2019年03月15日
平成31年3月15日金曜
パキスタン人女性、CTの結果、膵臓の周囲の脂肪組織が脹れているという診断なので、アミラーゼを血液と尿でチェック、すでに10日ぐらい経過しているのでアミラーゼが上昇しているかどうか、こういうときの診断はむずかしい。彼女にパキスタンではこどもは太っている方が健康的と考えるかどうか、質問してみた。そういう人たちも多いが、私や家族はそう思ってはいないという返事だった。だからこどもにジャンク フードもあまり食べさせてはいないと。同じAMDAに所属するバングラデシュの友人が都内の大学病院に留学していたころ、当時、3歳ぐらいの息子がバナナしか食べなくてやせている、バングラデシュの留学仲間に「息子がやせているのは両親が食べてしまい、息子はバナナしか食べるものがないからだ」と言われていると苦笑いしながら話してくれたことがある。この話をしたところ、「そうそう、親が食べ物を食べてしまうから、こどもはバナナしか食べるものがない。それでやせていると思われる」と目をキラキラさせて教えてくれた。バングラデシュの友人の話はバングラデシュやパキスタンではわりとありふれた話で、食べ物に困っていないはずの富裕層にとってはジョークなのだと初めて気がついた。8月の地域看護学会に依頼されていた教育講演の抄録を1時間ほどで書き終えた。インターネットですぐに提出、ひとつ仕事が片付くとほっとする。
posted by AMDA IMIC at 09:28
| TrackBack(0)
| (カテゴリーなし)
2019年03月14日
平成31年3月14日木曜
ナイジェリア人男性44歳、排便時に出血すると来院。肛門鏡で診てみたが、痔はあるが、出血はなし。ポリープ状に変化もあるが、明らかな出血源がわからないので大腸の検査も必要になると考え、近くの専門医に診察をお願いした。ベル―人女性19歳、風邪症状、発熱、体の痛みで来院。明日から飲食店で働くというので、インフルエンザの検査もしておくべきと考えて、話をしたら・・・いやがる。誰でもいやなものだが、顔つきを見ていると「本気で」いやがっているのがわかる。鼻腔に入れる綿棒を取り出すとそれは頂点に・・・ここまでいやがられると、やる方としてもやめてしまおうかなあと思いたくもなる。でももしインフルエンザなら周りに広めてしまうだろうし・・と心を鬼にして施行。結果は陰性。疲れてしまった。タイ人女性59歳、めまいがするとやってきた。降圧剤のせいかとも思い、血圧を測定するもよくコントロールされていて低いというわけじゃない。よく聞くと耳鳴り、吐き気、頭痛もあり。メニエール氏病を疑って処方した。同じくタイ人女性55歳、前回の採血の結果、中性脂肪が300を超えていた。カルビが大好きだそうで、「どうする?」と言われても、すでにベザフィブラートを最大量内服しており、やはり食生活を変えるしかないのだが・・ビールとカルビが大好きというのは変えられそうもなさそうだ。イスラム教徒なので、豚肉は食べられないし。フィリピン人女性59歳、目が真っ赤。花粉症と自分で言っていると受付から連絡があった。その通りだった。
posted by AMDA IMIC at 14:39
| TrackBack(0)
| (カテゴリーなし)
2019年03月12日
平成31年3月12日火曜
昨日は午前中、診療して午後から厚労省の訪日外国人医療に係る関係者会議へ。午前中にベル―人、フィリピン人、フィリピン人と来院。きょうの朝、机の上を見るとオーストラリア人患者のカルテが置いてあった。ほかに日本人患者のカルテが数冊、午後休診にすることはホームページにアップはしておくのだが、やはり見ないで来てしまう人がいる。会議も大切だが、申し訳ない気持ちでいっぱい。昨日の会議は今までのまとめに近いような印象があった。ワンストップ窓口を厚労省が提案しているように、地方自治体で本当に行うことができるのか、医療そのものや医療制度さらには外国人患者の考え方、宗教的な問題など、専門的知識が必要になること、場合によっては外国語での対応も必要になるかもしれず、個人的には都道府県など地方自治体が行うのは不可能に近いと思う。