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2022年04月28日

令和4年4月28日木曜

あっというまにゴールデンウィーク直前。ドミニカ人男性61歳、数日前から右の肩から上腕にかけての痛みがあり、挙上できないとのこと。いわゆる五十肩ではないかと疑い、整形外科を受診するように話した。フィリピン人男性33歳、腰が痛いと来院。前屈しても後屈しても痛いという。重いものを持つ仕事で、重いものを持つと痛みが強くなるとのこと。整形外科を受診したほうがよいのでは?と話したが、知らないところは行きたくない、言葉が通じないと言い張り、湿布だけでも欲しいと粘られた。言葉が通じなくて大変というのはその通りと思う。やむをえずに処方した。午後5時で診療を終え、新型コロナの予防接種を行った。3バイアル18人を小児科と僕とで9人ずつ接種。およそ15分で終わってしまった。15人が三回目の接種、2人が一回目、そして残る1人が初めての接種だった。4時半を過ぎると接種を受ける人が続々とやってくる。その中に近くのタイスナックのママさんがいた。2年前からの新型コロナの感染拡大を受けての自粛でスナックとしてはかなり経営が厳しいらしく、半年前からは昼のランチも始めたようで、クリニックのスタッフもときどき伺っているらしい。まだ、診察時間だというのに、彼女が両手に大きなビニール袋を提げて僕の部屋に「クンモウ」日本語訳すると敬意を込めて「先生」と言いながら入ってきた。むっとする独特のタイ料理のにおい。ポピアソットと呼ばれる生春巻き、ガイヤーンと呼ばれる焼き鳥、そしてパッタイと呼ばれる、これは何だろう?日本語でよく焼きそばと訳されるがちがうと思う。これらがビニール袋の中に2つずつ。接種を終えてからありがたくスタッフといただいた。
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2022年04月26日

令和4年4月26日火曜

昨日の25日月曜日、午前中、クリニックの前はまるで幼稚園か保育園。小さいこどもたちが発熱して小児科を受診するために来院。外で待っていた。小さなこどもは一人ではクリニックには来られない。おとなが付いてくるので、実際の患者の数よりかなり多くの人たちが外に立っていた。中には1歳に達していないこどもたちもいた。こどもたちが陽性なら付いてきたおとなは簡単に感染してしまうだろう。だれかが手を引くか、抱っこしなければやってくることも待つこともできないのだから・・その中にフィリピン人の家族がいた。彼らのPCR検査の結果はあともう少し、午前7時半ごろ、判明する。フィリピン人男性35歳、前日からの軽度の発熱だけで来院。新型コロナのワクチンは2回接種している。熱はもう下がっているそうだが、念のために抗原検査を行ったところ、すぐに陽性反応が出た。キットで陽性を確認してもらおうと、彼の前に出したら、絶句。しばらくして日本語で「まじかあ」と一言。ワクチン接種を終えていると、感染してもこの程度で終わることがあるということだ。フィリピン人女性37歳、二日前、仕事中に棒状のものが右の頬にあたったと来院。よく見ると大した傷ではないが、あたったと思われる箇所の皮膚がへこんでいて、周辺がやや腫れている。処置をして冷やすようにと指示した。こういうケースは明らかに労災なのだが、会社側が労災を使うことを嫌い、労災について本人に話さず、自分の健康保険で受診させることが多い。そしてレシートを持っていくと自己負担分だけ会社が支払うのだ。すると自己負担分のない患者はそれでいいと思い込んでしまう。これでは受傷の原因なのかもしれない労働条件、労働環境の改善は図られず、なおかつ自己負担分以外は何の関係もない人たちが収めた健康保険のお金を使って治療したことになる。本人に「これは労災なんだよ、会社に必ず言いなさい」と話したところ、「はい」と答えたが、どうなることか? あまりに忙しく、本来ならまずは自費診療を行い、労災に切り替わったら返金するというのが正解だと気が付いた時にはすでに患者が帰った後だった。
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2022年04月25日

