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2021年09月30日

令和3年9月30日木曜

朝一番にフィリピン人女性50歳来院。めまいと首の痛みを訴えて来院。とりあえず血圧を計測したが、120台ととくに異常なし。その直後、彼女が紙を差し出してきた。見ると9月初めに県内の某大学病院で採血を行った結果だった。上から順にすこし血糖値が高いとかLDLコレステロールがわずかに高いとか・・・読んでいくと最後にThyroglobulinが660とあって印がついている。正常は60以下のはず。あわてて頸部を見直すと襟をたててわかりにくくしていたので気がつかなかったが、左側がかなり腫れている。触診すると硬い。尋ねてみると某大学では「水が溜まっている」と言われたとのこと。そこまで診察を受けているなら余計なことをする必要もないかと思いかけ、次回の診察は?と訊ねると「11月の〇〇日」と答える。まだ一か月半もある。首を痛がるのもこのしこりに圧迫されてのことではないかと疑い、超音波で確認することにした。結果はcyst、たしかに液体が貯留しているが、Thyroglobulinが高値ということはがんも疑わねばならない。10年ほど前にタイ人の高校生が同じく甲状腺の嚢腫でやってきて穿刺して抜いた液を細胞診に提出したところ、がんと診断されたことを思い出した。穿刺を決意、茶褐色の透明な液が10ccほど抜けて、しこりは消失した。喜んでいる本人に、このままではまた溜まるだろうこと、細胞診に提出し、その結果は今週末にわかるであろうことを伝えた。不思議なのは大学病院で嚢腫に気がつき、採血でThyroglobulinが異常に高値になっていることまで把握して、状態を放置し、どうして次の診察が11月の半ばなのかということだ。僕には理解ができない。結果によっては「なんちゃって」専門医ではなく、神宮前あたりの専門医に今後の治療をお願いしなければならないだろう。
 ちょっと腹立たしい不愉快なことをひとつ。6月末からクリニックで新型コロナのワクチン接種を開始、あるときは接種券を忘れる人、ある時は日にちをまちがえる人、こんな人が一日に一人はいる。1バイアルで6人の接種を確実に行うために、そして接種の時間になってもやってこない人たちの分を捨てたりすることがないように、あわてて予約のリストから電話したり、接種に来た人たちに呼び掛けて家族などですぐにやってくることができる人を探して「事なき」を得てきた。このためのスタッフの仕事量と苦労は半端ない。そして昨日、とうとう二人分、穴があいてしまった。接種を終える時間になっても高齢の母と娘と思われる日本人の姿がない。スタッフが電話しても留守電になってしまう。電話をかけること10回、ようやくつながったが・・・先方は25日の土曜日の午後5時にワクチン接種に来たがすでにクリニックが閉まっていたと言う。接種予定日は28日の今日だと説明しても納得がいかないのか、らちがあかない。土曜は午後1時から接種を行っており、「午後5時から」というのはそもそも平日の話だ。おまけに母親は散歩に行ってしまったという。前日の月曜に連絡をくれてもいいはずなのに・・・と少しむっとした。ワクチン接種の予約もしだいに若い年齢が多くなってきていて、常日頃、クリニックを受診してくれる人たちではないので、誰が誰とわからず、リストから突然の対応ができる人を探すことがもはや不可能に近いのだ。スタッフと呆然とすること10分、切り上げを宣言した。しかし、早く接種したいという希望の人がまだまだいるというのに・・・・注射器に詰めた二人分のワクチンは医療用ごみ箱の中へ消えた。悲しみが半分、それ以上に腹立たしい。
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2021年09月28日

