フィリピン人男性65歳、本年初頭に脳出血で緊急入院。入院中に脳動脈瘤があることが判明、医師からは開頭してのクリッピング手術を勧められていたが、怖くて決心がつかず。何回も意見を求められた。医師の勧め通りのクリッピングがよいと僕の考えを述べた。それから数か月経過した昨日、手術を終えて無事に退院し、あいさつに奥様とやってきた。元気そうでほっとした。今後も以前通りに血圧をコントロールしていくことにしたが、以前のようにいい加減な通院はしないようにと釘を刺した。
ぺルー人女性34歳、めまいと吐き気がするという。これだけでは何の病気かわからない。高血圧や消化管の疾患、メニエールや新型コロナだって否定はできない。まず、クリニックの中に入ってもらってよいという決断を下し、診察室で詳しい症状を聞くと、下痢はしていないが、いつもより便が柔らかいとのこと。ここで吐き気を伴う急性感染性胃腸炎の軽いタイプと診断できた。やはり母語で訊ねるとさらなる情報がわかるようだ。
ベトナム人男性20歳、吐き気と下痢。彼も感染性腸炎でかつ脱水が進んでいる。点滴をするところまではベトナム語医療用語集でなんとか切り抜けたが・・・さらに詳しい説明をしようとベトナム語スタッフに電話連絡したところ、連絡が取れず・・・どうしようかと思ったところでひらめいた。たまたまだが・・・隣のベッドで熱中症で点滴を受けていたのが、中国系ベトナム人でインドシナ難民として日本に定住している81歳の女性だったのだ。頼み込んで彼女に通訳してもらった。もちろんむずかしい単語は使わずに。
フィリピン人女性48歳、介護職だという。会社の新型コロナ抗原キットで陽性。どうして検査を行ったのか、なにか症状があったのか?と訊ねてもはっきりとした返事はなし。フィリピン人スタッフが駆けつけて来て理解できた。同じ介護の職場にいるフィリピン人が僕のクリニックで新型コロナ抗原検査陽性と判定され、以後、施設で全員の抗原検査を毎日行っていたところ、陽性に反応が出たということらしい。新型コロナも予防接種を受けた人ならこの程度の疾患になってきたのかと感慨深く思った。
2023年07月14日
令和5年7月14日金曜
posted by AMDA IMIC at 09:23
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