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2021年03月30日

令和3年3月30日火曜

海外渡航のために受診する外国人も併せて昨日は22人の外国人患者。日本人を併せた患者総計が90人なので24.4%ぐらい。フィリピン人女性52歳女性、血圧が上がり、胸が苦しいと来院。3カ月前までは定期的に降圧剤を内服していたのに・・・よくなったと思ってやめたそうだ。毎回毎回、口を酸っぱくして「やめたらまた上がるよ、薬で下げているだけなのだから・・」と話している僕の努力が虚しく、がっかりする。いつも不思議なのは、こういうケース、医師である僕ががっかりしているのに、患者であるフィリピンの人たちはにこにこして「ごめんね、ドク」と言う。それだけ、僕と彼らの間が近いと考えればそれはそれでうれしいのだが・・・そういうときはその昔、クリニックに通ってきていたフィリピン人女性の話をする。北隣のS市に住んでいた40台のRさん。通院は気が向いたとき、すなわち何か症状があってがまんできないとき。そして日中は事務員として働いていて、夜は少し遠方のフィリピンパブで深夜までダブルワーク。おまけにお酒好き。そんなことをしていると死んでしまうよと注意しても、「それならフィリピンにいる家族にお金送れない、先生、お金くれる?」と冗談交じりに言う。聞けば、毎月30万円も送っていたそうだ。フィリピンの家族はこれでは働く必要がないだろう。しかも、お金を送るのが少しでも遅くなると、催促の電話がかかってくるという。この手の話はほぼ全てのフィリピン人患者に共通している。そしてある日の朝、日本人のご主人がベッドで亡くなっている彼女を見つけた。こうなっては遅いのだ。そしてこうなったらフィリピンの家族にも仕送りができなくなってしまう。だから健康でいてね、慢性疾患の薬はきちんと飲んでねというところに話は落ち着くのだが・・こういうケースが後を絶たない。なぜ?かいつも考える。お金の問題?たしかにみな、お金には苦労している。でも少数だが、きちんと通院してくれる人もいる。要するにいい加減なのだと気がついた。憎めないいい加減さ。
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2021年03月29日

令和3年3月29日月曜

3月9日に帰国のためのPCR検査を行って陽性と判定されたスリランカ人男性、再び帰国のためのPCR検査を受けにやってきた。実は彼自身はさほど英語が上手ではなく、前日、友人という男性から「前回陽性だったが、どうしても30日の便で帰国したいから検査したい」と電話があった。彼には「前回の検査から16日しか経過していないので、今回、検査しても陽性の可能性が高い。お金がもったいないと思うがそれでも受けるか?」と何度も確認をした。翌日である27日土曜の朝、見覚えのある二人組が現れた。再度「陽性と判定されると現在、感染力がないとしても、PCR検査が陽性では乗れないというのがルールなので、それを承知しておいてくれ」と話した。また費用についてはPCR検査が陽性で渡航のための英文書類作成が不要になることもあると考え、「今日はPCR検査の費用だけ支払ってもらう。もし陰性なら英文診断書を作成するのでその費用は受け取りにくる29日に支払ってもらう」という点も強調して話しておいた。本人ではない同伴者から彼のこどもが重い病気で会いに帰りたい、かわいそうだと言われたが、情に訴えられても僕が搭乗を許可できるわけではない。果たして昨日の日曜の朝、検査会社から届いた結果は「陽性」だった。いつになったらPCR検査が陰性になるかと検査会社に問い合わせたところ、「まだしっかり陽性です」とのことだった。きっとあと2週間ぐらいは陽性かもしれない。彼のように無症状で海外渡航等で「病気ではなく、偶然受けたPCR検査が陽性」という人のPCR検査がいつになったら陰性になるのかという判断はむずかしい。その理由は有症状でPCR検査を受けて陽性と判定された場合、3週間後ぐらいまではPCR検査を行っても陽性と出ると聞いたことがある。しかし、無症状の場合、PCR検査を行った時期が感染してからいつの時点なのかという判断ができず、よっておよそ何週間後ならPCR検査が陰性となるか、だれにもわからないからである。焦れてPCR検査を受けてもけっきょくは安くはないお金だけ支払うだけに終わってしまう。昨日の日曜日の朝、彼の携帯に陽性であることを伝えるとなんとも言えないため息が聞こえた。「次はいつ受けたらよいのか?」と言われて、答えに窮した。それはだれにもわからないからだ。「少なくとも2週間はだめだ」としか言えなかった。
 当日は外国人に対するCOVID-19のワクチン接種についてのNHKの取材が早朝からあった。インタビュアーの女性の質問はいちいち的をとらえていて、勉強していることがよくわかった。もう一人、ディレクターなのか、男性の方は自分の思いが強いのか、たぶん自分でも気がついていないのかもしれないが・・・彼が考えている方向に質問に対する僕の答えを「誘導」したいという気持ちが見え隠れしていたような気がした。
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2021年03月27日

