2019年02月28日
平成31年2月28日木曜
タイ人女性59歳、高血圧で受診して1週間、3剤の合剤であるミカトリオを使ってみたが、思ったほど血圧が下がってくれない。採血を行うとともに降圧剤を変更した。採血時に両親や家族に糖尿病の人がいないか、訊ねてみた。採血の項目をチェックするためだ。普通、高血圧だけなら糖尿のチェックはしないだろう。保険が通らない。両親は幼いころになくなってわからないが、タイにいる兄弟姉妹は糖尿病とのこと、検査項目に血糖値とHbA1cを入れ、検尿も行った。同じくタイ人女性53歳、隣のA市からやってくる。高血圧で降圧剤を2カ月分処方したのが11月、もう3カ月近くすぎている。「ときどき、飲んで・・だから薬あった」というのだが、そんな内服の仕方は指導していない。案の定、血圧は170近くであった。昔は、どうして言うことを聞いてくれないのだろう?と悩んだこともあったが、こういう受診行動はタイ人に限らず、フィリピン人でも南米の人でも・・ごく「普通」なのだと気がついてから僕を信頼してくれないからではないのだと確信して、不快に思うことはなくなったが・・・それでも彼らの体が心配になり、ついつい再度受診行動についてお願いをする。「あはは、わかった、先生」という明るい声からは「ああ、いつもと同じ、わかっていないな」と感じてしまう。
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2019年02月26日
平成31年2月26日火曜
先日、左大腿と鼠蹊部のリンパ節が腫脹して痛みでやってきたカンボジア人男性の奥様が「前回と同じ薬がほしい」とやってきた。受付でそう話していると聞いた。痛みは軽減し、今はなくなってきていると。抗生剤のㇾボフロキサシンを一週間処方したので、これが効いたということだ。抗生剤は長く使えばいいというものではない。むしろ耐性株の出現を助けてしまうこともある。ただ、てこでも動かないようすだったので、やむをえず5日分だけ追加して、「これが最後」と話した。パキスタン人女性34歳、左の胸の下あたりから背部、左下腹部に至る痛みで来院。イスラムということなので、男性である僕が触診していいかと訊ねたところ、「だいじょうぶ」という返事だったので診察を勧めた。左の腎結石か尿管結石を疑ったが、あいにく生理が前日終わったばかりで検尿はあまり意味がないと思い、本人の希望もあり近くの公立病院にCTスキャンを依頼した。さあ終わりかな?と思ったらもうひとつ頭痛の相談。血管拍動痛でお風呂に入ると悪くなると言う。寝ると治るとも言うので、偏頭痛を疑ってスマトリブタンを処方、頭痛がおこったらすぐに内服しないと効果がないということも話しておいた。香港出身の男性39歳、結婚するので性感染症の即日検査をしてほしいと言う。HIVと梅毒とB型肝炎の抗原検査ができるというと、B型肝炎のキャリアなので、残りの二つの検査をしてほしいとのこと。両者ともに結果は陰性だった。すでに5時にかかっていたのであわてて新宿のホテルへ、外国人医療関連の打ち合わせに出かけた。
運転しながら、気がついた。結婚する相手についてHBs抗原、抗体の検査をしておいたほうがいいということを説明することを忘れていた。大失態。あわてているとろくなことがない。
運転しながら、気がついた。結婚する相手についてHBs抗原、抗体の検査をしておいたほうがいいということを説明することを忘れていた。大失態。あわてているとろくなことがない。
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2019年02月25日
平成31年2月25日月曜
23日の土曜日は外来総患者数が69人なのに、外国人患者が23人、ぴったり1/3が外国人だったということになる。国籍別にみるとフィリピン人が圧倒的に多くて12人、ベル―人が3人、カンボジア人、ベトナム人、パラグアイ人が2人ずつ、韓国人、ブラジル人が各1人という結果だった。ベル―人の41歳と34歳の姉妹、前回の内視鏡検査のときにピロリ菌が陽性で除菌療法を行った。そのときに3カ月程度過ぎたら今度は呼気テストでピロリ菌がいなくなったかどうかをみるが、その時には必ず事前に電話かあるいは来院して予約をしてほしいと話したのに・・予約なく突然やってきた。たまたま朝のうち、さほど混んでいなかったので受けたが、こういうところが日本の医療機関にとっては頭が痛いところだ。説明しているはずなのに・・これで受けてしまうと、こういう受診態度でやっていけるのだなと誤解されるのではないかと心配になる。