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2023年03月17日

令和5年3月17日金曜

朝一にやってきたカンボジア人女性84歳、いつもの高血圧等の診察を終えておしゃべりタイム。インドシナ難民として日本にやってきたのは33年前、もうこんなおばあちゃんになっちゃったよおと笑う。先生、あのころはまだ市立病院にいたよねえ、難民定住促進センターの医者さん、してたよねぇと言われた。その通りだ。僕の医者人生の半分近くはカンボジアやラオス、ベトナムから定住目的でやってきたインドシナ難民の人たちと関りがある。急に真顔になり、今日は孫が車で送ってきてくれたから来れたけど、そのうちに足が痛くなり来れなくなったらどうしようとおっしゃる。「せんせい、ここやめないでね、いつまでも診てね」と言われた。その気持ちには感謝の意を込めて深く頭を下げるしかない。
 数日前に別々の会社の健診でわずかにs-GPTが高値だったタンザニア人男性とフィリピン人男性、再度、血液検査を行って結果を用紙に書き込み、会社に提出しなければならない。
まずは通常の項目だけをチェックとも思ったが、結果を見て再度異常値について考えられる疾患から検査を組み立てるのでは二度手間になると思い・・・・二人ともA型肝炎抗体を検査項目に入れておいた。なにしろ、東南アジアや南米の出身者でわずかにs-GPTが高値の場合、僕の印象では9割以上の確率でA型肝炎抗体が陽性で、過去に罹患してそのためにときどきs-GPTがわずかに高くなるときがあると推察できるからだ。案の定、二人ともHA抗体が陽性だった。ところがs-GPTの数値はというと、二人とも今回は正常範囲内であった。この数値を見てからならHA抗体など調べないだろうと思う。するとs-GPTが高値であった説明ができなかったかもしれない。
 午後になって隣のZ市にいるという米国人男性から電話あり。一か月以上前から咳がひどく、近くの医療機関に行ったが、治らないので診てほしいとのことだった。しばらくしてそれらしき人が現れた。咳はかなりひどく、胸部レントゲン写真を撮影したが異常なし。前医でもらっていたという薬の内容は咳止めと抗生剤であった。それらを3週間も内服していたという。新型コロナやインフルエンザにしては経過が長すぎる。普通の風邪だとするとなぜ、ウィルス感染に効果がない抗生剤を長く処方していたのか、理解ができない。隣の部屋の小児科で診てもらったところ、喘息とのことだった。
posted by AMDA IMIC at 09:38 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)