また、ワンストップ窓口とは聞こえはいいが、内容が不明瞭、本当に外国人医療のさまざまなトラブルや相談がそこで完結するとはどうしても思えない。以前から思っていた通り、僕はこういう窓口はノーハウの蓄積のある民間団体に委託し、各都道府県にひとつではなく、全国に1つあればそれで事足りると思う。そして、日本側からの相談だけではなく、外国人の側からの相談も受けるべきと思う。外国人患者が医療機関の窓口で医療に関する各種相談やトラブルについての不満を直接、述べるようであれば、その外国語対応に追われて医療機関では本来の仕事ができなくなりかねないと心配するからだ。こう書いてくると、これすなわちAMDA国際医療情報センターが28年にわたり、行ってきたことにほかならない。
posted by AMDA IMIC at 10:43
| TrackBack(0)
| (カテゴリーなし)
2019年03月11日
平成31年3月11日月曜
ペルー人女性51歳、川崎市から初めて来院。クリニックに通院しているペルー人女性が付き添ってきた。歩きにくいというのだが、靴下を脱いでもらうと下腿、とくに足首のあたりにひどい浮腫。そして巨体を支えている膝が悲鳴をあげそう。こうなると運動療法では膝が壊れそうだし、体重をなんとかしないといけないだろう。浮腫のほうは採血と検尿。フィリピン女性36歳、憎めないのだが、困ってしまう。子供さんの予防接種は接種後、1時間だったか、ようすを見ることが厚労省から義務付けられているので、クリニックの終わる時間の1時間前には絶対に来院していてもらわないと医師と看護師、そして事務職員まで残っていなければならないのだが・・クリニックの診察終了の20分前にやってきた。配偶者が日本人で、配偶者がついてきたので、彼女のせいばかりではないのだが、何と言ったらわかってもらえるのか、悩んでしまう。そして花粉症のフィリピン人が6人。今や、花粉症は世界の共通語になりつつある。
posted by AMDA IMIC at 09:15
| TrackBack(0)
| (カテゴリーなし)
2019年03月09日
平成31年3月9日土曜
韓国人女性54歳、いつもの診察の後、どうしても寝られないので睡眠剤がほしいとのこと。ハルシオンがいいと続ける。たしか、心療内科を受診していたような気がしたので、お薬手帳を見せてほしいと話した。すると・・10日前に心療内科でハルシオン0.25mgが一か月分処方されていた。だぶって処方すると査定されてしまうので、次に来院するまでの足りない分をまずは処方した。こういうことは日本の公的保険のルールなので、きちんと理由を説明しなければわかってもらいにくい。フィリピン人女性、一時帰国するのでと3カ月分の処方をしたのが4カ月前。久しぶりにやってきた。血圧は160を超えていて、足りない分1カ月はどうしていたの?と訊ねると、内服していなかったとのこと。何度も何度も薬はきらさないようにしてねと話しているのに・・どうしてこういうことになるのか?がっかりしてしまう。
posted by AMDA IMIC at 00:00
| TrackBack(0)
| (カテゴリーなし)
2019年03月08日
平成31年3月8日金曜
タイ人女性51歳、昨日から悪寒があると来院。熱はないというのだが、おでこに手をおいてみると少し熱い。電子体温計をわきの下に挟んでもらうが、何度挟んでもらってもエラーになってしまう。覗き込んだ看護師がしっかり挟んでいないと言い、ぐっと抑えると鰓―にはならなかった。36.7度。微熱だろう。咳も痰も下痢もなく、頻尿もない。念のために白血球数、CRPを計測したが、正常範囲内。ウィルス感染、たぶん風邪かと考え、よく話したうえで何も処方しなかった。中国人女性35歳、受付からHIVの検査にやってきた外国人がいて、心配なことがあってから3週間らしいと連絡があった。その後、何も話がなかったので、受ける方へのマニュアルを読んで帰ったのかと思った頃に、彼女のカルテが並んだ。診察室に入ってもらい、まずは何語が話せるのかと訊ねたら、英語はだめで北京語と日本語ができると答えた。ただし、日本語は相当にあやふやで、緊張のためか、顔が引きつっているように見えた。