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2023年01月28日

令和5年1月28日土曜

27日金曜は平日で天気が悪いというのに外国人患者が多かった一日。
 タイ人女性63歳、日ごろ一番気にかかっている患者だ。日本人のご主人が一昨年に死去。身寄りがなく、日本語もうまく話せない。おまけに自分の思い込みがかなり激しいタイプ。数日前から軽度の発熱と咳が出ると来院。新型コロナの抗原検査とインフルエンザの検査を行ったが、両方とも陰性。クリニックの中に入ってきてもらって検査のキットを示しながら説明し、普通の風邪だろうと告げた。よかったよかったと喜んでくれたので症状に合わせた薬を処方しようとしたところ、「血圧も測って。いつもの血圧のお薬がもうないの」と言う。血圧はやや高め。いつものように降圧剤を処方した。気がついたらここまでタイ語でやりとりしていた。
 中国人男性64歳、3か月前にピロリ菌の一次除菌の結果を見るために呼気テストを行ったところ、陽性だった。直後に二次除菌療法を一週間施行。そして今回は二回目の呼気テストを数日前に行った。けっこう神経質な方で、2回目の呼気テストでまだ陽性ならどうするの?別の除菌療法はあるの?と心配で絶えないようす。陰性になっていた結果を伝えると、破顔一笑。喜んでくれた。
 都下の某市からやってきたタイ人女性41歳、小手術の予約となっていた人で、日本人のご主人といっしょにやってきた。左の上腕に避妊用皮下埋没型のプロゲステロンが入った合成樹脂の棒が二本埋め込まれているという。三人目のお子さんが欲しいので抜去してほしいとのことだったが・・・挿入されている部位を触ってみると、そんなに太っているという程の体形ではないのに、棒が触れにくい。おまけに脂肪組織がなにやら硬い。きっと挿入時に炎症が起こったのだろう。さらに二本の棒が少し離れて挿入されている。なんとか一つの創で摘出しようと局所に麻酔の注射を行い、皮膚切開。その下の脂肪組織をあけていくが、棒が見えないし、それらしいものも見えない。きっと脂肪組織にグルグル巻きにされているのだろうと推察。しばらく悪戦苦闘したが、案の定、脂肪組織にしつかりと巻き込まれた一本を発見、周りの組織からはがし、抜去しようとしても癒着が強くてなかなか抜けない。かなりの力を入れてようやく一本抜去。続けて同様な状態のもう一本を抜去した。一週間後に遠方から抜糸のために再来院というのも気の毒だし、自由診療となるので、この抜糸のために近くの医療機関に初診で行ってもらうというのも金銭的な負担を強いてしまう。そう考えて、シグマ針で創を寄せて、幅が狭いスリーMテープで止め、その上からアロンアルファを塗布して固定。直後にシグマ針で縫い寄せた糸の部分をカット。両側から抜去した。これで抜糸の必要もなくなり、術後感染さえなければ医療機関を受診する必要は一切ないはず。喜んで帰ってくれた。
 フィリピン人女性40歳、甲状腺機能亢進症があり、いいかげんな内服の仕方により、なかなかコントロールができない彼女。呼び出して血液検査の結果を告げ、僕にしてはかなり厳しく今後の内服の仕方について話した。ところが、僕の話に対する返事はなく、自分の妹が今日フィリピンに戻ってしまったこと、60日を過ぎて入管に在留期間延長が認められなかったことを延々と話し始めた。途中で彼女の話を遮り、そのことと治療がいい加減になっていることとどういう関係があるのか?と訊ねてみた。するとわかったことがひとつ。この妹が60日間日本に滞在できた理由は子育てとかそういうことが大変で親族がそばにいなければできないという理由でビザを申請していたことがわかった。彼女にしてみたら、病気がなかなかよくならないと僕に叱られているのに、肝心の身の回りの支度をしてくれる妹が帰国させられてしまったということらしい。しかし、彼女の子どもは二人。日本人のご主人もいるし、家もある。仕事をしているわけでもない。金銭的には全く困っていないし、こどももすでに5歳と2歳だ。これって親族を呼び寄せて、身の周りの面倒を見てもらわなければ大変な状況? 2人や3人のこどもを抱えて四苦八苦して面倒を見ている女性はやまほどいるだろう。内服は自分の意思で勝手にやめたりしているのに・・不正ではないもののかなりのグレーゾーンだろう。なんとも納得しがたい。
posted by AMDAcenter at 12:39 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)