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2024年05月21日

2024年5月21日火曜

 問題ケースが3つもあった一日。
 ベトナム人男性25歳、実習生。10日前よりときどき、息が苦しいと来院。息が入らなくなるような気がするとのことだった。直感的に過換気症候群を頭に浮かべた。呼吸音は異状なし。ベトナム人スタッフに電話で通訳をしてもらい、症状の把握に努めた。まずは大きな病気がほんとうにあるのかどうか、確認したいので胸部レントゲン写真を撮らせてほしいと話した。写真には全く異状なし。これを通訳を交えて説明。すると心臓が苦しい時もあるので心電図も撮ってほしいと言い出す。拒否する理由はないので検査を行うもこれもまったく異常なし。説明しているうちに「いまも少し苦しい」と言い出した。でもs-Po2は99、過換気症候群あるいはヒステリックなのか? 過換気症候群について説明し、防ぐ方法も説明した。薬が欲しいとのことで、薬はないというと大きい病院で精査したいと言う。近くの公立病院の呼吸器内科へ情報提供書を書いたが、事務より連絡あり。待合室で同行してきたベトナム人男性と談笑しながらゲームをしているとのことだった。
 フィリピン人女性45歳、派遣で某病院の清掃を行っている。仕事中に前額部を強打して5時間後に来院。腫れあがっていた。冷やすしか方法がないので、そのように「指導」したが、問題はそれから。会社が労災になるのかどうか、先生に聞いてくれ?と話したとのこと。保険は国保なので勤務時間、日数が社保に入るほどはないのだろう。「もちろん労災で、これをあなたの国保を使って診療し、その自己負担分だけを会社が払いますというのは労災隠しになるのでいけないことだ」と説明した。たぶん、労災保険加入の手続きを怠っているのだろう。
 70代の南米の某国の女性、娘さんが連れて来た。この娘さんはお子さんの病気などで20年以上、クリニックに来ている。問題は70代の母親のことだそうだ。病気が多く、いまは短期滞在で来日しているそうだが、故国にいる妹はペースメーカーを入れていて、介護ができない、だから日本に引き取りたいが、入管に一度は拒否され、1か月の在留期間延長になってといるのだそうだ。介護が必要という書類があれば、在留許可が出るのではないかと相談した弁護士が言うので・・・と聞いたところで、僕に証明書を書いてほしいのだなと理解した。故国の医師が書いた診断書を持っているというので、スマホを見せてもらうと走り書きしてあり、読み取れるのは糖尿病と脳梗塞と心房細動と高尿酸血症があるということ。娘さんは17種類も故国から持ってきた薬を内服していると言うのだが、薬などに関する書類を持参しておらず、まったく状況がわからない。日本では医療機関を受診していないというが、1か月ほど前に彼女が母親を病院に連れて行き、日本語が全くわからないので通訳もしなければならず、ストレスだと話していたことを思い出した。今は病院に行くと自費診療となるので、まずは在留資格を取りたいために弁護士が言うところの介護が必要だという書類を僕が作成してくれるかどうかを確かめに来たのだと思う。たしかにかなり太った方で足元がおぼつかなそうなのはわかる。しかし、問題は故国にいるという彼女の妹が母親の介護もできないほど健康を損ねているという証拠がないことだろうと思う。それにこの母親の医療についてはまずは僕ではなく、糖尿病や循環器内科の専門医での検査治療が必要なのだろう。僕の結論としては彼女が僕に期待する役割は単に介護が必要であるという入管向けの書類の作成だけなのだろう。これはできない。ついつい思ってしまうことは・・この母親の在留資格が認められたら、医療機関での治療はどうしても必要だ。そして場合によっては将来的には介護も必要になるかもしれない。決して裕福ではない彼女が母親の面倒をどうやって見ていくのかと考えたとき、母親や父親だけ世帯を切り離して生活保護としているケースが少なからずあることが気になってしょうがない。
posted by AMDA IMIC at 08:51 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)