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2022年05月31日

令和4年5月31日火曜

ベルー人女性46歳、以前からメンタルな問題を抱え、十二指腸潰瘍の既往も2回ある。一か月前から胃のあたりがぎゅっと痛いとやってきた。食事との関係はあまりはっきりとはしないとのことだった。今、発熱患者の受け入れで、従来は午前中に2人の内視鏡検査を行ってきたが、忙しさで1人に限定している。そのため、昨日の時点で胃がん検診の内視鏡検査を申し込むと来年の2月という信じられないような状況となっている。しかし、今、痛みがあるという準緊急患者を放置しておくこともしてはならないことで、昼休みにかかることもやむをえないこととして追加で特別にそのまま行うことにした。このような決断こそ医師としての臨床的な勘が試されるときだ。実は数日前に心窩部から背部にかけて痛みがある日本人男性がやってきた。心疾患も抱えていて、かなりメンタルに不安さを訴える方で、さらに胃がん検診をできるだけ早くしてほしいとスタッフに漏らしていたそうなので・・・内視鏡検査を当日に準緊急として行うべきか少し様子を見るべきか悩んだが、当日に行うことにした。内視鏡を挿入して観察すると、反転でようやく見える高位の後壁に胃潰瘍UL3があり、おまけに潰瘍底に旧血の付着があった。症状とぴったり一致しており、検査を先延ばししなかったことにほっと安堵した。このようなことがあったので、ベルー人女性についても症状を信用して準緊急として内視鏡検査を行うことにしたというわけだが・・・内視鏡を挿入すると果たして十二指腸の球部の大弯側にしもふり状の潰瘍と周囲の発赤が認められた。彼女の場合、以前にピロリ菌の検査を行ったところ、陽性で一次除菌を行ってもまだ陽性、その後に二次除菌を行って、3か月後に呼気テストを行ったところ、やはり陽性でそのままとなっていたので、潰瘍ができやすい状況が続いていたのだと思う。このあたりのことをよく説明し、今後は胃酸を抑えるタイプの抗潰瘍剤を継続的に内服すべきと話した。いままでは潰瘍を指摘しても、その後がいい加減な治療に終始していたが、今回は理解してくれることを期待している。
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2022年05月30日

令和4年5月30日月曜

インド人女性27歳、北隣のS市から来院。足が腫れていると受付で訴えたらしい。整形外科ではないかと思ったが、浮腫ということもありうると考え、そのままカルテを作成した。診察室で拝見すると、たしかに左の足背の一部が腫脹している。発赤はなく、自発痛は強くはないが、触るとかなりの痛みを訴える。近隣の整形外科もすでに土曜の診療を終えているので、やむをえずに10日分ぐらいの処方を行って様子を見ることにした。細菌感染とは思えないので抗生物質の処方はせずに、鎮痛剤と抗炎症剤だけにしておいた。同じくインド人男性44歳、1時すれすれに来院。もう新型コロナの予防接種を開始しようかという時間にやってきた。3か月近くインドに帰国していて、先週帰国、数日前に空腹時の採血を終えたばかりで、結果を聞きにやってきたのだ。もともと中性脂肪が極めて高値で、血圧も高かった。血圧は降圧剤に簡単にコントロールできたのだが、中性脂肪はOmega 3 fatty acidを最大量使っても申し訳程度に下がるだけ。父親が心筋梗塞で亡くなったとのことで、この原因は彼の家族的な因子とあのカレーにあると思った。インド人やネパール人、スリランカ人の中には高脂血症とくに中性脂肪が高値の人がかなり多く、原因はあの「やめられない」カレーにあると思っていた。日本人の友人がインドに駐在していたころ、帰国して採血を行うと中性脂肪が高く、雇っていたインド人コックがカレーを作っているところを見ていた彼は中に入れる調味料などからその原因が彼が作るカレーにあると疑い、日本食を食べ始めてしばらくして帰国・・・採血してみたら中性脂肪は正常範囲内となり、その後、再度上がることはなかった。今回、このインド人男性の中性脂肪の値を見てびっくり。初めて正常範囲に収まっていた。どうしたのかと尋ねてみたら、にやっと笑った彼からかなり驚きの説明があった。「ドクター、私が菜食主義って知ってますよね?」知ってますよ、「インドに帰ってからチキンや魚を食べるようにした」・・・なるほど。彼は父親と同じ病気になっては大変と、一大決心をして、あの乳製品でいっぱいのカレーを食べるのをやめてチキン等を食べたのだという。でもインドでは菜食主義は宗教と結びついていたはず、そう簡単に宗教上のタブーを破るわけにはいかないはず・・・・と推察してこのあたりを尋ねてみたらその通りだった。彼の宗教は菜食主義、菜食主義をやめることで家族から強い反対を受けたのだという。宗教からも排除されるかもしれない・・こう思いながらも自分の命、自分の健康を優先に行動したのだろう。温和そうな彼のどこにそんな強い意志が隠れていたのかと驚きを隠せなかったが、次の会話で気がついた。「奥様も菜食主義なら日本に帰ってきて家庭でチキンなど食べるのは大変じゃない?」と質問したときだ。奥様は菜食主義ではないと言う。インドでは菜食主義者は菜食主義者としか結婚しない・・というか数ある宗教の中で同じ宗教に属している人以外とは結婚しないと聞いていたので、つい「奥様が菜食主義ではないということは宗教も違うということだよね、そういう女性と結婚するのは大変じゃなかった?」と尋ねてしまった。すると「ドクター、その通り、大変なんてものじゃない」と答えてくれた。ここで納得。彼が家族や周囲の反対を押し切って自分の意思を貫いたのは今回が初めてではない、もっと大きな人生の節目にも闘ってきたのだ。新型コロナの流行の前からインドに帰っていなかったというのももしかしたら、そういう軋轢が残っていたのかもしれない。日本のIT企業に勤めて、僕のクリニックに初めてやってきてからもう5年目ぐらいになる彼が少し大きく見えた。
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2022年05月28日

