ベトナム人男性82歳、不眠症でときどき睡眠導入剤を処方している。本人は日本語が上手のつもりのようだが、「てにをは」だけでなく、よくわからないことが多い。ベトナム人スタッフがやってくる土曜日を教えて差し上げて、「この日に来てください」とお願いするのだが、聞いてくれたためしがない。結果として意思の疎通がうまくいかないことがあり、本人もいらいらするらしい。年長者としてのプライドではないかと思っているのだが・・そういえば家族がいっしょにやってきたなんてことはない。もしかしたら一人で暮らしているのかもしれない。
アフリカの某国のあかちゃん、待合室で母親にだっこされているときに耳のピアスに気がついた。生後3か月だそうだ。以前はよく、あかちゃんにピアスをあけてほしいと南米の方に頼まれたが・・・開けるための処置をしているとドアの外から母親が泣きながら見ているなんてことがあり、精神的に重荷となりやめた。日本人にはない習慣だろう。
タイ人女性17歳、糖尿病有。数日前から腹痛、かなり右下腹部に限局してきたと来院。白血球数は1万を超え、正常値が0.2以下のCRPは15を超えていた。急性虫垂炎を考え、近くの公立病院に電話して受け入れを打診。外来患者受付時間の11時までなら受けるとのこと。時計は10時40分。あわててタクシーを呼んであげてそのまま乗って行ってもらったが・・・・このような救急のケースに「11時までに来ること」をかたくなに迫るのはどんなもんだろう?
ベルー人男性61歳、2日前に某耳鼻咽喉科を受診。のどが痛かったからだそうだ。そこで新型コロナとインフルエンザの検査を行って陰性だったが、発熱が続いていると来院。聞けば発熱してから検査を行うまで数時間しか経過していなかったようなので、上記二つの検査を再検したところ・・・新型コロナは陰性だがインフルエンザが陽性、A型だった。発熱後、48時間をごくわずかに超えていたので、一筋の期待を込めてオセルタミフルを処方した。
近くの米軍基地に勤務する米国籍の男性と奥様。奥様が先に発熱、続いて男性が発熱。自分でキットを購入して新型コロナとインフルエンザの検査を行ったが陰性。しかし、ご主人の発熱が続いているために来院。すでに奥様は解熱している。検査した時間を訊ねると、やはり発熱してからすぐにあわてて検査したようだ。わけを話して再度、両者の検査をさせてもらったところ、うっすらとA型インフルエンザが陽性だった。たぶん、奥様もA型インフルエンザだったのだろう。すでに4日目となっているため、オセルタミフルを処方しても意味がなく、対症療法にとどめた。
2023年03月31日
令和5年3月31日金曜
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2023年03月30日
令和5年3月30日木曜
雨が降って花粉症の人にとっては少しはすごしやすかったかもしれない28日。
ベトナム人男性26歳、肛門から出血ありとのことで来院。日本語はあまり得意ではなく、ベトナム人スタッフに連絡を取ろうとしたが、取れず。考えた挙句に久しぶりに35年前ごろにアジア福祉教育財団難民事業本部が作成したベトナム語医療用語集を用いて説明をした。インドシナ難民としてのベトナム人受け入れに際して作成したもので、カンボジア人受け入れのためのカンボジア語医療用語集やラオス人受け入れのためのラオス語医療用語集の作成には僕も協力した記憶がある。疾患は内痔核であった。この点はよく理解してくれた。さらに坐薬を処方するに際して、AMDA国際医療情報センター作成の服薬指導の本を用いて、坐薬の使い方、一日に何回、いつ使うかなどを説明した。
フィリピン人の32歳と31歳のご夫婦に幼児がふたり。いずれも前日からかなりの高熱と呼吸器症状あり。新型コロナとインフルエンザを検査。全員、A型インフルエンザであった。過去に同居家族の間で、ひとりは新型コロナに感染、ひとりはA型インフルエンザに感染という例があるので、両親がインフルエンザだからこどももそうだろうと決めつけるわけにはいかない。
ベルー人男性50歳、久しぶりに来院。埼玉県で働いていて、新型コロナが下火になってからは朝は5時起き、帰りは午後11時過ぎで、「休みなんか取れない、残業残業ね」とそれでも笑顔で話してくれた。経済的な心配はなくなってきたのだろう。
フィリピン人女性43歳、頭痛がすると来院。頭がもやもやするらしい。血圧を測定すると150/90と高い。なにやらバッグから取り出してきたので見ると、アムロジピン5mgだ。聞けば比較的近くの医療機関に通院しているらしい。その医療機関になぜ行かないのかと訊ねると、やはり言葉の問題であった。他の医療機関の患者を結果的に取ってしまうような行為はあまり好きではない。でもやむをえないのでピソプロロール2.5mgを追加で処方して土曜日に再診、採血もさせてもらうことにした。
悲しかったのは・・久しぶりに診療終了後に新型コロナのワクチン接種を行ったのだが・・・21人の予約があって、6人が何の連絡もなく来院しなかった。いわゆるすっぽかしだ。そして全員がフィリピン人。来てくれた15人の中にもフィリピン人が複数いるのだが、このような行為は偏見をうみかねない。残念だ。
昨日は第二回日本医師会外国人医療対策委員会が開催され、ひさしぶりにオンラインではなく、日医会館での委員会に出席した。
ベトナム人男性26歳、肛門から出血ありとのことで来院。日本語はあまり得意ではなく、ベトナム人スタッフに連絡を取ろうとしたが、取れず。考えた挙句に久しぶりに35年前ごろにアジア福祉教育財団難民事業本部が作成したベトナム語医療用語集を用いて説明をした。インドシナ難民としてのベトナム人受け入れに際して作成したもので、カンボジア人受け入れのためのカンボジア語医療用語集やラオス人受け入れのためのラオス語医療用語集の作成には僕も協力した記憶がある。疾患は内痔核であった。この点はよく理解してくれた。さらに坐薬を処方するに際して、AMDA国際医療情報センター作成の服薬指導の本を用いて、坐薬の使い方、一日に何回、いつ使うかなどを説明した。
フィリピン人の32歳と31歳のご夫婦に幼児がふたり。いずれも前日からかなりの高熱と呼吸器症状あり。新型コロナとインフルエンザを検査。全員、A型インフルエンザであった。過去に同居家族の間で、ひとりは新型コロナに感染、ひとりはA型インフルエンザに感染という例があるので、両親がインフルエンザだからこどももそうだろうと決めつけるわけにはいかない。
ベルー人男性50歳、久しぶりに来院。埼玉県で働いていて、新型コロナが下火になってからは朝は5時起き、帰りは午後11時過ぎで、「休みなんか取れない、残業残業ね」とそれでも笑顔で話してくれた。経済的な心配はなくなってきたのだろう。