令和3年9月28日火曜

新型コロナの感染者が明らかに急激に減少してきた。PCR検査も発熱して受ける人もいるものの、海外渡航等で希望して受ける人の割合が上がり、クリニックにも「平常」が戻りつつある。昨日PCR検査を受けた日本人二人が陽性で、これで9月中に当クリニックで診断した新型コロナ感染者は59人、昨年4月にPCR検査で初めての陽性者を見つけてからぴったり400人、外国人は132人となった。この数倍の発熱患者を受け入れ、クリニックで働くスタッフの14人のうち、感染者がゼロというのもすばらしい。
 昨日、帰国のための海外渡航のPCR検査と英文書類の作成を希望してやってきた市内在住のナイジェリア人男性にPCRの検体採取終了後に訊ねられた。ワクチン接種が二回終わっているけど、その証明書は?と・・・・僕が独自に作成した書式はあるが、国境を超える際のワクチンパスポートの役割が果たせるかというと疑問だ。とくに日本に帰ってくる場合、隔離が必要ないと判定されるには厚労省と市役所発行の正式なワクチンパスポートでないと認められないだろう。かばんの中から彼が取り出したのは接種終了時に渡される接種証明書であった。ワクチンパスポートはすでに7月24日からほとんどの市町村区役所で受け付けていて、僕も申し込んでから4日目に郵送で市役所から届けられた旨、話した。ほんと?と彼。やはり、このような重要事項が外国人に伝わっていない。今の時期、海外に出かける人といえば、海外にルーツのある人々が少なくない。ゆえに、このような通達は多言語で行わなければいけないと思うが、大和市に限らず、役所はどのような工夫をしているのだろうか。彼にはどのようにしたら入手できるかを教えたが、時間的に今回は間に合わないということで、あきらめると話してくれた。
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2021年09月27日

令和3年9月27日月曜

25日の土曜日は外国人患者も日本人患者も多かった。先週、患者数も少ないと思っていたら、ちょうど4週間前が夏季休暇、だから夏季休暇明けにやってきた人たちが4週後の25日に重なったということなのだろう。4時間の診療で僕と小児科の全患者数が82人、うち30人が外国人だった。ベトナム人のスタッフが来てくれる月に一回の土曜日だったのでベトナム人患者が目立った。四苦八苦した患者が二人。厚木市在住と相模原市在住の女性、二人とも住居近くの医療機関を受診しており、症状に合わせて内視鏡検査、CTスキャンなどのさまざまな検査を受けているが、結果は異状なし。それでも症状は継続してあり、言葉の問題があるので、これ以上の診療は難しいからと僕のクリニックに紹介されてきた。一人はメンタルクリニックも受診していた。まず、患者の話を聞こうとしたが話があちらこちらに飛んでわかりにくすぎる。そこでこちらから質問して進めていくことにしたが・・・僕が話している間にベトナム人スタッフに質問なのか、症状の説明なのか話し始めてしまい、うまく進まない。そこでまずは僕の話を聞いてほしい、質問は後で受けますからと伝えてもらってようやく診察が軌道に乗った。待っている患者のことを考えながら、こういう人たちの診察を行うのは大変だ。前の医療機関では二人とも「ありとあらゆる」薬がとっかえひっかえ処方されていて、診察していた先生方の苦労がしのばれる。一人は病気の説明をして納得してくれた、もう一人の方は消化管の機能的疾患と推察し、次回、ベトナム人スタッフが来てくれる日までの処方を行った。毎回のことだが、こういう人たちの診察は有能な通訳がいなければとてもじゃないが、成り立たない気がする。
 午後1時から新型コロナのワクチン接種、9バイアル54人に行った。54人中、25人が外国人。うち、大和市在住は14人だけ。残る11人は隣接するZ市からフィリピン人が8人、横浜市からベトナム人とフィリピン人が一人ずつ、そして町田市から欧米の方が一人であった。かかりつけではない人も少なからずいて、外国人が居住地で接種を受けることの難しさが垣間見える。毎度のことだが、トラブルもつきない。ほぼ全員が予診票に記載がないままやってくるので、接種の前に予診票への記載を「指導」しなければならない。さらに昨日は町田市からやってきた欧米系の方、実は住民票が今でも関西の某市にあって、この某市発行の接種券を持ってきたのだが・・・予診票に書いてきてくれた住所には町田市の現住所が書いてある。予診票をもとにするとこのままでは接種費用の請求が町田市に行ってしまうが、某市の接種券では支払いが行われるはずはない。説明してこの関西の某市の住所に書き直してもらった。日本人でも間違えそうなケースだ。もう一人、フィリピン人の件はややこしい。大和市から接種券をもらった直後に横浜市に転居してしまったフィリピン人の例だ。1回目の接種日にやってきてその場でこの事実が判明、大和市の接種券では接種ができない。接種費用が支払われないためだ。大和市役所に問い合わせた結果も踏まえて、接種日をずらすと再度の接種が困難なので、「翌日、大和市からの接種券を持って横浜市の居住区役所に行き、大和市から転居してきたことを話して接種券をもらってくるように」と話して接種を行った。この話はフィリピン人スタッフから事細かに話してもらった。2回目の接種にやってきたのだが、横浜市の区役所からもらってきた接種券を見たら、1回目の接種券の部分が真っ黒に塗りつぶされていた。これでは一回目の接種費用の請求ができない。二回目の接種を行った後、一回目の接種券を本人に渡してくれるように区役所あての文書を作成して渡し、本人には月曜日に区役所に行って一回目の接種券をもらってきてくれるように頼んだ。この例も日本人でもややこしい、日本語が「生半可に」わかる程度では理解できないだろう。
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2021年09月25日

