準備をするのではなく、どのような理由で希望しているのかを訊ねてもらった。すると・・・一か月前から腹痛があり、下痢もある、それで心配になったとベトナム人スタッフを介して教えてくれた。ベッドに横になり、痛い部分を触ってもらうと腹部全体、痛みに波があるという。腹鳴も聞こえた。すでに上部消化管の内視鏡検査はどこかの医療機関で受けていて、何でもないと言われたとのこと。聞けば痛みは初めてではなく、2年前辺りからときどきあったらしい。疾患としては症状やヒストリーから小腸、大腸疾患、とくに過敏性腸症候群を疑う。
ベトナム人スタッフが来院するのが2週間後の土曜なので、まずはトリメブチンとビオスリーを2週間分処方、腹痛にはスコポラミンを処方し、2週間後の土曜日に来院してもらい、症状がどのように変化したかを報告してもらい、改善傾向がなければ大腸内視鏡検査等、予定する方向で納得してもらった。このようなケース、電話通訳を含めて通訳がいないと診察さえむずかしい。そしてやりとりにかなりの時間がかかる。医療機関が電話通訳の費用を懸念して電話通訳を利用しないというのもよく理解できる。医療機関に負担を求める限り、
外国人患者受け入れは進まないだろう。
 土曜日から久しぶりに北海道へ。ふるさと、夕張郡栗山町の空気を吸い、短い夏は朝早くからセミを追いかけ、長い冬はスキーをしていた御台師山のそばに行き、一人で大人用の長い竿を持って魚を釣っていた夕張川の川面を眺め、町役場の祖父の銅像に挨拶し、数えてみたら70年の付き合いになるかけがえのない友人に会い、元気になりました。感謝。
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2023年07月29日

令和5年7月29日土曜

 特定健診で午前9時に予約していたフィリピン人女性56歳、来ない来ないと思っていたら・・・午前10時になってやってきた。こういうケースは本当に困る。大きな医療機関ならすでに次々と予約の人が検査に入っており、キャンセル扱いになることが多いだろう。「普通に」お咎めなく、検査を受け入れてしまうと、この女性の頭の中でも、また彼女から話を聞いたフィリピン人たちは僕のクリニックでは遅れても問題ないのだと誤解しつづけ、同じようなケースが出てくるだろう。というか、今でも内視鏡や他の検査など・・・予約時間に遅れてくる人は少なくない。ここできつく注意すると、「しかられた」と誤解しかねないし、フィリピン人スタッフに嫌味のひとつでも飛んできそう。注意をするときには必ず、理由をあげて注意するのだが、なかなか効力がない。こんなところも外国人医療のむずかしさかもしれない。
 米軍基地内のアジア系アメリカ人女性45歳、月曜日に行った血液検査で前回よりγ-GTPがかなり上昇して300台となっていた。日本の公的保険を持っていないというのでためらったが、近くの公立病院でCTスキャンを行ってもらうことにした。この公立病院では自費診療は保険点数の1.5倍と市の条例で定められている。およその金額を教えてほしいというので、高めに話をしたら、「受けたい」との返事なので電話で予約を取った。彼女の場合、米国の民間会社の保険に加入していて、診察のたびに会社宛ての診察支払い証明書を英語で書いてさしあげる。彼女は僕のクリニックで現金で支払い、この証明書を彼女が加入している民間保険の会社に送ると、彼女の銀行口座にお金がバックされるシステムなのだが・・・心配のひとつはこの公立病院で英文の診察支払い証明書がすんなり書いてもらえるかということ、もうひとつの心配はこの英文診察支払い証明書の費用は一般的に民間保険ではカバーされておらず、したがってこの証明書の費用を請求する場合には英文書類なのでかなりの金額になるはずで、ゆえによくよく事前に話し合っておかないとトラブルになることがあるということである。
 フィリピン人女性61歳、フィリピンに3か月帰国していたと久しぶりにやってきた。帰国中に膀胱炎のような症状が出たので病院を受診、4時間ぐらい病院の中にいたと話す。尿の検査を受けて薬をもらって・・・15000ペソ、およそ3万円かかったとのこと。これがほんとなら現地ではよほど裕福でなければ、「いい」病院には行かないだろうと容易に想像できる。
 待合室にアフリカ系や南西アジアや東南アジアのこどもたちが親と来ていた。小児科で予防接種。彼らにとってのこのクリニックがどういう存在なのか、わかる気がする。
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2023年07月28日

