フィリピン人女性37歳、高血圧の件で来院とメモが付いてきた。カルテを見ると、もともと高血圧で通院していた・・・昨年の5月までは。最近、検診で計測したところ、「高い」と言われて来たよと教えてはくれた。計測すると170/100、かなり高い。「ごめんね、ドク」と言われたが、謝る相手は僕ではなく、自分の体だよと話した。以前と同じイルベサルタン100mgとアムロジピン10mgの合剤を処方した。2か月分の薬が欲しいと言うので、だめと一言。だめな理由はこの薬でコントロールできるかどうかを、まずは見極めなくてはならないから。短期間の処方とし、朝食にパン一枚を食べたとのことだったが、肝機能や腎機能をチェックするために採血を行った。コレステロールや中性脂肪についてはデーターは高く出る可能性があるが、ひとつの目安にはなるだろうと考えた。それよりもこの機会を逃すといつ採血をさせてもらえるかわからないので。
50歳と48歳の南米某国のご夫婦。日本語も上手だし、疾患としては高血圧や高脂血症だけなのに、ずっと生活保護だ。よくどこかに遊びに行く話を聞くし、体も丈夫そう。半年に一回ずつ書いている生活保護の意見書には数年にわたり、そのたびに「通常の労働はできる」という趣旨のところに丸印をつけているのに、働いている気配がない。故有って働けない人がいるのは事実であり、生活保護という制度を否定するなどということはないが、こういうケースを見ていると、複雑な気持ちになる。同じ国からやってきて、むずかしい環境下で必死に働いている人がやまほどいるというのに・・・
アフリカの某島国からやってきた28歳の男性、左の眼のやや下方にしこりがあると来院。眼科か皮膚科を受診するように勧めようかとも思ったが、診ないで勧めるのも医師の態度としてはどうかと思い、拝見した。やや盛り上がって、先端部分が白っぽくは見えるが、痛みを感じたことはないというのが気になる。白っぽいところを針で刺してみると、漿液が少し出たような気がするが、続いて膿が出るなどいうことはなかった。過去にも同部位に同様の腫れがあり、治ったという。感染性粉瘤にしては痛みがないのが変。とりあえず、抗生剤を一週間処方して経過を見ることにした。こういうときに強く思うことは・・僕がまだ知らない海外の珍しい病気を見ているのではないかということだ。たとえば、こういう人にHIVの検査を勧めるときにどのように話したらよいのか?とか考える。
2023年02月28日
令和5年2月28日火曜
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2023年02月27日
令和5年2月27日月曜
フィリピン人女性30歳、県西部の小田急線沿線から来院。背中にアテロームがあり、ケロイドになっていると話す。アテロームを何回か、切開したか、摘出したか・・で、その跡が瘢痕となっているのかと推察した。背中を見せてもらうと左の肩の後ろ側に上下に6.5センチ、左右に4.5センチのまるでハンバーグがくっついているかのような形状のものがあった。高さは約2センチで服を着るときにじゃまになるし、美容上の問題もあると思う。触ってみると、どうやらケロイドらしいとわかった。本人の話では、どこかに怪我をすると、その跡が必ずケロイドになるそうで・・・・膝や腕の怪我の跡を見せてくれたが、たしかに白く変化はしているが、形状が肩のものとは全くちがって、高低差もないし、ケロイドとは思いにくい。肩の病変は切除した場合、直接的に縫合することは不可能で、皮膚移植になりそうであるし、僕が今まで診てきたケロイドとは少しちがう気もする。外来手術では済まないだろうと思い、彼女の居住地の近くにある赤十字病院の外来を検索したところ、形成外科があることがわかったので、そちらに診療依頼書を書いた。
米国人女性36歳、米軍基地の中から3か月に一回、やってくる。米国にいる頃より過活動膀胱で内服治療を受けていた。来日してから同じ薬が欲しいと来院。見るとデトルシトールだったので、その処方を続けてきた。ところが、そのデトルシトールが欠品となり、前回、ベオーバに変更せざるをえなかった。とくに海外からの人については自国で内服していた薬については主治医により処方されたものなので申請しているが、こちらでいろいろと考えて、処方を変えようとするといやがる人が少なくない。そういう気持ちは一定に理解できる。今回、ベオーバについて何か、言いたいことがあるのか?と心配したが、効果はよかったようで安心した。
約2年半続けてきた新型コロナのワクチン接種も土曜日については25日で終了し、これからは火曜日の午後5時からだけ。それも3月の第二週からは予約すら入っていない。段々と「元に」戻っていくのを実感する。
米国人女性36歳、米軍基地の中から3か月に一回、やってくる。米国にいる頃より過活動膀胱で内服治療を受けていた。来日してから同じ薬が欲しいと来院。見るとデトルシトールだったので、その処方を続けてきた。ところが、そのデトルシトールが欠品となり、前回、ベオーバに変更せざるをえなかった。とくに海外からの人については自国で内服していた薬については主治医により処方されたものなので申請しているが、こちらでいろいろと考えて、処方を変えようとするといやがる人が少なくない。そういう気持ちは一定に理解できる。今回、ベオーバについて何か、言いたいことがあるのか?と心配したが、効果はよかったようで安心した。
約2年半続けてきた新型コロナのワクチン接種も土曜日については25日で終了し、これからは火曜日の午後5時からだけ。それも3月の第二週からは予約すら入っていない。段々と「元に」戻っていくのを実感する。
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2023年02月25日
令和5年2月25日土曜
ベトナム人男性36歳、難治性逆流性食道炎と過敏性腸症候群で処方していた。「せんせい、またぐあいがわるい」と来院。カルテを見ると、最終診察日が1月27日。と思って、よくよく見たら2022年の1月27日だった。聞けば胸やけが強いと・・・あれほど、薬をやめるとまた具合が悪くなるよと話していたのに・・・にこにこと笑っている顔を見ると、怒る気にはなれない。再度、処方した。今度は継続的に通院してくれるか?