HIVの検査で正確な結果が出るにはこれだけの日数がかかり、3週間では正確な結果は出ない、たとえ陰性と出ても安心は全くできない、それでも受けますか?と図を書いて説明しながら訊ねた。「はい」と答えるのだが、その「はい」がYESとは受け取れないようなイントネーションで何度も聞き返した。そのうちに、「○○ごろにまた受ける」と言った。今日も受けるけど、○○ごろまた受けるという意味ですか?と訊ねると、「はい」とまた答える。そういうことなんだな、たぶん医学的には意味がないとわかっていても精神的に耐えられない状態なのだろうと判断し、検査を行った。もちろん結果は陰性だった。
posted by AMDA IMIC at 10:20
| TrackBack(0)
| (カテゴリーなし)
2019年03月07日
平成31年3月7日木曜
一昨日、3月5日前日が寒い雨降りだったせいか、風邪ひきが多かった。そして・・ベル―人女性56歳、前日から38度を超える発熱と体の痛み、咳もあり、インフルエンザ検査を行ったところ、A型陽性だった。そして、初診のフィリピン人男性36歳、37度台の発熱が前日よりあると来院。会社でインフルエンザの予防接種をしたというのでますます怪しく思い、インフルエンザ検査を行ったところ、陽性だった。これじゃ予防接種をした意味がないと言うので、予防接種をしたからインフルエンザに罹らないというわけじゃない、罹ってもこの程度の発熱で終わっているから意味があると話した。なるほどとうなずいてくれた。カンボジア人女性29歳、インドシナ難民としてやってきたカンボジア人の息子の嫁として1年前に日本にやってきたとのこと。日本語はほぼ話せず、でもなんとか英語はわかってくれた。陰部にしこりがあるらしい。恥ずかしがってどうしも僕には見せてくれない。やはり看護師に見てもらったところ、近接して3か所、皮膚がはがれているように見え、ここに尿が触れると刺激になるはずと言うので、エキザルベと抗生剤を処方。念のために性感染症の検査を受けるか?と訊ねると、受けたいとのことなので、B型肝炎、梅毒、HIVの即日検査を行ったが、すべて陰性だった。昨日は午後3時半から多摩総合医療センターにて東京都福祉保健財団に依頼された都立病院国際化研修の講義を行った。終了後に若い医師がひとり駆け寄ってきてくれた。よく見ると、学生の頃にAMDA国際医療情報センターに連絡をくれ、その後、僕のクリニックに何度も外国人医療を見に来てくれた大学の後輩のO君だった。うれしい再会。外国人医療への情熱は健在だった。今はまだ医師としての勉強の時という彼の顔が頼もしく見えた。
posted by AMDA IMIC at 13:57
| TrackBack(0)
| (カテゴリーなし)
2019年03月05日
平成31年3月5日火曜
アメリカ人男性38歳、少し遠めの市から来院。住まいの近くで内視鏡検査を受けて逆流性食道炎との診断でプロトンポンプ インヒビターの処方を受け、英語が通じるところがいいと僕のところへやってきて3カ月。当初から訴えていた頸部のつまり感、ときどき出現する上腹部の膨満感についてどうなんだろう?と訊ねてみると・・・やはりあまり変わっていないという。冷たい雨で患者が極端に少なかったこともあり、いつもより数倍の時間をかけていろいろと話し合った。可能なら自分自身で内視鏡検査を行ってみたいと話した。この年齢で食道裂孔ヘルニアがあり、そのために難治性の逆流性食道炎だとしたらなかなか珍しいことと思う。自分で英語教室を開いていてストレスが強いという話と母国にいたころ、前胸部痛がたびたびあり、狭心症なども疑われて専門病院で精査したそうだが、異常はなかったという話を合わせて考えると、プロトンポンプ インヒビターが思ったほどの効果がないのもうなずける。効果がないさらなる証拠をつかむには自分で内視鏡検査を行い、この目で確認するしかないとつい思ってしまう。自律神経失調症というのも考えられなくはない話だ。これなら今の症状の説明も過去の病状の説明もできてしまう。治療方針の切り替えの可能性について、手順を話しておいた。