フィリピン人女性43歳、頭痛がすると来院。頭がもやもやするらしい。血圧を測定すると150/90と高い。なにやらバッグから取り出してきたので見ると、アムロジピン5mgだ。聞けば比較的近くの医療機関に通院しているらしい。その医療機関になぜ行かないのかと訊ねると、やはり言葉の問題であった。他の医療機関の患者を結果的に取ってしまうような行為はあまり好きではない。でもやむをえないのでピソプロロール2.5mgを追加で処方して土曜日に再診、採血もさせてもらうことにした。
悲しかったのは・・久しぶりに診療終了後に新型コロナのワクチン接種を行ったのだが・・・21人の予約があって、6人が何の連絡もなく来院しなかった。いわゆるすっぽかしだ。そして全員がフィリピン人。来てくれた15人の中にもフィリピン人が複数いるのだが、このような行為は偏見をうみかねない。残念だ。
昨日は第二回日本医師会外国人医療対策委員会が開催され、ひさしぶりにオンラインではなく、日医会館での委員会に出席した。
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2023年03月28日
令和5年3月28日火曜
近くの米軍キャンプからやってきたアフリカ系米国人女性71歳、初診が昨年の8月、高脂血症でアトルバスタチンを処方したのが9月、その後来院していない。事情を聞いたら米国に戻っていたとのこと。米国では同じ薬をもらっていたと薬瓶を見せてくれた。たしかにアトルバスタチンと印字された紙が貼ってあった。次回は採血させてほしいと頼み、1か月分の薬を処方、民間保険用の支払い証明書を作成して渡した。
タイ人女性59歳、先月の血液検査で中性脂肪が209だった。彼女はいつも中性脂肪が高い。タイ人には珍しい東北タイのイスラム教徒なので、豚肉を食べない代わりに牛カルビを食べまくる。酒はいけないはずだが、夜の仕事をしているので、生活のためにしかたないと酒を飲む。その割には健康については不安症に近い。すでにベザフィブラートを最大量使用しており、これ以上、増量することはできない。いつものように食事指導を厳しくしたが、たぶん効果はないだろう。
フィリピン人女性32歳とフィリピン人男性33歳のご夫婦、HIVの検査をしてほしいとやって来た。どうしてなのかをまず訊ねてみると・・・奥様の左の鼠径部になにかができていて、長く触ると痛くなるし、右側にできることもあるからだという。なるほど、それで性感染症を疑ったのだとわかった。いつから?と訊ねると昨年の11月からで、12月に他の医療機関でHIVの検査を受けて陰性だったが心配が続いているのだとも話してくれた。触ると柔らかい小さな腫瘤がある。触っても痛がることはない。細菌感染性ではないことだけはわかった。奥様がかなり神経質というか、神経症っぽくなっていることもわかった。奥様の検査を先行して行い、ご主人の検査は奥様の検査に異常があったときでよいのではないかと話して二人に納得してもらった。ご主人はあまりに奥様がいろいろと訴えるので、疲労困憊しきっていた。それで寝られないのだそうだ。HIV、梅毒、クラミジアの検査を行い、念のために肝機能、腎機能、末梢血と血液像などもオーダーしておこうと検査用紙に書き込んでいたところ、奥様から「悪性リンパ腫なども気になるので検査しておいてほしい」と声がかかった。まずは末梢血と血液像から診るのでちゃんと入っているよと答えたが・・・すべての結果が戻ってくる一週間と言う時間を彼女とご主人が待てるかどうか・・・心配になった。
新患のタイ人女性58歳、朝から頭がぼおっとして首が痛いのだという。かなり日本語は上手だが、肝心のところはタイ語のほうが安心するように見受けられた。少し気持ちが悪く、本人は風邪の引き始めではないかと言うのだが、呼吸器症状は何もない。血圧を測定すると一回目は170/100、二回目は150/100 日ごろは血圧が低いのだそうだ。とりあえずアムロジピンの5mgを処方し、仕事が休みだという今週の土曜日に朝食抜き、甘い飲み物抜きで来てもらい、症状に変化があるのかどうか、このままアムロジピンを処方すべきなのかどうかを判断し、肝機能、脂質代謝などの採血もさせてもらうことにした。
タイ人女性59歳、先月の血液検査で中性脂肪が209だった。彼女はいつも中性脂肪が高い。タイ人には珍しい東北タイのイスラム教徒なので、豚肉を食べない代わりに牛カルビを食べまくる。酒はいけないはずだが、夜の仕事をしているので、生活のためにしかたないと酒を飲む。その割には健康については不安症に近い。すでにベザフィブラートを最大量使用しており、これ以上、増量することはできない。いつものように食事指導を厳しくしたが、たぶん効果はないだろう。
フィリピン人女性32歳とフィリピン人男性33歳のご夫婦、HIVの検査をしてほしいとやって来た。どうしてなのかをまず訊ねてみると・・・奥様の左の鼠径部になにかができていて、長く触ると痛くなるし、右側にできることもあるからだという。なるほど、それで性感染症を疑ったのだとわかった。いつから?と訊ねると昨年の11月からで、12月に他の医療機関でHIVの検査を受けて陰性だったが心配が続いているのだとも話してくれた。触ると柔らかい小さな腫瘤がある。触っても痛がることはない。細菌感染性ではないことだけはわかった。奥様がかなり神経質というか、神経症っぽくなっていることもわかった。奥様の検査を先行して行い、ご主人の検査は奥様の検査に異常があったときでよいのではないかと話して二人に納得してもらった。ご主人はあまりに奥様がいろいろと訴えるので、疲労困憊しきっていた。それで寝られないのだそうだ。HIV、梅毒、クラミジアの検査を行い、念のために肝機能、腎機能、末梢血と血液像などもオーダーしておこうと検査用紙に書き込んでいたところ、奥様から「悪性リンパ腫なども気になるので検査しておいてほしい」と声がかかった。まずは末梢血と血液像から診るのでちゃんと入っているよと答えたが・・・すべての結果が戻ってくる一週間と言う時間を彼女とご主人が待てるかどうか・・・心配になった。
新患のタイ人女性58歳、朝から頭がぼおっとして首が痛いのだという。かなり日本語は上手だが、肝心のところはタイ語のほうが安心するように見受けられた。少し気持ちが悪く、本人は風邪の引き始めではないかと言うのだが、呼吸器症状は何もない。血圧を測定すると一回目は170/100、二回目は150/100 日ごろは血圧が低いのだそうだ。とりあえずアムロジピンの5mgを処方し、仕事が休みだという今週の土曜日に朝食抜き、甘い飲み物抜きで来てもらい、症状に変化があるのかどうか、このままアムロジピンを処方すべきなのかどうかを判断し、肝機能、脂質代謝などの採血もさせてもらうことにした。
