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2025年06月21日

2025年6月21日土曜

20日の患者総数は55人、うち11人が外国人で全体の20%を占めていた。
 国籍別にはフィリピン8人、ペルー1人、タイ1人、ベトナム1人。
 保険別では社保が10人、国保が1人であった。社保と国保の割合を見ていると社会の状況がわかるようだ。バブルの後、ずっと続いた景気後退期には国保加入者が多く、社保が極端に少なかった。社保の加入用件が事業所にて常勤で働いているか、非常勤でも週の労働時間が常勤労働者の3/4だったか2/3をクリアしていれば社保に加入させなくてはならないからだ。社保に加入するとその労働者と事業所で社保の掛け金を折半して払うことになる。事業所はそういう「お金のかかる」労働者を避け、派遣や細切れの時間の非常勤労働者を雇用し、彼らは国保に加入していたからだ。いまの状況はたしかに景気がよくなっているということなのだろう。
 ずっと頭痛の種だったのがペルー人41歳の胃がん検診での内視鏡検査。彼女の肥満は日本人には想像できない、いわば欧米の血が入った特有の極端な肥満で、しかも不安なので静脈麻酔下に検査を行ってほしいと言う。彼女のたどたどしい日本語と僕のたどたどしいスペイン語で検査を始めようとしたが・・・ベッドの上に休んだ彼女の腕を見てもない・・・静脈が見つからない。注射をするまでに四苦八苦。そしてようやく注射が終わり、内視鏡を挿入しようとしたのだが、麻酔下なのに、本能なのか、手で振り払おうとする。挿入にはそんなに苦労はしなかったが、挿入した後も抑えていた手を振りほどき、内視鏡を抜こうとする。はらはらしながら抑えているスタッフを励まし続け、検査は割と早い時間で終了した。
とくに異常所見もなく、説明も終え、帰り際、たくさんありがとうとスペイン語で言われた。
笑顔で応えたが、外国人の内視鏡検査はけっこう大変。心してかからねばならない。
posted by AMDA IMIC at 18:30 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)