昨日は午後2時から県医療会館にて神奈川県医師連盟の執行委員会、2時40分に終わり、渋滞の中を運転して4時10分にクリニックに戻り、診療。やはり数人の患者が待っていてくれた。5時すぎに再び、運転して県医療会館へ。午後7時から県地域医療調整会議の意見交換会へ。終わって自宅に帰ったのが9時半ごろ。ほぼ毎日13時間労働。あと3カ月で70歳を迎える人の日常とは思えないと自分でも思う。
昨日は午後2時から県医療会館にて神奈川県医師連盟の執行委員会、2時40分に終わり、渋滞の中を運転して4時10分にクリニックに戻り、診療。やはり数人の患者が待っていてくれた。5時すぎに再び、運転して県医療会館へ。午後7時から県地域医療調整会議の意見交換会へ。終わって自宅に帰ったのが9時半ごろ。ほぼ毎日13時間労働。あと3カ月で70歳を迎える人の日常とは思えないと自分でも思う。
posted by AMDA IMIC at 09:08
| TrackBack(0)
| (カテゴリーなし)
2019年03月04日
平成30年3月4日月曜
待ちに待っていた日本医師会雑誌の3月号が大和市医師会経由で届けられた。通常は日本医師会より会員に直接届けられるため、まだ届いていないはず。3月号は訪日・在留外国人の診療の特集号だ。僕も企画・監修に名前を連ねていただき、2429ページから2443ページまでの座談会に参加、2461ページから2464ページまで「開業医を対象とした外国人診療支援および医療通訳支援」というタイトルの原稿を載せていただいた。この日本医師会雑誌、たぶん3日ごろから全国の医師会員の手元に郵送されるはずだ。原稿が掲載されたから、座談会に出席したからえらいというものじゃない。しかし、全国の医師会員の皆様に自分の主張、意見を聴いていただくチャンスをいただいた、こんなうれしいことはない。外国人に対する医療が特集号となって日本医師会雑誌に載るなど、数年前までは想像だにしなかった。30年前にクリニックを開設したとき、大学の関係者から大和のような田舎で日本人も外国人もいっしょに診る国際クリニックなんて何を考えているんだと不思議がられたことを思い出した。もしかして先見の明があったのだろうか。
posted by AMDA IMIC at 10:25
| TrackBack(0)
| (カテゴリーなし)
2019年03月02日
平成30年3月2日土曜
アメリカ人女性26歳、母国の主治医からの情報提供書を持って横浜市から来院。すると・・・2種類の抗うつ剤が処方されていた。外見からはまったく鬱という印象はないのだが・・・最後に90日分の処方をしてもらってやってきたそうだが、その後1カ月で来日。英語教師として働いているそうで、「保険証がもらえるまで待っていたら今日になってしまった」という。手元に残っている処方薬は1週間分ぐらいしかないと教えてくれた。本来なら心療内科か精神科を受診してほしいところだが、どこも心療内科は予約でいっぱいで、すぐに処方をしてもらえるという状況ではない。やむをえず、僕自身からみると専門外なので「治療」をすることはできないこと、ただし内服薬については日本でも発売されているものなので処方はできること、なにか具合が悪ければ母国の主治医に相談してほしいことを話し、了承してくれるなら処方はすると話した。わかりました、お願いしますという返事なので、処方をしようと主治医の情報提供書を再度見て驚いた。ジェイゾロフトが一日150mg 処方されている。日本で公的保険を使って処方する、すなわち保険診療では1日の最大使用量は100mgとされており、これを超えて150mgを処方するとまちがいなく査定される。またもう一つの薬は保険診療では一回に30日を超えて処方することができない。これも超えて処方したらまちがいなく査定されてしまう。彼女には日本の公的保険は比較的安価に国民のすべてに医療を届けるという目的があるため、その使用にあたっては薬についてもいろいろと「法律」があり・・・・と説明したらわかってくれた。こういうケース、何も説明しないで減量したり、処方日数を減らせば、言い争いになったりしかねない。今回はうまくできたと思う。
posted by AMDA IMIC at 00:00
| TrackBack(0)
| (カテゴリーなし)