令和5年7月28日金曜

一昨日の火曜日に肺炎と診断した40度の発熱のフィリピン人男性、奥さんが心配になり、入院を希望していたのだが、木曜まで経過を見ようということにして、抗生剤の点滴など行っていたが・・・木曜の朝になっても現れず、心配になり、フィリピン人スタッフから連絡を入れてもらった。すると・・・熱は水曜の夜から下がっていまは体調もよくなり、風呂に二回入ったとのこと。これには驚いた。体を温めると当然、感染症にはよくはないのだが・・・・どうやら結果オーライであったようだが、肺炎で風呂に入るとはまさか想像もできず。ここまで注意をしておかねばならないのかと愕然とした。このような基礎的な健康に関する「常識」が我々とはちがう人たちはとくに発展途上国出身者に多く、気をつけねばならない。
 ベトナム人男性21歳、二日前からの発熱と呼吸器症状で来院。実習受け入れ先の日本人女性と日本の企業とベトナムの送り出し機関を結ぶ日本の受け入れ団体に勤務しているという中年のベトナム人が付いてきた。新型コロナとインフルエンザの抗原検査をしようとクリニックの外に行くと、この男性が近づいて来て、ちょっと圧力を感じるような態度で血液検査も尿の検査もしてほしいと言う。何のための尿検査?と思ったが、まずは上記の二つの検査をさせてくれ、ともに陰性なら中に入ってもらって次の検査を考えると話して、ふたつの抗原検査を行ったところ、陰性だった。診察室に入ってもらって検査結果の説明をした直後に、さきほどの男性が再び、ではどういうことか?と大声で訊ねるので、とうとう堪忍袋の緒が切れてしまった。まずはこちらの説明をよく聞いてほしい、質問はそれからにしてほしいと話した。すると僕の「気迫」に驚いたのか、一歩下がって行った。電話でベトナム人スタッフを呼び出し、これから血液検査を行うこと、内容は白血球数とCRPで、ともに正常範囲ならウィルス性疾患、上限を超えていれば細菌感染を疑うことを話してもらった。スマホの電話機能をマイクにしておくと僕にも彼らにも聞こえる。採血の結果は白血球数6500、CRP0.1でともに正常範囲だった。再び、ベトナム人スタッフに電話し、マイク機能で彼女から伝えてもらった。新型コロナやインフルエンザではない呼吸器系のウィルス疾患なので、単純に夏風邪と脱水ではないかと続けて伝えてもらった。脱水については点滴の希望があるかないかを訊ねてもらうと、ぜひ点滴してほしいということなのでウィーンD500ccを入れた。そして呼吸器系症状に対しては内服薬を処方した。さきほどのベトナム人男性は以後、黙っていたが、このやりとりを見ていれば、まちがっても日本の医療機関ではベトナム人を軽視するとかまともに扱われなかったとは言うまい。ベトナム人実習生自身と受け入れ先の日本人女性が証人だから。
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2023年07月27日