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2023年03月27日
令和5年3月27日月曜
ベトナム人スタッフが来てくれる土曜日だったのでベトナム人患者が多かった一日。
ベトナム人男性48歳、ヘリコバクターピロリの除菌療法の効果を判定するための呼気テストを予約していたのに・・・・来なかった。内視鏡検査などは予約の段階で予約金を取る医療機関もあるらしい。何でもお金というのは好まないが、「来ないならほかの人の検査ができたのに・・・・」となんとも言えない気持ちになることがある。
ベトナム人の技能実習生3人、子宮頸がんワクチンの接種に来院。こちらは予約通りに来てくれた。
ベトナム人男性43歳、先日から2回ほどやってきて頸部の痛みなどを訴えている。日本語ができるから通訳はいらないと本人は言うのだが、話していることがよくわからない・・というか理解できずにこの日に来てもらった。僕のクリニックで内視鏡検査を終え、何も異常所見はなかった。頸部左側にしこりがあるというのだが、触診でもわからず、自発痛もない。すでにどこかの耳鼻科でMRI、CTも終えていて、異常所見はないとのこと。前回、打つ手がないので抗生剤を一週間分処方したのだが、少しよくなった気がするという。所見からは細菌感染とは思えないのだが。やむをえず、これが最後だよと抗生剤を4日分追加処方した。決めつけはいけないが、どうも心因的なことが原因のような気がしてならない。
ベトナム人女性52歳、糖尿病と高血圧で通院中。テトと呼ばれるベトナムの旧正月を現地ですごしてきて・・・・体重が2キロも増えて帰って来た。糖尿病を担当している隣の部屋でかなり注意されたらしい。
ベトナム人女性39歳、彼女はそれなりに英語も話せるのだが、やはりベトナム語でなければ表現できないこともあるらしい。昨年の11月ごろから過敏性腸症候群に対する内服薬を処方してからずいぶんと症状はよくなってきた。そのためか、最近は診察時に笑顔が見えることもあり、驚かされる。このように結果が良しと出ると段々信用してくれる。
外国人医療に関心があると先日から連絡をくださっていた県内の某公立医科大学の学生さんが朝から来院。見学してくれた。雨の一日だったので、思ったより患者数が少なく、いろいろと話し合う時間があった。若さってすばらしいと思う。考え方がまだ粗削りであることは現場の経験も人生の経験も多くはないのだからやむをえまい。それでも聞いていると無限の可能性を秘めているような気がする。ときどきだが、医学生看護学生から外国人医療の現場を見たいと連絡がある。僕は原則的にはすべての申し出を受け入れている。あと3か月で74歳になろうという今、僕の使命のひとつは後に続く医療従事者を育てることだろうと思うから。出身大学や職種は関係ない。
ベトナム人男性48歳、ヘリコバクターピロリの除菌療法の効果を判定するための呼気テストを予約していたのに・・・・来なかった。内視鏡検査などは予約の段階で予約金を取る医療機関もあるらしい。何でもお金というのは好まないが、「来ないならほかの人の検査ができたのに・・・・」となんとも言えない気持ちになることがある。
ベトナム人の技能実習生3人、子宮頸がんワクチンの接種に来院。こちらは予約通りに来てくれた。
ベトナム人男性43歳、先日から2回ほどやってきて頸部の痛みなどを訴えている。日本語ができるから通訳はいらないと本人は言うのだが、話していることがよくわからない・・というか理解できずにこの日に来てもらった。僕のクリニックで内視鏡検査を終え、何も異常所見はなかった。頸部左側にしこりがあるというのだが、触診でもわからず、自発痛もない。すでにどこかの耳鼻科でMRI、CTも終えていて、異常所見はないとのこと。前回、打つ手がないので抗生剤を一週間分処方したのだが、少しよくなった気がするという。所見からは細菌感染とは思えないのだが。やむをえず、これが最後だよと抗生剤を4日分追加処方した。決めつけはいけないが、どうも心因的なことが原因のような気がしてならない。
ベトナム人女性52歳、糖尿病と高血圧で通院中。テトと呼ばれるベトナムの旧正月を現地ですごしてきて・・・・体重が2キロも増えて帰って来た。糖尿病を担当している隣の部屋でかなり注意されたらしい。
ベトナム人女性39歳、彼女はそれなりに英語も話せるのだが、やはりベトナム語でなければ表現できないこともあるらしい。昨年の11月ごろから過敏性腸症候群に対する内服薬を処方してからずいぶんと症状はよくなってきた。そのためか、最近は診察時に笑顔が見えることもあり、驚かされる。このように結果が良しと出ると段々信用してくれる。
外国人医療に関心があると先日から連絡をくださっていた県内の某公立医科大学の学生さんが朝から来院。見学してくれた。雨の一日だったので、思ったより患者数が少なく、いろいろと話し合う時間があった。若さってすばらしいと思う。考え方がまだ粗削りであることは現場の経験も人生の経験も多くはないのだからやむをえまい。それでも聞いていると無限の可能性を秘めているような気がする。ときどきだが、医学生看護学生から外国人医療の現場を見たいと連絡がある。僕は原則的にはすべての申し出を受け入れている。あと3か月で74歳になろうという今、僕の使命のひとつは後に続く医療従事者を育てることだろうと思うから。出身大学や職種は関係ない。
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2023年03月25日
令和5年3月25日土曜
24日の金曜日、平日だというのに小児科と合わせて30人近い外国人患者。新型コロナの流行が始まる前と今では・・・明らかに今のほうが外国人患者が多い。流行が始まり、皆さんが発熱した患者を診てくれるいわゆる発熱医療機関を探すのに四苦八苦していたころ、外国人の方々は発熱医療機関でさらに外国語対応してくれる医療機関を必死に探していたのだと思う。さらに昨年の初めから海外渡航が徐々に解禁になり、故国に帰る人達はPCR検査と英文証明書を書いてくれるところを探さなければならなくなった。このふたつで僕のクリニックを探してあてた方々は、普段の医療についても僕のクリニックを受診すればいいのだと思ってくださったのだろう。少しでもお役に立てているなら本望だ。
フィリピン人男性36歳、近くの米軍基地から来院。診察室に入ってくる歩行でわかった。右足の第一指の付け根辺りから甲が発赤、腫れあがっている。痛風発作だろうと瞬間的に思った。そのように説明を始めてコルヒチンの処方をするしか方法がないだろうと言おうとしたら、ガサゴソとかばんをあけて何かを取り出した。以前に同じような痛みがあったときにアメリカでこれを飲みましたと言いながら、薬が入っていた瓶を見せてくれた。その表面にはコルヒチンと英語で書かれてあった。コルヒチンに対する理解はすでにあるはずなので、説明は割と簡単に終わった。コルヒチンを比較的大量に内服すると下痢になることを説明、次回は採血するので空腹で来るように話した。