令和3年3月27日土曜

帰国のためのPCR検査を前日に行った台湾人女性二人、検査結果が陰性であることを説明し、英文書類をお渡しして帰っていただいた。やっと帰れると笑顔で部屋を出て行った。ネパール人女性、日本語が上手すぎ。数日前から膀胱炎の症状。恥ずかしくて医療機関に行けなかったとのこと。がまんをすると悪くなるよと話した。インド人女性33歳、1月にcovid19に罹患。3月になり左胸が痛いと言う。ご主人がついてきた。よくよく話を聞くと痛いのは乳房。触診させてもらわねばわからないので、悩んだ末に本人とご主人に男性医師である私が触診視診してよいかどうかを尋ねてみた。ヒンズー教徒だという二人はokと言ってくれたのだが、いよいよとなると本人が女性の医師はいないのかと言い出した。隣の部屋にいるが、彼女は小児科医なのでけっきょく、私が診ることになると思いますと告げると、本人も同意、頷いてくれた。とくに乳房にしこりはなく、さらに尋ねると生理中だそうで、乳腺症と考えた。胸をチェックしたときに気がついたが、全身にやけどのためと思われる瘢痕がある。1歳のころに熱いミルクをひっくり返して受傷したそうだ。瘢痕がんというものがあるので、瘢痕の部分になにか変化があったらすぐに皮膚科を受診するようにと話しておいた。
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2021年03月26日

令和3年3月26日金曜

昨日は珍しく外国人で小児科が混んでいた。両科併せて20人の外国人患者、うち小児科が13人、僕のほうが10人、3人は両科の受診、国籍も南米、アフリカ、南西アジア、東南アジア、東アジアと8か国。ちなみに日本人患者は49人だった。頼っていただけることはありがたいことで、外国人も日本人同様、地域住民として受け入れる医療機関を目指して開業した31年前のあの気持ちが今に至っていると思うと感慨深い。71歳9か月の今でも物忘れがひどくなり十分に老いているが、さらに老いたときに外国人にも頼られるようになったと言えるこのクリニックをどうすべきか、最近は考えることが多くなった。なくすことは簡単だが、今、来てくださる外国人患者のさまざまな相談等をなんとか受け止めているこのクリニックがなくなったら、あんなにややこしい訴えやこんなにいろいろと問題を抱えている人たちはどうするのだろうかと。ある人に「それは考えすぎ。先生のところがなくなったら、皆、どこか見つけて行くよ」と言われたことがある。そうかもしれない。そうなら肩の荷が少し軽くなるのだが。
 夕方5時からオンラインの県医師会会長会、医療従事者への新型コロナの予防接種についてようやくはっきりとしたタイムスケジュールが示された。第一回目の接種は4月12日の週と19日の週の2回にわけてワクチンが供給されるそうで、第二回目の接種は各々3週間ごとなる。そして一般の方への接種は5月の連休明けで確定。会長会の後、続けて県医師連盟の理事会、その後、相模医師会連合会の理事会をzoomで開催。こちらは僕が会長なので話すことが多く、終えてから続けて大和市の次年度の特定健診、がん検診の説明会であいさつ。朝の7時前にクリニックにやってきて仕事を始めて、終わったのが午後7時半過ぎ。12時間以上の労働。ブラックな仕事をほぼ毎日していることになる。
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2021年03月25日