このところ、発熱患者がやってくると・・・かなりの発熱と体の痛みならインフルエンザ、上がっても37度台の発熱と重症感のなさなら新型コロナを疑うという感じだ。後者でインフルエンザというケースはまずない。目立つのは風邪症状があって1週間、2週間を過ぎて、売薬では効果がないとやってくる日本人や外国人だ。やってきたときにはすでに新型コロナの抗原検査ではたとえ感染していても陰性に出てしまう。じゃ、検査なんかしなくてもいいんじゃないの?という考え方もあるだろうが、罹患したかどうかをチェックすることはご本人が今後、発熱した時のひとつの参考となるのでやっておくべきと思う。というわけで、ベルー人男性36歳、発熱後2週間そしてフィリピン人男性発熱後9日目の2人のPCR検査を施行。現在、結果を待っている・・・と今、結果が到着。二人とも陰性だった。
東南アジアの某国の男性35歳、左手の親指の爪の左側が白くなって痛いと来院。爪周囲膿瘍だ。注射針で白い部分を小さくカットすると膿があふれ出てきた。そして抗生物質を処方・・・と看護師が「先生、カルテが男性になっていますよ」と指摘。気が付かなかった。以前は女性として保険証が発行されていたのに、男性となっている。そういう社会になってきたのだなと思った。
このところ、発熱患者がやってくると・・・かなりの発熱と体の痛みならインフルエンザ、上がっても37度台の発熱と重症感のなさなら新型コロナを疑うという感じだ。後者でインフルエンザというケースはまずない。目立つのは風邪症状があって1週間、2週間を過ぎて、売薬では効果がないとやってくる日本人や外国人だ。やってきたときにはすでに新型コロナの抗原検査ではたとえ感染していても陰性に出てしまう。じゃ、検査なんかしなくてもいいんじゃないの?という考え方もあるだろうが、罹患したかどうかをチェックすることはご本人が今後、発熱した時のひとつの参考となるのでやっておくべきと思う。というわけで、ベルー人男性36歳、発熱後2週間そしてフィリピン人男性発熱後9日目の2人のPCR検査を施行。現在、結果を待っている・・・と今、結果が到着。二人とも陰性だった。
東南アジアの某国の男性35歳、左手の親指の爪の左側が白くなって痛いと来院。爪周囲膿瘍だ。注射針で白い部分を小さくカットすると膿があふれ出てきた。そして抗生物質を処方・・・と看護師が「先生、カルテが男性になっていますよ」と指摘。気が付かなかった。以前は女性として保険証が発行されていたのに、男性となっている。そういう社会になってきたのだなと思った。
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2023年02月24日
令和5年2月24日金曜
ミャンマー人男性27歳、発熱で来院。英語で話そうとすると、「日本語でもいいです」と一言。少し不安に思いながらもすべてのやりとりを日本語で行った。インフルエンザと新型コロナの抗原検査を施行。いずれも陰性だった。
前日、逆流性食道炎らしき症状でやってきてお金が足りなかった米国人女性、約束通り、夕方に支払いに来てくれた。信用していてよかった。このように約束を守ってくれるとほっとする。
数日前に僕の診察室を担当してくれている看護師の特定健診の採血を行った。するとついでに新型コロナの抗体がどれぐらいなのかもチェックしてほしいと言う。この3年、クリニックの中でも半数近くのスタッフが新型コロナに感染したが、彼女は罹患してはいない。僕のクリニックで見つけた感染者は3000人を超えており、その半数以上の感染者に診察に彼女は従事していた。また新型コロナのワクチン接種については、接種後39度近くの発熱が数日続いて仕事を休まなければならない状態で・・・ワクチン接種も3回しか受けていない。それなのに罹患しないとはどういうことなのか? 結果が届いてびっくり。抗体値が極めて高値。これなら罹患するわけがない。ただ、疑問が一つ。こんなに高い抗体値が予防接種4回で得られるものだろうか? 僕の考えでは・・・きっと無症状での感染があったのではないだろうか? あるいは予防接種の後の発熱というのが、感染だったのではないだろうか? 実際、接種を受けた直後から発熱したと連絡があった人で、新型コロナの検査を行ったら陽性という人がかなりいたのでありえない話ではないと思う。
前日、逆流性食道炎らしき症状でやってきてお金が足りなかった米国人女性、約束通り、夕方に支払いに来てくれた。信用していてよかった。このように約束を守ってくれるとほっとする。