令和3年9月24日土曜

日本に在住している外国人は簡単な日本語はわかる人が多いから、やさしい日本語で説明してくれたらどこの医療機関でも診ることができるという意見をある委員会で医療関係以外の委員が発言するのを聞いたが・・・・果たしてそうだろうか? まず、医療は患者側に理解できるように注意深く説明すべきだし、それにはむずかしい医学用語の羅列はいかがなものか?と思う。このような姿勢は患者が外国人であろうと日本人であろうと基本的には関係ない、普遍的なものだろう。そのうえで昨日経験した2つのケースについてお話ししたい。日本人男性26歳、発熱してやってきた。クリニックの外でPCR検査について説明し、いざ鼻咽頭から検体を採取しようとするとかなり激しく抵抗した。無事に検体採取し、明日の早朝に結果が判明すると話しても反応がない。ちょっと変わった人なのか?と疑い始めたが、クリニックの中に戻ってきてからフィリピン人スタッフに話を聞かされて納得した。名前は日本人、実際に国籍も日本なのだと思うが、フィリピン人なのだとのこと。かなり大きくなってから日本に住む母親に呼ばれて日本にやってきたのだそうだ。語学能力は個人によって違うし、とくにある程度大きくなってから日本にやってくると日本語の習得はむずかしくなる。このケースは日本語だけで対応が困難なケースだ。ネパール人女性27歳、同じく発熱でやってきた。スタッフから日本語が上手と聞いていたが、PCR検査のために外で向かい合ったとき、英語で英語と日本語とどちらで話すのがいいか?と訊ねてみた。すると日本語で「日本語」と答えるので、これからPCR検査を行うことや翌日の連絡のことなど、自分なりにやさしい単語を羅列して話してみたが、戸惑った表情が見て取れる。理解が乏しいのだなと察し、それからは英語で話した。英語で話し始めてからは十分に理解してもらっているという印象だった。このケース、彼女は日常生活するための日本語能力は備えているのだろうが、医療機関で求められる日本語はスーパーで買い物するのに必要な日本語とは異なる。
 やさしい日本語で対応できる外国人が少なからずいることは事実だ。だが、やさしい日本語を使えば外国人患者は受け入れられると結論付けるのは医療の現場を知らない人の言うことだろう。
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2021年09月24日