令和5年7月27日木曜

フィリピン人男性40歳、7月23日日曜から発熱38度。24日月曜に新型コロナとインフルエンザの抗原検査を行ったが、ともに陰性だった。25日の朝、フィリピン人スタッフの携帯に連絡があり、40度まで熱が上昇しているという。すぐに来るように話してもらった。来院後、クリニックの外で念のために再度、新型コロナの抗原検査を施行。結果は陰性。クリニックの中に入ってもらって採血。白血球数とCRPを調べた。すると・・白血球数は14500、CRPは7.4とともにかなりの高値。体のどこかに細菌感染があると診断した。ほかに咳や痰、あるいは下痢、腹痛、あるいは頻尿とか・・・なにか感染がどこにあるのか、ヒントになるような症状がないか、しつこく訊ねても何もないと話す。尿の混濁はないし、尿中白血球もない。いずれにしてもこのままは帰せないので、広範囲の細菌に感受性があるはずの抗生物質であるロセフィンを点滴で落とし、脱水もありそうなので、そのまま点滴500ccにつなげた。
同じフィリピン人の奥様には検査や治療の前後にフィリピン人スタッフを通して説明をしていたのだが、昼休みに彼が点滴を受けている部屋に行ったところ、姿が見えなかった。その直後に彼の務めている会社から電話がかかってきているとスタッフが教えてくれた。電話を替わると上司だと名乗る男性が奥様から連絡があり、細菌感染があると聞いたが、どこに感染があるのかわからないとのことなので、話を聞きたいと言われた。奥様からは会社に話したとか、会社の人が電話して来るから病状を話してほしいとか、一言も聞いてはいなかったので、驚いた。会社の方には病気は個人のプライバシィであり、このケースでは本人、または奥様の許可がなければ話すことはできないこと、奥様から会社の方が電話してくるから話してほしいと言われたら、話しますと返事した。不満そうではあったが、納得はしてくれた。本人や家族の同意なく、僕が病状を話してしまい、日ごろから突然、休むことが多いなどという理由で会社を首にならないとは限らない。とくに外国人の場合、このような傾向が強い人がよくいる。ここは原則論を貫き通さねばならない。
点滴が終わってしばらくすると咳き込む声が聞こえた。咳はいつから?と訊ねると、一週間前から夜に出ていたと言う。さきほどはどこにもなにも症状はないと話していたのに・・・あわてて胸部レントゲンを撮影してみると、軽度の影があり、小児科で胸の音を聴いてもらうと湿性ら音が聞こえるという。感染巣は呼吸器系と診断した。奥様はパニックに陥っていて大きな病院で治療を受けたいと話すので、今日の朝一番に来てもらって、この二日間の熱型や白血球数、CRPの値を一昨日の値と比較して、近くの公立病院に紹介状を書くかどうか、判断することにしている。フィリピンでは肺炎になると、即、死につながることが少なくないそうだ。公的保険がなく、庶民には大きな病院に入院しての医療費が支払えないことによる。フィリピンの病院にもPGHを始め、マカティメディカルセンターなど素晴らしい医療を提供している医療機関は少なくない。問題は医療制度なのだ。奥様がパニックになったのはフィリピンで肺炎と診断されるとそのまま亡くなる人が少なくないからだと理解した。
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2023年07月25日

令和5年7月25日火曜

 外国人を含めた新型コロナ感染者の数が昨日は9人、いよいよ一日二桁に迫って来た。クリニックの外で待つ人の数も多くはなってきた。おまけに日本人女性16歳がA型インフルエンザ。しばらくは症状によってはインフルエンザも検査しなければならないだろう。発熱だけでほかに症状がないという人で新型コロナ抗原検査陽性の人が2人いた。これも気をつけなければならない。嘔吐に下痢に軽度の発熱で新型コロナ陽性の人もいた。感染性腸炎と思えるような症状があっても新型コロナの抗原検査をしなければいけないということだ。
 朝一番にコロンビア人女性の内視鏡検査を行った。初めての内視鏡検査だそうで、かなりナーバスになっていたようだが、咽頭麻酔だけであっと言う間に施行することができた。こういうことは一日を元気にさせる。結果は異状なし。画像の説明を行って終わりとした。
 フィリピン人女性58歳、ごく軽度の発熱と咽頭痛。新型コロナ抗原検査が陽性。症状に合わせて処方した。
 インド人男性47歳、高血圧と脂質代謝異常で通院を開始したところ。血圧は降圧剤で適切に保たれている。前回の血液検査の結果を説明した。HDLコレステロールが25と低下しており、その意味と運動療法について説明し、降圧剤は引き続き、処方した。
 米軍基地からやってきたアメリカ人のご夫婦。ご主人49歳は高血圧に前立腺肥大。降圧剤に米国からの前立腺肥大用の薬と同じものを処方していたが・・前立腺用の薬を内服すると排尿が少しずつでできらないという。薬をやめたいのか?と思ったが、それは前立腺肥大の症状だと話したところ、そうではなく、膀胱がけいれんするように感じて・・・と話し出した。過活動膀胱か?と返して、それなりの薬を処方してみようかと思ったところ、薬は不要、前立腺肥大用の薬も余っているから今回は不要とのこと。前立腺は僕の専門外で、米国の医師の指示通りに処方してきたが、一度、泌尿器科を受診してもらったほうがいいと思う。
外国人を診察していて困るのはこういう「自己診断と頑固さ」だといつも思う。日本人にももちろん同じような人はいるが、外国人のほうが頻度が高い気がする。外国人の診察に慣れていない医師ならかなりいらいらすることだろう。
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2023年07月24日