数日前に僕の診察室を担当してくれている看護師の特定健診の採血を行った。するとついでに新型コロナの抗体がどれぐらいなのかもチェックしてほしいと言う。この3年、クリニックの中でも半数近くのスタッフが新型コロナに感染したが、彼女は罹患してはいない。僕のクリニックで見つけた感染者は3000人を超えており、その半数以上の感染者に診察に彼女は従事していた。また新型コロナのワクチン接種については、接種後39度近くの発熱が数日続いて仕事を休まなければならない状態で・・・ワクチン接種も3回しか受けていない。それなのに罹患しないとはどういうことなのか? 結果が届いてびっくり。抗体値が極めて高値。これなら罹患するわけがない。ただ、疑問が一つ。こんなに高い抗体値が予防接種4回で得られるものだろうか? 僕の考えでは・・・きっと無症状での感染があったのではないだろうか? あるいは予防接種の後の発熱というのが、感染だったのではないだろうか? 実際、接種を受けた直後から発熱したと連絡があった人で、新型コロナの検査を行ったら陽性という人がかなりいたのでありえない話ではないと思う。
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2023年02月21日
令和5年2月21日火曜
米軍基地からやってきたというアメリカ人女性42歳。胃酸の逆流があって横浜市内の病院で薬をもらっていたとのこと。診察室で話を聞くことに・・・プロトンポンプ インヒビターのひとつであるネキシゥムの処方を受けており、内服していると調子が良いのだと言う。内視鏡検査を受けたことがあるが、つらくていやだとも言う。がんが否定できるのなら、無理やり、内視鏡検査を行う必要もないだろうと判断。ネキシウムの処方を続けることにした。
内服時間が毎日朝食後と聞いたので、逆流性食道炎について説明し、就寝前に内服するほうが効果があると話した。例によって日本の公的保険には加入する資格はなく、米国の民間保険に加入しているというので支払い証明書を書くことにした。調剤薬局に行ってもらって・・・そこで問題は起こった。お金を持っていないのだと調剤薬局のスタッフから連絡があった。僕の医療機関で支払った自費診療費は初診10割に相当する3700円程度だ。この程度しか持っていなかったらしい。医療機関を訪れるにしては手持ちのお金がなさすぎ。これをどう理解したらよいのか。さらに僕の医療機関で支払った上に調剤薬局で支払うことに納得していないとのこと。たまたま、フィリピン人スタッフがいない日だったので、説明ができない受付はおろおろするばかり。見かねて僕が直接、説明した。以前に通院した横浜の病院は院内処方だったらしい。だから医療機関と調剤薬局の二か所で支払うことに不自然さを感じたらしいが、僕のクリニックもこの調剤薬局も自費診療費は保険診療費の10割で、これ以下のところは例外的存在なはずだ。合計の金額を見ればおかしなことではないことは理解できると思う。院外薬局制度についても説明した。明日の夕方にはお金を持ってくると言い残して帰って行った。あとで考えてみたが、カード払いにしてほしいというような話でもなかった。英文の支払い証明書をしたためたが、まだ渡してはいない。病名が記載された診断書が欲しいと言うので、診断書は有料になるが、なぜ必要なのか?と訊ねたところ、保険会社に出さなければならないとのこと、英文の支払い証明書には病名も明記してあると書類を見せると、それでいいと納得してくれた。レシートが欲しいというので渡したが、よくよく考えてみたら、病名を記載した診断書とレシートは保険会社に医療費を請求するために欲しかったのだと思う。だとしたら、僕がいつも書いている英文の支払い証明書、これだけがあればレシートも不要だったはずだった。残金はきょう支払いに来るというので信用していよう。
内服時間が毎日朝食後と聞いたので、逆流性食道炎について説明し、就寝前に内服するほうが効果があると話した。例によって日本の公的保険には加入する資格はなく、米国の民間保険に加入しているというので支払い証明書を書くことにした。調剤薬局に行ってもらって・・・そこで問題は起こった。お金を持っていないのだと調剤薬局のスタッフから連絡があった。僕の医療機関で支払った自費診療費は初診10割に相当する3700円程度だ。この程度しか持っていなかったらしい。医療機関を訪れるにしては手持ちのお金がなさすぎ。これをどう理解したらよいのか。さらに僕の医療機関で支払った上に調剤薬局で支払うことに納得していないとのこと。たまたま、フィリピン人スタッフがいない日だったので、説明ができない受付はおろおろするばかり。見かねて僕が直接、説明した。以前に通院した横浜の病院は院内処方だったらしい。だから医療機関と調剤薬局の二か所で支払うことに不自然さを感じたらしいが、僕のクリニックもこの調剤薬局も自費診療費は保険診療費の10割で、これ以下のところは例外的存在なはずだ。合計の金額を見ればおかしなことではないことは理解できると思う。院外薬局制度についても説明した。明日の夕方にはお金を持ってくると言い残して帰って行った。あとで考えてみたが、カード払いにしてほしいというような話でもなかった。英文の支払い証明書をしたためたが、まだ渡してはいない。病名が記載された診断書が欲しいと言うので、診断書は有料になるが、なぜ必要なのか?と訊ねたところ、保険会社に出さなければならないとのこと、英文の支払い証明書には病名も明記してあると書類を見せると、それでいいと納得してくれた。レシートが欲しいというので渡したが、よくよく考えてみたら、病名を記載した診断書とレシートは保険会社に医療費を請求するために欲しかったのだと思う。だとしたら、僕がいつも書いている英文の支払い証明書、これだけがあればレシートも不要だったはずだった。残金はきょう支払いに来るというので信用していよう。