別の米軍基地に勤務する米国人男性43歳。体がだるいと先週来院。来院時に8月に日本の医療機関で行った健診では何の異常もなかったと結果を見せてくれた。本日は日本人の奥様にも来ていただいた。健診には入っていなかった甲状腺機能の項目を入れて採血を行ったが・・・甲状腺機能、血糖値、肝機能などだるさと関連するような項目は異常なし。ただし、HDLコレステロールは38、中性脂肪は275と異常値だったので、運動療法や食事療法について話した。耳鼻科で処方されている内服薬を見る限りは副鼻腔炎ではなく、メニエール症候群を疑われている気がした。耳の閉塞感、耳鳴りもするそうで、耳管が開いてしまった状態の場合、体を水平に保ったり、立位や座位でも頭を下げて首より下に下げると耳管が閉まり、症状が一時的に消失するはず。奥様の言う「帰ってくるとすぐに横になる」というのは、横になると症状が消失することをご主人の体が知っているからではないかと推察した。いずれにしてもこれ以上の診察は耳鼻科で受けるのが適切だろうとお話しした。
カンボジア人で生活保護を受けている女性72歳。難治性逆流性食道炎の診療のあと、せんせい、このくすりは海外でもある?と訊ねてきた。当初、オメプラゾールの20mgを処方してみたが、効果が薄く、某社の新しいプロトンポンプインヒビターを使用したところ、症状はぴたっと止まった。この薬は海外で入手は難しいかもしれないよと話した。すると・・・年取って一人で日本にいることに不安を感じはじめているとのこと、弟さんがカンボジアで医師となっているので弟さんを頼って帰国したいと考え始めているという。無理もない。それにしても難民として日本に受け入れられたころ、彼女は40代だったはず。当日、日本政府は女性ひとりの世帯の受け入れには消極的だった。理由は夜の街に入っていきやすいからと関係者から聞いた記憶がある。すると彼女の場合は来日したときにはだれか家族といっしょだったのか、特殊例だったのか・・・いずれにしても40代前半で国を捨てて危険を冒しながらカンボジア国境のジャングルを超えて、隣接するタイ王国サケオ県のカオイダン難民キャンプに逃れ、幸いにも日本への定住を許可されて来日したのが昭和63年ごろのはず。そして命の危険からは解放されたが苦労に苦労を重ねての日本での生活。73歳になっている今、望郷の想いが強いのだろう。35年近くを経てカンボジアに戻ったとしても、「いずれは誰かの世話にならなければならない」という別の苦労が待っているにちがいない。ポルポトの原始共産革命に翻弄された人がここにもまた一人。人の幸せを産まない革命など、下剋上の単なる権力争いにすぎない。
フィリピン人男性36歳、近くの米軍基地から来院。診察室に入ってくる歩行でわかった。右足の第一指の付け根辺りから甲が発赤、腫れあがっている。痛風発作だろうと瞬間的に思った。そのように説明を始めてコルヒチンの処方をするしか方法がないだろうと言おうとしたら、ガサゴソとかばんをあけて何かを取り出した。以前に同じような痛みがあったときにアメリカでこれを飲みましたと言いながら、薬が入っていた瓶を見せてくれた。その表面にはコルヒチンと英語で書かれてあった。コルヒチンに対する理解はすでにあるはずなので、説明は割と簡単に終わった。コルヒチンを比較的大量に内服すると下痢になることを説明、次回は採血するので空腹で来るように話した。
別の米軍基地に勤務する米国人男性43歳。体がだるいと先週来院。来院時に8月に日本の医療機関で行った健診では何の異常もなかったと結果を見せてくれた。本日は日本人の奥様にも来ていただいた。健診には入っていなかった甲状腺機能の項目を入れて採血を行ったが・・・甲状腺機能、血糖値、肝機能などだるさと関連するような項目は異常なし。ただし、HDLコレステロールは38、中性脂肪は275と異常値だったので、運動療法や食事療法について話した。耳鼻科で処方されている内服薬を見る限りは副鼻腔炎ではなく、メニエール症候群を疑われている気がした。耳の閉塞感、耳鳴りもするそうで、耳管が開いてしまった状態の場合、体を水平に保ったり、立位や座位でも頭を下げて首より下に下げると耳管が閉まり、症状が一時的に消失するはず。奥様の言う「帰ってくるとすぐに横になる」というのは、横になると症状が消失することをご主人の体が知っているからではないかと推察した。いずれにしてもこれ以上の診察は耳鼻科で受けるのが適切だろうとお話しした。
カンボジア人で生活保護を受けている女性72歳。難治性逆流性食道炎の診療のあと、せんせい、このくすりは海外でもある?と訊ねてきた。当初、オメプラゾールの20mgを処方してみたが、効果が薄く、某社の新しいプロトンポンプインヒビターを使用したところ、症状はぴたっと止まった。この薬は海外で入手は難しいかもしれないよと話した。すると・・・年取って一人で日本にいることに不安を感じはじめているとのこと、弟さんがカンボジアで医師となっているので弟さんを頼って帰国したいと考え始めているという。無理もない。それにしても難民として日本に受け入れられたころ、彼女は40代だったはず。当日、日本政府は女性ひとりの世帯の受け入れには消極的だった。理由は夜の街に入っていきやすいからと関係者から聞いた記憶がある。すると彼女の場合は来日したときにはだれか家族といっしょだったのか、特殊例だったのか・・・いずれにしても40代前半で国を捨てて危険を冒しながらカンボジア国境のジャングルを超えて、隣接するタイ王国サケオ県のカオイダン難民キャンプに逃れ、幸いにも日本への定住を許可されて来日したのが昭和63年ごろのはず。そして命の危険からは解放されたが苦労に苦労を重ねての日本での生活。73歳になっている今、望郷の想いが強いのだろう。35年近くを経てカンボジアに戻ったとしても、「いずれは誰かの世話にならなければならない」という別の苦労が待っているにちがいない。ポルポトの原始共産革命に翻弄された人がここにもまた一人。人の幸せを産まない革命など、下剋上の単なる権力争いにすぎない。
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2023年03月24日
令和5年3月24日金曜
前日が休診日、前々日の火曜日が祝日だったためだろう、朝から机の上は数えたくなくなるようなカルテの数。おまけに朝のうちに準緊急の内視鏡検査が1人。中には1時間以上、待ってくれていた患者もいたはず。必死に診療しているのだが、申し訳なく思う。