令和4年4月25日月曜

タイ人男性、3か月前に心窩部が痛くて、急いで内視鏡検査を施行したところ、胃潰瘍だった。ピロリ菌も陽性で一週間、除菌療法を施行。3か月経って、先週呼気テストを行ったところ、陰性。結果を伝えたら喜んでくれて、笑顔で何度もタイスタイルの手を合わせるお辞儀、ワイをしてくれた。19人の外国人患者を含む64人の診察を終えた13時から新型コロナの予防接種を開始。予定は6バイアル42−1の41人分。いつもギリギリから一人分を引いておくのは、万が一、突然「きょう、接種してほしい」とかスタッフのミスで一人分、予定表に書き込み忘れたなんてことがあったときの場合。それに接種日を一週間間違ってきてしまいました・・なんて人が過去に何回もあったためだ。接種予定の41人のうち過半数の26人が外国人。予定通りに来てくれるかと祈るような気持ちで待っていた。無断でキャンセルなんてことがあるとワクチンを廃棄せざるを得ないし、実際に廃棄したこともあるので。フィリピン人、タイ人、ベトナム人、パキスタン人、ベルー人と続々と来てくれた。接種を待って椅子に座っている顔の半数以上が外国人という状況を「普通の」医療機関の方やマスコミの方が見たら、きっと驚くにちがいない。ただ、僕のクリニックにとってはごく当たり前に近いことなのだ。外国人の接種予定者もほぼ全員、いつもやってくる人たちやその家族で顔見知り、日本人の接種予定者もほとんどが僕のクリニックのことをよく知ってくださっている近隣の方々なので、こういう状況にだれも驚いている気配がなかった。けっきょく、たったひとり、フィリピン人が来なかった。いや、一度はやってきたのだが、接種のために必要な書類をすべて家に忘れてきてしまい、取りに帰ったのだが、なかなか連絡がなく・・・フィリピン人スタッフから電話をかけてもらったところ、待たせてはいけないと隣の南林間駅から小田急線に乗ったところ、まちがって急行に乗ってしまい、鶴間ではなく、先の大和駅まで行ってしまったということだった。これ以上はスタッフを待たせることはできず、この方の接種は一週間後に再度、予約を入れた。
 岸田首相が数日前に、新型コロナを五類感染症へと区分変更するのではなく、二類感染症に据え置くとテレビで話していたが、これにはがつかりしたとともに強い違和感を覚えた。
現在、新型コロナと判明した人や新型コロナを疑ってPCR検査を行った人たちを診察すると院内トリアージ料300点と二類感染症患者入院診療加算(外来診・診療報酬臨時的取り扱い)250点、計550点が取れるようになっている。この点数の趣旨は診察する側の医療従事者がわが身を感染させてしまうかもしれない「危険な」診療行為をせざるをえないことについての点数だと解釈している。この二つの点数550点が8月からは算定できなくなると聞いた。二類感染症とはきわめて感染率が高い疾患という意味だ。新型コロナを二類感染症のままにとどめるというなら、上記の二つの点数を8月から算定させないという意味が理解できない、矛盾している。「感染の危険が高い」と政府自身が認めている行為や煩雑な発生届の提出を上記の2つの点数を算定させないで行わせること自体、医療従事者の健康を軽視しすぎではないのか。4月末から久しぶりに海外に出ようと準備をしていて、昨日は帰国して入国審査の時のためにMy SOSとCOCOAをスマホにインストールした。たしか、COCOAは濃厚接触になっているかもしれないと教えてくれるアプリと聞いているが、僕のような仕事をしていけば、毎日、COCOAが反応し続けるに違いない、危険ですよと。そういう「危険ですよ」と認める行為を上記の二つの点数なしで行わせるのだろうか?少し怒りがこみ上げる。本来は8月から上記の二つの点数を算定させないというなら新型コロナの区分を二類から五類へと変更するのが妥当だろう。それならすべてが理解できる。五類感染症に「格下げ」にしないことについて、専門家会議ではいつ新たな変異株が出現するかもしれないからというように話だったが、変異株の出現は普通の風邪やインフルエンザでも同じ。いつ天が落ちて来るかと心配するようなものではないか。こんな考えでは経済活動は停滞したまま、国を開きつつある諸外国にさらに遅れを取ることは必至だろう。情けない。
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2022年04月23日