令和4年5月28日土曜

中国人女性29歳、介護施設勤務、前日から発熱とのどの痛みあり、薬局で購入したという抗原キットで検査を行ったところ、陽性反応が出たとご主人といっしょにやってきた。スマホに入れたという画像を見ると、たしかに抗原検査は陽性と出ている。このようなケース、2月のオミクロン株による大流行時期なら改めて検査を行わずに「みなし陽性」とか「陽性」と判定してもよいとの厚労省の方針があったのだが・・・自分で購入した抗原キットで陽性が出ても、クリニックで改めて抗原検査あるいはPCR検査を行うと陰性という例がかなり認められるので、本人の同意を得て抗原検査を行ってみた。すると結果は陰性。これだけではこちらのキットがまちがって陰性と判定した可能性もあるので、続けてPCR検査を行ってみた。たった今、結果が出たが陰性だった。2月3月の厚労省発表の全国患者数には今回のような例が相当数、含まれている気がする。みなし陽性と判定した場合、困るのは後日、休業補償などの書類作成を依頼された場合だ。簡単に言えば、陽性の客観的証拠がないということになる。自分で抗原検査を行って陽性というケース、スマホの写真を見せられても極端にいえば持参したキットを目の前で見せられても、それが本人のものという決定的証拠がない。支払いを求められた保険会社としては性善説に立って考えたとしても納得がいまいちいかないだろう。たまたまだが・・・保険会社に依頼され個々のケースを調査する会社から別の日本人の件について問い合わせがあった。2月と4月に新型コロナに感染したということで、4月は僕のクリニックの小児科を受診しているとのこと。調べてみると、こちらでは家族が陽性判定ということでみなし陽性にしていたようだ。オミクロン株にも変異株があるので2月と4月に2回罹患するということは医学的に可能性がないというわけではないが、かなり考えにくい。みなし陽性とした4月は普通の「風邪」だった可能性がある。きっと保険会社はすんなりと2回分の支払いには応じないだろう。このようなケースもあるので、自宅から持ってきた抗原キットが陽性であってもクリニックでまずは抗原検査をすべきだろうと思っている。
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2022年05月27日