カンボジア人女性57歳、11時からの内視鏡検査を予約、その10分前には前処置等のために来てほしいと頼んでおいたのに・・やってきたのが11時半。職員がもう来ないんじゃありませんか?と僕に声をかけてきたが、彼女とのつきあいはすでに30年を超えていて、性格をよく知っているので、必ず来るよと話していたらやってきた。いつも遅れたいいわけから始まるので正直、へきえきしてしまう。そういう自分もいやになる。そういえば、金曜日に隣のA市の特定健診を受ける予約をしていたベル―人の母親とその父親も連絡なく来なかった。こういう人たちが日本でうまくやっていくのは難しいような気がする。何度も説明しているのだが、こういうルールが守れない。
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2019年02月23日
平成31年2月23日土曜
インドネシア人35歳男性、フィリピン人33歳女性、いずれもいわゆる花粉症でやってきた。どうしたの?と訊ねると「かふんしょう」という返事。花粉症という言葉が世界の共通語になるのも近いかも。フィリピン人女性39歳、日ごろ、食べていないと言うがLDLコレステロールが高い。とりあえず、食事療法の話をしたところ、薬も欲しいというので内服薬を処方したが・・本当に食べていないのか、怪しいとにらんでいる。食事療法は守るように指切りげんまんをさせた。薬を飲み始めたからと食事に気を使わないのでは意味がない。この彼女、あるトラブルを抱えているとフィリピン人スタッフから聞いた。地域の学校ではまだ日本語がわからないフィリピン人の子弟のため、そして親のためにフィリピン人で日本語が堪能な人にお願いして、教員との面談の時など、学校に来てもらう制度ができあがっているのだが・・・そこで知ったフィリピン人の家庭のことについてそのプライバシィを第三者に話してしまい、それがコミュニティに広がってしまい、めぐりめぐってそのフィリピン人保護者の知るところとなり、けんか状態となっているばかりではなく、コミュニティの中での信頼が失墜しているというのだ。医療機関に勤務していれば、我々は日ごろから患者のプライバシィを守ることに最大限、気をつかっている。それを職員にも徹底している。しかし、プライバシィの大切さを徹底して教わっていないとこういうことがおこる。通訳とは言葉ができればいいということだけではいけないという典型だ。今後、日本のあらゆるところで外国人が増えると、通訳という仕事を任される人も増えるはずだ。そのときに「通訳の心得」みたいものを徹底しなければいけない、安易に「言葉ができるからちょっと来て」ではこういうトラブルはなくならないだろう。
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2019年02月22日
平成31年2月22日金曜
先日採血したナイジェリア人男性45歳、結果を聞きにやってきたはずなのだが・・・受付の職員が言うには「怒っている」という。午前の診療時間も押し迫り、彼の後にやってきたHIV検査希望のスリランカ人男性を先に診察室に入ってもらったのがその原因かと思ったのだが、そうではなかった。HIV即日検査は結果が出るまでに20分かかる。彼を最後に診ると、昼休みに20分食い込んでしまう、そうすると僕だけではなく、看護師、受付職員に20分の超過勤務を強いなければならなくなる。それで診察の順番を入れ替えたのだが・・それが原因ではなかった。スリランカ人男性は性交渉があってからまだ検査の結果が正確に出る日数に足りていなかったので、数分で終了、ナイジェリア人男性に診察室に入ってもらった。すると、数日前に採血した左の肘関節部を見せてくれた。皮下出血があった。採血の後、よく押さえておかないと局所に皮下出血をおこしてしまう。日本人の患者にはよく話して押さえてもらうのだが、それでもたまに皮下出血を起こしてしまう人がいる。今回もこの男性に声掛けをしているはずなのだが・・あくまでも「しているはず」としか言いようがなく、これは皮下出血で10日も経てば色が黄色っぽくなり、しだいに消失すると話すと穏やかな顔つきになった。血液検査の結果、健診でひっかかった血糖値は正常範囲に下がっていたが、もうひとつひっかかっていたLDLコレステロールは170程度に上昇していた。薬はあまり内服したくないという話なので、食事療法について説明した。
