発熱患者は急性感染性腸炎等を含んで毎日、そこそこの人数だが、呼吸器系の発熱者はかなり少なくなり、検査を行っても新型コロナはおろか、インフルエンザも急に減少してきた。医療機関にとっての課題は新型コロナに対する来週からの一段の緩和への対応だ。僕のクリニックのような発熱医療機関では今までのように発熱者は外で待ってもらうのか、あるいは中で待ってもらうべきなのか、発熱対応をしていなかった医療機関ではそもそも、新型コロナの検査をすることなく、発熱者を診て、しまってよいものか、難しい判断を迫られるだろう。
フィリピン人女性53歳、前日の夜に腹痛、下痢で休日夜間急患診療所が閉まる直前に受診したことは人づてに聞いていたが・・・発熱はごく軽度、症状も腹痛ががまんできる程度。したがって採血や便培養は行わず、消化を助ける内服薬だけ処方して食事療法について説明した。
ナイジェリア人男性54歳、高血圧で通院していたが、半年前に母国に帰国していた。というわけで半年後を経て来院。ただし来院時間が昼休みに入った12時15分。新たにカルテを作成する必要もないので、そのまま受けて診察したが、僕のクリニックの診療時間等は知っているはず。スタッフには休む時間を十分に確保してあげたいので、このような受診行動は控えてほしいと話した。
タイ人男性35歳、いわゆる花粉症がひどいと来院。話し方や表現の仕方からカトゥイとわかる。症状から考えて、副腎皮質ホルモンであるセレスタミンも処方した。ただし、内服の仕方が難しい。万が一にでも副作用が出るようなことになってはいけないので、まずは調剤薬局に行って薬を持って戻ってきてもらい、診察室で薬を見ながら処方の仕方を説明することにした。薬を目の前にして説明し始めたのだが、「いつもはビラスチン20mgを就寝前に一錠」とここまではタイ語で説明できた。ところが「それでもどうしてもひどい時には追加でセレスタミンを一錠飲んでください。セレスタミンは毎日は内服しなくていいから」というフレーズをタイ語で説明し始めると・・・僕の発音が悪いのか、わかってもらえたようなもらえていないようなそんな感じで、まちがって内服されては困るので、一瞬、どうしたらよいのかと考え込んでしまった。もしやと思い、英語で話してみると英語で返事が返って来た。ほっとしてそれからは英語で説明。帰り際ににこにこした顔で椅子から立ち上がり、小さな声でかなりの早口でタイ語で僕になにかをささやいた。日本語訳は「先生、先生は花粉症ないの?」と。タイ語で「ありますよ、それもひどい」と笑い顔で返すと、笑いながら帰っていった。
2023年03月10日
令和5年3月10日金曜
posted by AMDA IMIC at 09:17
| TrackBack(0)
| (カテゴリーなし)