令和3年3月25日木曜

モンゴル人女性24歳、左上腕の皮下埋め込み型避妊用チューブの摘出後1週間で抜糸のため、来院。71歳と9カ月の目には厳しい6-0シグマ針で2針縫合したのを抜糸した。この摘出や抜糸には保険診療を適用することはできない。病気ではないから。ゆえに包帯交換や抜糸にも保険診療を適用することはできず、自費診療が保険診療10割りの僕のクリニックでも1300円程度になる。時間もお金ももったいないので、なんとか創を縫わずに医療用のアロンαでとめることができないか、検討してみたい。卒業して2年目に大和市立病院に派遣されて勤務したときの外科の上司が、小児のヘルニアの手術の際に皮膚創は縫わずに糸をかけて皮膚を寄せて、その上からアロンαでとめ、かけた糸を抜いて「一週間後の抜糸」をなくしていたのを思い出した。実は先月、同じような管を抜いた韓国人の女性のケースは住まいの大阪に帰って抜糸のためだけに医療機関を探し、自費診療を受けるのも大変だろうと考え、創を5ミリか6ミリにとどめて縫わずに3Mテープでとめたのだが・・・何も連絡がないが、あれはうまくいったのだろうか。
 新型コロナのワクチン接種が延々と遅れている。医療従事者の接種は始まったと報じられているが、それは「大きな病院」だけ。コロナの診察の最前線にいると言っても過言ではない僕のクリニックを含めた開業の医療機関とその医療従事者の接種は神奈川県では4月12日の週から始まると聞いた。さらに一般の方の予防接種は4月から始まるとの報道であるが、4月に配分されるごくごく少量のワクチンはあまりにも少ないため、いずれの市町村でも医師会などとの話し合いにより、老健や特養に入所中の高齢者に接種することになっている。大和市の分はわずかに970人分ぐらいである。そして、お待ちかねの本当の「一般の」方々への接種は5月の連休明けとなっている。じわじわと感染者数が再び増加傾向にある今、ワクチン接種に期待を込めるのは当たり前のことだろう。それなのに・・・ファイザー製薬のワクチンの際にも厚労省の許可が出るまで待つだけ待たされて、それまで日本人に対する治験はわずかに200人以下だったと記憶している。そしてアストラゼネカ社のワクチンについては申請が出てからもう一カ月以上経過しており、この間、ほぼ世界中で使われている。そんな中で日本人を対象にしてせいぜい200人以下のデーターを取ることに何の意味があるのか?不思議だ。なにより初めに契約したファイザー製のワクチンを使ってしまえということなのかと勘繰りたくなる。国家の一大事、危急存亡、そんな中に今、私たちはいる。対応に緊急性が必要とされるというのに・・毎日、新たな感染者の発表ばかり。この国のシステムはどこかおかしい。ここのところ、僕のクリニックの感染者にも無症状者が数人いる。この無症状者も感染者数に含まれる。知りたいのは新たな感染者数だけではない。もっと重要なのは新たな感染者のうち、何人が重症で何人が軽症で何人が無症状かだ。これがわかると今の新型コロナウィルスの感染症がどれぐらい危険なのかがわかるはずだ。ほとんどが無症状や軽症なら・・・そういう病気は怖がらねばいけない病気なのだろうか。
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2021年03月23日

令和3年3月23日火曜

タイ人女性44歳、胸が苦しい時があると来院。よく聞くと数年前からときどき同じような症状があり、昨年のはじめに一時帰国したときには胸部CTまで撮ってもらったが、なんでもないと言われ、鎮痛剤を処方されたとのことだった。今回は主に心臓疾患ではないかと心配しているようだった。血圧は全くの正常範囲内、脈拍も異状なし、念のために胸部レントゲン写真と心電図を撮ってみたが、いずれも異常所見がなかった。本人も腑に落ちないようだったので問診を続けていくと、体位を変換すると痛みが増強したり、なくなってしまうこともあるということがわかった。内臓疾患というよりは筋肉とか筋膜とか・・そういうところの疾患ではないかと考え、念のために痛い時に温めてみたらどうか?と提案し、内服薬の処方はしないつもりだったが・・・「寝られない」のだそうで、以前に処方したことがある睡眠導入剤であるZolpidem10mgを処方した。帰り際に新型コロナの予防接種はいつから始まるのか?と質問された。住所が市内なので、4月中旬以後、暫時、年齢順に市役所からクーポン券が必ず送られてくるから、手元に着いたら、連絡をくれるように話しておいた。彼女が診察室を出て行ってからよくよく考えてみたら、市内で商いをしている彼女にとってもコロナの影響は相当にあるのだろう。症状から最後の質問まで、もしかしたら「コロナが心配」というフレーズでつながっていたのかもしれない。一番聞きたかったことはワクチンがいつ接種できるのか、外国人である自分が接種順番を抜かされたり、忘れ去られたりしないだろうかということだったのではないかと思った。
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2021年03月22日