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2019年02月21日
平成31年2月21日木曜
昨日、早起きして岡山まで往復してきた。一般財団法人国際貢献プラットフォームが主催の第一回日越国際シンポジゥムのシンポジストを依頼されていたので。岡山市と接している総社市の片岡市長と席が近く、話を個人的にさせていただいたりしたが・・・ベトナム人の技能研修生はすごい勢いで増えている。現在、日本に在留する外国人の国籍第三位がベトナムで、一位が中国、二位が韓国・朝鮮、四位がフィリピンだからそのすごさがわかる。たしか30万近くと記憶している。これらの技能研修生は実際には労働力としてすでに日本の経済を支えつつある。またほとんどの研修先が中小企業であり、少子高齢化の労働力不足の波をもろに受けている「地方」の企業、自治体ほど誘致に熱心であり、それは地域にとっても死活問題ととらえているからだと思う。多文化共生の知恵がいよいよ地方にも必要になってきた、しかもその必要性はすでに待ったができないところにきている。一方、僕のクリニックのある大和市では40年前に国の意向を受けてインドシナ難民の国内受け入れ施設であるインドシナ難民定住促進センターが設置されたことをきっかけに市内に住む外国人が急増し、横浜市と接している市内南部の団地ではいまや住民の30%以上がベトナムをはじめ、海外にルーツをもつ人々で占められている。今こそ団地の運営もうまくいっているようだが、当初は言葉のちがいや習慣のちがい、考え方のちがい、そしてごみの分別収集などに典型的に代表される日本の日常生活のルールに対する理解のなさなどから多くのトラブルが発生した。こういう大和市が蓄積してきたノーハウは今こそ技能実習生をはじめとする外国人の急増に対する多文化共生を迫られる全国の自治体に発信すべきときと思う。昨日、シンポジウムを聞いていて、なぜ地方で多文化共生か?と思ったが、留学生や就学生は学校のある都会中心、それに対して技能実習生は中小企業が工場等を持つ「地方」に多いからだろうと気がついた。
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2019年02月19日
平成31年2月19日火曜
ナイジェリア人男性48歳、北隣のS市から初めて来院。S市からナイジェリア人がよくやってくるので、訊ねてみたら案の定、クリニックに来ているという友人から紹介されたとのことだった。会社での健康診断の結果を持参、LDLコレステロールが中等度に上昇していて血糖値が正常限界をわずかに超えていた。前者についての相談に来たそうで、血糖値が正常値よりわずかに高いことを告げると驚いたようすだった。食事をしてこなかったのでまずは採血をしてほしいというので採血はしたが・・その後、よくよく訊ねると高血圧で医療機関から内服薬を処方してもらっているとのこと、何を内服しているのか、尋ねてもわからないと言うので次回は薬そりものか、お薬手帳があればそれを見せてほしいと話した。不思議に思ったのは現在、降圧剤を処方してもらっている医療機関があるはずなのに、どうして僕のクリニックにやってきたのかということだ。次回、これも訊ねてみたい。スリランカ人男性23歳、某国立大学への留学生。11月ごろから左の脇腹が痛いと悩んでいて、すでに診察は数回済み。近くの公立病院で撮影した胸腹部のCTの結果を聞きにやってきた。結果は何も異状がないと書いてあり、それを全部英語で読み上げたのだが、納得がいかないようす。11月に殺虫剤を左の手にかけてしまったらしく、そのせいで左の脇腹が痛くなっている、要するに体に殺虫剤の毒が入っていると信じているのか、恐れているのか、精神的な要因が強いと思われる。なかなか納得してくれず、難儀した。カンボジア人男性31歳、難民として来日したカンボジア人女性に連れられてやってきた。1カ月前から左のふとももにしこりがあり、2週間前から痛いというので触ると、リンパ節と思われる有痛性のしこりが確かにある。左の鼠蹊リンパ節も脹れているが、痛みはないよう。念のためにエイズと梅毒の即日検査を行うと言うとついてきたカンボジア人女性がぜひ、してくださいと言う。その手の疾患を疑っていたのだろう。結果は両者とも陰性。とりあえず抗生剤のㇾボフロキサシンを処方した。
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2019年02月18日
平成31年2月18日月曜
