11日の土曜日は朝から外国人患者ラッシュ。気がつけば僕の診察室だけで外国人患者18人、
小児科を含んだ外国人患者総数は30人以上だろう。小児科のほうの待合室はまるでリトルマニラ、僕のほうは診る患者診る患者、外国人ばかりで10時半の時点では診た日本人は4人だけだった。要するに、いま、クリニックの経営は外国人患者抜きでは語れないということだ。
そういえば前日、フィリピン人スタッフから高血圧で通院し、昨年は大きな熱傷で半年も通院していた女性から電話があったと教えてくれた。仙台の病院の中からで、「娘に無理やり入院させられたが、出してほしい」という内容だったらしい。こちらに戻ってきたいが、荷物をそのままにしてきた家にすでに別のフィリピン人が住んでいると訴えたとのこと。娘とは犬猿の仲?らしいが、そういう家庭内の事情には立ち入りできない。病院は精神科の病院だということなので、本人がいやがるのに入院させられているということは措置入院なのだろう。しかし、彼女を長く診ているが、かなりいい加減な性格とは思うが、措置入院するほどの精神疾患はなかったと思う・・・と書いているうちに一つだけ気がついた。てんかん発作があるのだ。グランマール・タイプの発作で、言葉がわからないからと前の医療機関から引き継いだ時から抗てんから薬を処方しているのだが、いい加減な性格で一か月も内服していないことがあり、何度も本人に厳重注意していたことを思い出した。彼女については様子を見るしかないだろう。
ベトナム人男性37歳、胸やけがひどいと来院。内視鏡検査を受けるつもりで空腹でやってきたという。しかも県内のかなり遠い地域から。こういうケースは困る。理由は検査を当日してさしあげるということは予定外に検査を組むということであり・・・外来が混んでいるかいないかとか状態が救急かそれに準じた状況なのか?により、対応してあげたくてもできないことがあるからなのだ。先生、ほんとにこれから検査するの?というスタッフの声が耳に痛い。けっきょく、内視鏡検査を行ったが、明らかな逆流性食道炎の所見はなし。ただし、内視鏡所見がなくても明らかにそれらしき症状を訴える人がいるので、プロトンポンプ インヒビターを2週間ほど処方して様子を見ることにした。
タイ人女性76歳、診察室に入ったとたんに、なにやらにおう。にこにこしながら、かばんの中から大きな包みを取り出す。いつも高血圧で受診する際に自分で作ったタイ料理を持ってきてくれるのだ。今日はカノムチンとソムタムですよぉとやさしい声。カノムチンは麺が日本のソーメンそっくり。そこにたれをかけて食べるのだが、おいしい。においの元凶はソムタム。正直、かなり臭い。きっと待合室までにおうにちがいない。血圧を計測しようはカルテをめくると・・・2月に本人の希望で2か月分処方している。まだ一か月分残っているはずで、きょう、再度2か月分処方すると、レセプト審査で可能性がある。「まだ薬が一か月分あるはずだけど、今日はどうしたの?」と訊ねると・・「クンモウがきょう来てと書いてくれたから」と言って笑いだした。そう、僕はすべての患者に次はいつごろ来てほしいと日付を書いた紙をと手渡すのだが、通常は一か月分処方するので、彼女にも誤って一か月後の日付を書いて渡したらしいのだ。そして、それに気がついたのに彼女が来てくれた理由は土曜日にやってくるタイ語のスタッフや僕やスタッフがタイ料理が好きなことを知っていて、喜ぶ顔が見たいと来てくれたので。深くワイをして作ってきたものをいただいた。気持ちがありがたい。
2023年03月13日
令和5年3月13日月曜
posted by AMDA IMIC at 10:21
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