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2021年01月30日

令和3年1月30日土曜

昨日、海外渡航するための英文書類作成のために必要とされているPCR検査を受けて、陽性と判定されるケースが少なからずあると書いたばかりなのだが・・28日木曜日の午後に友人とやってきた米国人女性40歳、29日の早朝に判明した検査結果は陽性だった。慌てて連絡をしようとカルテを見たところ、見慣れぬタイプの携帯電話番号が書いてあった。たぶん、米国の国番号から書かれたものと判断した。スタッフには事情を話して、本人が現れたらクリニックの中に入らぬよう、見つけ次第、スタッフがドアの外に出て行って僕が説明に行くまで待つように話してもらうことにした。現れたのは11時近く、笑顔でやってきた。フィリピン人スタッフが外に出て行って、彼女に外で待機をするように話してくれた。すぐに彼女のところに行き、検査会社の結果速報がプリントされたファックス用紙を示し、結果が陽性であるので飛行機には乗れないことを伝えた。すると相当に動揺したようで、自分のスマホを取り出し、どこかに連絡しようとしているのだが、指先が震えてうまく操作ができない。まずは飛行機会社に連絡をして明日の便をキャンセルするように指示、無症状なので薬は必要なく、自宅待機するように指示、僕が書いた発生届を地域の保健福祉事務所にファックスで送付するので、連絡を待つように指示、次に検査を受けるべき時期は3週間後、2週間程度では再びPCR検査が陽性に出てしまう可能性が高く、費用に無駄になりかねないと説明した。日本で使っている携帯電話番号を尋ねたところ、日本の携帯電話番号は持っていないとのこと、やむを得ず、発生届の連絡先には彼女の米国の携帯番号を記載し、その旨も追記しておいた。また、彼女の回り、とくに同居している人については感染している可能性があり、保険診療で2000円程度の自己負担でPCR検査を受けることができるので、関係者に伝えてくれるように頼んだ。彼女からは重大な質問が二つ。3週間後では日本滞在の在留資格が切れてしまうと。入管にすぐに電話するように伝えた。自宅待機の彼女自身が入管に出向くことは不可能なので、電話で話し、僕のクリニックで検査を受けたことも伝えるように話した。入管で不振に思ったら、僕に連絡があるだろう。次の質問には驚いた。数日前に自分でPCR検査を受けたが、結果は陰性だったのに、なぜ今回は陽性だったのかという質問だ。解釈は2つ、この数日の間に感染したか、あるいは初めに受けた「自分で受けた」というPCR検査が偽陰性であったのか・・ことだ。市中で安価に行われているPCR検査の特徴なのか、そこはわからないがこういうことがあるのだなと胸に刻んでおいた。思い出したのは3週間ほど前にペルーに行くという日本人の女性のこと。診察室でスマホを取り出し、数日前に受けた市中の唾液採取によるPCR検査の結果が陰性であるという報告を見せてくれ、「搭乗までに時間がない、これで英文の書類を書いてくれ」と強く迫って来た件であった。同じPCR検査でもreal time PCRという方法でなければまちがいなく搭乗できないこと、全ての国で鼻咽頭から検体を採取しての検査が必要とされ、例外的に唾液による検査でもよいという国がある現状、すなわちさらに搭乗できない可能性が高く、なにより自分の医療機関で行ったわけではない、時間的にも「以前」の検査結果を基に英文書類を作成することはできないことを伝えると、「もういいです。ほかにあてがあるからそちらに行きます」と席を立って診察室から出て行ってしまった。あの時、妙な仏心を出して妥協しなくて本当によかったと思った。
posted by AMDAcenter at 10:17 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)