2021年04月15日
令和3年4月15日木曜
米軍基地からやってきた男性、高脂血症のチェックほか。もうひとり、男性がいっしょにやってきたが、「待てない」と帰ってしまった。大和市は厚木のベースや座間のベースからも近く、過去にも米軍関係者を33人拝見している。日本に住んでいても米軍関係者や外交官とその家族は治外法権、外交官特権を持っているが、それゆえに住民基本台帳に掲載されることはない。それは日本の公的保険に加入できないことを意味している。とくに米軍関係者は横須賀に米軍病院があり、厚木ベースや座間ベースの診療施設で手に負えない疾患は専用のバスで米軍病院に診察に行くはずなのだが・・・自費になってしまうのにベースの周囲の私のクリニック等にやってくる理由がよくわからない。彼らの多くは米国の民間保険に加入しており、診療終了後にこちらで用意した英文フォームに受診した疾患または症状と支払った費用の内訳などを記載して、窓口で費用を支払ったときに現金と交換に手渡してあげる。すると患者はそれを自分の保険会社に提出、保険会社から後日、患者の銀行口座に同額が支払われるという仕組みになっている。患者が一時的に立て替えていると考えるとわかりやすい。それでも自費診療についての情報・・とくに医療機関での自費診療が保険診療の何割に値するとか、そういう情報は患者へのインフォームド・コンセントとして実践すべきだろう。いや、しなければいけない。これは日本人患者を対象にしたときも同じことなのだが、なかなかできないというのはどういうことだろう。その医療機関における自費診療が高いなら患者は当然のことながら受診をためらうだろう。もっと安いところがないだろうかと探すのは人間の常だ。こういう事情があって医療界全体が自費診療についての情報公開をしなくていいような空気に包まれているような気がしてならない。実際に都内である現実だが、駅を降りて右に歩いた某病院は自費診療が保険診療の10割、左に歩いた某センターでは15割だ。あまりお金に余裕がない患者なら右に行けば支払えても、左に行ったら支払えないということになるかもしれない。たかが5割の違いと言っても、右に入院して200万なら、左に入院したら300万円ということになる。しかも救急車で運ばれた場合、救急隊はそんなことは気にしてくれない。こうした結果、未納額が発生したとすると、その責任は外国人患者にあると言えるだろうか。今、日本国内で医療費を未納して故国に帰ってしまった外国人の再入国を許可しないようにするという方向で政府、厚労省は考えているらしい。医療機関が経営リスクを抱えないためにも僕もやむをえない措置なのだろうと思うが、そうであれば、公的保険を持たない患者が費用についても医療機関を選べるように自費診療についての情報を全医療機関について公表すべきだと思う。
posted by AMDA IMIC at 08:54
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