令和4年5月27日金曜

ベトナム人男性81歳、寝られないとのことで来院。インドシナ難民として定住目的で日本政府に来日許可をもらってやってきたいわば一世の彼も80歳台となった。彼が日本にやってきたのはたぶん35年前ぐらい。当時は45歳ぐらい、働き盛りだったのだろう。彼らインドシナ難民が日本にたどり着いたいきさつはさまざまだ。ベトナム人に関してはボートピープルという言葉が定着したように、南ベトナムという国が倒れて共産国家に統一されたことから迫害されると心配した南ベトナム国家関係者や比較的裕福な市民が小舟を雇い、南シナ海に漕ぎ出し、うまく外洋航路の大きな船に見つけてもらい、乗り移って目的地あるいは寄港地である日本に連れて来てもらったというケースが多い。そのために、中には大きな船に見つけてもらえず、エンジンを動かすガソリンもなくなり、漂流して沈没、海に沈んだ人もたくさんいると聞いた。これに対して、カンボジアの原資共産主義を信奉するポルポト政権から逃れようと国を脱出する人たちは西へタイ国境を越えて国境に面したサーケオ県のカオイダン難民キャンプを目指した。逃避行を続けた人たちの話を聞くと、ポルポト軍の兵士に見つからぬよう、昼はジャングルに身を潜め、夜に移動したという。ジャングルを移動するため、マラリアに罹患する人が多かった。ようやくたどり着いた難民キャンプから第三国への出国を待つわけであるが、日本に定住したいという希望を持っている人については日本政府の代表団が定期的に難民キャンプを訪れてインタビューし、その気持ちが本当がどうかを確かめることになり・・・・受け入れが決定した人たちは数家族のグループに分かれてバンコクの空港に移動し、成田へ航空機でやってきた。ラオスの共産主義政権を嫌った人たちはタイとの国境を流れるメナム河を泳いで渡ろうという人たちが多かった。体に自転車のタイヤの中のゴムを巻きつけて浮き輪の代わりとして河に飛び込む人もいたらしい。かなりの数の人がおぼれて命を落としたと聞く。タイ領内にたどり着いた人はラオス難民用のキャンプに収容されてカンボジア難民同様、日本政府のインタビューを受けて、許可をもらった人たちだけが日本に定住するためにバンコク空港から成田に民間航空機でやってきた。ラオス難民キャンプが存在した地方はラオスに隣接する東北タイで、イサーンと呼ばれる地方だ。ここはタイとラオスが戦争してタイが勝ち、ラオスから切り取られた領土であり、住民の多くはラオス系の人々で、ラオス語に極めて近いイサーン語を話す。いわばラオス難民とは親戚関係に近い人たちで実際に姻戚関係の人たちもかなり存在する。そのためか、日本の代表団がやってくるといううわさが立つとなぜか難民キャンプの中の「人口」が増え、代表団が去っていくと減るという不思議な現象が起きていたと聞く。出稼ぎに日本に行きたい地元のイサーン系タイ人が紛れ込んでいたというわけだ。こんな苦労をして日本にやってきた人たちの中にも僕の患者は多い。大和市立病院に勤務しながら受け入れ側の日本の定住促進センターで彼らの健康をチェックしていた僕にとっては一人一人がまるで戦友。幸せになってほしい。そして今、ウクライナから国を追われるのではなく、国を愛しながら命のために逃げ出さざるをえなくなった人たちが900人近く日本にやってきている*。カンボジア、ラオスからの受け入れ難民は1000人程度であったから、すでにそれに迫る人数となっている。どうか、彼らの未来に灯りがともりますようにと祈らずにはいられない。


*執筆現在の数
*インドシナ難民11,319人の内
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2022年05月26日

令和4年5月26日木曜

先日、発熱と下痢で受診したドミニカ人男性15歳、前日からということなのでまずはクリニックの外で念のために新型コロナの抗原検査を施行した。15分後に陰性を確認し、感染性腸炎と診断して診察室に入ってもらった。かなりの腹痛と発熱だったのでウィルス性感染と細菌感染を見分けるために採血して白血球数とCRPを至急でチェック。両者とも顕著に上昇していたので細菌感染と診断。便培養を行った。結果が判明するのはほぼ一週間後、この症状なら「予測」で治療を始めるべきと判断し、キャンピロバクタ―の感染を推測してFosfomycin500mg3錠分散で毎食後と処方した。果たして検査会社から帰ってきた返事はキャンピロバクタ―で感受性試験ではFosfomycinに感受性ありとなっていた。家族に話をしておこうと思い、電話連絡して来てもらって説明した。薬を飲み始めて4日ぐらいでよくなったと教えてくれた。ぺルー人の14歳のお嬢さん、母親が「また同じところにしこりができた」と少し不満げに話す。見ると左の鼠径部に毛穴から感染したと思われる発赤があった。カルテを見ると1か月前の日付で右の鼠径部に同じ感染があったと記載があり、抗生剤を処方して完治している。母親と本人に前回とは反対側ですよとカルテを示しながら話すと母親も自信がなかったらしく、「そうだったかも・・・」と言い出し、本人は覚えていないと言う。病名にも「右」と書いてあるのでまちがいないだろう。わかってくれたからいいが、わかってもらえないとややこしいことになる。こんなときに言葉の壁が厚いとそれだけで信頼関係が築けないのだろう。
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2022年05月24日

