一昨日、フィリピン人スタッフが受話器を持ったまま、やってきた。近くの米軍キャンプの中にいるという女性が、健診をしてほしいと話しているのこと。しばらく病院を受診していないので心配で、できる検査はしてほしいと話しているという。特定健診なみの検査を行えば2万円近くかかるよと話してもらったが、それでもいいという返事。来てもらってかまわないが来るときには「空腹時」で来てねと伝えてもらった。そして昨日の午後一番に本人らしい米国人女性44歳がやってきた。検査の前にまずは話をさせてもらったところ、「健診」ではなく、みぞおちと背中がとくに食後に痛く、さらに父方の親戚に糖尿病が多く、心配をしていることがわかった。有症状なのであって「健診」ではない。この方は採血、検尿し、内視鏡検査の予定を組み、それまでの内服薬を処方した。
外国人の場合、「体を診てほしい」とか「ヘルスチェックアップをしてほしい」と訴えるので、中長期の滞在者で住民基本台帳に掲載があって我が国の公的保険に加入している場合は保険診療できず、自費診療になると医療者側が勘違いしやすい。僕の経験ではそういう方に直接、診察室で話を聞くと、ほぼ100%、医療機関をわざわざ受診して検査をしてほしいと思うなんらかの症状がある。だから何よりも診療に入る前の問診が大切だ。この方の場合はもともとが米軍関係者なので、何年、日本に在留しようと住民基本台帳に掲載されることはなく、すなわち日本の公的保険に加入することはできず、結果的に症状があろうがなかろうが自費診療ではあるが・・・
僕のクリニックの近くには米軍キャンプが3つある。最近、気がつくことはやってくる軍属や家族が明らかに増えていて、なおかつ3つのキャンプから万遍なくやってくるということだ。
2021年10月30日
令和3年10月30日土曜
posted by AMDA IMIC at 09:40
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