令和5年7月24日月曜

フィリピン人女性35歳とその日本国籍のお嬢さん13歳、夏休みでフィリピンに帰国するとのこと。新型コロナのワクチン接種を一度も受けていないので、24時間以内の抗原検査とその結果を英文で記載した書類を求めて来院。たしかフィリピン入国に際しては、このようにワクチン接種を一度も受けていない人は24時間以内の抗原検査で陰性という英文証明書を持っていくか、あるいは事前の検査を受けていない人はフィリピン到着時に空港で抗原検査を受けることになっているはず。心配だから日本で受けていくと話していた。結果は二人とも陰性。英文書類を作成して手渡した。
フィリピン人女性43歳、きょうはどうしたの?と訊ねると、血液検査をしてほしいと言う。何の血液検査?と訊ねると、わからないとのこと。さらに訊ねていくうちに、健康診断と同じように考えていることがわかった。彼女には日本の公的健康保険の適用にはルールがあり、なにか症状があって病気を疑う場合、それに関連した検査だけが適用になるのだと説明した。するとあちらこちら悪いところや心配だというところが出てきた。一般的な血液検査だけを行った。このように保険診療下では検査、薬の処方、その他の検査等、およそ電話帳のように分厚い「ルールブック」がある。面倒くさいといえばそれまでだが、多くの人が健康保険の下で診療を受ける、すなわち公的保険の恩恵を受け、その制度を長続きさせるためにはルールが必要不可欠なのだということを話しておいた。このようなことを説明しておかないと日本の公的保険の趣旨が理解されないだろう。
タイ人女性76歳、診察室に入って来るや、なにやら強い匂いがしてきた。診察しようとするといつものようにかばんからタイ料理の数々、デザートやビニール袋に入ったスープまで出てきた。全部、診察終了後にスタッフの胃袋に消えて行った。いつもながら感謝。
22日の11時15分にクリニックを長女に任せて抜け出し、故中西泉先生の告別式に行ってきた。12時の開場の前に到着し、奥様とお目にかかり、棺の中の先生のお顔を間近で拝見してお別れをしてきた。12時過ぎに到着するとお焼香だけで終わってしまうと思い、早めに出かければ最後にお顔が拝見できるかと思ったのだが、その通りでよかった。中西先生はAMDA国際医療情報センターの運営では副理事長でありながら、あまり表に出ることはなさらず、私たちを後ろで支えてくださることが多かった。それでもいつも感謝していたのは、あの中西が関っているのかというだけでAMDA国際医療情報センターの信頼度がゆるぎないものになっていったからだ。とくに東京都医師会関係では極めて大きな存在だった。中西先生とはそういう方だった。心から合掌。
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2023年07月22日

令和5年7月22日土曜

ここに来て、新型コロナの感染者が急増している。検査キットも入手しづらくなってきているが、咳止め、解熱剤なども欠品になりつつあり、再び、「困窮の医療」になりつつある。沖縄では感染者は多いものの、減少傾向にあるというので、急増傾向はあと1か月かそれぐらいで減少に転じると信じたい。
ぺルー人女性52歳、前日より発熱、新型コロナの抗原検査を施行したところ、陽性。本年1月にも罹患していて、こういうケース、本来は変異株のDNA検査を行ってほしいものだが、そのシステムがない。
フィリピン人女性28歳、鼻すじの左が硬く腫脹しているとしてやってきた。いくつかの耳鼻科を受診したが、わからないというので、近くの公立病院の耳鼻科に情報提供書を書いた。
本日、朝、返事を読んだが・・・やはり骨そのものだそうで、すると本人から削ってほしいと要望があったそうだ。それは美容整形の分野になると断ったとあった。至極、まっとうな対応だと思った。
 中国人女性、イタリア人女性、某アフリカの国の女性14歳など発熱や呼吸器症状で来院。新型コロナの抗原検査施行。いずれも陰性だった。
 先週、体重減少でやってきたドイツ人留学生の女性。体重が10キロ減少したとのことで、来院したのだが・・血液検査の結果が戻って来ていて説明した。甲状腺機能は異状なし、アルブミンは適切に保たれ、貧血もなし。他院で7月の初旬で行った血液検査に比較すると、腎機能は改善し、低血糖も改善されていた。要するに10キロやせたものの、健康状態は保たれており、一番具合が悪かった時期を超えつつあるのだと思うと話すと、喜んでくれた。ドイツ時代の写真を見せてもらったが、やはり肥満体だった。これにて終了と告げた。
 フィリピンに帰国する35歳女性とその娘さんで日本国籍の14歳の女性、新型コロナのワクチン接種を受けたことがないため、フィリピン入国のために24時間以内の抗原検査と陰性を証明する英文書類を求めて来院。検査して20分で陰性と判明。肝心のパスポートを家に忘れてきたと言うが、たまたまスマホに二人のパスポートの写真のページが撮影されており、これを見て書いた。
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2023年07月21日