フィリピン人女性49歳、日ごろは高血圧で通院している。数日前から耳に空気が入っている感じと話す。これはもう耳鼻科と本人に話したが、耳鼻科でうまく症状が話せないと言うので、フィリピン人スタッフの力を借りて、詳細に症状を聞き取り、情報提供書を書いた。
フィリピン人男性43歳、数日前に左側頭部がガンガンする耐えがたい痛みがあると来院し、問診から片頭痛を考え、スマトリプタンを処方していた。僕が指示したように疼痛が始まってすぐにスマトリプタンを内服しても効果がないとのこと。男性に多い群発性頭痛としては症状が軽すぎる気がする。暴れまわるぐらいの頭痛が来ると聞いているし、僕が経験した患者も心配するぐらい暴れていた。ただ、群発性頭痛ではないと否定することはできないかもしれない。気になるのはチックのように小刻みに痙攣するようなそんな症状があること。これ以上は僕が診るべき状態ではないだろうと考え、近くの公立病院の脳神経内科に情報提供書を書いて行ってもらうことにした。
午後2時から皮下埋没型の避妊チューブの摘出手術の手術が組まれていた。2時少し前に患者と家族が来てカルテが出来上がって来た。千葉の内房からやってきたベトナム人の奥さんと同国人のご主人だった。僕のクリニックで摘出していることはベトナム人の仲間から聞いたと話していた。そういえば、ここのところ、ベトナム人の手術が多い気がする。左上腕の内側に一本だけチューブが埋め込まれていた。一本なので、できるだけ小さい創で摘出してあげようとチャレンジ、マークをつけて局所麻酔を4cc皮下注して・・4ミリ程度の長さの切開を加え、5分程度でチューブを摘出できた。創は6-0シグマ針で縫合して寄せ、結紮はせず。寄せた状態で創にアロンアルファをたらし、急いでシグマの糸を抜去。そのまま創にスリーMテープを貼り付けて終えた。これなら抜糸のために僕のクリニックに来ることも近くで医療機関を探す必要もないし、なにより自費診療で再度費用を支払う必要がない。本人とご主人に終えた手術創を見てもらった。ご主人が「せんせい、ありがとう。ベトナム人にたくさん宣伝しておくよ」と言うので、気持ちはありがたいのだが、苦笑した。この程度の小外科なので、ぜひ全国の医療機関で行っていただきたい。僕のクリニックにやってきて同じ摘出術を受けた方で一番遠方からやってきたのは関空に勤務していた韓国人女性。手術を終えてそのまま羽田から関空に戻って行った。長野や静岡、栃木の福島県境からも・・・問い合わせは札幌からもあった。これって普通じゃないだろう。日本では皮下埋没型の避妊法は認められておらず、行われているというのを聞いたことはない。したがって、摘出を経験する医師も極めて少ないはずだ。明日の土曜日、某医学部の学生の見学、そしてAMDA国際医療情報センターのスタッフの見学が予定されていた。明日、予定を組んで、患者にお願いして貴重な小手術を彼らに見てもらえばよかったとつくづく後悔した。
フィリピン人女性49歳、日ごろは高血圧で通院している。数日前から耳に空気が入っている感じと話す。これはもう耳鼻科と本人に話したが、耳鼻科でうまく症状が話せないと言うので、フィリピン人スタッフの力を借りて、詳細に症状を聞き取り、情報提供書を書いた。
フィリピン人男性43歳、数日前に左側頭部がガンガンする耐えがたい痛みがあると来院し、問診から片頭痛を考え、スマトリプタンを処方していた。僕が指示したように疼痛が始まってすぐにスマトリプタンを内服しても効果がないとのこと。男性に多い群発性頭痛としては症状が軽すぎる気がする。暴れまわるぐらいの頭痛が来ると聞いているし、僕が経験した患者も心配するぐらい暴れていた。ただ、群発性頭痛ではないと否定することはできないかもしれない。気になるのはチックのように小刻みに痙攣するようなそんな症状があること。これ以上は僕が診るべき状態ではないだろうと考え、近くの公立病院の脳神経内科に情報提供書を書いて行ってもらうことにした。
午後2時から皮下埋没型の避妊チューブの摘出手術の手術が組まれていた。2時少し前に患者と家族が来てカルテが出来上がって来た。千葉の内房からやってきたベトナム人の奥さんと同国人のご主人だった。僕のクリニックで摘出していることはベトナム人の仲間から聞いたと話していた。そういえば、ここのところ、ベトナム人の手術が多い気がする。左上腕の内側に一本だけチューブが埋め込まれていた。一本なので、できるだけ小さい創で摘出してあげようとチャレンジ、マークをつけて局所麻酔を4cc皮下注して・・4ミリ程度の長さの切開を加え、5分程度でチューブを摘出できた。創は6-0シグマ針で縫合して寄せ、結紮はせず。寄せた状態で創にアロンアルファをたらし、急いでシグマの糸を抜去。そのまま創にスリーMテープを貼り付けて終えた。これなら抜糸のために僕のクリニックに来ることも近くで医療機関を探す必要もないし、なにより自費診療で再度費用を支払う必要がない。本人とご主人に終えた手術創を見てもらった。ご主人が「せんせい、ありがとう。ベトナム人にたくさん宣伝しておくよ」と言うので、気持ちはありがたいのだが、苦笑した。この程度の小外科なので、ぜひ全国の医療機関で行っていただきたい。僕のクリニックにやってきて同じ摘出術を受けた方で一番遠方からやってきたのは関空に勤務していた韓国人女性。手術を終えてそのまま羽田から関空に戻って行った。長野や静岡、栃木の福島県境からも・・・問い合わせは札幌からもあった。これって普通じゃないだろう。日本では皮下埋没型の避妊法は認められておらず、行われているというのを聞いたことはない。したがって、摘出を経験する医師も極めて少ないはずだ。明日の土曜日、某医学部の学生の見学、そしてAMDA国際医療情報センターのスタッフの見学が予定されていた。明日、予定を組んで、患者にお願いして貴重な小手術を彼らに見てもらえばよかったとつくづく後悔した。
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2023年03月23日
令和5年3月23日木曜
朝一番にフィリピン人女性45歳、二週間ぐらい胃が痛くて食欲がないという。食事はしていないというので準緊急として上部消化管内視鏡検査施行した。結果は明らかな所見なし。念のために症状に合わせた内服薬を処方した。