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2023年02月20日
令和5年2月20日月曜
うれしいことがあった。いつも早朝7時頃にはクリニックに来て、ブログを書いたり、郵便物の整理をしたり、診断書を書いたり、メールをチェックしたり・・・あるときは振込作業をしている。クリニックをあける前の電話は原則として取らないのだが、新型コロナが流行してからは具合の悪いことの受診問い合わせなどがあり、できるだけ、受話器を取るように心がけている。その電話が鳴ったのが7時半ごろ。9時近くまで待てない人かもしれないと受話器を上げたら、若い女性の声で「小林院長ですか?」と問われた。そうですが・・と答えると、〇〇〇って知ってますか?とさらに問う。忘れもしない。数年前に仕事がないからとベルーに帰国した男性だ。
彼は高血圧や脂質代謝異常、高尿酸血症で長く通院していた。そのお嬢さんが娘さん、彼から見るとお孫さんに当たるお嬢さんを小児科によく連れて来ていた。なかなか、おしゃまなお嬢さんで保育園から小学校低学年の頃はクリニックにやってくると、くりくりとしたかわいい目を輝かせておしゃべりしていた。中学生になるとおじいちゃんの通訳でやってくることもあった。〇〇〇さんは日本にいるときはチョコレート会社の工場に勤務していて、ときどき診察時に大量のチョコを持ってきてくれた。たしか、僕より10歳ぐらい、年上だったと思う。
数年前の診察時に仕事がないからベルーに帰ると教えてくれた。娘さんが中米出身の日系人と再婚してベルーに帰国、お孫さんは当日、中学を卒業するころだったが、いっしょにベルーに帰国してしまった。帰国の直前に僕を訊ねて来てくれ、いっしょに写真を撮った。娘さんの再婚相手の一族も僕の患者で、彼らが診察にやってくるときに時々、消息を聞いていた。お孫さんはもう、大学生になるらしいことも。
電話の声の若い女性に「〇〇〇ちゃん?」と話しかけると、「そうです」と嬉しそうな声が返ってきた。先週、おじいちゃんと日本に戻ってきて、あさってペルーに帰国するという。おじいちゃんがどうしても先生に会いたいと言っているから今日、行ってもいいですか?と訊ねられた。もちろん、どうぞと答えた。11時半ごろ、おじいちゃんと孫娘が受付に現れた。たまたま、受付の後ろにいて気がついたので、診察室にすぐに招き入れて抱擁した。もう83歳になろうという彼は全く変わっておらず、お孫さんは3月からベルーで大学生になるという。中学卒業まで日本にいたので、日本語はほぼパーフェクト。ペルーは政情も不安定で仕事を探すのも大変で、今後については日本とベルーとどちらで仕事をするか、悩んでいるという。
驚いたことはそれだけではなかった。今日は診察もあると言うので、日本の公的保険を持っているのかどうかを尋ねたところ、昨日、更新手続きをしてきたと教えてくれた。ベルーに帰っても、日本に公的保険加入の資格を放棄せずにいて、また掛け金を支払っていた、あるいは今回、追加で支払ったということだろう。最後に〇〇〇さんと僕、そして僕の部屋のスタッフを含めて全員で写真を撮った。
彼は高血圧や脂質代謝異常、高尿酸血症で長く通院していた。そのお嬢さんが娘さん、彼から見るとお孫さんに当たるお嬢さんを小児科によく連れて来ていた。なかなか、おしゃまなお嬢さんで保育園から小学校低学年の頃はクリニックにやってくると、くりくりとしたかわいい目を輝かせておしゃべりしていた。中学生になるとおじいちゃんの通訳でやってくることもあった。〇〇〇さんは日本にいるときはチョコレート会社の工場に勤務していて、ときどき診察時に大量のチョコを持ってきてくれた。たしか、僕より10歳ぐらい、年上だったと思う。
数年前の診察時に仕事がないからベルーに帰ると教えてくれた。娘さんが中米出身の日系人と再婚してベルーに帰国、お孫さんは当日、中学を卒業するころだったが、いっしょにベルーに帰国してしまった。帰国の直前に僕を訊ねて来てくれ、いっしょに写真を撮った。娘さんの再婚相手の一族も僕の患者で、彼らが診察にやってくるときに時々、消息を聞いていた。お孫さんはもう、大学生になるらしいことも。