令和5年7月21日金曜

謹んでお悔やみを申し上げます。
開設当初から特定非営利活動法人AMDA国際医療情報センター副理事長を務めてくださった中西泉先生におかれましては、闘病中のところ、令和5年7月17日、逝去なさいました。20日の昼に同じAMDAグループの認定特定非営利活動法人AMDAの本部より逝去の一報をメールで受けました。その直後に奥様から電話をいただきました。ああ、本当にお亡くなりになったのだなと実感いたしました。
 中西泉先生は都立日比谷高校を卒業し、慶應義塾大学医学部に入学、卒後は外科学教室に入室、肝胆膵班に所属、レジデントの頃から手術テクニックが秀でており、また患者さんに寄り添う姿勢は人格者として先輩からも一目、置かれる存在でした。レジデント終了後は立川共済病院外科に医長として出向。あまりにも手術が上手で将来を嘱望されていらっしゃいましたが、お父様が急逝なさったことを受け、町谷原病院(現町田慶泉病院)を継承するために立川共済病院の職を辞されました。以後は地域医療と外国人医療に打ち込まれ、東京都病院協会の理事も務めていらっしゃいました。
 私は学生時代、中西泉先生の2学年後輩でした。しかし、先生に親しく接していただけるようになったのは同じ外科学教室のレジデント3年目で、出張病院から母校の外科学教室に戻ってからでした。配属になったのが6号棟4階という一般外科の病棟で、この病棟に所属する手術チームのトップが中西泉先生、私はそのチームのレジデントとなりました。先生の手術テクニックは噂通りで、教授助教授という先生方の第一助手を務めてもどちらがオペレーターかわからないほどの腕でした。それだけではなく、患者さんを想う心が深く、誰もが認める人格者でした。医学だけではなく、すべてに対する知識が極めて深い方でした。医師は研修の過程でさまざまな人の影響を受け、自分を作り上げていくのですが、中西泉先生はどんなに私が努力しても追いつけないと思うほどのすばらしい方で、私がいまだに至らぬ中でも医療を続けてこられたのは先生のおかげと思っています。
 平成2年1月に私が小林国際クリニックを大和市に設立してからは外国人医療のことでは本当に先生に助けていただきました。私のクリニックと先生の病院は大和市と町田市という違いはあれ、車でおよそ20分程度の距離にありました。入院が必要だが、訳アリの外国人患者さんを入院させていただき、手術をしていただいたこともありました。二人でよく外国人医療の病診連携だねと笑いあったこともありました。平成3年4月にAMDA国際医療情報センターを設立する際には、当時は世迷言のようにも言われた同センター設立の趣旨に共鳴してくださり、100万円を寄付してくださいました。設立後は副理事長として表に出ることはあまりなさらず、難問にぶつかったその時、その時、極めて適切なアドバイスをしてくださいました。中西泉先生という大きな後ろ盾がいつも私を支えてくださっていたのです。
 7年ほど前、先生が体調を崩された時には手術をお受けになった後に電話をいただきました。ご自分の病気について冷静にお話しなさっていたことが印象的でした。そして今年の2月か3月ごろ、ご自分の健康について電話をいただきました。君も健康に気をつけるんだよと言われました。最後にお声を聞いたのは5月の下旬でした。突然、私の携帯に電話をいただきました。入院して化学療法を受けているのだが、頭がときどき、よくわからなくてねとおっしゃっていました。いつも忙しかった先生にしては珍しく、いつまでも電話をお切りにならずにお話しされていたことが忘れられません。
 心からご冥福をお祈りいたします。
      特定非営利活動法人 AMDA国際医療情報センター理事長 小林米幸
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2023年07月20日

