ベトナム人男性82歳、不眠症でときどき睡眠導入剤を処方している。本人は日本語が上手のつもりのようだが、「てにをは」だけでなく、よくわからないことが多い。ベトナム人スタッフがやってくる土曜日を教えて差し上げて、「この日に来てください」とお願いするのだが、聞いてくれたためしがない。結果として意思の疎通がうまくいかないことがあり、本人もいらいらするらしい。年長者としてのプライドではないかと思っているのだが・・そういえば家族がいっしょにやってきたなんてことはない。もしかしたら一人で暮らしているのかもしれない。
アフリカの某国のあかちゃん、待合室で母親にだっこされているときに耳のピアスに気がついた。生後3か月だそうだ。以前はよく、あかちゃんにピアスをあけてほしいと南米の方に頼まれたが・・・開けるための処置をしているとドアの外から母親が泣きながら見ているなんてことがあり、精神的に重荷となりやめた。日本人にはない習慣だろう。
タイ人女性17歳、糖尿病有。数日前から腹痛、かなり右下腹部に限局してきたと来院。白血球数は1万を超え、正常値が0.2以下のCRPは15を超えていた。急性虫垂炎を考え、近くの公立病院に電話して受け入れを打診。外来患者受付時間の11時までなら受けるとのこと。時計は10時40分。あわててタクシーを呼んであげてそのまま乗って行ってもらったが・・・・このような救急のケースに「11時までに来ること」をかたくなに迫るのはどんなもんだろう?
ベルー人男性61歳、2日前に某耳鼻咽喉科を受診。のどが痛かったからだそうだ。そこで新型コロナとインフルエンザの検査を行って陰性だったが、発熱が続いていると来院。聞けば発熱してから検査を行うまで数時間しか経過していなかったようなので、上記二つの検査を再検したところ・・・新型コロナは陰性だがインフルエンザが陽性、A型だった。発熱後、48時間をごくわずかに超えていたので、一筋の期待を込めてオセルタミフルを処方した。
近くの米軍基地に勤務する米国籍の男性と奥様。奥様が先に発熱、続いて男性が発熱。自分でキットを購入して新型コロナとインフルエンザの検査を行ったが陰性。しかし、ご主人の発熱が続いているために来院。すでに奥様は解熱している。検査した時間を訊ねると、やはり発熱してからすぐにあわてて検査したようだ。わけを話して再度、両者の検査をさせてもらったところ、うっすらとA型インフルエンザが陽性だった。たぶん、奥様もA型インフルエンザだったのだろう。すでに4日目となっているため、オセルタミフルを処方しても意味がなく、対症療法にとどめた。
2023年03月31日
令和5年3月31日金曜
posted by AMDA IMIC at 12:01
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