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2020年10月02日

令和2年10月2日金曜

ベトナム人男性23歳、腹痛、吐き気で来院、日本語がおぼつかない。年齢と日本語能力から僕のクリニックにたくさんやってくるインドシナ難民として定住を許可されたベトナム人ではなく、技能実習生や研修生として最近やってきたベトナム人と思ったが・・・言葉がうまく通じないので、35年前、難民事業本部が作成したベトナム語医療用語集という本をひっぱりだして来ての診察となった。腹痛は胃のあたり、吐きはしなかったという。便は下痢ではないとのこと。消化管疾患、それも胃腸炎に近いのではないかと推察し、まずは様子をみようと処方した。その直後、同じくベトナム人男性47歳、いつも拝見しているベトナム人老夫婦の息子さんが来院。彼のほうが数段、日本語力は上。同じように中腹部痛に嘔吐、同じように便の性状は下痢ではないと言う。急性虫垂炎を否定するために採血をしてみたが白血球数は正常、CRPも正常、やはりウィルス性の感染症かと思った。ベトナム人が多いある職場でウィルス性の胃腸炎が発生したのかと思い、彼に直前にベトナム人の若い男性がやってきたが、知り合いか?と尋ねたところ、「ああ、やっぱりベトナム人か、診たことない顔だよ」と言われた。こういうときが難しい。もしも、若者がベトナムからやってきた研修生や技能実習生なら現在のベトナム政府の許可のもとにやってきた人たちの一人であり、かたや、後からやってきたベトナム人男性は共産主義である現政権を嫌って国を捨てて難民となった人たちのひとりだ。通訳を頼むなど二人を引き合わせると二人がどのように反応するかわからないし、とくに若者が帰国した後に政権からとがめられるようなことになってもいけないし。いや、日本にいる間も仲間からどのように言われるかもしれないし。そう、考えて、まだ院内にいるかもしれない若者にもう少し説明をするために彼を引き合わせるのはやめた。
posted by AMDAcenter at 10:09 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)