隣のA市からやってきたブラジル人男性48歳、名前を呼んだら小さな女の子がいっしょに入って来た。入ってくるやいなや患者用の椅子のうしろの採血をするときに使う椅子にちょこんと座ってしまった。よく顔を見たら、母親がカンボジア人、父親が日本人で両親ともに僕が診ている、そのお嬢ちゃんだった。たしか小学校1年か2年のはず。幼稚園に入る前ごろ、初めて両親に連れられてやってきたときには両親の後ろにすぐに隠れてしまい、下を向いて一言も話しをしてくれなかったのに・・・あれ。どうしたの?と訊ねると「お母さんといっしょに働いている人でついてきたの」と。当の母親は車の中で待っているという。ブラジル人男性の話がよくわからなかったが、なんでも検査してほしいというようなことだった。理由を聞くと仕事が見つからず、もうすぐ帰国するからだと話してくれた。これでは保険診療はできないので、よくよく訊ねると両親が糖尿病で最近疲れやすいので心配になってきたのだと言う。ただ心配だから検査してくれではだめだが、症状があるなら保険診療することができる。たぶん、お嬢ちゃんは万が一の通訳を兼ねてついてきたのだろう。そういえば以前にこの母親が職場が同じだという韓国人女性を連れてきたことがあった。こんなに外国人がたくさんいる職場、雇っている会社ってどんなところなのだろうと想像してしまう。 日本の一部ではすでに外国人の労働力抜きでは成り立たなくなっているのだろう。そういえば紹介されてやってきた韓国人女性も定期的に受診をしてくれている。お嬢ちゃんの母親のカンボジア人女性もきっとそれなりに僕を医師として信用してくれているようだ。ありがたいことだ。そうそう、昨晩、海外からやってきている友人を連れて両国でちゃんこ鍋を食べた。大広間で注文を取っていたのは中国人女性とベトナム人男性だった。
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2019年02月16日
平成31年2月16日土曜
ベルー人男性46歳、肺がん検診を受けたいと来院。カルテを出してみたら、2年前に大腸がん検診と特定健診を受けていて、結果を聞きに来なくてそのままになっていた。胸部レントゲン撮影を行い、異常なしを確認。そして2年前の大腸がん検診の結果と特定健診の結果の説明を行った。中性脂肪が300を超えていた。こりゃ驚いたというような表情であったけど、それはもう3年前のこと、体形的には変わりがないようなので、たぶん現在も同じようなデーターとは思うが、2年前のデーターではすでに意味がなさそう。すべてが終わったところで、「明日暇なので胃がん検診で内視鏡検査を受けたい」と言い出した。今日の明日で・・・と思ったが、あすだけ内視鏡検査の予定が入っていないとスタッフが教えてくれた。こんなに「いい加減」でも運よく希望通りになってしまうものだから、次も行き当たりばったりでもokと思ってしまうのだろう。そういえば2月12日連休明けの平日の外国人患者総数は26人だった。平時としては記録的。
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2019年02月15日
平成31年2月15日金曜
タイ人女性46歳、受付で相談があると話したらしい。何の相談なのかと思っていたらタイにいる父親が糖尿病だそうで、心配になってやってきたという。幸いなことに何も食べていないと言うので採血、採尿したが・・検査が終わった後に、「朝、コーヒー飲んだ」と一言。砂糖を入れていたとしたら、空腹時血糖ではなくなってしまう。ナムタン*は入れた?と訊ねると、「ううん、ミルクだけ少し」と言うので、ほっとした。毎朝、郵便物の整理をするのだが、あまり聞いたことがない会社から、それも2つの会社から電話医療通訳や院内掲示の翻訳などのダイレクトメールを発見した。必要だから・・・というよりビジネス チャンスと捉えてのことだろう。そうでなくても診療報酬点数はほぼ上がらない状態。保険診療では最終受益者であるはずの患者に消費税をまわすことは法的に許されておらず、今までも保険診療の中で使う薬剤等の消費税は医療機関の負担となっていた。今回の診察料のアップはその消費税が8%から10%にアップする、その「付け替え」にすぎないので経営上は「上がった」ということではない。そういう経営状況の中で業者からのこういうダイレクト メール、なんとも言えない気持ちになる。
*ナムタン:砂糖(タイ語)
*ナムタン:砂糖(タイ語)
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