令和4年4月23日土曜

海外へ飛ぶ飛行機の便が多くなったのか、入国しやすくなったのか・・・海外へ行くためのPCR検査が9人。うち、日本人が3人、外国人はインド人のご夫婦、ニュージーランド人、インドネシア人、フィリピン人が2人。12時直前に米軍基地から41歳男性来院。沖縄の基地勤務なのだそうだが、数日前にこちらにやってきたとのこと。翌日から熱、咳、痰があって基地の中でPCR検査を受けたところ、陰性。しかし、その後も咳、痰があり、沖縄に帰る前日に心配になってやってきたとのことだった。すでに症状が出現して数日が経過しており、抗原検査を施行。結果は陰性だった。では何なのだろう?と尋ねるので、コロナの感染ではなく、いわゆる「普通の」風邪なのだろうと話した。すでに薬の処方は必要ないほどの程度だという。ところでもう一つ、聞いていいですか?と言うので、どうぞと答えたところ、マスクを外して「ここが赤くなったり、変になっている」と口の周囲を指さす。単純性疱疹だったので、そのための処方を行った。今月になってからの新型コロナの感染者はお子さんに多い。今日の朝、陽性と判明した4人も全員小児科の患者であった。
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2022年04月22日

令和4年4月22日金曜

ベルー人女性17歳、発熱して来院。両親も発熱しているという。発熱して丸1日を経過していたので、抗原検査施行。すぐに陽性反応が出た。この陽性反応の説明をしていたら、両親は「今も」発熱しているけど、「すでに」PCR検査で陽性と判明していることがわかった。みなし陽性にして、検査を行わないという選択肢もあったのかもしれないが、僕はみなし陽性という考えにはしっくりしないものを感じる。実際、昨日も家族全員が新型コロナに感染して、父親である自分だけは発熱しているのに、前の医療機関で4回もPCR検査をしているのに陰性だという男性がやってきた。発熱してすでに3日目なので抗原検査を行ったが陰性だった。ここまで陰性ならとPCR検査を追加して行うことはしなかった。通常なら、この男性のケースは家族歴と本人の症状を聞いたら「ああ、みなし陽性ですね」と言いたくなってしまう。いや、言ってしまうだろう。これで発生届も出してしまったら、毎日毎日、テレビで報道される「今日の新規感染者数」もいい加減なものになってしまう。いや、もうなってしまっているだろう。だから「今日の感染者数」が先週の同じ曜日に比較して〇〇〇人増えたとか、〇〇パーセント増えたとか・・・一喜一憂してもあまり意味がないと思う。
メキシコ人女性37歳、甲状腺機能の血液結果と今後の方針の確認に来院。血液検査を行ったのが1か月以上前。半年前の結果と比較するとFT3,FT4は正常範囲内だが、低下していて、TSHは2倍以上に増加している。この結果を早く教えてあげようと何度もカルテに記載された携帯に電話したが、まったくつながらない。そのうちにやってくるだろうと放置したら昨日、やってきた。彼女の場合はもとはバセドウ病で、その治療のためにメキシコでチアマゾールを内服した後、医師と相談して放射線治療を行ったとのことだった。その結果、逆に甲状腺機能低下症となり、今は毎日、レボチロキシンを内服している状態だ。僕のクリニックにやってきたのが2年ほど前。半年に一回受診し、レボチロキシンの内服量が適切なのかどうかを判定している。メキシコからの薬を見せてくれた。レボチロキシン1錠100μgの1/2錠を毎日内服しているそうで、そのまま次回の検査までは続けるように、そしてややホルモンが下がりつつある傾向なので、毎日忘れずに内服するようにと指示をした。
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2022年04月21日

