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2024年08月09日

2024年8月9日金曜

 朝、米軍基地に勤務している男性から右の腹痛と下痢があるが診てもらえるか?と連絡があったと受付から聞いた。どうぞと答えると、しばらくしてそれらしき人物のカルテが届いた。米国人男性31歳、問診票には発熱はないと書いてあったので、軽い感染性腸炎なのか?と推察したが、右側だけ痛いというのもおかしなことと思った。診察室で直接、話を聞いた。
8月4日から腹痛が出現、その夜は痛みで寝られなかったと言う。当初から水様の下痢があり、発熱はなし。腹痛は疝痛なのかどうか、質問してもよくわからない。ベッドで横になってもらい、痛い場所を触ってもらうと、それは右の季肋部だった。そして大きく息を吸ってもらいながら季肋部を押すと、うっと唸って息が止まってしまう。二回繰り返したが、反応は同じだった。一般的にこのような反応は胆管炎などの反応だ。さらに情報を得ようと、白血球数とCRPをチェックすると、前者は10800、後者は22.2でデーターからは細菌感染を疑わざるをえない。そして部位的には肝胆道系を。ただ、発熱がないこと、水様の下痢があること、そして4日の腹痛と比較するとだんだんと軽くなってきているというのが気になってしかたない。実際、腹痛などあるのか?というように外来のソファに座っている。ここで僕の直感と結論が・・・・通訳がいないうえに自費で診療を受けざるをえない、近くの日本の医療機関を紹介することはやめて、初めて横須賀の米海軍病院に英語で情報提供書を書いた。海外に派遣されていたかもしれず、また彼らの文化をすべて理解しているわけではない。赤痢アメーバ―など肝膿瘍の原因となる疾患もあり、そのような疾患のことも頭に入っている同病院で精査あるいは加療を受けることが一番と思ったからだ。ぜひ、結果を教えてほしい。彼には結果がなんでもないというのなら、笑ってくれと話したが、彼はいやいや、大切に思ってくれてありがとうと返してきた。
 先日から降圧剤のことで話が二転三転しているフィリピン人女性61歳、午後の遅い時間になり、再びやって来た。今日の午後の血圧が180まで上がって、胸が苦しいし、動悸がするという。彼女が今飲んでいるという薬を見せてくれたが、驚いたことに今週の月曜だったか、内服しなくてもいいと話したイルベサルタン100mgを追加で勝手に内服していた。計測すると、たしかに180ぐらいはある。脈も速く、彼女の言葉を延々と聞くよりもまず心電図を取ることにした。心電図では脈拍は98、器械の診断では真菌虚血の疑いと出た。すぐに市内の循環器専門病院に情報提供書をしたためた。明日には必ず行くようにときつく話したが、さて今日、行ってくれるかどうか・・・
posted by AMDA IMIC at 09:40 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)