電話の声の若い女性に「〇〇〇ちゃん?」と話しかけると、「そうです」と嬉しそうな声が返ってきた。先週、おじいちゃんと日本に戻ってきて、あさってペルーに帰国するという。おじいちゃんがどうしても先生に会いたいと言っているから今日、行ってもいいですか?と訊ねられた。もちろん、どうぞと答えた。11時半ごろ、おじいちゃんと孫娘が受付に現れた。たまたま、受付の後ろにいて気がついたので、診察室にすぐに招き入れて抱擁した。もう83歳になろうという彼は全く変わっておらず、お孫さんは3月からベルーで大学生になるという。中学卒業まで日本にいたので、日本語はほぼパーフェクト。ペルーは政情も不安定で仕事を探すのも大変で、今後については日本とベルーとどちらで仕事をするか、悩んでいるという。
驚いたことはそれだけではなかった。今日は診察もあると言うので、日本の公的保険を持っているのかどうかを尋ねたところ、昨日、更新手続きをしてきたと教えてくれた。ベルーに帰っても、日本に公的保険加入の資格を放棄せずにいて、また掛け金を支払っていた、あるいは今回、追加で支払ったということだろう。最後に〇〇〇さんと僕、そして僕の部屋のスタッフを含めて全員で写真を撮った。
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2023年02月18日
令和5年2月18日土曜
フィリピン人女性50歳、頸部痛があるので某鎮痛剤を2か月分欲しいとのこと。カルテを見ると、昨年の7月に彼女の住まいの近くの整形外科から情報提供書があり、当該薬品を2か月分処方してほしいと書いてあった。その時もいやいや処方したのだが・・・というのも鎮痛剤ラブではないかという疑いが捨てきれないからだ。今回だけ、次は専門医を受診するようにと話して処方した。
昨日、発作性頻拍症で受診したフィリピン人女性、再びやって来た。もちろん診察時の脈拍は正常。昨日、処方をしたばかりでまだ二日目、効果を判定するには早すぎると思うのだが、それもがまんできないということなのだろうと推察して、昨日、彼女が話していた仕事上のストレスについて訊ねてみた。すると・・・それはと仕事上のストレスではなかった。小さな声で英語で「銀行への借金が返せなくなった」と言った。それはどういうことか?とさらに尋ねると・・・フィリピン人のご主人の仕事が景気いい時に銀行から金を借りて自宅を購入したのだが、しだいにご主人の仕事の収益が悪化、とうとう毎月の返済ができなくなったということだった。じゃ、あなたも働いたら・・と問うと、小さなお子さんが3人いて働いていないのだという。たしかにこれでは発作性頻脈も起こるだろうが、これってすでに医療の話ではない。処方している安定剤を内服すると、夜はよく寝られるとのことだし・・
ただ、その状況で診療費を支払わねばならないというのにクリニックにやってくるということは、精神的に追い込まれているのだろう。こういう場合、自宅があるので生活保護は受けられない。自己破産したくても自宅があるので、このままではできない。要するに、今の生活を保ったまま、乗り越えるのは難しい。自宅を売却するのか、あるいは銀行に取られるのかは別として、そういうところまで踏み込むのか、こどもをあずけて彼女も働くのか・・だれか、話に乗ってあげてほしい。役所にそういう部署はないのだろうか?さめざめと泣いて帰って行ったが、気がついたら診療費をもらうのを忘れていた・・・なーんて。
昨日、発作性頻拍症で受診したフィリピン人女性、再びやって来た。もちろん診察時の脈拍は正常。昨日、処方をしたばかりでまだ二日目、効果を判定するには早すぎると思うのだが、それもがまんできないということなのだろうと推察して、昨日、彼女が話していた仕事上のストレスについて訊ねてみた。すると・・・それはと仕事上のストレスではなかった。小さな声で英語で「銀行への借金が返せなくなった」と言った。それはどういうことか?とさらに尋ねると・・・フィリピン人のご主人の仕事が景気いい時に銀行から金を借りて自宅を購入したのだが、しだいにご主人の仕事の収益が悪化、とうとう毎月の返済ができなくなったということだった。じゃ、あなたも働いたら・・と問うと、小さなお子さんが3人いて働いていないのだという。たしかにこれでは発作性頻脈も起こるだろうが、これってすでに医療の話ではない。処方している安定剤を内服すると、夜はよく寝られるとのことだし・・
ただ、その状況で診療費を支払わねばならないというのにクリニックにやってくるということは、精神的に追い込まれているのだろう。こういう場合、自宅があるので生活保護は受けられない。自己破産したくても自宅があるので、このままではできない。要するに、今の生活を保ったまま、乗り越えるのは難しい。自宅を売却するのか、あるいは銀行に取られるのかは別として、そういうところまで踏み込むのか、こどもをあずけて彼女も働くのか・・だれか、話に乗ってあげてほしい。役所にそういう部署はないのだろうか?さめざめと泣いて帰って行ったが、気がついたら診療費をもらうのを忘れていた・・・なーんて。
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2023年02月17日
令和5年2月17日金曜
