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2024年03月30日

2024年3月30日土曜

 台風のような29日金曜日、午後になって急に日が差し、暖かくなった。けっきょく僕が拝見した外国人患者は15人。
 ショックだったのはフィリピン人男性66歳、胸が重くて苦しく、胸部レントゲン写真では心肥大、心電図を撮ると循環器専門医ではない僕には異常ということはわかっても、具体的なことがわからず、至急に市内の循環器専門病院に紹介状を書いて行ってもらったのが、数日前。当該病院の担当医から封書の返事が届いた。読んでびっくり。心電図ではびまん性の壁の運動低下であるという。冠動脈CTを勧めたのだが、本人がもう症状はよくなったからと断ったのだそうだ。やむをえず、利尿剤だけ処方したが、「当院ではくすりだけのフォローアップはしないので返します」と書いてあった。専門医としては利尿剤だけの内服では治療に責任が持てないほど、深刻な状態ということなのだろう。要するに専門医の言う方針に従えない人は診ないという意味にちがいない。うーん、それでいいのだろうか?ここで疑問は本人が医師の日本語をしっかりと理解したうえで断ったのか?ということだ。英語で話したとしても英語が実は理解できないフィリピン人も少なくないからだ。いつ、どのようになるか、わからない患者を管理するこちらも困ってしまう。いつ、死ぬようなことがあるかもしれないが、主治医の指示が守れないなら来るなとでも言うのだろうか?
 フィリピン人男性52歳、胃の具合が悪いというので1月に上部消化管内視鏡検査を行って、結果は異常なし。念のために胃酸を抑える薬を使っているのだが、居住地が県内の遠方だ。電車で1時間ぐらいのところ。近くで診てくれるところを見つけたので、そちらに移ってもいいか?と訊ねられた。基本的には日本人同様、居住地の近くで診てもらえるほうがいいに間違いない。これはうれしいことで、診てくださる医療機関に感謝の言葉を申し上げたい。
 インド人46歳、男性、脂質代謝異常症と高尿酸血症で横浜市の遠方から通院中。近くで受診できるところがあったら紹介状を書くと何度話しても、ここまで来るからいいと言ってくれる。いつもの診察。
 フィリピン人女性59歳、高血圧で受診中。段々と体重が増加しているようなので、このままでいくと膝が痛くなるよと「警告」していたのに・・・両ひざ関節に水が溜まり、手術を受けたと友人が教えてくれた。彼女に限らないが、今にも膝が体重を支え切れずに悲鳴をあげそうなフィリピン人、ベルー人、米国人がたくさんいる。もはや運動では対応できない・・・というより運動したら膝に負担がかかって壊れてしまう。こうなると、やせる手段は食事制限しかなく、それはできないという人たちが多い。車椅子や寝たきりの生活が待っているし、働くことができなければ、故郷にお金を送ることもできず、むしろ介護保険のお世話になるようになってしまう。そんな近未来が見え見えで恐ろしい。
 カンボジア人男性57歳、胸が重いと来院。とくに呼吸音も血圧も問題はなく、胸部レントゲン写真を撮影しようと話した。撮影室に行くとスマホを手にしている。写真を撮ってほしいと・・・なぜ?と思ったが、会社に見せて本当に医療機関を受診したことを確認してもらうためだと言う。納得した。結果はすべて異常なし。わかったことは極端な睡眠不足。
 フィリピン人女性21歳、呼吸器系症状で来院。新型コロナの抗原検査が陽性。昨日書いた教会関係者のひとりでパーティ出席者。本人が言うにはまだまだ咳をしている人がいるとのこと。
posted by AMDA IMIC at 08:18 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)