令和3年9月24日金曜

祭日があけてカレンダーをよく見ると、もう24日。9月も下旬にさしかかっているのに昨日は30度を超える暑さ。季節感が全くない。先々週からのフィリピン人のクラスターに関して、21日にPCR検査を行った10歳の男児が22日の朝に陽性と判明、本人宅に連絡をした。同居の家族は祖母と両親と兄弟。このうち、すでに祖母と母親、兄弟の感染が判明、ただし祖母も母親もワクチン接種を二回受けていて、そのためか祖母は無症状、母親はごく軽度の発熱、兄弟も軽度の発熱で・・・・深刻な状況にないため、現在、変異ウィルスで毎日2万人以上が感染しているフィリピンに住む親族に感染したことを伝えると、みな、死ぬのではないか大騒ぎになったとのこと、さらにその後、元気な状況をラインで伝えると、今度は一様に驚き、日本にいてよかったねと言われるそうだ。問題はこの10歳児の父親。同居の家族で唯一、感染していない。23日には祖母と母親の自宅待機期間が終わるのだが、会社からは出社するのにPCR検査を受けて陰性証明書をもらってこいと言われたとのこと。早く会社に出たいのでいつごろ、PCR検査を受けたらいいだろうと相談があったのが21日の朝。ほかにだれか具合が悪い人がいないか?と尋ねるとこどもの一人が軽度に発熱していると言うので、まずはこの子のPCR検査を行って判定すべきと話して連れてきてもらったのだ。同居のこの子がPCR検査で陽性と判明したことで、父親は再び、濃厚接触者となり、この子が発熱した日から2週間、再び自宅待機ということになってしまった。一家を支える父親がほぼ一か月も仕事ができないのでは経済的に大変だろう。ワクチン接種が希望者にいきわたったら、新型コロナについてこのまま2類感染症におくべきか、インフルエンザと同じ5類感染症に分類しなおすか、検討すべきだろう。




(新型インフルエンザ等感染症)
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2021年09月21日

令和3年9月21日火曜

一昨日の日曜は早朝、PCR検査の結果を受けた人たちに連絡するためにクリニックに来ただけ、昨日の月曜は完全休養日であった。なのに・・・土曜の夜から時間があれば寝てしまう。いよいよ体も高齢者モードに入ったらしい。土曜の外国人患者は14人、新規の患者はゼロ、みな、通院中の人ばかりで冗談を交えながら、楽しく診察できた。フィリピン人男性
54歳、上部消化管内視鏡検査を施行。どうしても「注射で眠らせて」とお願いされ、サイレースを10%に薄めて静脈注射、その直後から寝入ってしまい、無事に10分程度で検査を終えることができた。帰ったのに12時半ごろ、またクリニック内で姿を認めたので「どうしたの?」と話しかけると新型コロナの2回目のワクチン接種に来たと話してくれた。予防接種を開始して30分、一人来ていないとスタッフが言う。名前からするとイスラム教徒らしい南西アジアの国の人だ。予約の時に聞いておいた携帯に電話すること4回、ようやく電話が通じたが、「千葉にいる」のだという。こういうことがあると、外国人の予約を取るのが怖くなるとスタッフが話している。代わりに接種する人を大急ぎで探さなければならないからだ。火曜以降のリストに書かれている人に電話をして繰り上げようとしても近くにいない人や都合の悪い人が多く、ワクチン接種を開始して4か月、とうとう一人分を無駄にしてしまうかと悩み始めたころ・・・フィリピン人スタッフが笑顔で部屋に入ってきた。近くにいるフィリピン人の14歳のこどもが受けてくれるとのこと、母親が承諾してくれたと話してくれた。待つこと30分、彼が来てくれて、無事に土曜の接種は終わった。
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2021年09月18日