ネパール人男性、高血圧にて通院中。今回は空腹時での採血も施行した。採血を行うと毎回、中性脂肪が高い。理由は明白で・・カレーである。ほかにもインド人で同様の方がいらっしゃるが、共通しているのはカレーをやめてみてほしいと話すと、笑いながら、「それはできない」と答えること。彼らのカレーの作り方を見れば中性脂肪の高さは納得できる。すでに中性脂肪に対する内服薬はマックスで使っているので、あとは食事療法しかないのだが・・・頭が痛い。
フィリピン人女性68歳、久しぶりにフィリピンに一時帰国して帰ってきたら・・一か月で体重は3キロアップ、今までとくに問題がなかった血圧が170/100まで上昇したと来院。測定してみると、168/102、まちがいなし。とりあえず軽い降圧剤を1週間分処方し、食事をしてこなかったと言うので、肝機能、腎機能、脂質代謝などの項目について採血した。やせるようにと指導したが、なかなかむずかしいだろう。
フィリピン人女性42歳、動悸がすると来院。彼女がやってくるときはおよそ、このような症状だ。聞けば仕事にストレスがあるそうで、朝や夕方に脈が速くなってしばらく続いて治るとのこと、発作性頻脈を考えた。いつもというわけではないので甲状腺機能などは採血して検査しなくてもいいと判断した。外国人でも日本人でもストレスに弱い人はいるし、感受性の強い人もいる。個人の責任ではないし、まとまりのない話にときどきいらっとすることがないわけではないけれど、態度に表してはいけないと思っている。
先日、臀部の中央の膿瘍を切開したら便臭がしたので、毛巣洞炎ではなく、6時方向の肛門周囲膿瘍だったのかと、僕の過去の経験が覆されたように思ったアメリカ人の方の膿瘍の培養結果が検査会社から届いた。読んでびっくり。あんなに便臭らしき悪臭がしたのに、培養結果は大腸菌ではなく、ぶどう状球菌とのこと。すると直腸、肛門との交通はなしと考えるべきで、診断は再度ひっくり返って毛巣洞炎だったと言えるだろう。根治手術に向けて、すべて資料をそろえた紹介状を書かないと紹介先の医師には理解ができないだろうと思う。
フィリピン人女性68歳、久しぶりにフィリピンに一時帰国して帰ってきたら・・一か月で体重は3キロアップ、今までとくに問題がなかった血圧が170/100まで上昇したと来院。測定してみると、168/102、まちがいなし。とりあえず軽い降圧剤を1週間分処方し、食事をしてこなかったと言うので、肝機能、腎機能、脂質代謝などの項目について採血した。やせるようにと指導したが、なかなかむずかしいだろう。
フィリピン人女性42歳、動悸がすると来院。彼女がやってくるときはおよそ、このような症状だ。聞けば仕事にストレスがあるそうで、朝や夕方に脈が速くなってしばらく続いて治るとのこと、発作性頻脈を考えた。いつもというわけではないので甲状腺機能などは採血して検査しなくてもいいと判断した。外国人でも日本人でもストレスに弱い人はいるし、感受性の強い人もいる。個人の責任ではないし、まとまりのない話にときどきいらっとすることがないわけではないけれど、態度に表してはいけないと思っている。
先日、臀部の中央の膿瘍を切開したら便臭がしたので、毛巣洞炎ではなく、6時方向の肛門周囲膿瘍だったのかと、僕の過去の経験が覆されたように思ったアメリカ人の方の膿瘍の培養結果が検査会社から届いた。読んでびっくり。あんなに便臭らしき悪臭がしたのに、培養結果は大腸菌ではなく、ぶどう状球菌とのこと。すると直腸、肛門との交通はなしと考えるべきで、診断は再度ひっくり返って毛巣洞炎だったと言えるだろう。根治手術に向けて、すべて資料をそろえた紹介状を書かないと紹介先の医師には理解ができないだろうと思う。
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2023年02月16日
令和5年2月16日木曜
数か月前に56歳になる市内の姉を頼って大阪からやってきたフィリピン人女性、胸が痛いというので診察をしたところ、左の乳房に5センチ×5センチぐらいの可動性のないしこりがあり、乳がん、それもかなりの進行がんとみた。皮膚の色が青黒く変化していた。日本人のご主人とけんかしてきたので姉の近くで手術を受けたいというのを説得して、大阪のがん専門病院に紹介状を書いた。何回か、同病院から受け入れについて、治療について返事があり、患者がきちんと受診してくれたのだとほっとしていた。昨日、その姉がやってきた。娘が発熱して付き添って来た。娘の新型コロナ抗原検査が陽性で、今後の話をして終わろうとしたら、呼び止められた。「ドク、ありがとう」と言われた。「妹があした、手術を受けるの」と話してくれた。あれから化学療法を行い、かなりしこりが小さくなったので手術に踏み切るのだそうだ。手術が心配で寝られないけど、まずは手術ができるようになりよかったと感謝してくれた。いい結果が出るように祈りたい。