令和5年7月20日木曜

 フィリピン人女性52歳、両側の乳頭から分泌があると来院。スマホで撮影したブラジャーの内側を見せてくれたが、濃い茶色で少なくとも漿液性や膿ではなかった。触診では異常なし。両側の乳管に同時に異常があるというのは考えにくいが、否定はできず。乳腺専門医に紹介状を書いた。
 ナイジェリア人男性52歳、早口で話すので、ときどきわかりにくいが・・・健診を受けたと結果のレポートを見せてくれた。LDLコレステロールはやや高め、一番気にしていた腎機能と糖尿病のスコアについては・・・両者とも軽度ではあるが、前回より改善されており、いつもの血圧測定と処方で機嫌よく帰って行った。
 フィリピン人女性61歳、めまいと嘔吐、下痢で来院。感染性胃腸炎と診断した。血圧も140/100と上昇していて、脱水のためと考えた。奥の部屋で点滴施行。帰るころには症状は改善されていた。
 タイ人女性67歳、以前から高血圧で内服治療中なのだが・・前回は1月21日に二か月分処方している。指示通りに毎日内服していたら、4か月前の3月21日前後に内服終了しているはずだ。いい加減に内服しているのだろう。血圧も測定していないにちがいない。カルテを見ると「薬だけ」のマークがついている。受付のスタッフに訊ねると・・・受付でも長期に診察を受けていないことに気がついて、そんなに混んでいないから今日は診察室で血圧測定などしてもらうようにと話したそうだ。彼女はそこそこ日本語がわかるはず。「学校に孫を迎えに行かなければならないから」と頑なに拒否したそうだ。僕のお小言を聞くのがいやなのか? このようなケース、無理強いはしない。すべての責任は彼女が背負うことになるのだから。
 夕方6時からのNHK首都圏ネットワークで2週間前の取材が放映されると担当者から連絡があったが・・・その時間、ちょうどスタッフ全員で以前から納涼会を計画しており、見ることができなかった。帰宅後、番組のQRコードからホームページ掲載の要旨を発見して読んだ。およそ言い尽くされていたと思う。
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2023年07月18日

令和5年7月18日火曜

タガがはずれたように外国人患者が多かった15日の土曜日。僕が拝見したのが21人、小児科と併せて34人。
 フィリピン人女性21歳、これから保険証が変わりますと言う。聞けば、国保から社保に変わるとのこと、変わったときに国保の保険証は役所に返却し、有効期限に達していなくとも手元において使ってはならないことを強調しておいた。このような内容は場合によっては通訳でもなぜなのか?理解できないことがあるので、通訳に対してもわかるように説明しなくてはならない。
 ベルー人女性17歳、前日からのどが痛いと来院。発熱はすでにないというのだが、新型コロナの抗原検査を施行。結果は陽性。彼女は今年の1月にも新型コロナに罹患している。前回と今回は変異株が違うのだろう。保健所に確認したことがあるのだが、保健所ではすでに変異株の解析は受け付けていない。つぎに新たな変異株が出現した場合にはどのようにして調べるのだろう。きっとかなり症状のきつい人が集団で出たり、テレビで取り上げられるような大問題になったり・・・それまでは「しない」という方針だそうで、心配は尽きない。
フィリピン人男性25歳、健診で。住所を見ると、川崎市になっている。この近辺に親戚がいるのだそうだが・・・川崎から大和まで健診にやってくるなどというのは尋常ではない。こういう人をぜひ、住まいの近くで受け入れるような医療であってほしい。
フィリピン人男性38歳、以前に高尿酸血症で通院していたが、内服治療でよくなってきたと思ったら、来院しなくなって半年。会社の検診で尿酸値9.1を叩き出してやってきた。何度も口頭で注意していたのに・・・へこむ。
 ベトナム人男性25歳、過敏性症候群で内服治療中。かなり腹痛もなくなり、下痢も消失してきた。しばらく内服を続けるようにと話した。
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