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2021年06月01日

令和3年6月1日火曜

フィリピン人男性25歳、29日の土曜日に足が痛いとひきずりながら来院。ちょうどアキレス腱の上部、整形外科の分野かとも疑ったが・・・・1カ月前には反対側の足が痛かったと言うので、どこ?と訊ねたら親指の付け根部分。その時には整形外科で鎮痛剤をもらって落ち着いたとお薬手帳を見せてくれた。年齢的に若いが怪しい。何が怪しいかというと2回とも痛風発作の好発部位だ。血中尿酸の採血を行い、コルヒチンを1週間だけ処方してみた。もし痛風でなければコルヒチンの内服は全く効果がないはずだ。昨日の昼に届いた結果は尿酸値が8.0。正常範囲が7.0だから相当に高値だ。でもこれだけでは痛風とは断言できない。すると午後になって本人が会社宛ての診断書が欲しいとやってきた。すでに歩行は改善されており、聞けば疼痛もかなり軽減したとのこと。これで痛風はまちがいないと確信した。ペル―人男性、一週間ほど前に発熱で受診、新型コロナのPCR検査を行い、結果は陰性、その後、すぐに解熱した。やってきた理由は診断書が欲しいからだと受付スタッフが教えてくれた。会社宛てのPCR検査が陰性だという診断書を書き、クリニックの外で待っている彼に診断書の内容を話した。すると「インフルエンザが・・・・」と言う。後のほうは聞き取れなかったが、受診時にはインフルエンザの検査はしておらず、そのような症状でもなかった。彼が帰ってからしばらくして彼が勤務している会社の人から電話が来ているが・・・と看護師が教えてくれた。内容を聞くように指示、すると本人がコロナじゃなくてインフルエンザだったと話して、仕事を長期に休んでいて会社が不審に思い、診断書の提出を求めたことが判明。彼が言いたかったことは「コロナじゃないけどインフルエンザだった」と診断書に書いてほしかったのだとようやくわかった。診断書が万能と信じる人たちは時にして医師に診断書に虚偽の記載をすることを求める。診断書がなければ会社を首になるとか、涙に訴えたりあの手この手で迫って来る。しかし、どんな理由があろうと虚偽記載はこの国ではできないし、医の倫理からしてしてはならないということをはっきりとわかってもらわねばならない。ネパール人女性29歳、左の上腕の皮下に埋め込まれた避妊チューブの抜去のために県内の遠方から来院。触診で2本挿入されていることがわかったので、扇の要の部分に局所麻酔、皮膚切開は約5ミリ、摘出に5分。一週間後に抜糸に来るのも大変だろうし、住まいの近くで抜糸してくれる医療機関を探して自費で受けるのも大変だろうと思い、縫合せずにテープでとめてさらにアロンαで留めた。
posted by AMDA IMIC at 08:53 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)