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2022年01月11日

令和4年1月11日火曜

1月8日は新年になって最初の土曜日、外国人患者も24人と多かった。タイ人患者のおばちゃんが「クンモウ、サバイディビーマイカー」と大きな袋を抱えて診察室に入ってきた。血圧を計測しようとマンシェットを彼女の腕に巻こうとするが・・・袋の中のものを取り出すことで頭がいっぱいなようで・・・袋から出てきたのは大きな春巻きたくさん、半分はすでに調理されており、半分は家庭で揚げるようになっていた。さらに名前のわからないタイ料理がたくさん。ちょうど小腹がすいていたので、診察中に少しいただいてしまった。そういえば日本人の患者さんに年末にインスタントうどんとそばを計7箱、年始に辛いのとシーフードカップヌードルを計10箱いただいた。各々の箱の中に20個ぐらい入っており、単純計算すると340個ぐらいある。雪が降ってクリニックから帰れなくなってもだいじょうぶそうだ。インド人の長年の患者からお願いされたことがひとつあり、僕の頭痛の種となっている。
日本渡航医学会のメイリングリストには中国大使館から中国渡航のPCR検査と英文書類の作成医療機関に指定された先生方の悲鳴に近いメールがあふれている。このあたり、あまり深入りすると政治的発言になりかねないので、慎重にお話しすると・・・中国入国のためのPCR検査とIgM抗体検査が、PCR検査が二回になるなどさらに厳しくなり、指定医療機関でも対応が困難なところが多くなり、渡航者の経済的負担も多くなり、とどのつまりはオリンピックを控え、コロナゼロを目指しているとしか取れない規制を行っている同国では、実質、入国させないような方向に向かっているのではないかということであった。
 我が国の新規感染者は昨日が8000人を少し超えたぐらいで、連日、倍々と増えてきた新規感染者数も少し勢いが止まってきたのかと思う。専門家会議は感情的にではなく、医学的にこのオミクロンを中心とした波がどれぐらい危険性があるのかをきちんと国民に説明すべきだろう。昨日の時点では重症者はいまだに100人以下、昨日の死亡者数は1人だった。このデーターに則した対応をすべきだ。昨年のデルタ株の時と同様の対応策を取るなら、今の沖縄のように医療従事者の中に濃厚接触者と認定され、自宅待機となっている者が400人以上となり、医療機関の中には通常診療ができなくなっているところも多々あるという。こういうことが日本中に広がりかねない。会社でも同じことが言えるだろう。もっと大きく言えば、社会そのものが麻痺してしまう。再度、繰り返すが、現在のオミクロンを中心とした波では感染の広がりは早いが、重症者、死者は明らかに昨年の波の時よりかなり少ない。この点を専門家会議は政府に答申すべきだし、政府はこの答申の内容を吟味して、過去の新型コロナに対する対応をこのまま続けて行ってよいのか、あるいは新たに現状に則した指標を作り、実行すべきか至急、検討すべきだろう。専門家や専門家会議の発言に対する不信、不満の声はインターネットを見ているとかなりの人たちが抱いていると思う。それは明らかに新型コロナの「質」が変わってきているのに、波が来るたびに同じことを繰り返し、述べているからではないかと思う。もう、ゼロコロナはあり得ないし、封じ込めもできないだろう。そんなに病原性が強くないのだとしたら、すぐにでもwith コロナに方針転換すべきだし、そのためには五類感染症への変更が必須だ。巷の人々は生活を賭けて戦い、医療従事者は感染の危険の中で戦っている。新たな道を踏み出す勇気のない専門家と専門家会議、政治家と官僚はこんな状況にあってはマイナス因子でしかなくなってしまう。ここが欧米と日本の大きな違いだ。いや、大きな「差」というべきだろう。
posted by AMDA IMIC at 09:26 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)