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2024年08月08日

2024年8月8日木曜

 火曜日に書ききれなかったもうひとりのフィリピン人女性66歳、30代の終わりごろから片頭痛でときどき、やってくる。年齢もあがり、片頭痛の発作は「ほんのときどき」になっている。彼女の困るところは自分でこうと思い込むと、こちらが科学的に理論だって話をしても、不安そうな目をして受け入れなくなってしまうことだ。火曜日も発熱と咽頭痛で来院、新型コロナを疑って簡易抗原検査を行おうとしたが、「今までコロナに罹ったことはない」と言い張り、抵抗する。ようやく説得して検査を行ったら、陽性。すると今度はパニック状態。僕の話やフィリピン人スタッフの話を冷静に聞くことができない。火曜に書いたフィリピン人女性とこのフィリピン人女性とで説明にきっと1時間以上、かかっているはず。理論が通じない、これは医師である僕と患者である彼女たちの知識が同じであるわけがないので、当たり前といえば当たり前。だからこそ、例をあげたり、わかりやすくかみ砕いて説明しているのに、通じない。実はこういうことは欧米人にもごく少ないが一定数存在していて、外国人を診察していて一番疲れ果ててしまうケースだ。
 スリランカ人女性69歳、前日より軽度の発熱と咽頭痛。新型コロナ簡易抗原キットで陽性。処方と生活についてのアドバイスをした。
 フィリピン人女性64歳、高血圧と糖尿病がある。最近はますます体重が重くなり、膝の痛みで整形外科を受診中。以前は痛みに対してロキソニンを「ときどき」内服していたらしいが、最近は毎日内服しないと痛くてたまらないという。そうだろう、彼女の細い脚はあの巨体を支えるのにとっくに悲鳴をあげているのに・・・こういう痛みが出るともう運動療法はできない。食事療法で・・・と話しても、「日本の米がおいしすぎて絶対にやめることはできない」と宣言する。こうなると打つ手がなし、いずれ車椅子になってしまうだろう。第二、第三の彼女はたくさんいる。フィリピン人に限らず、南米の人でも米国籍の人やアフリカの人でも。車いすになるともはや「介護される側」となってしまい、働くこともおぼつかなくなり、中には生活保護となってしまう人も出てくる。こうして医療費が増加していくかと思うと、なんともやりきれない。あれほど、注意しているのに。
posted by AMDA IMIC at 08:52 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)