令和4年4月21日木曜

ベルー人女性48歳、数日前に左の足底に軽度のかゆみがあると来院。もともと巻き爪で何回も感染をおこしているのだが、今回は足底ということで、見せてもらうと白癬の感染を思わせるような軽度の湿疹があった。白癬の治療用のクリームを処方したが・・・今度は痛くてたまらないとやってきた。見せてもらうと帯状疱疹を思わせる水泡を持つ発赤が並んでいる。帯状疱疹の治療に切り替えたが、帯状疱疹でははじめは自覚症状だけで数日遅れて皮膚症状が出現することがよくある。今回もそのケースだった。海外に渡航するためにPCR検査を行った人が7人。そのうちの一人、日本人男性の結果が再検査だと朝の7時半に検査会社から連絡あり。たしか、当日の夜10時ごろの飛行機に乗ると聞いていた。朝、証明書を受け取りに来ないようにすぐに本人に電話したところ、信じられないというような感じ。そうだろう、無症状なのだから。再検査の結果が午後になるからそれまでは外出をしないようにと話して電話を切った。そして昼休みに入ってすぐ、検査会社から連絡があった。結果は陽性だった。急いで本人に電話して伝えたのだが、動転しているのか、話がうまく伝わらないような印象。よくよく考えると11日頃に咳をしていたと言う。予防接種を3回終えていれば、この程度の症状で済むことはままある。彼にはPCR検査の陽性反応は感染力が亡くなった後も3週間、人によっては4週間続くと説明した。すると4月の最終週にPCR検査を再度受けて、乗れないか?と問われた。発症を11日とすると10日間の自主隔離は21日であけることになるが、まちがいなく11日からですという証拠もない。PCR検査が陽性と判明したのが19日なので、たとえ快復証明書を書いてPCR検査が陽性であっても「罹患して治ったものの、PCR検査だけが陽性という状態です」と説明しても航空会社は乗せてはくれないだろう。万が一、うまく搭乗できても機内で感染を引き起こしたら、それこそ大変な事件になりますよと話したら、ようやく納得してくれた。コロナに罹ってしまったことを早く航空会社に連絡をしないと払い戻しも効かなくなると説明して電話を切った。
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2022年04月19日

令和4年4月19日火曜

18日月曜の朝、立て続けに外国人の発熱患者来院。フィリピン人女性64歳、ドミニカ人男性61歳、二人とも大和市と境を接する周辺の市に居住している。金曜や土曜からの発熱なので、抗原検査を施行し、あっというまに陽性反応が出た。ここからかなりの量の説明をしなければならず、フィリピン人はフィリピン人スタッフに、ドミニカ人はスペイン語と片言の日本語なので、僕が対応した。その直後にタイ人女性50歳、来院。発熱してまだ半日ぐらいだったので、PCR検査を施行。結果は翌日である今日の早朝にわかると話して、結果を知らせるまで、とりあえず、どこにも外出しないように伝えた。今、午前7時20分、あと10分程度で検査会社から一報が入るだろう。そして米軍基地内からやってきた青年、3月23日に基地内の医療機関で新型コロナと診断されたが、まだ咳、痰、咽頭痛が続くと来院。日本の厚労省が定めた自宅隔離期間はすでに過ぎているが、念のためにクリニックの外で対応した。抗原検査で陽性だったと教えてくれた。基地内の医療施設でもらったという薬を見せてくれたが、なぜか抗生物質が入っていた。そんなことより、なぜ再度、基地内の医療施設を受診せずに、離れた僕のクリニックまでやってきたのか、不思議。理由を尋ねるのを忘れてしまった。胸部聴診も異状なく、発熱もなく、咳止め、去痰剤、抗炎症剤を処方した。午後になると外国人の姿が圧倒的に多くなった。フィリピン人女性36歳、4月6日にやってきて、血圧が170近くあり、降圧剤を2週間処方している。その続きと思い、血圧を測定すると最高血圧が170、まったく効果がない。中程度に強い降圧剤を処方しているのにどうして?と患者の方を向いて悩んだ。彼女は不思議にほほ笑んでいる。なぜ、笑っているの?とこちらも不思議になり、再度カルテを見て気がついた。カルテのページの前の記載の日付の印が2021年4月6日と押してある。4月6日に2週間処方し、4月18日にやってきたので、すっかり2022年のことと思い込んでしまったが・・・この女性、前回の受診は2021年4月6日、ほぼ1年前だった。前回、受診して降圧剤を内服したら、血圧が下がったので、それでよいと考え、たった一回で終わりとしてしまったのだ。そして・・・最近、血圧を計測してみたら、また170近くあるので驚いてやってきたとのことだった。いつも、降圧剤を中止したらまた跳ね上がるよと話しているはずなのに。結局、受診した外国人患者は25人。
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2022年04月18日