令和3年9月18日土曜

ナイジェリア人男性58歳、2年ぶりに来院。高血圧と腹満、おなかがごろごろするということで通院していたが、ナイジェリアに一時帰国するとかで来院しなくなった。午後3時半過ぎにやってきた。今日は何で?と尋ねると「前と同じ」と答える。高血圧と腹満だねと確認すると「そう」とのこと。血圧を測定すると一回目が190/100、少し間をおいて二回目を測定すると160/80、数値を告げると「いつもそれぐらいと言われるけど、実際はもっと低い」のだそうだ。故国では血圧の薬を「ときどき」飲んでいたそうで、何を求めているのかがよくわからない。医療機関では血圧が高く出るけど、本当はもっと低いんだよと言いたいのだろうと推察して、「じゃ、血圧の薬はどうする?」と尋ねると、「ときどき飲むから少しほしい」とのことで、一か月分、処方した。おなかについては以前から食後におなかがごろごろと音をたて、張ってくると言う。これも前回と同じで、たしかCTを撮影した記憶もある。結局、過敏性大腸のような機能性疾患だろうと結論付けていたことも思い出した。彼の診察で困ることはすべてが彼の考えで決められていくことで、医師としてのこちらの意見にまるで耳を傾けてくれないことだ。おなかについても前回同様、Dimethiconeを処方しておいた。午後5時からワクチン接種施行。24人に行ったが、相変わらず外国人が多い。昨日は半数程度。11月になったら市として集団接種をどうするのか、考えると思う。「集団」で行うほど、予定者が少なくなり、医師や看護師、事務など集団接種の体制維持にお金がかかるからだ。医療機関の中にもインフルエンザの予防接種を開始しなければならない時期には新型コロナの個別接種を切り上げたいと考えるところが少なからずあるだろうと思う。このような中にあっても僕のクリニックでは「最後」まで新型コロナの個別接種を行おうと考えている。理由はただ一つ。僕のクリニックで個別接種を中止すると、言葉のハンディなどで一般的に集団接種の予約がとりづらい外国人の接種に影響が出ると思うからだ。
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2021年09月17日

令和3年9月17日金曜

この1週間、悩まされたフィリピン人のクラスターもここにきてようやく終わりが見えてきたようだ。同じ家にいて妻、母親、祖母、子供たちがPCR陽性と判定される中、一人だけ陰性と判定されている男性がいる。数日経過を見ているが、発症のきざしはない。母親も祖母も無症状なので、彼の場合も潜伏期とされる2週間以内のどこかで再検査すべきなのだろうとは思う。ようやく診療の合間に一息つける余裕が生まれてきた。昨日、PCR検査を行った人はアメリカ人女性を含めて5人、全員が陰性であるように祈るような気持ちだ。捨てる神あれば拾う神ありとはよく言ったものだが・・・先月からフィリピン人の新型コロナ感染者が相次ぎ、2回目の予防接種をキャンセルし、延期さぜるをえず、空いてしまった彼らの2回目の接種のところをどのように埋めるか、大問題であった。2回目のところに1回目の接種の人を入れると、その人の2回目の接種のところが入らない、あるいはバイアル増やさなければならなくなり、そうするとさらに5人接種者を見つけないとワクチンを無駄にすることになってしまう。このややこしい順列組み合わせのような作業がスタッフの頭痛の種になっていたのだが・・・1回目の接種を終えた直後のフィリピン人が五月雨式に次々と感染して2回目をキャンセルしたので、隔離の時期を終えて1か月ぐらいを経たフィリピン人を空いたところにずらして入れてみたらぴったり。助かった。今、朝の7時半、検査会社から連絡あり。昨日のPCR陽性者はゼロだった。久しぶりに晴天を見た気持ち。
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2021年09月16日