令和3年3月22日月曜

台湾に帰国する男性26歳、英文書類を書きながら、台湾のどこの出身?と尋ねると台中と答えたことを思い出した。というのも・・・彼が帰った直後に台湾出身で日本に帰化して、認知症を患っている日本人の夫の世話をしている76歳の女性がその夫とともに現れた。たしか、台中出身と聞いた覚えがあるので、さきほどの若者の話をすると「会いたかったなあ、もうずいぶん帰っていないからね、わたし」と顔を紅潮させて話してくれた。タイ人女性74歳、高血圧でいつもの受診、昼になって外に出てみたら、2時間以上前に診察した彼女らしき姿が30メートルぐらい離れたところにあった。よく見ると、ご主人に車で送ってもらったらしく・・・その車が故障したらしく、修理の人らしいつなぎを来た人がエンジンの点検をしているようだった。フィリピン人男性28歳、会社での健診の結果を持って青ざめた顔でやってきた。結果用紙を見せてもらうと、s-GPTがわずかに高い程度、ほかにはとくに異常がなかった。カルテを見ると以前にもs-GPTが少しだけ高く、A型肝炎抗体、B型肝炎のHBs抗原、C型肝炎抗体をチェックしてすべて陰性だったと記載がある。まずは採血してs-GPTを再検するものの、あまり大きな病気ではなさそうと話すとほっとした表情になった。会社ですぐに病院に行けと言われたので深刻なことだと思ったと言うので、日本では会社に勤務していると1年に1回は健診があること、少しでも異常な値があると病院を受診してもらわないと会社にもそれなりの「罰則がある」ことと説明した。それで日本人は長生きなんだとなんだか納得したような表情になった。
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2021年03月19日

令和3年3月19日金曜

フィリピン人男性52歳、打撲の既往もないのに左手首が脹れているという。診察室で診ることにした。明らかに熱感があり、脹れている。痛みも強い。痛風発作であろうと推察、お酒は毎日飲んでいるそうだ。風呂も入っているそうで、こんな状態で温めたら、状態はさらに悪化するはずだ。コルヒチンと念のためにロキソプロフェンを処方、採血を行った。帰国や海外渡航のための受診者が12人、その中に帰国のための若い台湾人男性と若い韓国人女性がいた。二人とも日本の大学を卒業しての帰国、台湾人男性のほうは「きょう、卒業式だった」と教えてくれた。留学を終えて帰国するのは自然なことと思うが、一抹の寂しさも感じる。夜はオンラインで県医師会の会議。外国人医療についての話があった。県は外国人患者受け入れの拠点病院、拠点診療所に手上げしてくれるよう、働きかけしていくとしているが、外国人医療の問題は言語だけではない。言語のサポートをしてもいまいち、医療機関が乗り気ではないのは、外国人患者を受け入れることでなにやらトラブルを抱え込むのではないかという「相手がよくわからない」不安を感じているからだと思う。ただ、言語のサポートをして手上げをしてくださいではなく、同時に医療機関がトラブルに見舞われないように外国人医療について学んでもらう機会を提供することが極めて大切だと思う。外国人医療でトラブルがあるとすれば一方の当事者は医療機関、一方の当事者は外国人患者だ。たとえば彼らは日本の医療制度について知識がないし、保険診療のしばりやきまりについても知識がない。だから受付で、診察室で、トラブルとなりやすい。外国人の方々を対象に日本の医療機関、あるいは日本の医療制度についてお知らせすることも極めて大事だ。両者の問い合わせや「不満」に対応するのがいわゆる「ワンスストップ」の役割と思うが、まちがっているだろうか?
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2021年03月18日

