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2024年09月07日

2024年9月7日土曜

 木曜日とうって変わって外国人患者が17人もいた6日金曜日。考えさせられた患者が2人。
 フィリピン人男性22歳、胸が痛いと来院。同じ年頃の少し日本語が話せる男性が付いて来た。実習生で来日6か月とのこと。仕事は建設業。胸の音を聴いても異状なく、血圧も正常。念のために胸部レントゲン写真を撮影しても自然気胸などの所見はなし。心電図も異状なし。待合室を見ると、待っている間、スマホで楽しそうにゲームをしている。僕が英語で話すと戸惑ったような顔つきで、返事が返ってこない。日本語で話すと「はい」という返事は帰ってくるが。「わかりました」の「はい」ではなく、単なる相槌だ。たまたまフィリピン人スタッフがいない時間帯だったのでいろいろと聞き出すのに苦労したが、わかつたことは仕事のストレスが強い、仕事が早いと話していたこと。たぶん、メンタルの問題だろう。とくに処方はしなかったが、フィリピンでの働き方を「標準」と考えるのなら、日本の仕事はつらいのだろうと思う。
 午後一番にやってきたのはベトナム人女性21歳。午前中に市内の医療機関から胃が痛いというベトナム人女性を行かせていいか?と連絡が入っていた人だ。スマホを持っていて、スマホの先には会社のベトナム人通訳がいるとのことだった。この通訳とやりとりをしていてわかったことは・・・彼女も実習生、来日して9か月。1週間ほど前から胃が痛いという。痛いところを触ってもらうと右中腹部、いわゆる胃のあたりではない。さらに訊ねていく。便の下痢状態で腹痛には波があるという。ここまで訊ねて、およそ疾患のめぼしをつけた。感染性腸炎で熱がなくても同じような症状になるが、来日してから何回か、同じような痛みがあったというので、過敏性腸症候群と推察した。会社の通訳はむずかしい医学的に日本語はわかりそうもなかったので、別の場所で働いていたベトナム人スタッフに事情を話して電話通訳してもらった。やはり僕の推察はまちがっていないと確信した。トリメブチンとビオスリー、それに腹痛時に備えてスコポラミンを処方しておいた。次回はベトナム人スタッフが来てくれる28日に来てもらおうと話したら、会社の通訳が仕事が入っていて彼女は休めない、原因はストレスですか?と問うてきた。たぶん、そうなのだろうが、せっかくベトナム語のスタッフが勤務しているという28日に「行けない」「行かせられない」という働き方のところにいるなら、そりゃストレスはたまるだろう。
 ふたりについては帰国したら、翌日から症状がなくなる気がする。
posted by AMDA IMIC at 00:00 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)