続けてタイ人女性46歳、一か月近く胸部正中から心窩部にかけて痛みや逆流するような不快感があるという。彼女も朝食は食べていないと言うので、そのまま内視鏡検査を行った。タイ人仲間でひとりついて来たので、検査をいっしょに診てもらった。本人の希望によりサイレース注の麻酔科に施行。こちらも大きな問題はなかった。アネキセートで目を覚ましてもらい、異常がなかった旨を伝えて、念のために心電図も取ってみたが、まったく異常なし。内視鏡の所見を見てもらいながら話しているうちに、「仕事のことが気になって心配が募り、寝られない」と言い出した。彼女は長年、タイレストランを経営しているのだが、新型コロナで客足が遠ざかった時期も長く続き、このままだめになるのでは・・・と寝られぬ日々がいまだに続いているのだという。心身症と不眠症が大きな原因と考え、まずはアルプラゾラムとゾルピデムを処方して様子を見ることにした。
フィリピン人女性36歳、彼女も心療内科的な症状が強く、アルプラゾラムを処方したのが2週間前。胸が苦しいという。胸部レントゲン撮影を行ったが、まったくの異常なし。呼吸音も問題がない。所見について話しているうちに、カバンの中からお薬手帳を取り出してきて見せてくれた。すると・・・横浜市内の某医療機関で心療内科が使うような薬が二種類と睡眠導入剤が一種類、処方されていた。驚いて、アルプラゾラムは内服しないようにと話した。この手の薬がバッティングしているのは怖い。症状からは自律神経失調症を考えるべきと思ったが、僕の診断だけを書類にして前記の医療機関に持っていってもらうことにして情報提供書を書いた。
続けてタイ人女性46歳、一か月近く胸部正中から心窩部にかけて痛みや逆流するような不快感があるという。彼女も朝食は食べていないと言うので、そのまま内視鏡検査を行った。タイ人仲間でひとりついて来たので、検査をいっしょに診てもらった。本人の希望によりサイレース注の麻酔科に施行。こちらも大きな問題はなかった。アネキセートで目を覚ましてもらい、異常がなかった旨を伝えて、念のために心電図も取ってみたが、まったく異常なし。内視鏡の所見を見てもらいながら話しているうちに、「仕事のことが気になって心配が募り、寝られない」と言い出した。彼女は長年、タイレストランを経営しているのだが、新型コロナで客足が遠ざかった時期も長く続き、このままだめになるのでは・・・と寝られぬ日々がいまだに続いているのだという。心身症と不眠症が大きな原因と考え、まずはアルプラゾラムとゾルピデムを処方して様子を見ることにした。
フィリピン人女性36歳、彼女も心療内科的な症状が強く、アルプラゾラムを処方したのが2週間前。胸が苦しいという。胸部レントゲン撮影を行ったが、まったくの異常なし。呼吸音も問題がない。所見について話しているうちに、カバンの中からお薬手帳を取り出してきて見せてくれた。すると・・・横浜市内の某医療機関で心療内科が使うような薬が二種類と睡眠導入剤が一種類、処方されていた。驚いて、アルプラゾラムは内服しないようにと話した。この手の薬がバッティングしているのは怖い。症状からは自律神経失調症を考えるべきと思ったが、僕の診断だけを書類にして前記の医療機関に持っていってもらうことにして情報提供書を書いた。
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2023年03月20日
令和5年3月20日月曜
フィリピン人男性38歳、痛風発作でコルヒチンを処方したところ、急激に痛みが取れてきたとのこと。「この薬をずっと飲んでいたい」と言うので、ずっと内服するタイプの薬ではないことを説明した。
フィリピン人女性45歳、1か月ぐらい前から空腹時も食事を摂った後も胃が痛いという。衣服の上から痛いところを触ってもらったところ、心窩部であった。痛みは疝痛ではなく、鈍痛だと言うので、胃酸が多いための病気、たとえば十二指腸潰瘍を疑った。少し無理をしてすぐにでも内視鏡検査を入れようかと思って訊ねたら、朝食を摂ったとのこと。十二指腸潰瘍を罹患している人は「食べたら痛みがよくなる」ということを体で覚えているので、こういうことになりやすい。あらためて来週早めに内視鏡検査を予定した。
若いベトナム人男性、自分は日本語がわかるから通訳は必要ないの一点張りだったが・・・やはり細かいところが理解できない。これでは病気について説明しようとしてもできない。
とりあえずの治療を行い、次の土曜日にベトナム人スタッフがやってくる予定なので、その日に合わせて来てくれるように頼んだが、ちゃんと来てくれるかどうか。
新患38歳のバングラデシュ人男性、発熱して呼吸器症状が発現してからすでに7日間を経ている。時間的推移からすでにインフルエンザや新型コロナの抗原検査を行うべき時期ではないし、仮にどちらかに罹患していたとしても自宅療養の期間も過ぎてしまっているので診察室に入ってもらって診療した。
ナイジェリア人男性56歳、高血圧で通院していたが、昨年の11月を最後に4か月来院していなかった。カルテを見ると一時帰国するからという理由で11月に二か月分の薬を処方している。すっかり薬が切れていたわけで、最高血圧も170を超えていた。以前に内服していた同じ降圧剤を処方した。
フィリピン人女性45歳、1か月ぐらい前から空腹時も食事を摂った後も胃が痛いという。衣服の上から痛いところを触ってもらったところ、心窩部であった。痛みは疝痛ではなく、鈍痛だと言うので、胃酸が多いための病気、たとえば十二指腸潰瘍を疑った。少し無理をしてすぐにでも内視鏡検査を入れようかと思って訊ねたら、朝食を摂ったとのこと。十二指腸潰瘍を罹患している人は「食べたら痛みがよくなる」ということを体で覚えているので、こういうことになりやすい。あらためて来週早めに内視鏡検査を予定した。
若いベトナム人男性、自分は日本語がわかるから通訳は必要ないの一点張りだったが・・・やはり細かいところが理解できない。これでは病気について説明しようとしてもできない。
とりあえずの治療を行い、次の土曜日にベトナム人スタッフがやってくる予定なので、その日に合わせて来てくれるように頼んだが、ちゃんと来てくれるかどうか。
新患38歳のバングラデシュ人男性、発熱して呼吸器症状が発現してからすでに7日間を経ている。時間的推移からすでにインフルエンザや新型コロナの抗原検査を行うべき時期ではないし、仮にどちらかに罹患していたとしても自宅療養の期間も過ぎてしまっているので診察室に入ってもらって診療した。
ナイジェリア人男性56歳、高血圧で通院していたが、昨年の11月を最後に4か月来院していなかった。カルテを見ると一時帰国するからという理由で11月に二か月分の薬を処方している。すっかり薬が切れていたわけで、最高血圧も170を超えていた。以前に内服していた同じ降圧剤を処方した。
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2023年03月18日
令和5年3月18日土曜
金曜日だというのに・・・私の診察室で診た外国人患者が13人。