ベトナム人女性33歳、左の上腕の皮下埋め込み型避妊チューブの摘出手術の予約が入っていた人だ。時間通りにやってきた。付き添いの男性が手術に立ち会いたいと話しているとスタッフが教えてくれた。手術を受ける本人がいいというならいいだろうと話した。手術室に行ってみると、彼女の年齢に見合ったような日本人の男性がいた。局所麻酔を施行、6ミリ程度の切開を加え、チューブを引きずり出した。この間、5分かそんなものだっただろうか。抜糸しなくても済むようにアロンアルファとスリーMテープで創を固定して終わった。終わったよと日本語で言うと、「お疲れさまです」と言われた。この言葉でおよそ、彼女の在留資格がわかる。研修や実習という名目で工場などで働き、仕事の終わりには皆で「お疲れ様」と言い合う環境にいたのだろう。ふと気がつくと、さきほどの日本人男性がずっと彼女の右手を握っていた。
夕方になり、受付から〇〇さんが来て、先生に渡したいものがあるから会いたいと話していると連絡があった。パキスタン人の〇〇さんはかなり日本語が上手、僕とは英語と日本語とちゃんぽんで話をするが、やはりむずかしい話になると英語が主になる。彼は一年に一回か二回しかやってこないが、やってきたときにはおよそいつも心療内科的な症状を訴える。あるとき、彼がバシュトン族が被るような平たい帽子をかぶってやってきたことがあった。以前から興味があったので、思わず、こんな帽子が欲しいと言ってしまった。あれから3年経ったのだが・・・部屋に入って来た彼は大きな包みをくれた。新型コロナで祖国に帰ることもできなかったが、先日、ようやく帰って家族に会って来たそうだ。それで僕におみやげを買ってきましたと言いながら取り出したのは茶色の帽子と茶色の服、白の帽子とグレイの服の組み合わせだった。すべてウール製品で、「とってもいいものだよ、これは」という彼の言葉は本当だと思う。深くお礼を言った。いつ、どこに着て行こうかとワクワクしている。忘れていたが、パキスタンにいる彼の兄の病気の相談に乗ってあげたことがあった。アドバイスをいくつかしてあげたが、彼はある禁じ手を使った。兄の症状を自分の症状として訴えて、僕に処方をさせたのだ。それも保険診療で。とても薬がよく効いて彼の兄は苦痛のない生活を送っていたが、今回、不慮の事故で亡くなったのだそうだ、そのお礼なのだなと気がついた。
ベトナム人女性33歳、左の上腕の皮下埋め込み型避妊チューブの摘出手術の予約が入っていた人だ。時間通りにやってきた。付き添いの男性が手術に立ち会いたいと話しているとスタッフが教えてくれた。手術を受ける本人がいいというならいいだろうと話した。手術室に行ってみると、彼女の年齢に見合ったような日本人の男性がいた。局所麻酔を施行、6ミリ程度の切開を加え、チューブを引きずり出した。この間、5分かそんなものだっただろうか。抜糸しなくても済むようにアロンアルファとスリーMテープで創を固定して終わった。終わったよと日本語で言うと、「お疲れさまです」と言われた。この言葉でおよそ、彼女の在留資格がわかる。研修や実習という名目で工場などで働き、仕事の終わりには皆で「お疲れ様」と言い合う環境にいたのだろう。ふと気がつくと、さきほどの日本人男性がずっと彼女の右手を握っていた。
夕方になり、受付から〇〇さんが来て、先生に渡したいものがあるから会いたいと話していると連絡があった。パキスタン人の〇〇さんはかなり日本語が上手、僕とは英語と日本語とちゃんぽんで話をするが、やはりむずかしい話になると英語が主になる。彼は一年に一回か二回しかやってこないが、やってきたときにはおよそいつも心療内科的な症状を訴える。あるとき、彼がバシュトン族が被るような平たい帽子をかぶってやってきたことがあった。以前から興味があったので、思わず、こんな帽子が欲しいと言ってしまった。あれから3年経ったのだが・・・部屋に入って来た彼は大きな包みをくれた。新型コロナで祖国に帰ることもできなかったが、先日、ようやく帰って家族に会って来たそうだ。それで僕におみやげを買ってきましたと言いながら取り出したのは茶色の帽子と茶色の服、白の帽子とグレイの服の組み合わせだった。すべてウール製品で、「とってもいいものだよ、これは」という彼の言葉は本当だと思う。深くお礼を言った。いつ、どこに着て行こうかとワクワクしている。忘れていたが、パキスタンにいる彼の兄の病気の相談に乗ってあげたことがあった。アドバイスをいくつかしてあげたが、彼はある禁じ手を使った。兄の症状を自分の症状として訴えて、僕に処方をさせたのだ。それも保険診療で。とても薬がよく効いて彼の兄は苦痛のない生活を送っていたが、今回、不慮の事故で亡くなったのだそうだ、そのお礼なのだなと気がついた。
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2023年02月14日
令和5年2月14日火曜