令和4年5月24日火曜

甲状腺にしこりがあり、都内の超有名甲状腺専門病院に診断をお願いしたフィリピン人女性45歳、本日、同病院より返信があり、悪性ではないとのことで安心した。この病院とはなんとなく縁があって、創立者の先生が大学の外科学教室の大先輩、学生時代には大学の研修で一日見学させていただいたことがあった。また、卒後4年目に初めて台湾に行ったとき、中華航空の機内で話しかけてきた台湾人のおばさまが、何か月かに一回、台湾からこの病院に通院していて、今はその帰りと教えてくれて、海外からも定期的に通院している人がいることに驚いたことがあった。海外からも信頼されているということだから。今なら医療滞在ビザの対象だろう。僕が卒後の研修の一環として1年間をすごした静岡日赤病院の当時の外科部長が甲状腺を専門としていたこともあり、その下で学んで甲状腺についてはかなりの知識があると思ってはいたし、開業後もエコーを使って嚢胞性と判明した場合には穿刺、細胞診を行うなどしていた。10年ほど前に県立高校の検診で甲状腺にしこりがあるのでは・・・と指摘されたタイ人女性がやってきたときにもエコーの診断のもとに穿刺を行い、しこりは消失。引けた液もきれいな漿液なので悪性ではないだろうと推察していたら、細胞診ではがんと診断されて漿液性だからと細胞診を出さなかったらどうなったかと一抹の不安を感じたことがあった。検査技術の向上を含む診断に至る過程がかなりのスピードで進歩していく過程で、僕の知識を過信していては誤診につながりかねないと考え、以後は甲状腺ホルモンが正常な場合はこの病院まで患者に行っていただいて専門医の診断を仰ぐことにしている。7年ぐらい前だったか・・フィリピン人女性の甲状腺の腫大について診断をお願いしたら、大学時代の同級生の名前で返信が来て、かなりうれしかった記憶もある。その同級生もそれから数年して亡くなった。来月の17日で73歳になる。昨年には大学の付属の高校3年のときに同じクラスで学んだ親しい産婦人科の同級生が亡くなり、今年になって1年のときのクラスメートの整形外科医が亡くなった。そういう年齢になったのだと思った。残された人生を悔いないように自分に忠実に過ごしたい。
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2022年05月23日

令和4年5月23日月曜

21日の土曜日。片肺飛行の診療でどうなることかと心配したが・・奇跡がおこり、無事に終了した。片肺飛行とは・・・事務スタッフがいつもは4人なのだが、1人は妊娠初期で体調が悪くて休み、もう1人はこの2年、高齢者施設に入所している母親に直接会うことができなかったが、ようやく施設の面会許可が出て田舎へ。さらに、21日は月に一回ベトナム人スタッフがやってくる日でベトナム人患者がかなり多くやってくるはず。まだおまけがあり、診療終了後に予定では6バイアル、30人の新型コロナのワクチン接種をしなければならない。予診票の確認など接種の前が大変なのだ。前日から気が滅入るような条件がそろっていたが・・・けっきょくは外国人患者20人を含む患者総数は46人だった。その理由は・・・朝から肌寒く雨が降り出したこと。寒さと雨は好きではないが、当日感謝感謝。イギリス人男性、会社で健診を受けたらs-GPTがやや高値で医療機関で精査するようにと言われ、やってきたので一週間前。GPTをはじめ、肝機能を精査してほしいというので、s-GOT,s-GPT,γ-GTP等ルーティンの検査のほかにHA抗体もチェックしたところ、かなりの陽性。A型肝炎に感染したことが過去にあってその影響なのだろう、今の数値なら治療は必要ないと話したところ、安心してくれた。午後1時になり、ワクチン接種のための受付を開始しようと思ったその時にインド人患者来院。インドの帰国していて3か月ぶりの受診、電車で30分程度の横浜市内からやってくるので断らずに受けた。ワクチン接種は30分程度で終了。聞けば一人は年齢の関係でキャンセル、というのも対象年齢になる数か月前に接種券が発送されてきて、誕生日の後に接種をしなければいけないのにその前の日程で予約をしてしまったとのこと。気がついてよかったが、これはこちらのミスでもある。さらにベトナム人スタッフが来る日なので予約していたベトナム人女性が来ない。待っていても来ないし、電話での連絡も取れず。ベトナム人スタッフには帰ってもらい、後片付けを始めた直後にそれらしい女性が小さな男の子の手をひいてクリニックのドアをあけて入ってきた。次の土曜日にまわってもらってもよかったが、横浜市内からわざわざやってきたこと、接種液を詰めた注射器をまだ廃棄していなかったことから急いで予診票を確認、無事に接種を終えた。
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2022年05月21日