ドミニカ人女性、高血圧有。頭になにかあるのではないかという疑いを持っていて、どうしても頭部のCTスキャンを撮影してほしいと来院したのが先週。近くの公立病院にCTスキャンの検査を依頼し、放射線診断部の医師の読影付きで結果が戻って来た。もちろん結果は「異常なし」。今度は左の前腕の発赤が気になるとのことで皮膚科に診療依頼を書いた。
初診のバングラデシュ人男性26歳、会社へ提出する健診を受けるために来院。道に迷ったとかで1時間遅くやってきた。出身地を聞くと「チッタゴン」と言う。たしかバングラ第二のインド洋に面した都市で、その東はコックスバザール、そしてロヒンギャ族が逃げてきたミャンマーとの国境の川がある。もう30年近く前にロヒンギャの難民支援にAMDAが医療団を送ったところだ。僕がチッタゴン、コックスバザールという地名を知っていることにかなり驚いていた。
フィリピン人女性69歳、いつもの高血圧と高脂血症の治療。
フィリピン人男性56歳、会社の健診でs-GPTがやや高値で来院。もしやと思い、HA抗体を調べたところ、陽性だった。結果を説明した。
韓国人女性65歳、いつもの高血圧の治療。前日、韓国の大統領と日本の首相が銀座で会食したことについて・・・仲良くしてくれないとこちらは居にくいよ、肩身が狭い、韓国でこれに反対している人はここのところ、よく考えてほしいと話していた。政治的内容なのでコメントはしないが、発言は事実なのだろうと思った。
ベルー人女性74歳、先日、ベルーに帰国したが、数年ぶりに僕に会いにやってきたベルー人男性について語ると・・・〇〇〇って苗字は〇〇じゃないの?と言う。その通りだと答えると、ああ、来てたのねとおっしゃる。どこかでつながっているらしい。
フィリピン人女性64歳、高血圧の診療。診療を終えてからひとしきり、楽しそうにおしゃべりをして帰って行った。
フィリピン人女性68歳、やはり高血圧の治療にやってくるのだが・・・生活保護がはずれない。今の年齢からは今後も外れるのはむずかしいだろうと思った。
初診の米国人男性41歳、米軍基地に勤務。9か月前から疲れやすいとのこと。それで受診した日本の病院の健診結果も持参してきてくれた。通常、疲れやすいと言われると考えるのは糖尿病や肝疾患や甲状腺疾患。健診結果では糖尿病と肝疾患は異状なし。甲状腺については調べていなかった。血圧も脈拍も正常範囲内。考え込んでいると、「ときどき副鼻腔炎になり、薬をもらっている」と住まいの近くの耳鼻科でもらった薬の袋を見せてくれた。一つには「フロリード ゲル」と書いてある。これは食道にカンジダなど真菌が生えたときの治療薬だ。真菌が生えるということは免疫力が低下しているということもありえるわけで、エイズなども考えねばならない。HIVの検査もしなくてはと遠回しにフロリードゲルを内服している意味について説明を始めたら、「HIVの検査を受けたけど陰性だった」と先に言われてしまった。実はHIVの検査が必要だと言いたくて、いま、説明を始めたんですよと僕が言うと「そうだと思って、先に言いました」と返す。ここでお互い、見合って大笑いしてしまった。甲状腺を含めて糖尿病、肝機能など採血し、次回はさらに情報を得るために奥様に同行してもらうことにした。
フィリピン人女性54歳、いろいろと質問あり。応えきるまでにかなりの時間がかかった。最後に睡眠導入剤のゾルピデム5mgを取り出して、これが欲しいと言う。ご主人が内服しているのを「泥棒」しているのだそうだ。「今のだんながだめだから新しいだんな探さなくちゃあ」と言って大声で笑って出て行った。冗談なのか? 冗談にしてこういう類の冗談はあまり好きではない。
初診のフィリピン人女性43歳、足のしびれと両下肢の痛みがあるという。夜中に痛くて目が覚めることもあるが、日中は痛みはないとのこと。下肢を見せてもらったが、静脈瘤があるわけでもない。胸にときどき痛みがあるというので、念のために乳がんチェックも行ったが、異常所見はなし。肥満体形なので糖尿病なども疑い、採血を行った。
アメリカ人男性30歳、呼吸器症状と軽度の発熱とのことだったのでクリニックの外で新型コロナとインフルエンザの抗原検査を施行。いずれも陰性で、中に入ってきてもらって診察を行った。普通の「風邪」と考え、内服薬を処方した。
中国人女性55歳、寝られないとのことで睡眠導入剤を定期的に処方している。こちらの言うことは聞いてくれず、自分の主張に沿ったものだけを受け入れる。日本人の医師にとってこういう人の診療は慣れるまで、むずかしいだろう。
上記のほかに小児科でも外国人患者に奮闘。日本人患者の間にこんな外国人患者の診療がほぼ毎日の僕のクリニック。気がついたら立派な国際クリニックだと思う。
ドミニカ人女性、高血圧有。頭になにかあるのではないかという疑いを持っていて、どうしても頭部のCTスキャンを撮影してほしいと来院したのが先週。近くの公立病院にCTスキャンの検査を依頼し、放射線診断部の医師の読影付きで結果が戻って来た。もちろん結果は「異常なし」。今度は左の前腕の発赤が気になるとのことで皮膚科に診療依頼を書いた。
初診のバングラデシュ人男性26歳、会社へ提出する健診を受けるために来院。道に迷ったとかで1時間遅くやってきた。出身地を聞くと「チッタゴン」と言う。たしかバングラ第二のインド洋に面した都市で、その東はコックスバザール、そしてロヒンギャ族が逃げてきたミャンマーとの国境の川がある。もう30年近く前にロヒンギャの難民支援にAMDAが医療団を送ったところだ。僕がチッタゴン、コックスバザールという地名を知っていることにかなり驚いていた。
フィリピン人女性69歳、いつもの高血圧と高脂血症の治療。
フィリピン人男性56歳、会社の健診でs-GPTがやや高値で来院。もしやと思い、HA抗体を調べたところ、陽性だった。結果を説明した。
韓国人女性65歳、いつもの高血圧の治療。前日、韓国の大統領と日本の首相が銀座で会食したことについて・・・仲良くしてくれないとこちらは居にくいよ、肩身が狭い、韓国でこれに反対している人はここのところ、よく考えてほしいと話していた。政治的内容なのでコメントはしないが、発言は事実なのだろうと思った。
ベルー人女性74歳、先日、ベルーに帰国したが、数年ぶりに僕に会いにやってきたベルー人男性について語ると・・・〇〇〇って苗字は〇〇じゃないの?と言う。その通りだと答えると、ああ、来てたのねとおっしゃる。どこかでつながっているらしい。
フィリピン人女性64歳、高血圧の診療。診療を終えてからひとしきり、楽しそうにおしゃべりをして帰って行った。
フィリピン人女性68歳、やはり高血圧の治療にやってくるのだが・・・生活保護がはずれない。今の年齢からは今後も外れるのはむずかしいだろうと思った。