フィリピン人女性55歳、フィリピン人スタッフが聞き取ったところでは「2週間前から風邪をひいていて、なにやら耳に変な音が聞こえる」とのことであった。単純に風邪をひいたための耳の症状かと思い、風邪の治療をすればいいのだろうと考えた僕が単純すぎた。スタッフの言うには「もともとほぼ耳が聞こえない」のだそうだ。どうやら時間的にも新型コロナの感染は疑わなくてもいいようなので、診察室に入ってもらった。すると、かなり年配の日本人男性とその後ろに大きなマスクをつけた背の高いフィリピン人女性が入って来た。そして日本人男性が僕と向かい合うように彼女の隣の椅子に腰かけたので、あなたはどなたですか?と訊ねた。病気の話はプライバシィであるから、だれにでも聞いてもらうというわけにはいかない。すると「友達です」という返事。わかりましたと答えて診察を始めた。
わかったことは彼女が両側に補聴器をつけていること、そして耳元で大声を出さないと聞き取れないらしいことだった。風邪をひいたのはこの2週間、変な雑音?が聞こえるのは6か月前から、そして両側の聴力が低下したのは8年前ということだった。時系列で並べてみても、どうやら風邪ひきと変な雑音が聞こえることとは関係がないらしい。まずは風の診察を行って症状に合わせて処方した。つぎに聴力の低下について訊ねてみた。当時はすでに日本にいたそうだ。ある日、突然、両側が聞こえなくなったのだという。突発性難聴だったのか? 日本にいたのなら医療機関を受診しない意味がわからない。その点を訊ねると・・・本人はどこにも行ってないと言うし、付き添いの「友達」なる男性と女性は市内のT病院に行ったが、診てくれず、補聴器の専門店を紹介してくれたと言う。診察しないで補聴器の専門店を紹介するだけなんてあるだろうか?と思いつつ、それでもどうやらきちんとした診察は全く受けておらず、今回の耳の雑音も補聴器に問題があることもありえるということだけはわかった。この点を説明し、専門医を受診することの重要性を説明し、近くの公立病院の専門医に情報提供書を書いて手渡した。
あとでフィリピン人スタッフが言うには付き添いの女性が日本人男性のことを「あの人のだんなさんだよ」と話していたのだそうだ。そして聴力が低下した直後に市内のT病院を含め、医療機関を受診したことはないとのことだった。男性が話していたことは明らかに虚偽だったわけだが、知らずに情報提供書に書いてしまった。そして付き添って来た女性は長年にわたり、ときどきやってきている女性だと言われ、驚いた。それで深々と防止を被り、大きなマスクをつけて、診察室の入り口に立っていたわけだ。彼女がその時その時の男性との生活を考えて、フィリピンにいる幼い娘を引き取ったり、返したり・・・・娘の将来を考えた行動をしているとは思えず、一度、叱責したことがあった。娘はけっきょく、こういう訳アリの人たちも少なからずいるということだ。
わかったことは彼女が両側に補聴器をつけていること、そして耳元で大声を出さないと聞き取れないらしいことだった。風邪をひいたのはこの2週間、変な雑音?が聞こえるのは6か月前から、そして両側の聴力が低下したのは8年前ということだった。時系列で並べてみても、どうやら風邪ひきと変な雑音が聞こえることとは関係がないらしい。まずは風の診察を行って症状に合わせて処方した。つぎに聴力の低下について訊ねてみた。当時はすでに日本にいたそうだ。ある日、突然、両側が聞こえなくなったのだという。突発性難聴だったのか? 日本にいたのなら医療機関を受診しない意味がわからない。その点を訊ねると・・・本人はどこにも行ってないと言うし、付き添いの「友達」なる男性と女性は市内のT病院に行ったが、診てくれず、補聴器の専門店を紹介してくれたと言う。診察しないで補聴器の専門店を紹介するだけなんてあるだろうか?と思いつつ、それでもどうやらきちんとした診察は全く受けておらず、今回の耳の雑音も補聴器に問題があることもありえるということだけはわかった。この点を説明し、専門医を受診することの重要性を説明し、近くの公立病院の専門医に情報提供書を書いて手渡した。
あとでフィリピン人スタッフが言うには付き添いの女性が日本人男性のことを「あの人のだんなさんだよ」と話していたのだそうだ。そして聴力が低下した直後に市内のT病院を含め、医療機関を受診したことはないとのことだった。男性が話していたことは明らかに虚偽だったわけだが、知らずに情報提供書に書いてしまった。そして付き添って来た女性は長年にわたり、ときどきやってきている女性だと言われ、驚いた。それで深々と防止を被り、大きなマスクをつけて、診察室の入り口に立っていたわけだ。彼女がその時その時の男性との生活を考えて、フィリピンにいる幼い娘を引き取ったり、返したり・・・・娘の将来を考えた行動をしているとは思えず、一度、叱責したことがあった。娘はけっきょく、こういう訳アリの人たちも少なからずいるということだ。
posted by AMDAcenter at 08:50
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