令和4年5月21日土曜

ぺルー人女性58歳、以前高血圧で拝見したことがあるが、かなり時間が経過している。今日はどうして来たのと尋ねたら、手提げからなにやら横文字の書類を取り出した。見るとスペイン語がぎっしりと書かれている。4月にマドリードの病院で健診を受けたのだという。こんな時期に、ベルーではなく、スペインに行き、健診まで受けるなんて本当か?と思ったが、3枚ある書類を読んでいくと、たしかにマドリード、スペインと書いてある。その健診でなんらかの異常を指摘されたとのこと、その意味が本人はよくわかっていないようで・・・急いでこの場で3枚のスペイン語の健診結果を読むのか?と思ったが、僕にとっての選択肢はなく、急ぎ読みした。するとs-GPTがほんの少し高い、血圧が高い、それ以外は大きな問題はないことがわかった。ほっとした・・・ほっとしたのは悪いところが少なかったという意味ではなく、このスペイン語の文章が読み切れたこと。医学用語は英語と共通なものが多いためでもあるが、本当にほっとした。以前と同じ降圧剤を処方し、次回は血液検査をさせてもらうことにした。フィリピン人女性51歳、病気のために仕事を休んだときにもらえる休業補償の用紙を持ってやってきた。新型コロナで仕事を休んだ人のためにほぼ毎日書いているので書きなれてはいるのだが・・・書いてほしいのは4月16日から27日までで、新型コロナの予防接種を受けた翌日から発熱したとのこと。3日間仕事を休み、以後もときどき具合が悪いと言う。調べてみるとワクチン接種を受けたのは3月19日の土曜日。それで4月16日から27日まで休んだというのもおかしい。その後、心身症で4月7日に来院していてアルプラゾラムを2週間だけ処方していて、その後の来院もない。推測で書くわけにもいかないし、まちがったことを書くと僕の医師免許をかけてのことにもなりかねない。また彼女の言い分に沿って書くと、必ずや保険会社から調査が入るだろう。とても支払われるとは思えない。彼女はかなり不満そうであったが、このような書類は事実だけを記載しなければならない。会社の責任者から僕に直接電話を入れてくれるように話したところ、1時間後に電話がかかってきた。その日本人男性に事情を話したところ、理解をしてくれた。
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2022年05月20日