初診の米国人男性41歳、米軍基地に勤務。9か月前から疲れやすいとのこと。それで受診した日本の病院の健診結果も持参してきてくれた。通常、疲れやすいと言われると考えるのは糖尿病や肝疾患や甲状腺疾患。健診結果では糖尿病と肝疾患は異状なし。甲状腺については調べていなかった。血圧も脈拍も正常範囲内。考え込んでいると、「ときどき副鼻腔炎になり、薬をもらっている」と住まいの近くの耳鼻科でもらった薬の袋を見せてくれた。一つには「フロリード ゲル」と書いてある。これは食道にカンジダなど真菌が生えたときの治療薬だ。真菌が生えるということは免疫力が低下しているということもありえるわけで、エイズなども考えねばならない。HIVの検査もしなくてはと遠回しにフロリードゲルを内服している意味について説明を始めたら、「HIVの検査を受けたけど陰性だった」と先に言われてしまった。実はHIVの検査が必要だと言いたくて、いま、説明を始めたんですよと僕が言うと「そうだと思って、先に言いました」と返す。ここでお互い、見合って大笑いしてしまった。甲状腺を含めて糖尿病、肝機能など採血し、次回はさらに情報を得るために奥様に同行してもらうことにした。
フィリピン人女性54歳、いろいろと質問あり。応えきるまでにかなりの時間がかかった。最後に睡眠導入剤のゾルピデム5mgを取り出して、これが欲しいと言う。ご主人が内服しているのを「泥棒」しているのだそうだ。「今のだんながだめだから新しいだんな探さなくちゃあ」と言って大声で笑って出て行った。冗談なのか? 冗談にしてこういう類の冗談はあまり好きではない。
初診のフィリピン人女性43歳、足のしびれと両下肢の痛みがあるという。夜中に痛くて目が覚めることもあるが、日中は痛みはないとのこと。下肢を見せてもらったが、静脈瘤があるわけでもない。胸にときどき痛みがあるというので、念のために乳がんチェックも行ったが、異常所見はなし。肥満体形なので糖尿病なども疑い、採血を行った。
アメリカ人男性30歳、呼吸器症状と軽度の発熱とのことだったのでクリニックの外で新型コロナとインフルエンザの抗原検査を施行。いずれも陰性で、中に入ってきてもらって診察を行った。普通の「風邪」と考え、内服薬を処方した。
中国人女性55歳、寝られないとのことで睡眠導入剤を定期的に処方している。こちらの言うことは聞いてくれず、自分の主張に沿ったものだけを受け入れる。日本人の医師にとってこういう人の診療は慣れるまで、むずかしいだろう。
上記のほかに小児科でも外国人患者に奮闘。日本人患者の間にこんな外国人患者の診療がほぼ毎日の僕のクリニック。気がついたら立派な国際クリニックだと思う。
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2023年03月17日
令和5年3月17日金曜
朝一にやってきたカンボジア人女性84歳、いつもの高血圧等の診察を終えておしゃべりタイム。インドシナ難民として日本にやってきたのは33年前、もうこんなおばあちゃんになっちゃったよおと笑う。先生、あのころはまだ市立病院にいたよねえ、難民定住促進センターの医者さん、してたよねぇと言われた。その通りだ。僕の医者人生の半分近くはカンボジアやラオス、ベトナムから定住目的でやってきたインドシナ難民の人たちと関りがある。急に真顔になり、今日は孫が車で送ってきてくれたから来れたけど、そのうちに足が痛くなり来れなくなったらどうしようとおっしゃる。「せんせい、ここやめないでね、いつまでも診てね」と言われた。その気持ちには感謝の意を込めて深く頭を下げるしかない。
数日前に別々の会社の健診でわずかにs-GPTが高値だったタンザニア人男性とフィリピン人男性、再度、血液検査を行って結果を用紙に書き込み、会社に提出しなければならない。
まずは通常の項目だけをチェックとも思ったが、結果を見て再度異常値について考えられる疾患から検査を組み立てるのでは二度手間になると思い・・・・二人ともA型肝炎抗体を検査項目に入れておいた。なにしろ、東南アジアや南米の出身者でわずかにs-GPTが高値の場合、僕の印象では9割以上の確率でA型肝炎抗体が陽性で、過去に罹患してそのためにときどきs-GPTがわずかに高くなるときがあると推察できるからだ。案の定、二人ともHA抗体が陽性だった。ところがs-GPTの数値はというと、二人とも今回は正常範囲内であった。この数値を見てからならHA抗体など調べないだろうと思う。するとs-GPTが高値であった説明ができなかったかもしれない。
午後になって隣のZ市にいるという米国人男性から電話あり。一か月以上前から咳がひどく、近くの医療機関に行ったが、治らないので診てほしいとのことだった。しばらくしてそれらしき人が現れた。咳はかなりひどく、胸部レントゲン写真を撮影したが異常なし。前医でもらっていたという薬の内容は咳止めと抗生剤であった。それらを3週間も内服していたという。新型コロナやインフルエンザにしては経過が長すぎる。普通の風邪だとするとなぜ、ウィルス感染に効果がない抗生剤を長く処方していたのか、理解ができない。隣の部屋の小児科で診てもらったところ、喘息とのことだった。
数日前に別々の会社の健診でわずかにs-GPTが高値だったタンザニア人男性とフィリピン人男性、再度、血液検査を行って結果を用紙に書き込み、会社に提出しなければならない。
まずは通常の項目だけをチェックとも思ったが、結果を見て再度異常値について考えられる疾患から検査を組み立てるのでは二度手間になると思い・・・・二人ともA型肝炎抗体を検査項目に入れておいた。なにしろ、東南アジアや南米の出身者でわずかにs-GPTが高値の場合、僕の印象では9割以上の確率でA型肝炎抗体が陽性で、過去に罹患してそのためにときどきs-GPTがわずかに高くなるときがあると推察できるからだ。案の定、二人ともHA抗体が陽性だった。ところがs-GPTの数値はというと、二人とも今回は正常範囲内であった。この数値を見てからならHA抗体など調べないだろうと思う。するとs-GPTが高値であった説明ができなかったかもしれない。
午後になって隣のZ市にいるという米国人男性から電話あり。一か月以上前から咳がひどく、近くの医療機関に行ったが、治らないので診てほしいとのことだった。しばらくしてそれらしき人が現れた。咳はかなりひどく、胸部レントゲン写真を撮影したが異常なし。前医でもらっていたという薬の内容は咳止めと抗生剤であった。それらを3週間も内服していたという。新型コロナやインフルエンザにしては経過が長すぎる。普通の風邪だとするとなぜ、ウィルス感染に効果がない抗生剤を長く処方していたのか、理解ができない。隣の部屋の小児科で診てもらったところ、喘息とのことだった。
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