令和3年3月18日木曜

モンゴル人女性24歳、15日に左の上腕の皮下埋没型避妊用インプラントを2本、局所麻酔下に摘出した。彼女の場合、この2本が扇状には入っているのだが、扇の要の部分が少し距離が開いていた。できるだけ小さな創で摘出してあげようと、2本のインプラントの先端がちょうど傷の両端に来るように6ミリ程度の切開を加え、柔らかいところなので創をひっぱりながら、インプラントの反対側を皮膚の上から押して、なんとか10分程度で摘出した。の6-0シグマ針で2針縫合して終了。16日に創の包帯交換をしたところ、皮下出血も全くなかった。次は彼女の都合で23日に抜糸をするのみ。この2カ月ぐらい、3件の摘出を行っている。昨年の後半にも数件、やはり日本人の医師にとってはなんだかよくわからないものを摘出するのはハードルが高いのだろうか? たしかに電話で「こういうものを摘出してくれますか?」と外国語で、あるいは日本語で依頼されてもイメージがわかないものは引き受ける気持ちにはならないのだろう。だからこそ、皮下埋没型避妊用インプラントについて日経メディカルに書かせていただいたり、学生の講義や医療機関の国際化研修、日本医師会のe-ラーニングでも取り上げて解説しているのだが・・・前回の大阪在住の韓国人女性のように、摘出してくれる医療機関が見つからないからと摘出の当日に関空から羽田にとんで来て、僕のところに直接やってきて局所麻酔下に摘出、その足で羽田に戻り、関空に帰るなんてことを聞くと申し訳ない気持ちとともにがっかりする。
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2021年03月16日

令和3年3月16日火曜

アメリカ人女性26歳、便秘と下剤を内服してから右の下腹部から中央にかけてひっぱられるような痛みがあるとのことで来院。半年ほど前にも一度、同様な症状で来院したことがある。腹部を見ると急性虫垂炎の手術創があった。腹部を触診しはじめてすぐに手で僕の手を払いのけようとする。日本人でも触診するとくすぐったいのか、くくくっと笑い出す人もいるが、彼女の場合は顔の表情がこわばっている。不快なのだろう。尋ねると正解だった。とはいっても医師なのですべきことはやらないと診断がつかない・・というか病のヒントを見落とすことがある・・と話して理解してもらった。その後、椅子に座ってもらって、「つたない英語だが、気持ちを込めて説明するから」と話し始めた。たぶん、彼女の場合は急性虫垂炎の手術創に小腸が癒着しているのだろう。僕の外科医としての経験ではどんなに上手な人が手術を行っても腹部の切開したところには癒着がおこる。その際に少しねじれて癒着すると腸閉塞になるほどではないが、腸の動きが激しくなると、ひっぱられるような感覚を受けるのだろう。とくに下剤を内服すると腸は中の便を出そうと激しく動くときがある。こういう状態なのだと推察すると話した。だから急にこのような症状がなくなることもないだろうし、あっても入院したり・・・なんてことはないだろうから心配しなくてもよいと。一番大切なのは下剤の選び方だ。強すぎるものはいけない。薬局で買った下剤をやめてもらって酸化マグネシゥムを処方していたら、粉ではないと飲めないと話す。耳の聞き間違いかと思って、錠剤やカプセルが飲めないということ?と尋ねると、そうだとの返事。けっきょく、センナの顆粒を処方した。
 外国人医療とは関係ないが・・夕方になり、保健福祉事務所に「濃厚接触者」と判定され、明日、近くの公立病院でPCR検査を受けることになっている女性から電話があった。明日までがまんできないので、今日、検査してくれるか?と。検査は可能だが、濃厚接触となった経緯を尋ねると、友人たち6人で会食していたうちの一人が数日前にPCR陽性と診断されたからと言う。たしか1月になり、県経由で厚労省より濃厚接触者として保険診療で新型コロナの検査を行ってよいのは同居の家族だけという通達が来た。それ以前には同居の家族ではなくても保険診療で検査を受けることができていたので、この通達でずいぶんと患者ともめた。このような経緯があるので、女性の話す内容に不信感を抱き、保健福祉事務所に電話して確認してみた。すると驚いたことに2月11日から再び、同居の家族でなくても会食等で近くにいた人が新型コロナ陽性と判定された場合には、「濃厚接触者」として保険診療で検査をしてもよいことになったそうだとわかった。県から県医師会経由でこのような通達は来ていない。その後、県医師会の担当理事と電話で話したが、やはり変更になったと知った。制度の変更はすぐに医療の現場に伝えてくれなければ、けっきょく患者に不利益をもたらす。それに「濃厚接触者」の取り扱いがころころ変わるなんて、医学的にはありえないだろう。そのたびに「これは行政面からみた取り扱いの変更である」と言えばいいのに。
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