令和3年9月16日木曜

フィリピン人のクラスター、まだ続いている。14日も一家族に関連してPCR陽性者が3人。85歳の女性と嫁にあたる54歳の女性、さらに孫にあたる27歳男性、いずれも無症状。85歳の女性と54歳の女性は長く、当クリニックにて高血圧等で診察している人たちだ。この3人はいずれも当クリニックですでにファイザー製の新型コロナ予防接種を2回終了している。フィリピン人スタッフから結果を電話で伝えてもらったところ、死ぬまではないかとパニックになりかけているという話だったので、再度、電話して「感染しても今のように無症状ならこのまま様子を見ていいし、心配しないように」と伝えてもらった。フィリピンの親族に電話したところ、大騒ぎになったとフィリピン人スタッフが教えてくれた。フィリピンでは現在、デルタ株の感染が猛威をふるっていて全土で毎日2万人以上が感染、医療機関に収容しきれない人を教会に運んでいるという。再び、鎖国に近い政策をとっており、故国の親族が彼らの感染を聞いたら、大騒ぎになったことは容易に想像できる。フィリピンでは予防接種を受けると一回2000ペソ、およそ4000円だそうで、大学卒の女性がデパートで朝から晩まで働いて一か月の給料が6万円程度の生活の中で、ワクチンがあっても接種を受けない人が多いらしい。結果的に彼らにとっては今、日本にいることが幸いしたと言ってよいだろう。近くの米軍基地の中から突然、若い男性がやってきた。自費でかまわないからなくなってしまった手持ちの薬が欲しいのだそうだ。薬のリストをプリントした紙を持参していて見て驚いた。全部で10種類。今はいい時代だ。以前はAmerican drug indexという分厚い本を丸善から買い求めておいてそれで調べるのだが、時間がいやになるほどかかる。さらに同じ成分の薬が日本で発売されているかも別途、日本医薬品集で調べなければならない。それが今はスマホ一つで15分程度で検索できる。調べてみると精神科の薬が一つ、鬱の薬が二つ、てんかんの予防薬が一つ、松果体ホルモンの薬がひとつ、高血圧の薬がひとつ・・・・など、日本では発売されていない薬が複数ある上に、普通の医療機関では到底揃えられないし、仮に揃えられたとしても「言われたとおりに処方するだけ」では怖すぎる薬ばかり。以上からわけを話して断った。
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2021年09月14日

令和3年9月14日火曜

濃厚接触者と認定されたフィリピン人男性がやってきた。PCR検査を行って、ふと見ると彼と反対側にフィリピン人女性と4歳ぐらいの女の子がいた。背中にうさぎさんバッグを背負ったその子が愛らしくてしばらく見ていたら・・さきほどPCR検査にやってきた男性に笑顔で飛びついて行った・・・と、ここまでは普通ならほほえましい光景なのだが・・もしも男性が感染していたら、飛びついていったお子さんが今度は濃厚接触者になってしまう。注意をしようと振り返ったら、奥さんらしい女性ともハグしている。後でフィリピン人スタッフに聞いたところでは奥さんは妊娠中だそうだ。フィリピン人スタッフに再度、少なくとも結果が出る火曜の朝まではできれば接触しないようにと話してもらったのだが、彼女が帰って来て首を横に振った。どうやらこのような公衆衛生上のいろはがわからないらしい。どのようにしたら理解してもらえるのか・・・・午後5時からいつものように新型コロナのワクチン接種を開始したが・・・接種の前に予診票をチェックしていて重大な問題を発見。南隣のF市在住のフィリピン人男性が予診票も接種券などすべてが入ったバッグを家に置いてきてしまったと話しているという。別のバッグを持ってきてしまったのだそうだ。ここで接種せずに帰したら、再度予約を取らなければならないし、代わりに接種を受ける人を急遽探さねばならない。それも大変な作業だ。接種してあげたいが、そのためには接種券を必ず届けてくれる、それも「いつか」ではなく明日に必ず届けてくれるという確約がないと医療機関としては費用の請求上も不安で接種することができない。これで二人目だが、話し合いの結果、明日には必ず持ってきてくれるという言葉を信用することにて接種を行った。さらに・・・時間になってもやってこない人が一人いるとスタッフがあせり顔で教えてくれた。韓国人男性だった。携帯電話で連絡をすると・・完全に忘れていたそうだ。幸いなことに比較的近くにいたので、接種券を必ず持って来てほしいと話した。それから15分ほどして息せき切った彼が到着。事なきを得た。予防接種に関してはこんな毎日。
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