令和4年4月18日月曜

17日の土曜日に新型コロナの検査を行った人は抗原検査5人、PCR検査が4人の計9人。
抗原検査の2人、PCR検査の2人が陽性だった。PCR検査で18日の早朝に陽性と判明した人の中にパラグァイ人女性48歳がいた。検査を行う時に職場に陽性者が70人いると話していた。数字の間違いか?と思い、何回訊ねても70人で間違いないと答える。数日前に抗原検査で陽性と判定したベトナム人男性も職場に40人、陽性者がいると話していた。こちらも何度訊ねても40人と答えていた。僕のクリニックの新型コロナの感染者もかなり数が減ってきているというのに、「すぐそこ」に外国人が多数含まれる大きな渦があるような気がして油断がならない気がする。
 ここで僕のクリニックの新型コロナ感染者についての簡単なまとめを書いておこうと思う。初めてPCR検査で陽性と判定した人は2020年の4月、タイから某企業に研修に来ていたタイ人男性だった。会社の人が付き添ってきていて、症状から新型コロナの感染を疑って検査を行ったわけだが、当時は新型コロナの感染力や死亡率の高さが話題となっているころで、正直に話すと検査を行う側である僕や側にいてくれる看護師にも「感染するのでは?「感染したら健康だけでなく、クリニックを閉じなければいけないのか?」と不安が強かった。しばらく一か月に数人の感染者が続いたのちに2020年11月1人、12月22人、2021年1月77人、2月9人、3月10人、4月14人、5月21人、6月10人、7月31人、8月137人、9月59人(この7月からの急増はデルタ株と思われる)、10月1人、11月0人、12月5人、1月251人、2月482人、3月258人、4月(16日まで75人)、(この1月からの急増はオミクロン株と思われる)、計1472人となっている。やはりデルタ株のときに比較してオミクロン株のときの方が感染者数の減り方がゆるやかとなっている。日本全体の当初からの死亡者数や死亡率など見ていくと、「感染する人は各波のたびに前回の波の時より増えていく傾向にあるが、重症化率は下がっていく、すなわちインフルエンザのような感じに成りつつある」ということが推定できると思う。今のような感染症対策、水際対策をいつまで続けるつもりなのか?疑問に思うし、カナダやタイ、カンボジア、インドネシアなどなど、この2週間ぐらいの間に続々と「飛行機に搭乗するときには当該政府が公認したワクチン接種を既定の回数以上接種している人についてはPCR検査は必要ない」「入国時はPCRではなく抗原検査で即時の判定」というのが世界標準になりつつあるのに、何の理論もなく、「怖いから、いつまた蔓延するかわからないから」という理由で現行制度を続ける厚労省や尾身氏が会長を務める審議会の方針では世界においていかれるだけの日本になりかねないと思えてならない。
 先に述べた僕のクリニックでの感染者1472人中、デルタ株らよると思われる時期とオミクロン株によると思われる時期に2回感染した人が二人いた。1472人中、外国人の総数は309人、そして外国人を含む海外渡航のためにPCR検査で無症状にもかかわらず、陽性と判定された人が16人いた。
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2022年04月16日

