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2020年09月26日

令和2年9月26日土曜

北隣のS市から始めてやってきたアメリカ人女性26歳、昼休みの時間に入った12時直後にクリニックに入って来た。午前中の診察を終えた人がまだ会計を待っていたので、ドアを閉めることができなかったからなのだが、腹痛で相当、痛がっているという話だったのでそのまま昼休みを削って診察することにした。数日前から右の下腹痛があり、今日になり痛みが強くなってきたとのこと、もしかして急性虫垂炎か?と思ったので、そうなら待たせてはまずいと判断したからだ。名前を呼ぶと、普通に歩いて笑顔で診察室に入って来た。これだけでもう急性虫垂炎はないなと直感した。触診の前に話を聞いたし、訊ねてみた。痛みには波があるという。すると尿管結石や卵巣の軸捻転も頭に入れておかねばならなくなる。そして、いつもは2日に一回しか便が出ないのに、朝から下痢をしてもう3回トイレに通っていると教えてくれた。急性感染性腸炎の可能性もあるということだ。過去にはこのようなことはなかったとも話してくれた。検尿では潜血反応は陰性、これだけの痛みがあるなら尿管結石なら潜血反応は陽性なはず。ここで尿管結石は否定。ベッドに寝てもらって右下腹部を触ろうとすると、僕の手を払いのけるほどではないが、手を抑えようとする。痛みが強いということなのだろう。念のため、白血球数、CRPをチェックしてみると・・・白血球数は3400 、CRPは0.15、まるで正常範囲。ここで細菌による感染性疾患も否定。それにしても痛みに対する閾値が低いのか、ベッドから起き上がるときも腹圧をかけて「普通に」起き上がる。やはり腹膜炎はありえないだろう。症状を再度考えてみると・・下痢をしているというのは明らかに消化管下部の症状だ。いつもは週3回の排便すなわち便秘気味な人が下痢をするということは「普通に」毎日排便する人なら、水様便に値するようなものだ。最終的にはウィルス性の急性感染性腸炎を考えて、処方した。彼女には医師は魔術師ではないので、初めからストレートに正確な診断にたどり着けないこともある、だからこれでさらに具合が悪い場合は必ず教えてほしいと頼んでおいた。しばらくぼーとしていてスタッフに言われて気がついた。昼休みに2軒、往診に行く約束をしていたのだ。これから行きますとスタッフから先方に電話を入れてもらい、無事に戻って来たらもう1時半。今、71歳、いつまでこんなハードスケジュールで働けることか。
posted by AMDAcenter at 08:12 | TrackBack(0) | (カテゴリーなし)