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2021年10月16日

令和3年10月16日土曜

午後になって、立て続けに近くの米軍基地から二人、来院あり。お一人は高血圧に糖尿病、この方は拝見した。もうひとり、20台とおぼしき女性は拝見しなかった。拝見しなかった理由だが・・・午後3時頃になり、近くの米軍キャンプの人から電話があり、新型コロナの予防接種が打てないという証明書を書いてほしいと言っているが、どうしましょうとフィリピン人スタッフが受話器を持って診察中の部屋に入ってきた。診察の手を休めて、初めての人について書いてほしいと言われても、たとえ理由があったとしてもその理由がまちがいがないかどうかわからないからこちらでは書けない、米軍キャンプの中にも診療所があるはずなので、そちらで書いてもらってほしいと話した。それから1時間もしないうちに再びフィリピン人スタッフがやってきて電話の主がクリニックに来てしまっているという。フィリピン人スタッフから米軍基地内の診療所で診てもらうようにと伝えてもらった。すると彼女がなにやら書類を手にして帰ってきた。どうしても書類だけでも見てほしいと診察室に入りそうな勢いだという。その書類に目を通して事情が理解できた。英文をあせりながら読んだところ、それはこの女性が就職しようとしている会社からのものであった。日本の会社ではない。この会社に勤務しようとする者は新型コロナのワクチン接種を2回受けなければならない、ただし、正当な理由がある者は免除すると記載があり、正当な理由がある場合とはどういう場合かについても米国CDCの基準が載っていた。持ってきた女性は自分はアレルギーがあり、またメンタルコントロールのための薬を内服しているというようなことを言っているという。それが本当かどうか、そのアレルギーと新型コロナの予防接種とがどういう関係になるのか、この場で判断しろと言われてもそれはできない。やはり米国の基準に詳しい米軍基地内の診療所で書いてもらうべきと判断してフィリピン人スタッフから話してもらった。その後、しばらくクリニックの玄関近くにいて泣いていたそうだ。かわいそうにも思わないことはないが、責任が取れないことを感情に任せて書くことはできない。帰り際に本人は米軍属ではないので米軍キャンプ内の診療所では診てもらえないと発言したそうだが・・・米軍属の家族も診てもらえるはずだし、もしかして米軍基地の中に住んでいないのかとも思ったが、彼女が持参した紙には米軍基地内の診療所が配布したらしい、周囲で診てもらえる日本の医療機関の名前と連絡先が書いてあり、見ると真っ先に僕のクリニックについての記載があった。
posted by AMDA IMIC at 10:41 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)