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2023年01月27日

令和5年1月27日金曜

先月、脳出血で倒れたフィリピン人男性64歳、日本人の奥様と来院。見つかった脳動脈瘤について治療を受けるべきか、このまま放置するかと悩んでいたが・・・周囲の勧めもあってこのままにはせず、手術を含めた治療を受ける決心がついたとのことだった。前回、入院した病院には脳外科医が週に3回しかいないので、手術を含めた治療を受ける医療機関を患者側で探してほしいと言われたと話してくれたので、彼の住まいからそう遠くはない大学病院を含め、2つの医療機関に訊ねてみてはと提案した。10年以上にわたり、甲状腺機能亢進症の内服治療を受けたり、自分で勝手にやめてしまったりしているフィリピン人女性。今月から再び甲状腺機能亢進症と思われる症状が出現、チアマゾールを開始したが、2週間内服して採血した結果が昨日戻ってきた。驚いたことにチアマゾールを投与する前よりデータが悪くなっていた。チアマゾールの内服量が足りないのだろう。一度、コントロールできなくなると、コントロールできるまでに時間がかかって大変だよとあれほどいつも話しているのに・・・なんと言っていいのかわからない気持ち。
 うれしいこともあった。午後になり日本人の若い女性来院。消化管の問題とのことだったが、苗字を見てピーンと来た。名前を呼ぶと案の定、母親がいっしょに入ってきた。彼女の母親と父親はともに潮州系すなわち中国系のカンボジア国籍の方で、38年前ごろ、インドシナ難民としてそれぞれ一家で日本に定住目的で入国。大和市内に存在していたインドシナ難民大和定住促進センターに入所していた。両家族のメンバー数人との付き合いはそのころからだ。彼らが結婚してお子さんが生まれて・・・日本社会に身一つでいわば逃げて来てから今に至るまでずっと見ていた僕はきっと生き証人だ。日本に帰化し、必死に働いてこどもたちを大学まで育て上げ、国家試験に合格して安定した生活が送れるようになった彼らを見ているとすでにインドシナ難民という言葉はふさわしくないだろう。
posted by AMDAcenter at 08:17 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)