令和4年5月20日金曜

近隣の市の若い歯科医の先生から外国人医療に関心があるので見学させてほしいと連絡があったのが2週間ほど前。19日木曜なら仕事が休みで来院できるとのことだったので、ぜひとお受けした。僕のクリニックでは取材や見学者がいらっしゃる日に限って、なぜか外国人患者が少ないというジンクスがある。19日も午前中は日本人患者も少なく、10時半をすぎると少しおしゃべりをするような時間も生まれた。おかげで外国人医療についていろいろと話をさせていただくことができたが、こんな時間を持て余すようなことはそうそう続かないと思っていたところ、午前の終わりごろから底が抜けたように外国人患者も日本人患者も増え始め、診療終了後に数えてみたら外国人患者の総数は18人だった。
 午前の終わりに立て続けにやってきた初診の外国人患者が3人。一人目は中東の某国の男性。数日前より左の前胸部が痛い、背部にまで痛みがあるとのことで、まずは血圧測定。血圧は全く正常、胸部レントゲン撮影も行ったし、心電図もチェックしてみたが、異常は全くなかった。聞けば仕事のことでかなり興奮したことがあったらしい。とりあえず鎮痛剤を数日分だけ処方してみた。近くの米軍基地からやってきたアメリカ人女性44歳、めまいがすると来院。もともと貧血があると言われているとのこと。本人は貧血とめまいに関係があるかどうかを知りたいとのことだった。血圧は正常範囲内だが高血圧でニフェジピンを内服しているという。採血をしてみると血色素は15近くあり、貧血とはほど遠い。現在、貧血ではないことを伝えた。つぎにニフェジピンの副作用をみるとそのひとつにめまいがあることを確認。現在の基地の中の医療施設の主治医にニフェジピンを中止してほかの降圧剤に変更してもらうことも考えるべきと話した。さらに本人にはのぼせとかいわゆる更年期障害のような症状が複数あることから、めまいもその症状の一つの可能性があり、婦人科も受診しておくべきとアドバイスした。中国系のカナダ人女性29歳、左の耳介の裏側に痛みがあると来院。聞けば数年前から同様の痛みがあり、自発痛はないとのこと。ここですというところを触ってみると小さなしこりらしきものが触れる。たぶんリンパ節にウィルス性感染か?と思ったが、おなかが大きいことに気がついた。現在妊娠7か月とのこと、数年前からあり、緊急性がないので、出産を終えてから拝見しましょうと話すと納得してくれた。
ドミニカ人男性15歳、前日から発熱、下痢、腹痛ありで来院。新型コロナの感染でもこのような消化器症状を呈することがあるので、抗原検査を行う準備をして外で対応したところ、「2か月前に新型コロナに罹ったけど、また罹りますか?」と質問された。僕のクリニックで調べた中で2回新型コロナに罹患した人が3人いるが、いずれも昨年の8月ごろに流行ったデルタ株と思われる感染と今年の2月を中心としたオミクロン株に感染したケースである。オミクロンに感染したという方でも発熱してやってきた場合、変異株の存在も疑ってかなりの人数の方に検査を行ってみたが、オミクロン株が2回感染したケースは皆無だった。したがって新型コロナの検査を行うことをやめ、クリニックの中に入ってもらって採血し、白血球数とCRPをチェックしたところ、前者は12000、後者は5.6と高値であった。これは細菌感染性の急性腸炎でしかも腹痛、発熱、下痢などの症状がかなりきつく、便培養を行った。キャンピロバクタ―を疑い、ホスミシンの内服を処方しておいた。スペイン語で付き添いの母親に説明したところ、患者である息子に「先生、スペイン語の発音がよくなったね」と言われた。
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2022年05月19日

令和4年5月19日木曜

朝5時半に起きて眠気眼でまず、スマホでYahoo newsをチェック、驚いた。政府が6月以後の外国人の入国に関して、規制緩和をどのように具体的に実施するのかを検討中と聞いていたので、今週中にも新たな方針が公式に示されるものと思っていた。一日の入国者の上限を5千人から1万人、1万人から2万人と上げてきたが、空港での混雑たとえば数日前にやってきた日本人の患者は4月末に成田から入国したときに到着してから入国審査を終えて出てくるまで5時間近くかかってかなり怒った人もいたと教えてくれた・・・・というようなことを防ぐために、「日本政府が定めたワクチンの接種を3回終えた人は飛行機に乗り込むときのPCR検査が陰性なら現行行われている到着時の新型コロナの抗原検査を免除する」というのが6月以後の政府の方針に近いものだろうと想像していたが・・・
 どうやら僕の想像を超えた方針が示されそうだ。Yahoo news によると新型コロナの発生率で国を3つのグループに分類、一番低いグループの国から到着した人たちに関してはワクチン接種が3回終わっていなくても、現行の到着空港での新型コロナの抗原検査を免除するというものらしい。どうしてこのような方針になるのかについては医学的な理由だけでは説明できないものがあるのかもしれない。先日、羽田から入国したが、その際、3回か4回書類のチェックを受けた後に抗原検査を受けた。すなわち4か所か5か所に一か所あたり30人近いアルバイトとして雇用されたらしい人たちが働いていて、これらの人たちの雇用費だけでも莫大な費用になっているはず。一刻も早く辞めたいと国は思っているのではないだろうか。さらに米国のジョンソンアンドジョンソンなど、他国では認めているワクチンでも日本政府が認めていないものもあり、このようなワクチン接種を受けた人や推奨している国からは現行、「我が国が認めたワクチン接種を3回受けた」ことにはならず、入国時の検査が陰性でも入国後の自宅隔離3日間が適用されてしまっている。こういう方針に対する国際的な不満も強いのだろう。
 ただ、「一番発生率が低いグループに分類された国からの入国者については予防接種の有無にかかわらず、到着空港での新型コロナの検査を免除する」というのは、搭乗前72時間以内のPCR検査が必要かどうかについては述べられてはいなかったが、いきなり踏み込んだ感が強い。もし、このような方針を本当に実行するのであれば、2類感染症の見直しは必須だろう。日本が得意なよくわからないなし崩し的な方針であっては欲しくはない。
posted by AMDAcenter at 09:14 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)