今からピークとたびたびテレビで報道される花粉症だが、僕も6年前より患者になってしまった。昨日は目がかゆいまではいかないが、変な感じ。発熱患者の診察に外に出るたびに診察室に戻るとくしゃみが出る。外国人患者は11人、うち8人にいわゆる花粉症の処方を行った。今や、フィリピン人もタイ人もベルー人もブラジル人もみな、「花粉症」という言葉を知っている。僕が診察したのは初診のフィリピン人女性二人、そしてタイ人女性63歳。
彼女はいつもの高血圧の診察の後に目がかゆい、涙が出る、鼻水が出るとタイ語で訴え始めた。彼女の日本語にはかなりの難点があり、こういう時、タイ語が理解できて本当によかったと思う。困ったことはというと彼女は「花粉症」という言葉は知っているのだが、それがアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎すなわちアレルギーという単語を使うと、怪訝な顔をすることだ。両者が同じものとは結び付かないのだと思う。目薬と内服薬を処方したが、アレルギーの薬という言い方をやめて、花粉症の薬と説明した。
ドミニカ人女性53歳初診。はじめは花粉症で診察を受けたいとフィリピン人スタッフに受付で話していたらしい。診察室で話を聞くと・・・次から次へと新たな症状を訴える。不眠症で寝られないのだという。2時間ほど寝ると目が覚め、トイレに頻回に行くとも言う。トイレに行きたいために目が覚めるのかと思い、質問したらそうではなさそうだった。またそのたびに尿量は多いのか少ないのか?と尋ねたところ、「多い」と言う。どうも質問が正確に理解できなかったのではないかと疑い、英語はできるかと尋ねると、できるという返事。ここから英語に切り替えたが、思ったように答えが返ってこない。再び、スペイン語に切り替えた。のどが渇くとも訴えるので、糖尿病の存在を疑って家族歴を訊ねると、兄弟は皆、糖尿病だと話してくれた。あわてて検尿を行ったが、尿糖はマイナスだった。とりあえず、ひどい糖尿病ではないということなのだろう。ここまで話すと、今度はカバンの中から茶色の封筒を取り出した。つい半年ほど前に廃業した市内の医療機関からの情報提供書だった。読むと高血圧で内服治療を行っていること、そして内服薬の内容が記載してあった。高血圧はどうするの?と尋ねると、今後は僕の診察を受けたいとのこと、血圧を測定すると164/102と内服しているにもかかわらず、かなりの高さだった。とりあえず、アレルギー性鼻炎と不眠症と高血圧の処方を行い、仕事の休みが月曜日だとのことなので、来週の月曜日に再度、食べずに診察に来てもらい、その間の自宅での血圧を教えてもらうとともに、採血を行って肝機能、腎機能、脂質代謝のほかに糖尿病のチェックを行うことにした。
2023年03月04日
令和5年3月4日土曜
posted by AMDA IMIC at 09:33
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