令和4年4月16日土曜

フィリピン人女性36歳、眠れないと来院。ときどき怖くなり、動悸がしてくるとのこと。何が怖いのと尋ねても自分でもわからないと言う。この時点でパニック障害かと疑い、アルプラゾラムの処方が頭に浮かんだ。相当離れた居住地の近くの医療機関でもらった「寝るための薬」を寝る前に内服しているが、寝られないそうで・・・バッグの中から残っているその薬を取り出して見せてくれた。なんとアルプラゾラムだった。その近くの医療機関の医師も僕と同じようにパニック症候群を考えたのだろう。たしかアルプラゾラムは一日3回定期的に内服する薬で、副作用の眠気が来た時など一日2回とかに減量して使うものだと思う。彼女のように「寝られないときにときどき飲んでいます」という内服の仕方では効果がないはず。このあたり、やはり言語の問題があったのだろう。処方しようとすると「まだたくさんあるから」ということで処方はせず。定期的に寝られない場合はあらためて受診してもらうことにした。
同じくフィリピン人女性63歳、高血圧の治療で来院。およそ一か月前に新型コロナに感染。僕が発生届を保健福祉事務所に提出したのちに、保健福祉事務所から発生届の内容等に関して問い合わせがあったが、何を話しているのか全くわからなかったそうだ。彼女もスーパーで買い物をする程度の日本語は話せるし理解できるが、お役所言葉のようなあらたまった日本語や医療用語は理解できないのだろう。昨日も書いたが、このように患者が外国人で日本語が理解できないときに保健福祉事務所が利用できる電話通訳もシステムとしてあるはず。このケースはそのシステムを利用しなかったのだろう。利用すれば、その電話通訳会社に電話したり、トリオフォンのときのようになったりと時間がかかる。面倒くさい。それでも使わないで外国人患者が理解できないまま、ことが進んでいくというのはよいことではないだろう。このような電話相談のシステムを保健福祉事務所が実際に何件ぐらい利用したのか、ぜひ調べていただきたいものだ。
さらにフィリピン人の14歳のお嬢さん、4月2日より発熱、4日に新型コロナの抗原検査で陽性。母親がどうしても4月17日の便でマニラに連れて帰りたいと来院。電話で問い合わせがあったときにはすでに感染力はないが、PCR検査を行えばまだ陽性判定が出るだろうから、延期したほうがいいのでは・・と何回も話したのだが、母親が聞く耳を持たなかった。母親には航空会社に「PCR検査が陽性であってもすでに感染力はなく、医師からの快復証明書、すなわち陽性だが、現在病気でもなく、人に感染させることもない」という証明書があれば搭乗させてくれるかを尋ねるようにと話した。帰り際にこの快復証明書を日本語と英語の併記で作成しておいた。
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2022年04月15日

令和4年4月15日金曜

昼近くにベトナム人が「たくさん」働いているという会社の日本人男性から受付に電話があった。どういう理由かは知らないが、工場に勤務している全員に抗原検査を行ったところ、40人近くが陽性だったと。ところが一人、具合が悪いと早退したベトナム人男性がいて、抗原検査を午後に行ったため、この一人だけが検査を受けていないので診てほしいということだった。午後になって現れたベトナム人男性は2日前から発熱、咳、痰、咽頭痛があるということだった。抗原検査を行ったところ、陽性反応が出たが、あまり濃くはなかった。たぶん、この男性が最初あるいはかなり早くに感染したのだろう。電話をかけてきた日本人男性は自分が工場の責任者なので自分に教えてほしいということだった。しかし、患者のプライバシィから考えて、この男性に知らせることについての承諾を患者からもらわなければならない。そこで、ベトナム人スタッフに電話、彼女に新型コロナが陽性であること、保健福祉事務所には僕のほうから発生届を出すこと、前日から数えて10日間自宅待機になること。咳止め、去痰剤、咽頭痛のための抗炎症剤と解熱鎮痛剤を処方するので、その内服の仕方を伝えてもらい、最後に会社の日本人男性に結果を伝えてよいかどうか確認したところ、伝えてくださいと了承が得られた。この内容を日本語で説明してわかってもらうのは100%無理だろう。こういうケース、県からは新型コロナの説明のための外国語対応の電話番号が県内医療機関に周知されてはいるのだろうが、電話してみたら機能するのだろうか?
 夕方、フィリピン人男性43歳、県内遠方より来院。いつものように血圧測定を行って処方箋に記載していたら、なにやら紙袋を取り出した。見せてもらうと新型コロナの3回目の予防接種の接種券と予診票だった。「日本語だけでまったくわかりません」と英語で一言。そうだろう、日本人でも間違えそうなたくさんの日本語、予診票の中身もわからなければ、どのように接種の予約をするのか、どこにするのかもわからないと。ここでよければ・・と言うと「お願いします」という返事で、予約を入れた。この予診票についても翻訳版が厚労省から出されてはいるが、利用されているのかどうか、かなり怪しいと思った。翻訳版はあるが、医療機関を通さなければ外国人患者が入手できる可能性はかなり低い→医療機関にとってはかなり面倒くさい→だから利用されにくい、こういう構図になっているのではないか?しかも外国語版の予診票はあくまで補助であって正式のものではない。接種する医療機関で日本語版に写し替えねばならない。面倒くさい。外国人が直接、入手して医療機関に持っていける形にすれば、使われやすいのではないだろうか。
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