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2022年05月12日

令和4年5月12日木曜

昨日、都内で長く日本に住んでいらっしゃるウクライナ人の方とお話しする機会があった。日本語もほぼ我々と同じ、日本の文化や考え方については熟知、話しているうちに医療に関する各種制度についても一般の日本人とほぼ同じ知識を持っていらっしゃると気がついた。このように日本の医療制度についておよそであっても正確な知識を持っていらっしゃる方と話し合える意義は大きい。誤解の上での意見があまりないからだ。もちろん話し合ったのは日本に現在、避難している800人を超えるといわれるウクライナの方々の健康問題だ。精神的な医療も必要かもしれないが、精神科の診療や心療内科の治療に通訳者に入っていただくことはなかなか難しい。翻訳そのものが難しいのと通訳者が入ると受診した側が本当のことを言わなくなる可能性があるからだ。成人に関していえば度重なるストレスから血圧が上昇している方や消化器系の症状を訴える人もいることだろう。彼らに対する医療体制をしっかりと構築する必要があろう。
 現在、避難民の方々は来日直後は観光客と同じ短期滞在ビザでやってくるはずで、したがって日本の公的保険に加入する資格はない。この時点で医療機関を受診すると自費診療となってしまい、高額な医療費を請求されることになる。まずはこの「短期滞在」での医療をどのように保障するかが問題だ。
 つぎに日本にさらに長期に滞在を希望する方は1年間在留できる特別在留資格が与えられると聞いている。数週間前にテレビで報道された内容では当時約700人の避難民の方々が日本国内にいて、特別在留資格に切り替えた方は約200人にとどまっているとのことだった。早く故国に帰りたいという気持ちから手続きを進めない方が多いのかもしれない。しかし、現在のウクライナでの戦争の状況を見れば、日本在留が3か月で済むとは思えない。いずれ、手続きをする人は増えることだろう。この特別在留資格をもらうと住民基本台帳にも登録されることになり、結果として我が国の公的医療保険への加入も義務となる。仕事を見つけた方の中には事業所の健康保険に加入する方もいるだろうし、パートタイマーで健康保険への加入要綱を満たさない方や仕事が見つからない方は国民健康保険に加入することになる。前者ではそれなりの給与を得られるであろうから医療費に関する問題は比較的発生しにくいであろうが、後者の国民健康保険に加入する人々については医療費の3割負担はかなりの負担となり、定期的な通院をためらう人もいることだろう。すなわちある程度、収入が安定するまでは国民健康保険加入者の自己負担分をどのようにするかが問題だろう。なお、国民健康保険の掛け金については前前年度の収入を基に計算した次年度の税額から計算されるので、今年度、来年度は収入に関係なく、一番低いカテゴリーの掛け金を支払えばよいことになり、国民健康保険の掛け金が支払えないという事態は今後2年以内は発生しないということになるので、検討の必要は今はないと思う。
 我が国はウクライナやヨーロッパから遠く離れた国であるにもかかわらず、800人近いウクライナの避難民の方々を受け入れている。ポーランドから週一便、成田に到着するLOT航空の席の一部を政府が借り上げ、日本に避難を希望する人たちを受け入れている。ここまで政府が関与してウクライナの人々を緊急的に国内に受け入れるということであるなら、受け入れた後の生活をどのようにするかまで支援をすべきだろう。そこまで考えないと、将来、ウクライナに帰国した人たちを通じて、ウクライナの人たちの間に日本に対する悪い感情を醸成してしまう可能性さえある。民間の企業や個人での支援には限界があるのだ。現時点で政府がチャーターした座席で日本にやってきたものの身元引受人が見つからず、一時避難のホテルで生活している人がまだ20人ほどいるとの報道も聞いた。これではいけないと思う。
posted by AMDAcenter at 09:45 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)